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チェリーの見る夢
緊急事態?
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そして土曜日――
「じゃあ行ってくる」
「行ってらっしゃい」
淡いグレーのスーツを清楚に着こなした瑞貴が玄関口で振り返り、後ろをついてきたちえりが彼の通勤用バッグを笑顔で手渡した。
有能な瑞貴が会社の緊急事態に召集されるのは仕方がないことなのかもしれないが、日頃から残業の多い彼に圧し掛かる負担は相当なものだと新人のちえりにもわかる。
(センパイ疲れてるべな……早く終わって帰ってこれるといいな)
あからさまに不安げな表情を浮かべたちえりに瑞貴が切なく笑う。
「チェリー午前中出かける予定ある? あるならカードキー渡しておくから……」
(ん? なんだろ、いまの間……)
「いいえ、今日はおうちでお掃除してようかなって思ってます。全然綺麗だからやるとこないかもしれないですけど」
「そっか、なんにもしなくていいよ。ゆっくりしてな?」
どこか安堵したような笑みを浮かべ、瑞貴は玄関の扉を開く。
「いえっ! そういうわけには!!」
(瑞貴センパイが働いてるのに私だけ休んでいられないっ!!)
「ははっ、ありがとな。適当でいいから」
「では適当に精一杯頑張ります! 行ってらっしゃいっ!!」
優しさと品を兼ね備えた王子スマイルは今朝も美しく、思わず拝みたくなるような神々しさだった。
「さぁやるぞーっ!!」
瑞貴を見送り、髪を結わいて腕まくりをするとポケットのスマホからメールの着信音が響いた。
「センパイ……?」
忘れ物とか? と思いながらメールを広げると――
"差出人 鳥居隼人
件名 瑞貴先輩って
文章 今日出勤?"
「……っ!」
差出人を見た瞬間ちえりの鬣(たてがみ)が逆立った気がする。しかし内容を見るからに瑞貴を心配しての言葉にも思えたため、真面目に返したほういいのかな? と殊勝な考えが顔を覗かせた。
「……声聞こえたんだべか? 瑞貴センパイば心配してるってことだし、ここはひとつ……"そうなのよ。瑞貴センパイは忙しいのよ"っと……」
送信を押してから朝食で使用した食器をキッチンへ下げ、掃除機を取りに別室へ向かう。そして、あらかじめ充電しておいたハイパワーなスティック型のコードレスクリーナーを手にリビングへ戻ろうとすると、再び着信音が鳴ってちえりはスマホを取り出した。
「また鳥頭だ。んー、やっぱりこの前のお礼、ちゃんと言ったほういいべか……」
嫌味なところはたくさんあるけれど、それを差し引いても"あの雨の夜"に受けた恩は大きい。場所を問わずなるべく関わらぬよう避けて行動しているが、奇跡的に顔を合わせてもすぐ子供の喧嘩のようになってしまい、からかわれた怒りから職場では感謝の「か」の字さえ浮かんでこなかった。
「タイミングって大事っていうし、このまま恩知らずな三十路になるわけには――」
自分で次の年代のことを口にしながら、心に受けたダメージを抱えきれずに膝を抱えてしまいそうになったちえりの指が画面に触れ、視界の端で鳥頭のメールが映し出された。
「そうだ……ま、まずメール見なきゃ!」
崩れ落ちそうになった己を奮い立たせ、並ぶ文字へ目を向けると――
"差出人 鳥居隼人
件名 そうだな
文章 お前と違ってな"
「……くっ! ほんっと可愛くない!!」
これ以上のメールは不要! と判断したちえりは空気清浄器のパワーを上げ、布団を軽く二つ折りにすると次々に掃除機をかけ、棚の上は丁寧にモップをかける。
「よしっ! こんなもんかな?」
汗はかいていなかったが、額のそれを拭う素振りをしながら折りたたんだ布団を元に戻していく。
そして時間を確認しようとスマホを取り出すと、メールと電話の着信を知らせるランプが点滅していることに気がついた。
「あれっ!? 掃除機の音で聞こえないんだっけべか……」
着信 二件
メール受信 三件
「瑞貴センパイ?」
(何かあったんだべか……もしかして例の"応援"に呼ばれたとか……?)
恐る恐る着信履歴やメールの受信履歴を確認すると緊張して強張った体が一気に脱力し、ため息交じりの言葉が漏れた。
「鳥頭ばっかじゃん」
仕方なく中身を確認してみると"腹減った"と、最初は食事の要求。
続いて"無視すんな"と逆ギレ。
そしてラストは"風呂いれてやったのに……"と恩着せがましいことまで言い始めている。
「着信まで来てるし……どれだけ緊急事態なのよ」
ちえりは顔を引き攣らせながら仕方なくメールを打ち込む。
"カードキーがないから外に出られないの。食事が欲しいなら皿持って来んかいっ!!"
