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第五章:「大陸到着」
第72話 「狩人の実力」
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自己紹介をした後、俺は事の顛末ラーザに話した。
街を見つけられずに少し休んでいたと言う事と、何故穴に落ちたいたかと言う事を。
すると彼女が家に案内をしてくれると言う。
どうやらこれから先は、あまり街も少なくて大変だと言う。
それを聞き、俺達はラーザの言葉に甘える事にした。
それに…ラーザは余程面白かったのか笑っている。
「アッハハハ!あんな所で普通は遊びませんよ!」
それはそうだろう、普通で考えればあんな場所で遊んだりしない。
だが、そうせざるを得ない理由があったんだ。
言いたい気持もあったが…ここは堪えた方が良いだろう。
そんな事もあり、俺は何とも言えない感情に包まれた。
「ラーザさんは普段からあの場所で狩りを?」
「はい!あの場所が一番いい獲物が取れるんですよ。それに最近では『オルドヌング帝国』と『エーベネ連邦』が戦争中だとか言っていますが、私はあまりどちらにもいきませんし、よく行って少し離れた街ぐらいですよ」
――それに…今では2人組の魔王さん達が現れたって言うじゃないですか?――
ラーザが話した直後、突然ラーザは弓を構え、矢を弦につがえた。
俺達もラーザに構えている方向に咄嗟に腕を伸ばした。
「どうしたんですか…?」
「獣の臭いがします…」
そう言う彼女の表情は、先程の笑顔の似合う少女では無く、『狩人』の目つきをしていた。
ラーザは片目を閉じ、息を整える。
つがえている矢は一寸のブレも無く、ただ一点だけを狙っている。
そして何かを呟いているが、聞き取れなかった。
その後、何処からか唸り声が聞こえたと思ったのも刹那。
暗闇に向けて、ラーザは矢を放った。
風を切り裂き、まるで線を引いたかの様に真っ直ぐと飛んで行くと、唸り声と共に木々の間から『何か』が出て来た。
携えているランプが照らし出した時に、その正体が分かった。
熊だ。
だが、その熊の眉間には矢が刺さっている。
熊の目は突然、矢を打たれたことによる激昂故か。
それとも折角の獲物が攻撃をしたせいか。
その瞳は眼光を鋭くさせていているが、ラーザの目も同じく殺気だたせている。
『熊』と『狩人』の2人が醸し出す雰囲気は、俺が経験した事が無い程だ。
すると、俺達に威嚇する様に立ち上がった瞬間、彼女の矢は再び風を切り裂き。
真っすぐと飛んでいくと、今度は熊の心臓を貫いた。
熊は力無く唸り声を上げ、地に伏せた。
それと共に俺達は、伸ばしていた腕をゆっくりと下ろした。
俺は彼女のあまりの行動の速さと正確さに驚きを隠せなかった。
「凄い速さですね…それにあの状況で的確に…」
「いえいえ!今のは…失敗ですよ…」
ランプに照らされているラーザの表情は、少し暗い面持ちだ。
「どうしてですか?」
「一発で仕留める事が出来なかった為です、私としては極力痛みを与えずに仕留めたいんです…」
そう言うとラーザは弓を下ろし、肩に担いだ。
――私は『矢』が必要な分だけ、その人の『流』を表すと思っています。一発で仕留めてこそ『一流』、二発だと『二流』――
だが、あの速さ、それに的確に当てる技術は、どこを探しても並ぶ者は居ないだろう。
それに『晩』と言う事を考えれば余計に、彼女の凄さが分かる。
それに熊をたった二発で…
そんな事を言おうとも思ったが…真剣な顔で考え詰めるラーザを目にし、俺は何も言う事が出来なかった。
暫しの沈黙が、少し居心地が悪く、俺は思わず話を逸らす様に、先程言っていた言葉について聞いてみた。
「あれはですね!口癖みたいなものですよ!」
――入魂せし我の矢を以て、汝に安らかな眠りを与え給え――
「まぁ、これを言うと落ち着くと言いますか…何と言いますか…」
そう言うと、ラーザは照れ臭そうに頭に手をやった。
