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(12)SIDE:斗輝
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奏太の体を軽く抱きしめると、腕力でもって彼の体の位置を入れ替える。俺の太ももを跨がせ、向き合う体勢になった。
「せんぱい?」
眉毛を下げ、ありありと困惑を浮かべた表情で俺を窺う奏太。そんな彼を安心させてやりたくて、静かに微笑みを浮かべる。
俺は濡れて額に張り付いている前髪を指で払ってやり、その指で柔らかな丸みを持つ頬を撫でてやる。
逃げ出すことなく、指の動きを目で追っている奏太の顎先を、俺はゆっくりと右手で捕えた。
「奏太」
彼から漂う香りにも負けないくらい、甘い声音で名前を呼ぶ。
こんなにも愛しいという想いを込めて誰かを呼ぶなど、今までになかった。
家族でも、友人でも、得ることができなかった想いが、胸に空いた穴を塞いでゆく。
奏太は伏せていた視線を上げ、澄んだ瞳に俺を映し出した。
さんざん泣いたせいで赤く染まった目元があどけなくもあり、煽情的でもあり、いずれにせよ、俺の雄を刺激する。
指で顎先を捕えたまま、親指で彼の唇を静かに撫でた。
ピクンと肩が跳ねるものの、奏太はジッと俺を見つめたまま大人しくしている。
ただし、震える唇から零れる吐息は、荒く熱い。徐々に、眉間の皺が深くなってゆく。
もう、猶予はないと分かった。
「奏太は、なにも心配することないんだよ」
ゆっくりと瞬きをした奏太の目から、ポロリと大粒の涙が零れる。
「せ……ぱ、い?」
さらにたどたどしく俺を呼ぶ奏太の頬を、両手で包んでやった。
「なにも心配しないでいいから」
掠れた声で囁きながら、しっかりと彼の瞳を見つめて、少しずつ顔を近付ける。
「奏太を助けてあげたいんだ」
轟轟と凄まじい音をたてて襲いかかる発情の渦から、助け出して、守って、包み込んでやりたい。
いや、違う。
助けてあげると告げておきながら、真実、助けてほしいのは俺のほうだ。
――俺を助けて。俺を求めて、俺を愛して……。張り裂けるほど胸に溢れる愛情を、ひとつ残らず、奏太にあげるから……
「奏太が欲しい……」
そして、俺は奏太の唇に自分の唇を重ねた。
俺にキスされたことに驚いているのか、奏太は目を閉じないでいる。
柔らかい唇を啄みながら、俺は目を細めた。
ここまで至近距離だと、お互いの顔など分からない。
だが、ひたすらに俺を見つめている茶色の光だけは感じることができる。
そのことにフッと短く息を漏らし、奏太の口内に舌を差し入れた。
呆けている奏太の舌を、クチュリと水音を立てて絡めとる。
「や、あ……」
奏太が拒むように甲高い声を上げ、ユルユルと首を横に振った。
――怖いことは、なにもしないから……
その想いを視線に籠め、ぼやける茶色の瞳を見つめながらキスを続ける。
やがて奏太は首の動きを止めた。
しかし、いまだに彼の舌は奥のほうで縮こまっている。俺が舌を巻きつけようとすれば、ピクリと細い肩が跳ね、奏太の舌が弱々しく逃げる。
奏太の手が俺の肩に触れ、細い指が俺の肩を掴んできた。
縋ろうとしているのか、押し放そうとしているのか分からない。
それでも、そんな奏太の様子は庇護欲を掻き立て、愛おしさが増してゆく。
奏太を前にすると、優しくしたい、甘やかしたいという気持ちが自然とこみ上げる。
――今は、このくらいか。
これ以上奏太を困惑させるのは、得策ではない。
それに、ここは風呂場だ。
風呂場で抱き合うことも可能だが、初めてはベッドの上がいいだろう。バスタブの中では、奏太の手足がぶつかって痣になる可能性がある。