「……ん? あげるものって言ってもミネストローネと、残りのハンバーグくらい?」
ミネストローネもハンバーグも多めに作っていたため、まだ充分余っている。しかもハンバーグは焼く前の状態で冷凍にされているので、すぐ来られても困るという事象が発生してしまった。
「あと二十分後とかってメール送っとかなきゃ……」
今一度スマホの画面を開くが、すでに遅し。
――ピンポーン、ピンポーン!
「はやっ!」
ちえりはスリッパを鳴らしながら急いで玄関口へ急いだ。
――ピンポーン、ピンポーン、ピンポーン!!
「も~! うるさいっ!」
(普段澄ました顔してるくせにガキっぽいんだからっ!!)
――ガチャッ
「はい!!」
怒りを込めて声を上げ、扉の向こうに待機しているであろう顔を思い浮かべると――
「どーも」
グレーの髪はしっとりと下ろされ、キリッとした眼差しもどこか和らいでいる鳥頭。そして土曜日は完全な休日モードらしい彼は欠伸を噛みしめながら大人しく立っている。
(だ、黙ってればカッコイイのに……っ!)
パーカーを着た彼は手に高価そうな漆塗りの御盆と、その上に和風食器と箸を揃えて前に進み出る。
(は、箸っ!? ここで食べるつもり!?)
「……っさ、さっき掃除機かけ終わったばっかりだし! ここ瑞貴センパイの家なんだから玄関から上がってこないでよ!?」
「さっきはそんなこと言ってなかったぞ」
「だってそこまで図々しいとは思わな……っ……」
「報告・連絡・相談を怠ったお前が悪い」
「……っ!?」
「と、とにかくっ! これ以上センパイに嘘つきたくないの! 大人しくそこで待ってなさいっ!!」
「…………」
ビシィッ! と玄関を指差したちえりはズカズカとリビングへ戻っていく。
「遠慮って言葉知らないんだべかっ!!」
冷凍ハンバーグを冷凍庫から鷲掴みで取り出し、オーブンレンジに荒々しく放り投げて解凍の指示を出す。さらに冷蔵庫で就寝中のミネストローネを温めようと鍋を取り出すが……
「……あ、うつわ……」
(玄関まで戻らないと……)
一度で終わらせられない自分が情けない。
昔から気ばかり焦って重要なことを見落としてしまう悪い癖が今も抜けていないのだ。
悪い癖を二十九年間引きずってきた重い足で振り返ろうとすると――
「いつ見ても変な配置。別に部屋あんのになんでここにベッド置くんだよ」
まるで天井に向かって放たれたような放射状に伸びた男の声。
「……まさか……」
バッとリビングを覗くと、ちえりのベッドの上で寝転がっている鳥頭がいた。
「……っちょっと! それ私の……っ」
「知ってる。瑞貴先輩んとこで寝たら失礼だろ? しかも男が男のベッドってなんか嫌だし。一応お前は女だし?」
「……全然褒められてる気がしないんですけど……」
「あれ、そう聞こえます?」
「……こんのっ……」
ググッと腿の脇で拳を握りしめながら恨めしそうに鳥頭を睨む。
「もうすぐ出来るから! 早く出てって!!」
「えー……チェリーサン冷たい」
「はいはいっ!!」
鳥頭が持ってきた高級そうな器をキッチンへ運び、解凍の終えたハンバーグをフライパンで焼いた。
そして温めたミネストローネを器に移し、炊飯ジャーの蓋を開けてから首を傾げる。
「……ん?」
よく見てみると、皿がひとつ足りない。
(あ、茶碗が足りないんだ。こういう時って……)
"うーん"と悩んだ結果、閃いたちえりがとった行動は――
「出来たっ!」
(ちょっと和と洋が混ざってバランス悪いけど……)
「ほら、出来たからさっさと持ってって!」
「……お、ごちそうさん」
いつの間にかテーブルへと移動していた鳥頭はお盆を受け取ると箸を取り、両手を合わせながら"いただきます"の仕草に入ろうとする。
「ちょっと待った! ここで食べないでってば!」
「あぁ……"これ以上大好きな瑞貴センパイに嘘つきたくない"って言ってましたっけ?」
(わ、私……大好きなんて言ってたっけっ!?)