すると、ラーザは息絶えた熊に近付き、腰に携えていたナイフを取り出しながら話した。
「えへへ、熊の皮や頭はとても頑丈で、普通なら中々貫け無いんです。でも、私の矢は特注なんですよー?」
俺はその話を聞き、彼女の矢筒に視線を移した。
矢筒には羽の色が違う2種類の矢があった。
1つは赤い羽根の矢で、もう1つは緑の色をした矢だ。
「えへへ、この中の矢は近距離用と遠距離用の2種類ですよー?」
「赤い羽が近距離で、緑の羽が遠距離です!」
そんな事を俺達に自慢気に話しながら、ラーザは剥ぎ取った。
皮や肉、武器になるのだろうか?爪なども。
無駄の無い動きで、綺麗に部位ごとに切り分けて行く。
そしてポーチに詰め終え、血に染ったナイフを拭くと。
「本当は持ち帰りたいのですが、1人では流石に担げないので…」
その言葉に俺とバルバラはお互いに見合うと頷き、ラーザに言った。
「大丈夫ですよ」
その言葉に目を丸めて首を傾げている。
そんな表情を尻目に、俺は手をかざして召喚をした。
そして地面には混ざり合う紋章が浮かぶと、『焔国の騎士』が現れた。
「え!?な、何ですか!?この方は!?じ、地面からいきなり!!」
あまりの驚きに、ラーザは尻餅を着いてしまった。
騎士は現れると俺の方を見つめた。
「済まないがこの熊を担いでくれないか?」
騎士は俺の言葉に黙って頷き、熊の方に歩いて行くと、いとも容易く持ち上げ、肩に背負うようにした。
「ラーザさん?大丈夫ですよ」
そう言って声を掛けたが、完全に腰が抜けており、立つことが出来ない。
そんな姿を見兼ねたバルバラが、手を差し伸べた。
「大丈夫か?」
「えっ!?だ、大丈夫ですけど…何が何だか…私…疲れて居るのでしょうか?」
「ふふっ、そうかも知れないな?」
ラーザはバルバラの手に捕まると、立ち上がった。
「ふふっ、彼は召喚士なんだ」
「あぁ、ありがとうございます…召喚士…?確か魔物を出したりする人ですよね?」
そう言いながらラーザは暫く首を傾げて考えている。
「はい」
「なら、あの方も…『魔物』ですか?」
そう言ってラーザは胸元で指を指した。
恐らくまだ、騎士への恐怖心が拭えないのだろう。
傍に居る俺達にしか分からない様な指の指し方だ。
指先には、熊を担ぎ黙々と歩みを進める『焔黒の騎士』が居る。
「そうですよ」
「……もしかして、魔王さん達ですか?」
「はい」
別に隠すつもりも無い、それに事実だ。
俺はそう思い答えた。
「初めて見ました!バルバラさんも魔王の1人ですか?」
「ふふっ、そうだ」
その言葉に、初めて魔王を見れたと言うのが嬉しいのか。
とても目を輝かせている。
「こんなにも綺麗な魔王さんは初めて見ました!なんか凄い事とか出来るんですか!?」
突然褒められた事が、少し恥ずかしかったのだろうか。
バルバラは少し顔を赤く染めている。
「え、いや…凄い事とかは…私からしたら普通で見せる程では…… 」
「いえ!見せる程じゃないのが、是非見たいです!!」
「いや…その…家に案内して貰ってから見せても良いか?」
ここまでタジタジなバルバラは初めて見た。
俺はそんな姿に思わず笑みを零した。
「えぇー!良いじゃないですかぁー!魔王様見せてくださいよぉー!」
そう言うとラーザはバルバラに抱き着いた。
「えぇ!いやっ!ちょっ!何をしている!?」
「見せてくれるまで離しません」
ラーザは頬っぺたを膨らませて、まるで駄々っ子の様にしている。
「わっ!わかったから離せ!それに歩きにくいっ!」
思っていた解答が帰ってきた事により、とても嬉しそうにラーザは小さく跳ねている。
「やったー!では、魔王様は一体何を見せてくれるのですか?」
微笑みかけるラーザに対し、バルバラは質問をした。
「そうだな…何か知りたい事はあるか?」
「えっ?知りたい事ですか?」
ラーザは暫く首を傾げ頬に手を当て考えた。
「そうですね…あ!私はこれ以上弓が上手くなれたりしますか?」
ラーザはそう言ったが、俺から見れば既にラーザは弓の名手だと思う。
これ以上、上手くなる事など有り得るのだろうか?