それに、明るい場所で見る奏太の肢体はダイレクトに俺の雄を刺激するため、加減ができなくなりそうで怖いのだ。
キスを解き、両親指の腹で奏太の頬を静かに撫でる。
番からのキスを受けたせいか、奏太の表情が、心なしか蕩けているように思える。彼の瞳からいまだに怯えの色は完全に消え失せていないものの、俺の目をジッと見つめ返していた。
ただそれだけのことなのに、可愛いと思ってしまう。
頬を撫でながら、泣き濡れて赤くなっている目尻にキスを落とした。
あれをしよう、これをしようと考えなくても、無意識のうちに言動が甘やかになる。番に惹かれるというのはこういうことなのかと、改めて認識した。
これまでは本能に抗うことができないという『番』の存在を、どこか恐れている一面もあった。
だが、本能が引きずられるほどの存在に出逢えることは、またとない幸運なのだろう。
アルファとして生まれてきたおかげで、俺には多くのものを与えられる。
しかし、その分だけ、多くのものを抱え込まなければならない。
そんなアルファの癒しとなり、心の拠り所となるのが、番であるオメガの存在。なにを置いても守り通し、誰よりも大切にしたい、それが奏太だ。
ジワジワと胸の奥が温かくなり、静かに湧きあがる衝動のまま、ついつい、奏太の唇にキスをする。
今度も俺は目を開けたままだが、奏太は目を閉じた。
彼の体から緊張は抜けていないが、目を閉じたということは、少しは俺に身を任せてもいいということではないだろうか。俺の出方を、ビクビクしながら窺わなくてもいいと思ってくれたのではないだろうか。
俺は少しだけ顔を放し、ギリギリ唇が触れ合う位置で動きを止めた。
「奏太……」
その状態で名前を呼び、両腕で細い体を抱き締める。
「奏太……」
もう一度名前を呼べば、目の前の瞼がゆっくりと持ち上がった。
顔が近過ぎるせいで陰になり、茶色の瞳がよく分からない。それでも、『俺』を認識してくれているのは分かる。
――さてと、奏太のすべてで、俺を知ってもらわないとな。
「奏太、風呂から上がろうか」
最後にチュッと唇に吸い付き、俺は奏太をしっかりと抱き上げた。
驚かせないようにゆっくりと動き、脱衣所へと移動する。
体を拭くべきかと悩んだが、それは一瞬のことだった。濡れた体のまま、寝室に向かう。清水のことだ、寝室も快適な温度に設定済みだろう。
扉を開ければ、やはり寝室は予想通り。裸でいても、まったく寒さを感じない。
俺は大人三人がゆったりと寝られるほどの大きなベッドの中央に、奏太をソッと下ろした。
薄明りの下、しなやかな奏太の肌がうっすらと光を放っているように見える。それほど、彼の肌は色が白かった。
――キスマークがよく映えそうだな。
そんなことをふと考えた時、俺は奏太の首元に顔を寄せ、スンと匂いを嗅ぐ。
医務室を出る間際、篠岡から、『奏太君の脈拍を調べるために、ちょっとだけ触らせてもらったよ。診察の一環だから、怒らないでもらえるとありがたいんだけど』と、苦笑まじりに告げられた。
それを聞いて思わず眉根を寄せてしまったが、相手は医者で、しかも他意はなかったのだから責められない。
それでも、自分の番に触れられた腹立たしさはある。
風呂場でしっかり洗ったけれど、やはり気に入らない。
俺はもう一度そこの匂いを嗅いてから、ペロリと舐めた。
「ふ、うぅ……」
くすぐったいのか、奏太が小さな声を上げる。
俺が与えた刺激に反応を見せてくれたことで、怒りが一回り小さくなった。
喉奥でクスリと笑った俺は、舐めた部分に強く吸い付く。
思ったとおり、赤いキスマークが刻まれた。
それを見て、俺の中の怒りがもう一回り小さくなる。
