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第三章 大事な繋がり
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しおりを挟むそして引っ越し当日だが、タワーマンションとは違い、俺はいかにも高級マンションですといった、お洒落な建物の前に居る。
「ゼルにはこの鍵渡しとくな。ここの入り口と、エレベーター、あとは部屋の前で、この鍵かざすだけや」
なにそのセキュリティ。そこまで厳重なのに警備員も居るし、なんかお洒落なホテル感が凄いし。
「ここ誰かとすれ違う事あるん??」
「あんまないな。ここに住めるくらいには、みんな忙しいやろうし」
「そんならええか」
そして俺は、ゼンに抱えられた状態で部屋まで行くと、中はかなりの広さがあり、うっすらゼンの匂いがする。
「ゼンの匂いだ」
「おっ、やっと反応したな。ずっと喋らんから、どうしたんかと思ったわ」
俺はゼンに下ろされて、いろいろと場所の説明をされる。雰囲気は落ち着いているが、どうしても気になるのは、リビング全体に広がる大きい窓。
「これ外から見える??」
「気になるん?? 大丈夫やで、それ外からは絶対に見えんし、それでも気になるんなら、ブランインド閉め切っとってもええよ」
「見えないなら大丈夫だよ。日当たりいい方が好き」
「ならそろそろ、凛くんが落ち着ける場所作らんとな」
「せやな。やっぱ寝室は落ち着けるようにしとかんと」
俺はゼンに抱えられると、寝室に連れて行かれて、ベッドに下ろされる。
「凛くんの巣、はよ作ったげるからな」
俺はゼンに服を脱がされながら、ゼルに深くキスをされ、二人にお腹をグッと押される。
「ゼル、一回だけやで。タイミング合わせろよ」
「分かっとるわ。凛、苦しいやろうけど、頑張ってな」
頑張る……苦しいし、腰引かれると痛いけど。
指を入れられて、お腹がムズムズしてくると、だんだん水っぽい音がしてくる。そして、それはそろそろだという合図で、ゼンの上に乗せられると、二人同時に中へ入ってくるが、俺の感覚では別々の場所に入っている感覚で、もう抜けそうにない。
「んンッ……はぁ、アッ……」
「入ったな。凛くん、こっから頑張ってな」
「俺も、なるべく痛くないよう頑張るわ」
そこから動きだす二人は、奥にあてるように突いてきて、どんどん激しく早くなってくる。
苦しッ……けどあんまり痛くない。ゼンも余裕ない顔してるのに……あぁ、この顔好き。
俺は自分からゼンにキスすると、ゼンは俺の頭を押さえ込んで、舌を絡めたり上顎をなぞられたりする。そして後ろでは背中を噛むゼル。それと同時に俺のお腹が熱くなり、ムズムズしてもっと欲しいと、身体が二人を離さないようにするものの、ズルッと二人同時に抜かれてしまう。
「もっと……」
「アカン!! ゼル、腹ん中落ち着くまで、凛くんの口押さえといてや。風呂掃除せないけんかったの忘れとったわ」
「凛、落ち着くまで待っとってや。その後はいつも通り抱いたるから」
俺はゼルに口を塞がれ、酸欠になるほどキスされると、クラクラした状態でゼルに押し倒される。
「凛、酸欠か?? まだこれからなんやけどなあ」
「アホ、やりすぎや。凛くん水飲むか??」
ゼンが来た事は分かるが、頭が働かずにグッタリしていると、ゼンが口移しでゆっくり水を飲ませてくれる。
「凛くん、そろそろ抱いてもええ?? 二日間もしとらんから、結構我慢の限界なんよ」
「凛が限界まで乱れとるとこ、久しぶりに見たいわ」
そう言いながら、二人で俺の中へ入ってくると、さっきとはまた違う刺激で、身体中がピリピリとする。
「んアッ……ピリピリ、する」
「入れただけやのに、イったんか?? 凛くん、まだこれからやで」
「プルプルしとるの、相変わらずかわええな」
あ……これダメだ。なんかいつもより刺激が……意識飛びそう。
感じすぎる俺の中へ、容赦なく出入りする二人は、どちらも余裕がないのか、俺の身体を抑えつける力が強くて、皮膚に爪が食い込むほどだ。
その後も、交互に抱かれては中に出され、溢れているのが勿体ないと感じてしまう。これも子作りを始めた影響なんだろう。そして、ゼンが俺の中に入っている時、いつものようにかなり奥まで入ってきていて、俺はゼルに支えられている状態で、ゼンに下からお腹を突き上げられると、お腹がムズムズし始めて咄嗟にお腹を押さえた。
「ッ!? ちょ、待て待て!! 俺呼んどらんで!!」
「何したんや。叫んどらんで、さっさと変わってや」
うそ……はいっちゃった。なんで??
