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守護天遣(しゅごてんし)
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悲痛なまでのその叫びに、全員が動きを止め、実琴に視線を向けた。
「もう・・・いいよ。」
しがみ付いたままのウリが、必死で首を横に振る。
「いいの。ウリちゃん、ありがと。イズラ君も悪くない。ジブリも・・・怒ってくれて、ありがとう。」
ウリ、イズラ、ジブリ、と1人ずつ顔を見ながら、言葉をかけていく。
そして、最後にシャインに顔を向けると、実琴は、覚悟したように言葉を続けた。
「・・・シャインさん。私を回収してください。」
キッパリと、そう告げる実琴に、シャインは無表情のまま答える。
「物分かりの良いお嬢さんで、助かります。」
「物分かりなんて、・・・良くないよ。」
実琴は、寂しそうに笑って見せた。
「でも、天使に会えたから。もう、・・・いい事にする。」
想像と、ずいぶん違ったけれど・・・続く言葉は飲み込む。
その違う天使たちで、逆に良かったと、心からそう思うから。
なのに、実琴に必死にしがみ付くウリが、イヤイヤと首を振り、腕を伝ってその振動が彼女を揺らしていた。
「・・・だめだよぉ。」
涙声のウリに、実琴は優しく声をかける。
「ウリちゃん。私・・・ね。小さい頃、天使に憧れてたんだ。」
「僕・・・たちに?」
見上げてくるウリに、実琴はうなずくと、ウリの手をそっとほどいた。
「生まれつき・・・ね、身体弱くて、入退院繰り返して。死にかけたことも・・・ね、実は何度かあったりで。だからそんな時、いつも夢に天使が出てきた。」
瞼を閉じて、実琴は小さなころの記憶を辿る。
それはただの夢でしかなかったけれど、でも、いつも実琴に元気にしてくれた天使たち。
ただでさえ、あいまいな夢である。
記憶を辿っても、はっきりと覚えているのは、ほんの僅かだった。
それでも、瞼を閉じて思い起こせば、あの頃の温かい気持ちが、蘇ってくる。
そう・・・瞼を閉じてしまったから・・・。
だから、気づかなかった。
「大きい手でね、優しく頭を撫でてくれたり。」
イズラが、そっと自分の手を見たことを――。
「『賢い子だ』って褒めてくれたり。」
ジブリが、ハッとして口を手で覆ったことを――。
「『頑張れ』って励ましてくれたり。」
ウリが、懸命に実琴を見返すのを――。
「お嫁さんにしてくれる・・・なぁんて、・・・約束してくれた天使もいた。」
そして、カイルが気まずそうに、顔をそむけたのも――。
ちょっと可笑しそうに、微笑む実琴は、気づかない。
「夢だけど・・・。その度に私は元気になって、強くなってきた。」
ゆっくりと瞼を開くと、実琴はウリに向かって笑って見せた。
「だから・・・本物の天使に会えたんだから・・・もういい。思い残すことなんて、無いよ。」
そう告げる実琴の想いが・・・本心が・・・、嘘ではないと分かるから。
分かってしまうウリだから・・・。
彼女の言葉に、返せる言葉は、ソレしかなかった。
「・・・それでも、僕はやだよぉ~。」
「ウリちゃん。」
「だって、約束したんだ!! 『ミコト』、約束してくれたじゃないか!!」
「ウリ! ダメだ!!」
ウリの言葉に、イズラが声を上げる。
「僕のママになってくれるってっ!!」
悲痛なまでのその叫びを、実琴には理解することができなかった。
彼女から出たのは、言葉にならない音のみ。
「・・・え?」
実琴の疑問を置き去りにして、ウリの言葉は続いた。
「だから、僕、人間になるって決めたのにっ!!」
ウリの目から、大粒の涙が零れる。
それを拭おうともせずに、ウリは実琴を見つめた。
「約束」を違えさせるものかと、その瞳は必至に告げている。
「ウリたん。人間になるのぉ?」
「なっちゃうの?」
か細い・・・泣き声にも似た声で、エルとアズが、ぼそりと呟いた。
「この間来た、『ミコト』と約束した。」
「ジブリっ」
止めようとするイズラの手を振り払い、ジブリは言う。