「奏太の全身にキスマークを散らせば、篠岡への腹立たしさも、すっかり消えるか?」
クスクス笑いながら漏らした呟きは、我ながら魅力的なものだった。
「せんぱい?」
眉毛を下げ、ありありと困惑を浮かべた表情で俺を窺う奏太。そんな彼を安心させてやりたくて、静かに微笑みを浮かべる。
俺は濡れて額に張り付いている前髪を指で払ってやり、その指で柔らかな丸みを持つ頬を撫でてやる。
逃げ出すことなく、指の動きを目で追っている奏太の顎先を、俺はゆっくりと右手で捕えた。
「奏太」
彼から漂う香りにも負けないくらい、甘い声音で名前を呼ぶ。
こんなにも愛しいという想いを込めて誰かを呼ぶなど、今までになかった。
家族でも、友人でも、得ることができなかった想いが、胸に空いた穴を塞いでゆく。
奏太は伏せていた視線を上げ、澄んだ瞳に俺を映し出した。
さんざん泣いたせいで赤く染まった目元があどけなくもあり、煽情的でもあり、いずれにせよ、俺の雄を刺激する。
指で顎先を捕えたまま、親指で彼の唇を静かに撫でた。
ピクンと肩が跳ねるものの、奏太はジッと俺を見つめたまま大人しくしている。
ただし、震える唇から零れる吐息は、荒く熱い。徐々に、眉間の皺が深くなってゆく。
もう、猶予はないと分かった。
「奏太は、なにも心配することないんだよ」
ゆっくりと瞬きをした奏太の目から、ポロリと大粒の涙が零れる。
「せ……ぱ、い?」
さらにたどたどしく俺を呼ぶ奏太の頬を、両手で包んでやった。
「なにも心配しないでいいから」
掠れた声で囁きながら、しっかりと彼の瞳を見つめて、少しずつ顔を近付ける。
「奏太を助けてあげたいんだ」
轟轟と凄まじい音をたてて襲いかかる発情の渦から、助け出して、守って、包み込んでやりたい。
いや、違う。
助けてあげると告げておきながら、真実、助けてほしいのは俺のほうだ。
――俺を助けて。俺を求めて、俺を愛して……。張り裂けるほど胸に溢れる愛情を、ひとつ残らず、奏太にあげるから……
「奏太が欲しい……」
そして、俺は奏太の唇に自分の唇を重ねた。
俺にキスされたことに驚いているのか、奏太は目を閉じないでいる。
柔らかい唇を啄みながら、俺は目を細めた。
ここまで至近距離だと、お互いの顔など分からない。
だが、ひたすらに俺を見つめている茶色の光だけは感じることができる。
そのことにフッと短く息を漏らし、奏太の口内に舌を差し入れた。
呆けている奏太の舌を、クチュリと水音を立てて絡めとる。
「や、あ……」
奏太が拒むように甲高い声を上げ、ユルユルと首を横に振った。
――怖いことは、なにもしないから……
その想いを視線に籠め、ぼやける茶色の瞳を見つめながらキスを続ける。
やがて奏太は首の動きを止めた。
しかし、いまだに彼の舌は奥のほうで縮こまっている。俺が舌を巻きつけようとすれば、ピクリと細い肩が跳ね、奏太の舌が弱々しく逃げる。
奏太の手が俺の肩に触れ、細い指が俺の肩を掴んできた。
縋ろうとしているのか、押し放そうとしているのか分からない。
それでも、そんな奏太の様子は庇護欲を掻き立て、愛おしさが増してゆく。
奏太を前にすると、優しくしたい、甘やかしたいという気持ちが自然とこみ上げる。
――今は、このくらいか。
これ以上奏太を困惑させるのは、得策ではない。
それに、ここは風呂場だ。
風呂場で抱き合うことも可能だが、初めてはベッドの上がいいだろう。バスタブの中では、奏太の手足がぶつかって痣になる可能性がある。
それに、明るい場所で見る奏太の肢体はダイレクトに俺の雄を刺激するため、加減ができなくなりそうで怖いのだ。
キスを解き、両親指の腹で奏太の頬を静かに撫でる。