その言葉にバルバラは、掌の上に水晶を取り出した。
「と、とても綺麗です…」
ラーザは水晶を見入り、恍惚とした表情を浮かべている。
バルバラはそんなラーザの表情に笑いつつ、水晶を覗き込んだ。
「ふふっ、心配しなくてもいい。ラーザは既に一流だ。別に、二発だから二流とは限らない、それに…二発も放ったのでは無く二発しか放っていない。私はそう思うぞ?」
その言葉にラーザは黙って聞き入っている。
「ふふっ、だからあまり一流や二流などに拘るな、ラーザは既に名手だ。自分の力を信じろ。
矢をつがえる速さに、正確に射貫く腕の良さ…その実力に並ぶ者など居ないと思うぞ?」
「ありがとうございます!」
そう言って再びバルバラに抱き着いた。
「ちょ!お!お前言っていた事と違うでは無いか!」
そんな事を言われても、未だにラーザは抱き着いている。
すると丘の上の木々の間から微かに灯りが見えてきた。
あれが言っていた、ラーザの家だろうか?
「あそこですか?」
「はい!そうです!」
ラーザの家は囲む様にして、松明が灯されている。
その灯りは揺らめき、炎と共に小さな火の粉が舞い上がるのが、とても幻想的で、美しく思えた。
「えへへ、動物避けですよ?」
そう言って扉を開けると、俺達を中に迎えてくれた。
――我が家へようこそ!――
街を見つけられずに少し休んでいたと言う事と、何故穴に落ちたいたかと言う事を。
すると彼女が家に案内をしてくれると言う。
どうやらこれから先は、あまり街も少なくて大変だと言う。
それを聞き、俺達はラーザの言葉に甘える事にした。
それに…ラーザは余程面白かったのか笑っている。
「アッハハハ!あんな所で普通は遊びませんよ!」
それはそうだろう、普通で考えればあんな場所で遊んだりしない。
だが、そうせざるを得ない理由があったんだ。
言いたい気持もあったが…ここは堪えた方が良いだろう。
そんな事もあり、俺は何とも言えない感情に包まれた。
「ラーザさんは普段からあの場所で狩りを?」
「はい!あの場所が一番いい獲物が取れるんですよ。それに最近では『オルドヌング帝国』と『エーベネ連邦』が戦争中だとか言っていますが、私はあまりどちらにもいきませんし、よく行って少し離れた街ぐらいですよ」
――それに…今では2人組の魔王さん達が現れたって言うじゃないですか?――
ラーザが話した直後、突然ラーザは弓を構え、矢を弦につがえた。
俺達もラーザに構えている方向に咄嗟に腕を伸ばした。
「どうしたんですか…?」
「獣の臭いがします…」
そう言う彼女の表情は、先程の笑顔の似合う少女では無く、『狩人』の目つきをしていた。
ラーザは片目を閉じ、息を整える。
つがえている矢は一寸のブレも無く、ただ一点だけを狙っている。
そして何かを呟いているが、聞き取れなかった。
その後、何処からか唸り声が聞こえたと思ったのも刹那。
暗闇に向けて、ラーザは矢を放った。
風を切り裂き、まるで線を引いたかの様に真っ直ぐと飛んで行くと、唸り声と共に木々の間から『何か』が出て来た。
携えているランプが照らし出した時に、その正体が分かった。
熊だ。
だが、その熊の眉間には矢が刺さっている。
熊の目は突然、矢を打たれたことによる激昂故か。
それとも折角の獲物が攻撃をしたせいか。
その瞳は眼光を鋭くさせていているが、ラーザの目も同じく殺気だたせている。
『熊』と『狩人』の2人が醸し出す雰囲気は、俺が経験した事が無い程だ。
