地平の月

センリリリ

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第三章

3.過去の声 2

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 空っぽになった部屋に、着の身着のままで放り込まれた初瑠は、最初こそ出せと叫んでいた。
 しかしうるさがる道孝に気を遣って、晴海がその部屋に入り、独断で口に直接ガムテープを貼りつけてしまった。それだけでなく、両手首を後ろにさせてこれもガムテープでぐるぐる巻きにしてしまう。そうすると、声をあげることどころか、まともな身動きもできなくなった。
 部屋のドアには外から開け閉めする鍵が上下真ん中に三つ、道孝の指示で新しく取りつけられた。さらには、トイレや食事の時間まで決められ、まるで囚人のようだった。
 そしてその世話を主にするのは、瑠奈の仕事になった。
 もちろん、二人とも、学校になど行けなくなる。両親には、それはむしろ歓迎された。
 実は、はじめの何日かは、瑠奈ひとりで登校した。
 しかし、会う生徒会う生徒、ひとり残らず初瑠のことを訊いてくるので、いちいち道孝に教えられた説明をして眉をひそめられるのが、煩わしくなってきた。
 それになにより、どうして初瑠じゃなくてあなたがいるの、と言われているようでうんざりした。
 そのたび、道孝に相談したときのことが脳裏に浮かんだものだ。

『初瑠だけが人気者なんです』

 その会話の初めのうち、何を話していたのかは思い出せない。
 しかし、心地よい相槌が返ってくるあいだに、いつしか胸の隅にずっとくすぶっていたことを、話してしまった。

『一歳しか違わない姉妹なのに、なんでこんなに違うんでしょう』

 瑠奈は道孝に対しては、ずっと敬語だった。
 そのほうが礼儀正しい人間に育つ、と言われたからだ。
 そしてそうやって、敬意を払っている相手に、知らぬ間に溜まっていた澱のような気持ちを吐き出せて、すこしすっきりした気分になった。
 そんなときに、道孝に言われたのだ。

『初瑠は、華やかな雰囲気があるからね。一見、人を惹きつけているように見えるかもしれない。でも、中味がないから、すぐに飽きられてないかい』

 まるで、今までをずっと見ていたように言われて、驚いた。
 たしかに初瑠は、誰かとすぐに仲良くなるが、ケンカ別れもしょっちゅうだった。
 いつも周りを取り囲まれてはいたが、そのメンバーは常に入れ替わっていたのだ。
 実際はそうやって人づきあいを怖れず、真正面から相手に向き合っているからこそ、そうなっていたのだ。
 しかし当時の、コンプレックスが心の底で淀んでいた瑠奈には、気づけなかった。
 その感情にしたって、元々はほんの些細なものだったのに、いつのまにか道孝に誘導され、増幅させられたものだった。
 しかしその頃は、ただただ、そういうことだったのかと、道孝が真理をついてくれたのだと、その耳に心に心地よい言葉に、納得してしまった。酔った、と言ってもいい。そこに、道孝はたたみかけた。

『だが、君は違う。君の魂のなかには、まだ磨かれていない宝石が隠されている。特別な存在なのは、君のほうだよ。周りのみんなはそれがわからないから、イミテーションのガラス玉に群がってるんだ。もっと自信を持ちなさい。君は、初瑠より何倍も優れた人間だ』

 その言葉に、やっと救われた気がした。
 初瑠に対する、ずっと持っていた憧れの感情が、いつしか重荷になっていたのを、降ろしてもらった気がした。
 それが本当は、道孝が勝手に作った荷物だということに、気づけなかった。

「だから瑠奈、君が、ちゃんと初瑠を、正しいほうに導くんだ。今は辛いことをさせているが、これもみんな、愚かな彼女のためになることなんだよ」

 そんなふうに、瑠奈のほうが高位の人間であるからこそ、初瑠の世話を任されたのだと思うと、まっさらでぴかぴかしたプライドを、貰えたようだった。そんな感覚を味わったのは初めてで、瑠奈は有頂天になった。
 そうなると、そんなくだらない人間のために、自分が後ろめたくなるような嘘をつかなければいけないことが、心底煩わしくなった。
 初瑠を持ち上げる彼らもまた、愚かで卑しい人間たちなのだから、一緒にいると瑠奈も染まってしまう。
 そうやって、自然と、瑠奈も学校に行かなくなった。
 道孝も晴海も、叱るどころか、よく決心したと褒めてくれた。



