偽王道学園の腐男子くん

翠雲花

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chapter1

僕を巻き込まないで

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  僕は朝っぱらから、生徒会室に来ています。


  何故かって? 僕が知りたい!!


  昨日、新入生歓迎会が終わった後、誰一人として捕まらなかった生徒会の人達に、僕は絡まれた。


  それも全部あの王道くんのせいだ!!


「何故貴方が慎の首輪を付けているのですか!! それに、慎は何故変装を??」


  とまあ、分かるよね?? 副会長さんに僕は絡まれ、王道くんは副会長さんをガン無視するし、慶は僕を担いで帰ろうとするし。


  そこにもってきて、会計さんが僕の顔をやたら見ようとするし、奏吾先輩と会長さんは言い争ってるし……


  ここは動物園か何かかと思ったわ。


  というか、本当にここは王道なのか不安になってきた。王道から外れすぎてて、キャラだけが王道な気がしてきたよ。期待していい王道は、副会長さんと双子だけ。ワンコ書記もなんか全然みたいだし……てか一言も喋らないし。


「で、昨日の話です。貴方は何故慎の首輪を付けていたんですか??」


  僕が昨日の回想をしていると、副会長さんから質問されたが、まあ……慶がなんとかしてくれると信じてる!!


「その、慎に聞けばいいでしょう」


  ほらね!!


「貴方には聞いていません。今私は白田涙という人物に聞いているんです」


  てか、思ったんだけど、こんな事聞く為に僕を呼び出すってどうなの?? 本当に有り得ない。


「説明したら納得するんですか?? だったら俺が話しますよ。涙は人見知りするからな」


   そう言って慶は、昨日あった事を話した。話を進めるごとに、副会長さんの顔は険しくなっていき、何故か僕は睨まれた。


   まあ、理由は分かるけどね~。でも、そんな顔したら、本当に受けまっしぐらだよ!! ふ・く・か・い・ちょ・う・さん!! まあでも、王道くんは攻めでもいけそうだし、大丈夫じゃないかな?? 受けでも!!


「では、説明はしたので俺達は失礼します」
   

   慶はさっさと帰ろうと僕を担ぎ、扉を開けて教室に向かった。


  移動中の僕?? まあ、いつも通り寝てますよね~。


「……だから……んな………」


「そう………何故……」


   んーー、なんかうるさいなぁ。


  僕は周りのうるささに、目を開けると、慶が僕を姫抱きして、その慶と睨み合っている王道くんと、周りに群がるチワワ達……


   うん、夢だ。もう一回寝よう。


「……涙」


「ひゃい!!」


   目が覚めたのがバレたのか?? 慶は、めちゃくちゃ低い声で僕の名前を呼んだ。


「お前は……もう笑うな」


  え、なんで!? 僕笑う事すら許されない程酷い顔してるの!?


  自覚あるけど……ちょっと辛い。


「勘違いしてるだろ。こいつが、お前に惚れたのは、涙が笑ったのが原因だ」


「だから笑うなと??」


「それ以外ないだろ」


「いや、僕の顔が醜いとか……」


  その瞬間、僕の言葉に被せるように、チワワ達の声が大きく響いた。


「そうですよ!! こんな醜い根暗!!」


「こんなやつのせいで、富永様と鶴野様が、争わないでください!!」


   ひ、酷いな~。流石に傷つく……


「ねえ、今言葉発した奴出てきてくれる??」


  王道くんが、そう言うと、喜んで出てきたチワワちゃん2人。


「君達か、今涙の事を悪く言ったのは」


   だんだん怖い雰囲気になってきた王道くんに、チワワちゃん2人は、喜んでた筈が、どんどん蒼い顔になっていく。


「君達2人もだけど、他の奴等も俺が、変装をといた途端に態度を変えるってどうなの。俺の悪口言ってたのだって、知ってるんだけど。でも、涙は逆に前の方が好きだと言ってくれた」
 

  いや、言ってねーー!!


「態度も変えなかった。俺さ、君達みたいな人種ほんっと大嫌いなんだよね」


   怖い笑みを浮かべている、王道くんの言葉を聞いたチワワちゃん達は、殆どが蒼い顔をして、冷や汗をながしている……なかには顔を赤くしている奴も……そっちに目覚めたか。



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