「構わないだろ。もう消えた未来だ。告げても、支障はない。」
諦めたかのように、イズラはその場にへたり込んだ。
それをチラリと確認し、実琴はジブリを見る。
「話が、見えない・・・んだけど・・・。」
「・・・言ったろ? 俺らは『ミコト』の守護天遣なんだって。」
実琴の問いに答えたのは、イズラだった。
彼は眉をハの字にし、実琴を見上げる。
イズラが告げた言葉。
それは答えではあるのだが、実琴の疑問を解決してくれるものではなかった。
実琴が、視線をジブリに戻せば、ジブリはその視線をしっかりと受け止めた上で、口を開く。
「未熟児で生まれて、病弱な『ミコト』。親に迷惑ばかりかける自分が嫌いな『ミコト』。強くなるのに懸命な『ミコト』。ココに来る『ミコト』は、そんな少女達ばかりだ。」
ジブリの言葉を引き継ぐかのように、イズラが続けた。
「・・・全部、キミだよ。・・・『実琴』。」
それは、優しい声だった。
ゆっくりと包み込むような、暖かく沁み込んでくるような声。
幼い実琴が、天使の夢から覚めた時、心の中にポツンと残った暖かい何か。
その声は、その暖かさ・・・ぬくもりと同じものだった。
「わ・・・たし? さっきのあの子も?」
「そう。キミ自身。過去のキミ。」
少し困ったように、優しい声で、イズラは答える。
「『みっちゃん』、結構抜けてるよね・・・。 僕達は、すぐに分かるのにさ。」
涙を拭うこともせずに、拗ねたようにウリが呟いた。
ジブリがウリの頭の上に、手をのせる。
その手の下には、ハンカチが挟まれていた。
ウリが、両手でそれを受け取ったのを確認すると、手を下ろし、ジブリは説明を続ける。
「ココは、時間の流れとは切り離された世界。だから、ごく稀に、君みたいな成長した『ミコト』が来る。」
「じゃあ、夢だって思ってたのは・・・。」
実琴の呟きに、ジブリは僅かに頷いた。
「でも私、ママになるなんて約束、した記憶ない。」
「当然だ。この間来たのは、今の君より、少し未来の『ミコト』だ。」
「未来? ・・・私、また死にかけるの?」
その疑問に、イズラとウリが答える。
「キミは結婚をして、幸せな家庭を築いてた。」
「でも・・・赤ちゃんを流産しちゃうんだ。」
そう告げられた未来に、実琴は、思わず自分のお腹を見下ろした。
「事故だった。でも君は、自分のせいだと責めて続けて、・・・手首を切った。」
静かに答えを続けるジブリの声に、自分の手首を、恐る恐る抑える。
「今まで出会った『ミコト』ン中で、一番酷かった。地面に根付いたみたいに、うずくまって動かなくて。俺らの存在にも気付かねーみたいで・・・。」
「シルバーコードも、目を凝らしてやっと見えるくらいだった。」
イズラが悲しそうな表情でそう告げれば、ジブリが辛そうな声で続けた。
実琴は、震えが止まらない。
自分の未来に、そんな恐ろしいことが待ち受けてるなんて、信じられなかった。
いや、信じたくない・・・という方が正しい。
しかし、ふと気づく。
ジブリは「消えた未来」と言っていなかっただろうか。
だから、「告げても、支障はない」と。
「だからね、約束したんだ。僕がおねーさんの赤ちゃんになってあげるって。僕が『ミコト』の子供になって、ずっと守ってあげるって。だから、僕を産む為に、生きてって。」
涙を瞳に残しつつ、ウリが笑顔を実琴に向ける。
その両手は、湿ったハンカチをしっかりと握りしめていた。
よく見れば、それは僅かに震えている。
「君は、笑って帰って行ったよ。ウリを産む為に。強い母親でありたいと言っていた。」
「・・・それが、私の消えた未来・・・?」
実琴がそう呟くと、それまで張りつめていたジブリの表情が、ふっと和らいだ。
「やはり、君は賢い子だ。」
懐かしい・・・優しいその声。
それは間違いなく、夢の・・・
実琴は弾かれたように、ジブリを見た。
夢だと思っていた。
辛い想いを抱え、泣きながら眠った夢には、必ず彼らが出てきてくれた。
ずっと。
夢の中の出来事だと・・・。
それでも、元気を貰い、勇気を貰い、励まして貰って・・・。
「・・・ごめんなさい。ずっと、見守っていてくれた・・・のに。」