すると、俺達に威嚇する様に立ち上がった瞬間、彼女の矢は再び風を切り裂き。
真っすぐと飛んでいくと、今度は熊の心臓を貫いた。
熊は力無く唸り声を上げ、地に伏せた。
それと共に俺達は、伸ばしていた腕をゆっくりと下ろした。
俺は彼女のあまりの行動の速さと正確さに驚きを隠せなかった。
「凄い速さですね…それにあの状況で的確に…」
「いえいえ!今のは…失敗ですよ…」
ランプに照らされているラーザの表情は、少し暗い面持ちだ。
「どうしてですか?」
「一発で仕留める事が出来なかった為です、私としては極力痛みを与えずに仕留めたいんです…」
そう言うとラーザは弓を下ろし、肩に担いだ。
――私は『矢』が必要な分だけ、その人の『流』を表すと思っています。一発で仕留めてこそ『一流』、二発だと『二流』――
だが、あの速さ、それに的確に当てる技術は、どこを探しても並ぶ者は居ないだろう。
それに『晩』と言う事を考えれば余計に、彼女の凄さが分かる。
それに熊をたった二発で…
そんな事を言おうとも思ったが…真剣な顔で考え詰めるラーザを目にし、俺は何も言う事が出来なかった。
暫しの沈黙が、少し居心地が悪く、俺は思わず話を逸らす様に、先程言っていた言葉について聞いてみた。
「あれはですね!口癖みたいなものですよ!」
――入魂せし我の矢を以て、汝に安らかな眠りを与え給え――
「まぁ、これを言うと落ち着くと言いますか…何と言いますか…」
そう言うと、ラーザは照れ臭そうに頭に手をやった。
すると、ラーザは息絶えた熊に近付き、腰に携えていたナイフを取り出しながら話した。
「えへへ、熊の皮や頭はとても頑丈で、普通なら中々貫け無いんです。でも、私の矢は特注なんですよー?」
俺はその話を聞き、彼女の矢筒に視線を移した。
矢筒には羽の色が違う2種類の矢があった。
1つは赤い羽根の矢で、もう1つは緑の色をした矢だ。
「えへへ、この中の矢は近距離用と遠距離用の2種類ですよー?」
「赤い羽が近距離で、緑の羽が遠距離です!」
そんな事を俺達に自慢気に話しながら、ラーザは剥ぎ取った。
皮や肉、武器になるのだろうか?爪なども。
無駄の無い動きで、綺麗に部位ごとに切り分けて行く。
そしてポーチに詰め終え、血に染ったナイフを拭くと。
「本当は持ち帰りたいのですが、1人では流石に担げないので…」
その言葉に俺とバルバラはお互いに見合うと頷き、ラーザに言った。
「大丈夫ですよ」
その言葉に目を丸めて首を傾げている。
そんな表情を尻目に、俺は手をかざして召喚をした。
そして地面には混ざり合う紋章が浮かぶと、『焔国の騎士』が現れた。
「え!?な、何ですか!?この方は!?じ、地面からいきなり!!」
あまりの驚きに、ラーザは尻餅を着いてしまった。
騎士は現れると俺の方を見つめた。
「済まないがこの熊を担いでくれないか?」
騎士は俺の言葉に黙って頷き、熊の方に歩いて行くと、いとも容易く持ち上げ、肩に背負うようにした。
「ラーザさん?大丈夫ですよ」
そう言って声を掛けたが、完全に腰が抜けており、立つことが出来ない。
そんな姿を見兼ねたバルバラが、手を差し伸べた。
「大丈夫か?」
「えっ!?だ、大丈夫ですけど…何が何だか…私…疲れて居るのでしょうか?」
「ふふっ、そうかも知れないな?」
ラーザはバルバラの手に捕まると、立ち上がった。
「ふふっ、彼は召喚士なんだ」
「あぁ、ありがとうございます…召喚士…?確か魔物を出したりする人ですよね?」
