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第六章 加速する愛

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「凛くん!! やっと起きてくれたんか!! ルシアン!! 凛くん起きたで!!」


「凛!! 心配したんやで!! あいつ等、相当やばいもんらしいから、凛がもう目覚めんのかと思って焦ったわ」 


 へ?? いや、見れば分かるけど……そんなにやばいの?? というか、俺どのくらい寝てたんだ?? そして、なんでこんな所に居る!!


「取り敢えず、なんで俺はここに?? というか、何日寝てたの?? 全然理解が追いつかない」


 すると、母様が俺の目の前に現れて、だいぶ心配だったのか、いきなり抱きしめられた。


「良かった……俺が頼んだせいで、リンがもう目を覚さないかと……本当に良かった。それと、ありがとう。あの子達は、リンが頑張ってくれたお陰で、この世界には欠かせない子になった。全く可愛くないけどな」


「それは分かるわ。ほんまに可愛げないんよ。スイセンにもあんなやしな」


「凛が寝とるからやろうけど、好き勝手しよって……一回鎌で切ってやったら、俺等には逆らってこんようになったけどな」


 え……切ったの!? でも、ピンピンしてるみたいだけど……ん?? 違うな。なんか欠けてる気がする。


『兄様、嫌い!!』


 スイセンがなんで居るのかとか、いろいろ聞きたい事が多すぎるんだけど……取り敢えず、さっきから何を喧嘩してるんだ。


「相変わらず、うるさい奴等だね。アレはリンじゃないと無理だな。取り敢えず、洸とゼルの子が不死鳥で、愁とゼンの方がセイレーンだ。まずあの声をどうにかして。天界まで響いてうるさい。終わったらスイセンと一緒に天界に連れてきて」


 母様は本当に嫌なのか、すぐに居なくなってしまい、ゼンが俺を抱えてゼルと一緒に下に降りた。


「凛くん!!」


「凛!!」


 愁と洸が子ども達を放り投げて、俺にキスしてくると、次はスイセンが俺のところに来て擦り寄ってくる。他にもリュカやカイやレイなど、配下の子達も俺の所へ来て、子ども達を放って俺に集まってきた。


『みんな嫌い!!』


 確かにうるさいな。頭に響く。


「うるさいよ。カカ様はうるさいのが嫌いなんだ。大人しくしなよ」


 おー、スイセンがお兄ちゃんらしくなって……ん?? スイセンからユラの気配がする。


「スイセン、ユラと番ったの??」


「う、うん。カカ様に黙って番ったの。ごめんなさい。でも、ちゃんとユラは僕が守るよ」


「おめでとう!! 良かった、ちゃんと番えたんだね。ゼン、ゼル、スイセンのお祝いは?? 一回家に帰ってもいいよね??」


「ええんやない?? なんだかんだ結構こっちに居るし、そろそろあっちにも帰らんと、あっちでも俺等の役目はあるしな。愁、どうや??」


「凛くんがやっと起きたのに……もう帰るのか」


 愁は残念そうにしながらも、俺達を帰してくれようとしていて、ゼルと洸は子ども達を連れて来ると、俺の前に座らせる。しかし、そのゼルと洸の顔はかなり怒っていて、周りも相当怒っている様子だった。


「愁、また来るから、この家を守ってくれる??」


「分かった。ちゃんと守って……」


『カカ様なんて、居なくなればいいんだ!!』


 あー、うるさいな。本当に俺達の子か?? あんなに頑張ったのに……まあ、仕方ないか。


「お前等、ええ加減にせぇや!! 何が不満なんや!? 凛が起きんかったからか!? それとも、凛が真名をつけんかったからか!? 生まれてすぐに、凛を見てお前等が何言ったんか、忘れたとは言わせんからな」


『こんな淫乱な親……ッ!!』


 二人が俺を淫乱呼ばわりすると、ゼンとゼルが殺気を纏って、鎌を二人の首にやり、洸と愁は無表情で二人を見ていた。


 そういう事か。そりゃ、みんな怒るよ。馬鹿じゃないのか?? でもまあ、確かにこれは俺じゃないと無理だな。この二人……俺のこと本気で好きなんだろうな。だから尚更、みんなを怒らせるんだよ。


『か……カカ様ああぁ……ぅわあああん』


 こういう時ばっかり、俺に泣きつくのか。さっきも俺のこと呼んでたし……さて、どうしたものか。確かにうるさいんだけど、自分の子だからか、あんまり不快には感じないんだよな。


 ゼンとゼル以外は、みんな少し俺から離れると、俺がどうするのか静かに見守ってくれるが、二人が泣き止むのを待つだけの俺を見て、ゼンとゼル以外は更に距離を取って、洸と愁とスイセンは焦りだし、リュカとカイとレイは寛ぎ始め、他は全員震えている様子だった。


「か、か……カカ、様……ふぇ……」


「あ……ご、ごめ……ごめんな……ふぇ……こ、こわ、い」


 やっと泣き止んだ。やっぱり獣じゃないから、勘が鈍いのかな?? 


「なんで謝ってるの??」


「ゲッカが……みんなに、迷惑かけた」


「カンザシも……迷惑かけた」


 んー、俺は仮名も真名も知らないから、どっちがどっちなのか分からないけど、多分自分のことを言ってるんだよね??


「火ぃ纏って、背中にクリーム色のちっこい翼があるんが、ゲッカで俺と洸の子やな。真名は後で教えたるわ」


「そんで、水纏っとる薄いピンクの髪の方が、カンザシな。俺と愁の子や」


 顔はどっちも、洸と愁に似てるのか。性格は……まだ分からないけど、なんとなく性格も、洸と愁に似てそうだな。










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