そんな彼らの想いを、そうとは知らずに、自分はアッサリと諦めてしまった。
それが何よりも情けなかった。
「もう・・・いいよ。」
しがみ付いたままのウリが、必死で首を横に振る。
「いいの。ウリちゃん、ありがと。イズラ君も悪くない。ジブリも・・・怒ってくれて、ありがとう。」
ウリ、イズラ、ジブリ、と1人ずつ顔を見ながら、言葉をかけていく。
そして、最後にシャインに顔を向けると、実琴は、覚悟したように言葉を続けた。
「・・・シャインさん。私を回収してください。」
キッパリと、そう告げる実琴に、シャインは無表情のまま答える。
「物分かりの良いお嬢さんで、助かります。」
「物分かりなんて、・・・良くないよ。」
実琴は、寂しそうに笑って見せた。
「でも、天使に会えたから。もう、・・・いい事にする。」
想像と、ずいぶん違ったけれど・・・続く言葉は飲み込む。
その違う天使たちで、逆に良かったと、心からそう思うから。
なのに、実琴に必死にしがみ付くウリが、イヤイヤと首を振り、腕を伝ってその振動が彼女を揺らしていた。
「・・・だめだよぉ。」
涙声のウリに、実琴は優しく声をかける。
「ウリちゃん。私・・・ね。小さい頃、天使に憧れてたんだ。」
「僕・・・たちに?」
見上げてくるウリに、実琴はうなずくと、ウリの手をそっとほどいた。
「生まれつき・・・ね、身体弱くて、入退院繰り返して。死にかけたことも・・・ね、実は何度かあったりで。だからそんな時、いつも夢に天使が出てきた。」
瞼を閉じて、実琴は小さなころの記憶を辿る。
それはただの夢でしかなかったけれど、でも、いつも実琴に元気にしてくれた天使たち。
ただでさえ、あいまいな夢である。
記憶を辿っても、はっきりと覚えているのは、ほんの僅かだった。
それでも、瞼を閉じて思い起こせば、あの頃の温かい気持ちが、蘇ってくる。
そう・・・瞼を閉じてしまったから・・・。
だから、気づかなかった。
「大きい手でね、優しく頭を撫でてくれたり。」
イズラが、そっと自分の手を見たことを――。
「『賢い子だ』って褒めてくれたり。」
ジブリが、ハッとして口を手で覆ったことを――。
「『頑張れ』って励ましてくれたり。」
ウリが、懸命に実琴を見返すのを――。
「お嫁さんにしてくれる・・・なぁんて、・・・約束してくれた天使もいた。」
そして、カイルが気まずそうに、顔をそむけたのも――。
ちょっと可笑しそうに、微笑む実琴は、気づかない。
「夢だけど・・・。その度に私は元気になって、強くなってきた。」
ゆっくりと瞼を開くと、実琴はウリに向かって笑って見せた。
「だから・・・本物の天使に会えたんだから・・・もういい。思い残すことなんて、無いよ。」
そう告げる実琴の想いが・・・本心が・・・、嘘ではないと分かるから。
分かってしまうウリだから・・・。
彼女の言葉に、返せる言葉は、ソレしかなかった。
「・・・それでも、僕はやだよぉ~。」
「ウリちゃん。」
「だって、約束したんだ!! 『ミコト』、約束してくれたじゃないか!!」
「ウリ! ダメだ!!」
ウリの言葉に、イズラが声を上げる。
「僕のママになってくれるってっ!!」
悲痛なまでのその叫びを、実琴には理解することができなかった。
彼女から出たのは、言葉にならない音のみ。
「・・・え?」
実琴の疑問を置き去りにして、ウリの言葉は続いた。
「だから、僕、人間になるって決めたのにっ!!」
ウリの目から、大粒の涙が零れる。
それを拭おうともせずに、ウリは実琴を見つめた。
「約束」を違えさせるものかと、その瞳は必至に告げている。
「ウリたん。人間になるのぉ?」
「なっちゃうの?」
か細い・・・泣き声にも似た声で、エルとアズが、ぼそりと呟いた。
「この間来た、『ミコト』と約束した。」
「ジブリっ」
止めようとするイズラの手を振り払い、ジブリは言う。
「構わないだろ。もう消えた未来だ。告げても、支障はない。」
諦めたかのように、イズラはその場にへたり込んだ。
それをチラリと確認し、実琴はジブリを見る。
「話が、見えない・・・んだけど・・・。」