そう言いながらラーザは暫く首を傾げて考えている。
「はい」
「なら、あの方も…『魔物』ですか?」
そう言ってラーザは胸元で指を指した。
恐らくまだ、騎士への恐怖心が拭えないのだろう。
傍に居る俺達にしか分からない様な指の指し方だ。
指先には、熊を担ぎ黙々と歩みを進める『焔黒の騎士』が居る。
「そうですよ」
「……もしかして、魔王さん達ですか?」
「はい」
別に隠すつもりも無い、それに事実だ。
俺はそう思い答えた。
「初めて見ました!バルバラさんも魔王の1人ですか?」
「ふふっ、そうだ」
その言葉に、初めて魔王を見れたと言うのが嬉しいのか。
とても目を輝かせている。
「こんなにも綺麗な魔王さんは初めて見ました!なんか凄い事とか出来るんですか!?」
突然褒められた事が、少し恥ずかしかったのだろうか。
バルバラは少し顔を赤く染めている。
「え、いや…凄い事とかは…私からしたら普通で見せる程では…… 」
「いえ!見せる程じゃないのが、是非見たいです!!」
「いや…その…家に案内して貰ってから見せても良いか?」
ここまでタジタジなバルバラは初めて見た。
俺はそんな姿に思わず笑みを零した。
「えぇー!良いじゃないですかぁー!魔王様見せてくださいよぉー!」
そう言うとラーザはバルバラに抱き着いた。
「えぇ!いやっ!ちょっ!何をしている!?」
「見せてくれるまで離しません」
ラーザは頬っぺたを膨らませて、まるで駄々っ子の様にしている。
「わっ!わかったから離せ!それに歩きにくいっ!」
思っていた解答が帰ってきた事により、とても嬉しそうにラーザは小さく跳ねている。
「やったー!では、魔王様は一体何を見せてくれるのですか?」
微笑みかけるラーザに対し、バルバラは質問をした。
「そうだな…何か知りたい事はあるか?」
「えっ?知りたい事ですか?」
ラーザは暫く首を傾げ頬に手を当て考えた。
「そうですね…あ!私はこれ以上弓が上手くなれたりしますか?」
ラーザはそう言ったが、俺から見れば既にラーザは弓の名手だと思う。
これ以上、上手くなる事など有り得るのだろうか?
その言葉にバルバラは、掌の上に水晶を取り出した。
「と、とても綺麗です…」
ラーザは水晶を見入り、恍惚とした表情を浮かべている。
バルバラはそんなラーザの表情に笑いつつ、水晶を覗き込んだ。
「ふふっ、心配しなくてもいい。ラーザは既に一流だ。別に、二発だから二流とは限らない、それに…二発も放ったのでは無く二発しか放っていない。私はそう思うぞ?」
その言葉にラーザは黙って聞き入っている。
「ふふっ、だからあまり一流や二流などに拘るな、ラーザは既に名手だ。自分の力を信じろ。
矢をつがえる速さに、正確に射貫く腕の良さ…その実力に並ぶ者など居ないと思うぞ?」
「ありがとうございます!」
そう言って再びバルバラに抱き着いた。
「ちょ!お!お前言っていた事と違うでは無いか!」
そんな事を言われても、未だにラーザは抱き着いている。
すると丘の上の木々の間から微かに灯りが見えてきた。
あれが言っていた、ラーザの家だろうか?
「あそこですか?」
「はい!そうです!」
ラーザの家は囲む様にして、松明が灯されている。
その灯りは揺らめき、炎と共に小さな火の粉が舞い上がるのが、とても幻想的で、美しく思えた。
「えへへ、動物避けですよ?」
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