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第二章 新しい生活

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 翌朝、俺は寝苦しさで目を覚ますと、ゼルが後ろから俺を完全に抱きこんでいて、腕がガッチリ首のあたりをホールドしていた。


 これは苦しいわけだ。どうしたんだ? ゼルはいつも下の方に居るイメージなんだけど。


「ゼン、ゼン起きて」


「凛くん……もう朝かいな」


「まだ寝る時間あると思うけど、その前にゼルの腕離せない? 結構苦しいんだ」


「こいつ寝ぼけて凛くんとこ、逃がさんようにしたんやろ。おい、アホ!! はよ起きんかい!!」


 ゼンはゼルの腕を引き離そうとするが、なかなかの力強さに、最終的には頭をベシッと叩く。


「痛いなぁ……誰や。凛は俺のや」


「俺や、バカタレ!! ちゅーか、お前のだけやないやろ!! 離せ言うとるやろがッ!!」


「……なんや兄貴か。兄貴ならええわ」


 そう言って俺を離したゼルは、起き上がってぼーっと俺を見てくる。


「ゼルまだ熱あるの??」


「そいつ寝ぼけとるだけやから、気にせんでええよ。凛くんが取られる夢でも見たんやろ」


「ゼル、俺が不安になる事はあっても、ゼンとゼルが不安になる事はないよ。俺は二人じゃないと、もう生きていけないと思うし。どっちかが欠けても多分駄目なんだ」


「俺の方が、凛がらんと生きてけん。凛は人を惹きつける。それはしゃーないと思うんやけど……せめてもうちょい、その色気だけでも抑えられん??」


 なにその色気って……俺そんなの出してないんだけど!!


「ゼル、この色気は俺等が可愛がっとる証やで!! しゃーないやろ!! なあ凛くん!!」


 恥ずかしい事をサラッと言わないでほしい。


「そうなんやけど……そのうち取られそうで怖いんや」


 いや、多分みんなゼルの方が怖いと思ってるはずだよ。俺は見て見ぬふりしてるけど、ゼルが居るとみんな避けていくし、うちのクラスに来ると、全員居なくなるし。何したのか知らないし、知りたいとも思わないけどさ。


「お前アホやなあ。俺等の凛くん取ろうと思う奴なんか、脳のない馬鹿か、俺等と同種しからんやろ。気ぃ付けるんやったら、学校より大会で注意しとった方がええよ。強い奴等はどっか、ぶっ飛んどる奴やからなあ」


 それって自分にブーメランじゃないか? ゼンは自分で言ってて分かってるのかな。


「ゼル、学校行かない?? 俺ゼルが居ない行けないし、バレーもできないんだけど。どうする?? インハイまであと2週間くらいしかないよ。来週からは授業も免除だしさ。もしそんなに不安なら、来週と再来週の土日できない分、今週の土日は抱きたいだけ抱けばいいし、俺がゼルとゼンのものだって、一目で分かるように何か身につけてもいい」


 あ……早まったかもしれない。


 俺が最後まで言うと、ゼルはまだしも、ゼンも目つきが変わり、二人でコソコソと話し出したのだ。


 嫌な予感しかしない。俺が言った事だけど、まさかここまで食いつくとは思わないじゃんか。少しは遠慮とかしてくれるかなって思うじゃん!! 寧ろ、俺がこう言うのを待ってた感すらあるな。


「凛くん、三人で写真撮ろう!! 今すぐ!! あとはツーショットも!! まだ時間あるし、色んな服着てポーズもとって欲しいわ!!」


「そうやなあ、センスには自信あるんやで!! せやからこれからちょいと写真撮影させてな!! 兄貴、学校でも撮っとくわ」


 それからは、一人一人の写真を撮ったり、三人で撮ってみたり、ツーショットを撮ったり、学校ではゼルにめちゃくちゃ撮られるし。先生が面白がってゼルに協力して、バレーしてるところも撮ってくる。これがなんなのかは俺には分からない……というか分かりたくもない。


 そして何も告げられないまま、土曜の夜となった。


「まさか、する時まで写真撮ったりしないよね」


「流石にそれは無いから安心せい。まっ、いつまでするかは分からんけどな。凛くんは寝とってもええんやで」


「そうやな、俺等も交代で寝るやろうし、もしかすると寝れんかもしれん。さっ、もうお喋りは終いや」


 うっ……俺には、地獄絵図しか思い浮かばない。


 そして先に俺の中に入ってきたのは、後ろに居たゼルだった。ゼンは俺を膝立ちにさせ、俺の胸を舐めては軽く噛んで、時々俺の首筋もスッと舐めてくる。


「なんや凛くん、もう力抜けとるん?? それとも、俺に胸押し当ててきよって、思いっきり噛まれたいんか?」


「アッ……ち、ちがッ」


「りーん、お前の中るんは俺やで。こっちに集中しいやッ!!」


「ヒあッ……アッ……ゼル、まって……」


「待たんよ。抱きたいだけ抱いてええんよな?」


 ゼルは俺に抱きつくようにして、一気に奥へ押し込むと、俺の弱いところを刺激してくる。


「ゼル、はよしろって約束やろ。次俺なんやから」


「分かっとるわ……凛、俺ん事好き?」


「ん、すきぃ……アッ……ン……いく……いっちゃう……ンあッ」


「俺も大好きや」


 耳元でゼルに囁かれると、ゾワゾワとして達してしまう。それはゼルも同じだったらしく、すぐに抜かれて、次はゼンがそのまま腰を落とすよう言ってきた。言う通りにすると、ゼンのモノが入ってきて、自分で入れている事が恥ずかしく、抜きたいはずなのに、どんどん腰を落としてしまう。


「やっぱ凛くんからされると、自分でやりたくなってまうなあ。こっからは俺が動くわ。凛くんはゼルに身体支えてもらい」


 そうして俺を突き上げてくるゼンと、俺を支えながら口を塞いでくるゼル。


 もうそこからは、好きだと愛を囁かれながら、どんどん意識は遠ざかっていき、何度目かの絶頂を迎えた時に、俺の意識はなくなった。
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