「・・・言ったろ? 俺らは『ミコト』の守護天遣なんだって。」
実琴の問いに答えたのは、イズラだった。
彼は眉をハの字にし、実琴を見上げる。
イズラが告げた言葉。
それは答えではあるのだが、実琴の疑問を解決してくれるものではなかった。
実琴が、視線をジブリに戻せば、ジブリはその視線をしっかりと受け止めた上で、口を開く。
「未熟児で生まれて、病弱な『ミコト』。親に迷惑ばかりかける自分が嫌いな『ミコト』。強くなるのに懸命な『ミコト』。ココに来る『ミコト』は、そんな少女達ばかりだ。」
ジブリの言葉を引き継ぐかのように、イズラが続けた。
「・・・全部、キミだよ。・・・『実琴』。」
それは、優しい声だった。
ゆっくりと包み込むような、暖かく沁み込んでくるような声。
幼い実琴が、天使の夢から覚めた時、心の中にポツンと残った暖かい何か。
その声は、その暖かさ・・・ぬくもりと同じものだった。
「わ・・・たし? さっきのあの子も?」
「そう。キミ自身。過去のキミ。」
少し困ったように、優しい声で、イズラは答える。
「『みっちゃん』、結構抜けてるよね・・・。 僕達は、すぐに分かるのにさ。」
涙を拭うこともせずに、拗ねたようにウリが呟いた。
ジブリがウリの頭の上に、手をのせる。
その手の下には、ハンカチが挟まれていた。
ウリが、両手でそれを受け取ったのを確認すると、手を下ろし、ジブリは説明を続ける。
「ココは、時間の流れとは切り離された世界。だから、ごく稀に、君みたいな成長した『ミコト』が来る。」
「じゃあ、夢だって思ってたのは・・・。」
実琴の呟きに、ジブリは僅かに頷いた。
「でも私、ママになるなんて約束、した記憶ない。」
「当然だ。この間来たのは、今の君より、少し未来の『ミコト』だ。」
「未来? ・・・私、また死にかけるの?」
その疑問に、イズラとウリが答える。
「キミは結婚をして、幸せな家庭を築いてた。」
「でも・・・赤ちゃんを流産しちゃうんだ。」
そう告げられた未来に、実琴は、思わず自分のお腹を見下ろした。
「事故だった。でも君は、自分のせいだと責めて続けて、・・・手首を切った。」
静かに答えを続けるジブリの声に、自分の手首を、恐る恐る抑える。
「今まで出会った『ミコト』ン中で、一番酷かった。地面に根付いたみたいに、うずくまって動かなくて。俺らの存在にも気付かねーみたいで・・・。」
「シルバーコードも、目を凝らしてやっと見えるくらいだった。」
イズラが悲しそうな表情でそう告げれば、ジブリが辛そうな声で続けた。
実琴は、震えが止まらない。
自分の未来に、そんな恐ろしいことが待ち受けてるなんて、信じられなかった。
いや、信じたくない・・・という方が正しい。
しかし、ふと気づく。
ジブリは「消えた未来」と言っていなかっただろうか。
だから、「告げても、支障はない」と。
「だからね、約束したんだ。僕がおねーさんの赤ちゃんになってあげるって。僕が『ミコト』の子供になって、ずっと守ってあげるって。だから、僕を産む為に、生きてって。」
涙を瞳に残しつつ、ウリが笑顔を実琴に向ける。
その両手は、湿ったハンカチをしっかりと握りしめていた。
よく見れば、それは僅かに震えている。
「君は、笑って帰って行ったよ。ウリを産む為に。強い母親でありたいと言っていた。」
「・・・それが、私の消えた未来・・・?」
実琴がそう呟くと、それまで張りつめていたジブリの表情が、ふっと和らいだ。
「やはり、君は賢い子だ。」
懐かしい・・・優しいその声。
それは間違いなく、夢の・・・
実琴は弾かれたように、ジブリを見た。
夢だと思っていた。
辛い想いを抱え、泣きながら眠った夢には、必ず彼らが出てきてくれた。
ずっと。
夢の中の出来事だと・・・。
それでも、元気を貰い、勇気を貰い、励まして貰って・・・。
「・・・ごめんなさい。ずっと、見守っていてくれた・・・のに。」
そんな彼らの想いを、そうとは知らずに、自分はアッサリと諦めてしまった。
それが何よりも情けなかった。
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