 初瑠がようやく部屋から出してもらえたのは、それから一ヶ月ほど経った頃、冬のさなかだった。
 さらには、そのあたりの時期から、道孝と晴海が家にいる時間が、しだいに増え始めていた。
 それまでは、どこそこでセミナーを開くから、あるいは後援者との付きあいがあるからと、夫婦であちこち飛び回っていたのが、ぴたりと止んだ。
 今にして思えば、おそらく、あまりにもセミナーに人が集まらなくなっていたのだろう。加えて悪い評判もたち始め、評判を気にするような見栄えのいい会場は、金を積んでも貸してくれなくなり、開講すること自体が難しくなったのだろうと思う。
 有名会場を使っていることは、セミナーのステータスを高く見せることに、かなりの効果となっていた。その重要な要素が使えなくなったのは、かなりの痛手だったに違いない。
 あれだけあった不動産も、この頃になるとほとんど残ってなかったようだった。
 セミナー開催のために多額の金をつぎ込んだだけでなく、よく知らない業界の投資話を持ちかけられたのに乗って担保にしてしまい、あっと言う間に失ったらしい。
 詐欺めいたことをしている人間の周りには、同じような人間が集まってくるのは、なんとも皮肉な現象だった。
 そして、ただでさえ引き締めが厳しかった道孝の金銭感覚に、さらに拍車がかかり始めたのは、これが原因だったのだろう。
 家のなかでは、その頃にはもう、はっきりとした序列が定められていた。
 刺激のすくない生活のなかで、知らず知らずのうち、そのことは自分たちにとって最も重要な事柄になっていってしまった。
 しかもそれはすぐに、道孝の気分しだいに入れ替わるものだった。そのせいで、瑠奈たち母娘は、常に気が気ではない状態に置かれることになった。すると、しだいに自分たちの常識の平衡感覚のようなものはどんどんおかしくなり、しかもそのことに誰も気づかなかった。
 ただひとつ変わらないのは、頂点が道孝ということだけ。
 そのことに疑問すら抱くことなく、三人とも、彼の機嫌をいかに損ねないか、そこにばかり神経を尖らせるようになった。
 道孝はその序列を上から順に、『松竹梅』と呼び、はっきりと待遇を分けた。
 『松』になれば、食事は三食与えられ、飲み物も水道水ではあったが、自由に飲めた。寝る時にはリビングの床で、敷布団と掛布団を使ってもよく、夜は道孝に呼びつけられるとき以外は、まともに寝ることができた。さらにベッドに呼ばれ、行為を受け入れれば、その晩は道孝の寝室の床で寝てもいい許可がもらえた。
 衣類もまともなものを着ることができた。
 暖房は、道孝の部屋でもある寝室のみしか使用する許可は出なかった。だから、彼以外の人間は、衣類でしか保温はできない。つまりなにを着ていいかということは、冬という季節を考えれば、生死にも関わりかねない、重要なことだった。
 次の序列、『竹』になると、かなり日常生活の制限が厳しくなる。
 食べ物は一日一食、茶碗一杯の白飯におかず一品がついた。
 おかずといっても漬物や佃煮といったものだったが、それでも、なによりはましというものだ。
 飲み物は、朝に一度だけ、五百ミリリットルのペットボトルに汲まれた水道水だった。
 寝るのは、キッチンの床に段ボール一枚と新聞紙を敷いたもの。
 服装も薄手のシャツに綿のミディアム丈のスカートで、夜間の寒さをしのぐには、寝る姿勢や服を引っ張るなどの工夫が必要だった。
 しかし、もっとも悲惨なのは、『梅』だった。
 食べ物は一日二枚の安物のクッキーのみ、飲み物はコップ一杯の水だけ。
 太い針金で一日じゅう上階へと続く螺旋階段に足を繋がれ、トイレに行くのもいちいち道孝の許可が必要で、それが出てようやく『竹』にそれをはずしてもらうことができた。
 それでさえ、頼みかたが気に入らない、我慢しろ、と言われることまであった。
 服装は、ロングTシャツ一枚きり。寝るとき横になることは許されず、段に座ったまま、螺旋階段を囲んでいる柵に寄りかかって、うとうとすることしかできなかった。
 寝不足になるうえ、暖房の入っていない広いリビングダイニングは寒い。集中力の落ちた状態と、かじかんだ手指のままでは命じられた家事がまともに完了後できず、その罰として、さらには夜通し窓を開けっ放しにされることまであった。
 こんなことが続くと、ずっと栄養失調気味なので、自然と風邪もひきやすくなる。
 しかし薬など当然もらえるわけもない。そればかりか、鼻水を垂らしたり咳やくしゃみをしただけで、罰を与えられた。
 道孝の前で、『松』が『梅』の背中に、ヤカンから直接熱湯をかけるのだ。
 最初に反抗したのが祟ったのか、初瑠はほとんどの場合、この『梅』にされていた。晴海はさすがに妻という立場からか、『松』であることが多かった。
 だから多くの場合、この罰を実行するのは晴海で、受けるのは初瑠だった。瑠奈も何度かやられた。
 最初は躊躇っていた晴海も、常態化するにつれ無表情にこれを行うようになり、さらには道孝にそのたびに褒められ、だんだんほくそ笑むまでになっていた。
 そこにはもう、自分の娘を案じる母の慈愛のかけらも残っていない。
 ただひたすらに、その場の権力者に媚びへつらうことを無上の喜びとする生き物が、存在しているだけだった。
 しかしだからといって、彼女でさえ、安泰というわけではなかった。
 道孝はちょっとした失敗や、『規則』違反を見つけると、すぐにこの『松竹梅』の序列を入れ換えた。
 そうなると、自分の地位を上げる、もしくは維持するには、他の人間の粗を見つけて道孝に報告するしか手はなく、気がつけば互いが互いを監視するような関係になっていた。
 晴海などは、この頃にはもうすっかり娘たちの味方どころか、むしろ若い初瑠や瑠奈に道孝の興味が行きやすいのを怖れ、積極的に告げ口をする始末だった。
 これらはすべて、道孝によれば『規律が重んじられた、素晴らしい生活』で、『おまえたちのような、贅沢に慣れすぎて腐った人間の性根を矯正するための、一種の修行』で、『自分のような優れた人間が管理し、賞罰を与えるのが当然』なのだった。
 最初はそんな言葉に疑問も反抗心も感じることもあったが、抗えばば殴られ、待遇が格段に悪くなり、逃げる先もない生活を続けているうちに、気がつけば道孝の顔色をびくびくと窺う生活が当たり前になってしまっていた。
 それになにより、栄養失調と寝不足、度重なる暴力の影響で、誰もが、どんどんまともな思考ができなくなっていってしまっていた。
 閉じた空間となってしまった自宅でのそんな生活は、数ヵ月も続いた。
 そう、初瑠がキッチンの隅に隠してあった包丁を持ち出したあのときまでは……。