「凛くん、腹!! 腹押さえながら、何考えとったん!?」
「ンう……もったいない……そしたら、ムズムズして」
「まさか、兄貴のやつ下りてきてもうたんか??」
「そのまさかや。凛くん、この手は拘束しとこな」
俺はゼンに押し倒されると、両手を上に押さえつけられ、ゼンが食いつくように唇を奪うと、そのままの状態で俺の意識を飛ばす勢いで、激しく奥を突かれる。
「凛くん、おやすみ」
俺がなかなか意識を飛ばさなかったからか、中に出されると、そこで強制的に寝かされてしまった。
ーーーーーーーーーーーー
(sideゼン)
俺が勢いよく抜くと、ゼルは凛くんの腹を押さえながら中へ入って、しばらく動いた後はタイミングを見て引き抜いた。
「これから手は拘束しといた方がええか??」
「いや、今はええけど、発情期ん時はやばいかもしれんな。普通に凛くんが孕むまで、やってまう自信あるわ」
まさかそこまで望んでくれとるとか、思っとらんかったから、嬉しすぎるんやけど、もうちょい後や。
「なあ、兄貴。次の発情期5月やろ?? そん時孕ません?? 凛がこんな望んどるんやし、今も寝とるのに俺のすんなり下りてきたんやで。それに、子供等が凛の事守ってくれるやろ」
5月か……丁度いろいろと落ち着く頃やな。
「……凛くんに聞いてみてからや」
「それと気になる事あるんやけど……凛がこの前、狂った奴が追いかけてくる言うとったやんか。あれって、凛が脱走して駐車場で倒れとった時、あいつ等追っかけてくる言うて、うなされとった時と同じなんやないか?? あん時は、俺の記憶も無かったし、中学の頃の言っとるんやと思っとったけど、兄貴は気づいとったやろ」
「まあな……けど、凛くんは覚えとらん様子やったし、わざわざ刺激する事ないやろって思っとった。ただ部位だのなんだのは知らんで」
「俺も知らんけど、記憶がない状態で夢みるっちゅう事は、実際にあったっちゅう事やろ。何回か見つからん時……」
「うっさいわ!! それ以上言うな!! そんなん、お前に言われんでも、凛くんから聞いた瞬間に気付いたわ!! 結局何が言いたいんや!!」
凛くんの身体が見つからなかった時、川を見回れば何処かしらに血が残っていた。その血を辿ると、大体は廃工場に続いていて……頑張って逃げたんだと分かるほど酷い現場。それをどうしても、ゼルには見せられなかった。
あの時代とは違うんや。今は……あの時代より、治安もかなり良くなっとる。写真からどう広がっていくんかは分からんけど、凛くんが選手として注目されれば、簡単に手は出せんはずや。それはオカンも分かっとるからこそ、人の不満を解消する為に、ファンクラブ限定で写真集作るんやと思う……そう思いたい。ただ中には自分の利益だけを求める奴は居るやろうな。
「兄貴がなんか知っとるんは分かったわ。絶対に聞こうとは思わんけど、俺が言いたいんは、凛が少しでも安心できるようにはしたいって事や。特に兄貴だけが代表に選ばれたら……俺一人じゃ無理やと思う。凛と兄貴だけが選ばれるんやったら、俺は一人でついていけばええけど」
「分かった。凛くんが次の発情期に、子供欲しい言うたらな。起きたら聞くから、凛くんが渋ったら説得でもしぃや」
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