番からのキスを受けたせいか、奏太の表情が、心なしか蕩けているように思える。彼の瞳からいまだに怯えの色は完全に消え失せていないものの、俺の目をジッと見つめ返していた。
ただそれだけのことなのに、可愛いと思ってしまう。
頬を撫でながら、泣き濡れて赤くなっている目尻にキスを落とした。
あれをしよう、これをしようと考えなくても、無意識のうちに言動が甘やかになる。番に惹かれるというのはこういうことなのかと、改めて認識した。
これまでは本能に抗うことができないという『番』の存在を、どこか恐れている一面もあった。
だが、本能が引きずられるほどの存在に出逢えることは、またとない幸運なのだろう。
アルファとして生まれてきたおかげで、俺には多くのものを与えられる。
しかし、その分だけ、多くのものを抱え込まなければならない。
そんなアルファの癒しとなり、心の拠り所となるのが、番であるオメガの存在。なにを置いても守り通し、誰よりも大切にしたい、それが奏太だ。
ジワジワと胸の奥が温かくなり、静かに湧きあがる衝動のまま、ついつい、奏太の唇にキスをする。
今度も俺は目を開けたままだが、奏太は目を閉じた。
彼の体から緊張は抜けていないが、目を閉じたということは、少しは俺に身を任せてもいいということではないだろうか。俺の出方を、ビクビクしながら窺わなくてもいいと思ってくれたのではないだろうか。
俺は少しだけ顔を放し、ギリギリ唇が触れ合う位置で動きを止めた。
「奏太……」
その状態で名前を呼び、両腕で細い体を抱き締める。
「奏太……」
もう一度名前を呼べば、目の前の瞼がゆっくりと持ち上がった。
顔が近過ぎるせいで陰になり、茶色の瞳がよく分からない。それでも、『俺』を認識してくれているのは分かる。
――さてと、奏太のすべてで、俺を知ってもらわないとな。
「奏太、風呂から上がろうか」
最後にチュッと唇に吸い付き、俺は奏太をしっかりと抱き上げた。
驚かせないようにゆっくりと動き、脱衣所へと移動する。
体を拭くべきかと悩んだが、それは一瞬のことだった。濡れた体のまま、寝室に向かう。清水のことだ、寝室も快適な温度に設定済みだろう。
扉を開ければ、やはり寝室は予想通り。裸でいても、まったく寒さを感じない。
俺は大人三人がゆったりと寝られるほどの大きなベッドの中央に、奏太をソッと下ろした。
薄明りの下、しなやかな奏太の肌がうっすらと光を放っているように見える。それほど、彼の肌は色が白かった。
――キスマークがよく映えそうだな。
そんなことをふと考えた時、俺は奏太の首元に顔を寄せ、スンと匂いを嗅ぐ。
医務室を出る間際、篠岡から、『奏太君の脈拍を調べるために、ちょっとだけ触らせてもらったよ。診察の一環だから、怒らないでもらえるとありがたいんだけど』と、苦笑まじりに告げられた。
それを聞いて思わず眉根を寄せてしまったが、相手は医者で、しかも他意はなかったのだから責められない。
それでも、自分の番に触れられた腹立たしさはある。
風呂場でしっかり洗ったけれど、やはり気に入らない。
俺はもう一度そこの匂いを嗅いてから、ペロリと舐めた。
「ふ、うぅ……」
くすぐったいのか、奏太が小さな声を上げる。
俺が与えた刺激に反応を見せてくれたことで、怒りが一回り小さくなった。
喉奥でクスリと笑った俺は、舐めた部分に強く吸い付く。
思ったとおり、赤いキスマークが刻まれた。
それを見て、俺の中の怒りがもう一回り小さくなる。
「奏太の全身にキスマークを散らせば、篠岡への腹立たしさも、すっかり消えるか?」
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