「……瑠奈さん?」

 初瑠が憧れの人間だったということ、母親の再婚後に引っ越したことまでを話したあと、瑠奈は急に黙りこくってうつむいてしまった。
 だから、その後の瑠奈の想い返した記憶の大部分は、この段階では鏑木には伝わっていない。
 それでも鏑木は、瑠奈がまた話し始めるのを根気強く待っていた。
 惨劇から生還したことを話すのに、時間がかかる人間がいることも、経験上わかっていたからだ。
 しかしそのままで三十分以上も経ってしまったので、しかたなく思いきって言葉をかけた。
 瑠奈の肩がびくりと震える。

「大丈夫ですか」

 さらにそう続けると、ひと呼吸くらいの間があったあと、急に顔をあげた。
 鏑木にとっては意外なことに、そこには、屈託のまったく感じられない笑顔が浮かんでいた。

「ああ、すみません。なんだか居眠りしちゃったみたいで。疲れてるんでしょうか」

 明るい声で言うのが、さっきまでの苦しそうな様子とはあまりに落差があり過ぎて、鏑木はとっさに答えられなかった。

「あの、続きはまた後日にしてもらってもいいですか。明日も仕事があるので、今日はもう帰って寝たいんです」

「え、ええ……。わかりました。今週末などはいかがですか」

 鏑木は次の約束を取りつけたかった。
 多少強引にしないと、なんだか瑠奈に上手いこと言い訳されて、逃げ出されそうな気がしたからだ。

「ええと……。ええ、予定は空いてますけど……」

 瑠奈はスケジュールを確認してから、うなずいた。

「じゃあ、土曜日の正午頃、この店で待ち合わせというのはどうでしょう?」

「わかりました。正午ですね。一応、連絡先を教えて頂いておいていいですか」

「ええ、もちろん。じゃあ、名刺を」

 前回はつき返されたものを、あらためて渡すというのは、なかなかに感慨深かった。多少なりとも、信用してもらえたような気がするからだ。
 瑠奈は渡された小さなカードをしげしげと見つめたあと、バッグから名刺入れを出して丁寧にしまった。
 店を出て別れたあと、鏑木は改めて今日の瑠奈を思い返した。
 とても奇妙な女性だと思った。
 向こうから声をかけてくる胆力を持っているかと思えば、昔の記憶に怯えている。
 流れるように話し始めたかと思えば自分の世界に入り込んだまま。そして急に時間が飛んだかのような、ケロッとした態度。
 態度や表情といったものがあまりにも次々と変わったせいで、どうにもつかみどころがない。
 見た目はごく普通の、真面目で地味な会社員といった感じだったので、すこし舐めてかかっていたかもしれない。
 なかなかに、抱えているものの闇は深そうだ。
 こうなると、話を聞きながら取っていたメモを改めて確認したくて、鏑木は急いで自宅兼仕事場へと帰った。
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