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第一章
終業式
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チャイムが、鳴った。
パタパタとスリッパが駆ける音がして、まだ途中のチャイムがフェードアウトする。
誰かが放送を止めに行ったのだろう。
今は終業式の生徒指導部の訓話。チャイムが鳴ろうが家に帰してはくれない。
……退屈だ。
「学生の皆さんにとっては大変楽しみにしていたでしょうこの夏休み。明日から始まるわけですが、皆さんは先も言いましたように学生であり、本校の生徒であることを念頭に置き……」
要は学校の面汚しをするなっていうことだろ?
「ふあ~」
「おい坂城、目えつけられるからあくびすんなって」
後ろに座る結丘がヒソヒソと耳うちした。
夏休み前だっていうのにこんなに熱気のこもったサウナ状態に押し込められて、これ以上何を我慢しろと言うのか。俺はまた一つあくびをした。もう少しで……予定では、もう少しで終わるはずだが……。
「今期の中頃、みなさんもご存知でしょうが、本校の生徒が巻き込まれて……」
まだまだ続くようだ。
「坂城~、あくびすんなって~。もうちょいだろ?な?担任がこっち見てんだけどっ」
結丘の男にしては高めの声を子守唄に、俺は瞳を閉じて意識を旅立たせた。
「……という大変遺憾な事件が起こりました。警察の方も尽力されていますが、みなさんには自分の身は自分で守る気持ちも持っていただきたい。よって……」
あ、今日姉ちゃん遅くなる日か……。
「坂城?」
何にしようかな……ハンバー、グ……決定……だな……。
「坂城?坂城!」
「そこ!静かにしなさい!」
姉ちゃんが「またぁ?」とか言う姿を思い出し、俺はやっぱりハンバーグを候補から外した。流石に三日目は嫌か……。
*:†:*:†::†:*:†:*
「……八宝菜嫌いなんだけど」
「……食べなくていいよ」
「……レンちゃんのケチ」
「主夫なだけ」
みなさん、こんな姉ですけどこの物語どうか宜しくお願いしますね。
パタパタとスリッパが駆ける音がして、まだ途中のチャイムがフェードアウトする。
誰かが放送を止めに行ったのだろう。
今は終業式の生徒指導部の訓話。チャイムが鳴ろうが家に帰してはくれない。
……退屈だ。
「学生の皆さんにとっては大変楽しみにしていたでしょうこの夏休み。明日から始まるわけですが、皆さんは先も言いましたように学生であり、本校の生徒であることを念頭に置き……」
要は学校の面汚しをするなっていうことだろ?
「ふあ~」
「おい坂城、目えつけられるからあくびすんなって」
後ろに座る結丘がヒソヒソと耳うちした。
夏休み前だっていうのにこんなに熱気のこもったサウナ状態に押し込められて、これ以上何を我慢しろと言うのか。俺はまた一つあくびをした。もう少しで……予定では、もう少しで終わるはずだが……。
「今期の中頃、みなさんもご存知でしょうが、本校の生徒が巻き込まれて……」
まだまだ続くようだ。
「坂城~、あくびすんなって~。もうちょいだろ?な?担任がこっち見てんだけどっ」
結丘の男にしては高めの声を子守唄に、俺は瞳を閉じて意識を旅立たせた。
「……という大変遺憾な事件が起こりました。警察の方も尽力されていますが、みなさんには自分の身は自分で守る気持ちも持っていただきたい。よって……」
あ、今日姉ちゃん遅くなる日か……。
「坂城?」
何にしようかな……ハンバー、グ……決定……だな……。
「坂城?坂城!」
「そこ!静かにしなさい!」
姉ちゃんが「またぁ?」とか言う姿を思い出し、俺はやっぱりハンバーグを候補から外した。流石に三日目は嫌か……。
*:†:*:†::†:*:†:*
「……八宝菜嫌いなんだけど」
「……食べなくていいよ」
「……レンちゃんのケチ」
「主夫なだけ」
みなさん、こんな姉ですけどこの物語どうか宜しくお願いしますね。
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