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第一部
吐瀉物
しおりを挟む起きたら御主人様がずっと撫でてた。頭からお尻の方までゆっくりと。ゆっくり、ゆっくり。さあっと。小さい頃もよくしてくれた。
御主人様がご飯を用意してくれてたけど、ずーっと満足に食べられなかったから、少ししか食べられなかった。御主人様は悲しそうに顔を歪めたけど、僕はそんな顔しないで、と鳴いた。御主人様は小さくわかったよ、と言って。また笑顔に戻った。
御主人様が学校に行くと、僕は倉庫と呼ばれる建物の中を歩き回った。
少し経つと、自分でしっかり立てなくなって、視界がぐーらぐらして、吐いてしまった。それはまだご飯の形をしていて、ああ、お腹が役に立たなくなっちゃったな……。と思った。僕の体はもう多分、あと少しで……。
どこかへ、いかないと。
御主人様、再開して早々にお別れをしなくちゃならないかもです。
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