「そ、そうっ!! この前はあんたが気を利かせて一言いってくれたから疑われずに済んだけど、あれだって本当は嘘、だし……」
やましい事があるわけではないけれど、余計な心配はかけたくない。
更に"そこまでして温かい部屋に入りたかったのか……"と、瑞貴に責任を感じられるのも嫌だったから黙っていたのだ。
「……最初から信じてねぇよ。あの人」
「じゃあ行ってくる」
「行ってらっしゃい」
淡いグレーのスーツを清楚に着こなした瑞貴が玄関口で振り返り、後ろをついてきたちえりが彼の通勤用バッグを笑顔で手渡した。
有能な瑞貴が会社の緊急事態に召集されるのは仕方がないことなのかもしれないが、日頃から残業の多い彼に圧し掛かる負担は相当なものだと新人のちえりにもわかる。
(センパイ疲れてるべな……早く終わって帰ってこれるといいな)
あからさまに不安げな表情を浮かべたちえりに瑞貴が切なく笑う。
「チェリー午前中出かける予定ある? あるならカードキー渡しておくから……」
(ん? なんだろ、いまの間……)
「いいえ、今日はおうちでお掃除してようかなって思ってます。全然綺麗だからやるとこないかもしれないですけど」
「そっか、なんにもしなくていいよ。ゆっくりしてな?」
どこか安堵したような笑みを浮かべ、瑞貴は玄関の扉を開く。
「いえっ! そういうわけには!!」
(瑞貴センパイが働いてるのに私だけ休んでいられないっ!!)
「ははっ、ありがとな。適当でいいから」
「では適当に精一杯頑張ります! 行ってらっしゃいっ!!」
優しさと品を兼ね備えた王子スマイルは今朝も美しく、思わず拝みたくなるような神々しさだった。
「さぁやるぞーっ!!」
瑞貴を見送り、髪を結わいて腕まくりをするとポケットのスマホからメールの着信音が響いた。
「センパイ……?」
忘れ物とか? と思いながらメールを広げると――
"差出人 鳥居隼人
件名 瑞貴先輩って
文章 今日出勤?"
「……っ!」
差出人を見た瞬間ちえりの鬣(たてがみ)が逆立った気がする。しかし内容を見るからに瑞貴を心配しての言葉にも思えたため、真面目に返したほういいのかな? と殊勝な考えが顔を覗かせた。
「……声聞こえたんだべか? 瑞貴センパイば心配してるってことだし、ここはひとつ……"そうなのよ。瑞貴センパイは忙しいのよ"っと……」
送信を押してから朝食で使用した食器をキッチンへ下げ、掃除機を取りに別室へ向かう。そして、あらかじめ充電しておいたハイパワーなスティック型のコードレスクリーナーを手にリビングへ戻ろうとすると、再び着信音が鳴ってちえりはスマホを取り出した。
「また鳥頭だ。んー、やっぱりこの前のお礼、ちゃんと言ったほういいべか……」
嫌味なところはたくさんあるけれど、それを差し引いても"あの雨の夜"に受けた恩は大きい。場所を問わずなるべく関わらぬよう避けて行動しているが、奇跡的に顔を合わせてもすぐ子供の喧嘩のようになってしまい、からかわれた怒りから職場では感謝の「か」の字さえ浮かんでこなかった。
「タイミングって大事っていうし、このまま恩知らずな三十路になるわけには――」
自分で次の年代のことを口にしながら、心に受けたダメージを抱えきれずに膝を抱えてしまいそうになったちえりの指が画面に触れ、視界の端で鳥頭のメールが映し出された。
「そうだ……ま、まずメール見なきゃ!」
崩れ落ちそうになった己を奮い立たせ、並ぶ文字へ目を向けると――
"差出人 鳥居隼人
件名 そうだな
文章 お前と違ってな"
「……くっ! ほんっと可愛くない!!」
これ以上のメールは不要! と判断したちえりは空気清浄器のパワーを上げ、布団を軽く二つ折りにすると次々に掃除機をかけ、棚の上は丁寧にモップをかける。
「よしっ! こんなもんかな?」
汗はかいていなかったが、額のそれを拭う素振りをしながら折りたたんだ布団を元に戻していく。
そして時間を確認しようとスマホを取り出すと、メールと電話の着信を知らせるランプが点滅していることに気がついた。
「あれっ!? 掃除機の音で聞こえないんだっけべか……」
着信 二件
メール受信 三件
「瑞貴センパイ?」
(何かあったんだべか……もしかして例の"応援"に呼ばれたとか……?)
恐る恐る着信履歴やメールの受信履歴を確認すると緊張して強張った体が一気に脱力し、ため息交じりの言葉が漏れた。
「鳥頭ばっかじゃん」
仕方なく中身を確認してみると"腹減った"と、最初は食事の要求。
続いて"無視すんな"と逆ギレ。
そしてラストは"風呂いれてやったのに……"と恩着せがましいことまで言い始めている。
「着信まで来てるし……どれだけ緊急事態なのよ」
ちえりは顔を引き攣らせながら仕方なくメールを打ち込む。
"カードキーがないから外に出られないの。食事が欲しいなら皿持って来んかいっ!!"
