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第三章 大事な繋がり
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しおりを挟む~sideゼン~
「なあ、リュカ……コーチ、お前の父親何しとんの」
ゼルと凛くんが佐良さんに呼ばれ、コーチと初対面であろう凛くんが、やたら豪快に頭を撫でられていた。
「あの馬鹿親父……あの人、凛の叔父」
「……はあ!?」
「凛の叔父……」
「聞こえとるわ!! じゃあお前、凛くんの従兄弟なんか!? それで凛くんが中学ん時、なんもしてやらんかったん!? なんでや!!」
俺がリュカに迫ると、リュカは周りをキョロキョロと見た後に、少し離れて話しだした。
「天使が……白を大事にするのは分かるでしょ。それが犬も猫も白ならどうなると思う。陣は既に番が居たからいいけど、貴重な猫又の白なんて、番にしてもおかしくな……ちょっとゼン、落ち着いて」
俺は無意識にリュカに掴みかかっていたらしく、慌てて手を離したが、やはりムカムカはする。
「天使より死神の方が序列高いでしょ……それを無視するバカは居ないよ。まあ、だから同種族で番って、堕天するやつが多くなるんだろうけど……俺は堕天なんてしたくないから、死神が居なかったら、番えるチャンスだし貰ってたと思う……良かったよ見つかって。詳しくは知らないけど、二人と凛は特別なんでしょ」
「すまん……俺等には凛くんしか居らんのや。ありがとう……」
「俺は何もしてない……全部凛の意思の強さだよ。本当にやばかったら……その前に俺が貰ってたし、陣が居たのも良かった」
あぁ……ほんまに良かった。あとから、別な奴と番った凛くん見るなんて、しんどすぎるわ。
「それより……あの浮気野郎止めに行かないと、凛の毛並みがボサボサ」
毛並みって……確かにボサボサやな。ちゅーか、リュカの奴しれっと凛くんの事、狙っとったんか。こいつ普通に猫好きやからな。
俺はリュカと一緒に凛くんのところへ行くと、まさかの佐良さん経由で、リュカに家の事がバレてしまって、仕方なく家に帰ってから電話で説明した。
そして夜中、ゼルと凛くんが寝ている時に起きてしまい、凛くんが俺の方を向いてスヤスヤと寝ていた。
はぁ……アカンな。凛くんの番がリュカになっとる夢見てまうわ。こっちが現実や。あれは夢で、今はちゃんと俺が番や。凛くんを何で縛ったとしても、不安はいつもある……ほんまに孕ませたろか。凛くんに気付かれんように……
凛くんのシャツを捲り、可愛い乳首が見えて、そこを軽く触っただけで、凛くんの身体はピクリと反応し始める。そして舐めてというように、ピンと主張し始め、舌でコロコロと転がし、軽めに吸い付くと、凛くんの可愛い声が漏れ始める。
「ン……はぁ……ふぁ」
かわええな。これだけで反応してまうんやから……俺の方呼んだら濡れてくるんやないか??
俺は凛くんを抱き込むようにして、指をゆっくりと突っ込み、もう片方の手でグッと凛くんの腹を押すと、中が濡れ始めて、夜中の静かな寝室に、ピチャピチャという音が響き始めた。
これで腹にいれたら、孕ませられるな。腹が大きくなるわけでもないし、俺等の魂の一部が、別の魂として生まれるだけやから、凛くんにはバレんはずや。俺の事を頻繁に求めてくるだけやし、なんなら凛くんの場合は、ずっと俺にくっついてくるかもしれんけど、それでええんや。
「凛くん……今孕ませたるからな」
俺が指を抜いた途端、凛くんが寝ぼけた様子で、俺と目が合った。
「ゼン??……なんで、泣いてるの……怖い夢でも見た??」
「泣く??……泣いとらんよ」
「ゼン、寝よう。俺が居るから……怖くないよ」
そう言って凛くんは、俺の顔を自分の胸に押し付ける状態で、また気持ち良さそうに眠ってしまった。
凛くんの心臓の音……初めてちゃんと聞いたかもしれん。安心するな。
「兄貴……孕ませてもええけど、凛の許可は必要やで」
「……」
こいつ、やっぱ起きとったんか。あわよくば自分もとか、思っとったんやろな。
「無視かいな。まあ、ええけど……」
まだや……まだ俺等だけの凛くんで居ってほしい。もっともっと縛りたい……けど我慢や。今はまだ我慢するんや。
俺は凛くんの心臓の音を聞きながら、いつの間にか夢も見ないほどぐっすりと眠っていた。
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