異世界でも馬とともに

ひろうま

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第5章 新たな従魔探し

閑話14~罠?~(盗賊のリーダー視点)

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「おい、馬車が皆止まったんだか、こっちに気付かれた訳じゃないよな?」
「そんなことないでしょう。」
「でも、ここはもう街に近いし、休むような場所ではないぞ。」
俺も、冒険者の時に何回か護衛依頼をやったからわかる。
ここは、もうすぐ街に着くという安心感が生じる場所だ。
だからこそ、この場所で油断した隙を狙うことにしたのだ。
「お頭は、心配し過ぎですって。」
「そうかな。」
「あの隊なんか完全に休んでますから、簡単に落とせますぜ。なあ、皆?」
「「おう!」」
こいつらは、あまり頭を使う奴等じゃないからな。
まあ、腕は確かだが……。
しかし、あの完全に休んでいる隊は、特に怪しい。
あれでは、襲ってくれと言っているようなものだ。
罠ではないかと、疑ってしまうのは当然だろう。
「先にいきますぜ!」
「あ、こら!」
あいつら、勝手に飛び出して行きやがった。
仕方が無い。俺は辺りを警戒しておこう。

「オラオラ!」
「ヒャッハー!皆殺しだ!」
近くで見ていると、護衛達はなす術もなくやられていく。
他の隊は、慌てて逃げ出した。街とは反対側に向かったので、追う必要もないだろう。
ただ、大回りして街に報告に行くかも知れないから、仕事は手早く済ませるべきだな。
「おい、さっさと済ませるぞ。」
「お頭、こいつは上玉ですぜ!殺す前に、味わってやらねえと!」
「きゃー!」
いつの間にか、手下の一人が女を捕まえて、服を脱がし始めた。
周りを見ると、他の者もそれぞれ女を捕まえた様だ。
「おい、お前らそんなことをしている場合か!」
確かに美しい女達だが、今はそれどころじゃない。
しかし、あんな女達がいたかな?俺には興味無いけどな。
ん?馬車の陰にまだ隠れている奴がいた様だ。俺は素早く、そいつを拘束した。
「お、お前は!」
「た、助けてください。」
馬の女獣人……しかも馬要素が多めで、俺好みの女だ。
「助けて欲しければ、大人しくしてな!」
「は、はい……。」
仕事は……まあ、後で良いか……。
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