「……ん? あげるものって言ってもミネストローネと、残りのハンバーグくらい?」
ミネストローネもハンバーグも多めに作っていたため、まだ充分余っている。しかもハンバーグは焼く前の状態で冷凍にされているので、すぐ来られても困るという事象が発生してしまった。
「あと二十分後とかってメール送っとかなきゃ……」
今一度スマホの画面を開くが、すでに遅し。
――ピンポーン、ピンポーン!
「はやっ!」
ちえりはスリッパを鳴らしながら急いで玄関口へ急いだ。
――ピンポーン、ピンポーン、ピンポーン!!
「も~! うるさいっ!」
(普段澄ました顔してるくせにガキっぽいんだからっ!!)
――ガチャッ
「はい!!」
怒りを込めて声を上げ、扉の向こうに待機しているであろう顔を思い浮かべると――
「どーも」
グレーの髪はしっとりと下ろされ、キリッとした眼差しもどこか和らいでいる鳥頭。そして土曜日は完全な休日モードらしい彼は欠伸を噛みしめながら大人しく立っている。
(だ、黙ってればカッコイイのに……っ!)
パーカーを着た彼は手に高価そうな漆塗りの御盆と、その上に和風食器と箸を揃えて前に進み出る。
(は、箸っ!? ここで食べるつもり!?)
「……っさ、さっき掃除機かけ終わったばっかりだし! ここ瑞貴センパイの家なんだから玄関から上がってこないでよ!?」
「さっきはそんなこと言ってなかったぞ」
「だってそこまで図々しいとは思わな……っ……」
「報告・連絡・相談を怠ったお前が悪い」
「……っ!?」
「と、とにかくっ! これ以上センパイに嘘つきたくないの! 大人しくそこで待ってなさいっ!!」
「…………」
ビシィッ! と玄関を指差したちえりはズカズカとリビングへ戻っていく。
「遠慮って言葉知らないんだべかっ!!」
冷凍ハンバーグを冷凍庫から鷲掴みで取り出し、オーブンレンジに荒々しく放り投げて解凍の指示を出す。さらに冷蔵庫で就寝中のミネストローネを温めようと鍋を取り出すが……
「……あ、うつわ……」
(玄関まで戻らないと……)
一度で終わらせられない自分が情けない。
昔から気ばかり焦って重要なことを見落としてしまう悪い癖が今も抜けていないのだ。
悪い癖を二十九年間引きずってきた重い足で振り返ろうとすると――
「いつ見ても変な配置。別に部屋あんのになんでここにベッド置くんだよ」
まるで天井に向かって放たれたような放射状に伸びた男の声。
「……まさか……」
バッとリビングを覗くと、ちえりのベッドの上で寝転がっている鳥頭がいた。
「……っちょっと! それ私の……っ」
「知ってる。瑞貴先輩んとこで寝たら失礼だろ? しかも男が男のベッドってなんか嫌だし。一応お前は女だし?」
「……全然褒められてる気がしないんですけど……」
「あれ、そう聞こえます?」
「……こんのっ……」
ググッと腿の脇で拳を握りしめながら恨めしそうに鳥頭を睨む。
「もうすぐ出来るから! 早く出てって!!」
「えー……チェリーサン冷たい」
「はいはいっ!!」
鳥頭が持ってきた高級そうな器をキッチンへ運び、解凍の終えたハンバーグをフライパンで焼いた。
そして温めたミネストローネを器に移し、炊飯ジャーの蓋を開けてから首を傾げる。
「……ん?」
よく見てみると、皿がひとつ足りない。
(あ、茶碗が足りないんだ。こういう時って……)
"うーん"と悩んだ結果、閃いたちえりがとった行動は――
「出来たっ!」
(ちょっと和と洋が混ざってバランス悪いけど……)
「ほら、出来たからさっさと持ってって!」
「……お、ごちそうさん」
いつの間にかテーブルへと移動していた鳥頭はお盆を受け取ると箸を取り、両手を合わせながら"いただきます"の仕草に入ろうとする。
「ちょっと待った! ここで食べないでってば!」
「あぁ……"これ以上大好きな瑞貴センパイに嘘つきたくない"って言ってましたっけ?」
(わ、私……大好きなんて言ってたっけっ!?)
「そ、そうっ!! この前はあんたが気を利かせて一言いってくれたから疑われずに済んだけど、あれだって本当は嘘、だし……」
やましい事があるわけではないけれど、余計な心配はかけたくない。
更に"そこまでして温かい部屋に入りたかったのか……"と、瑞貴に責任を感じられるのも嫌だったから黙っていたのだ。
「……最初から信じてねぇよ。あの人」
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