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第五章:「大陸到着」
第63話 「戦火に現れた最弱と魔王」
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バルバラは相変わらず良く食べるが、体型があまり変わらない。
俺はそんな事を、店を出て平原に敷かれた西の隣国に続く一本道を歩きつつ思っていた。
やはり、魔王だからだろうか?
若しくはバルバラの体質だからだろうか?
「ふふっ、ありがとう。とても美味しかったぞ?」
「それは良かった」
そう言って、バルバラはとても満足気な表情を浮かべると、微笑んだ。
暫く歩くと、なにやら立て看板は突き立てられている。
看板にはどうやら、西の隣国があと少しという事を知らせる文が書いている。
「あと少しだな?」
「ふふっ、そうだな」
すると後ろから馬車が迫って来ている音が聞こえた。
嘶きと共に馬車は俺達のすぐ側に止まると、兵士が俺達に話しかけて来た。
「危ないぞ!直ぐに立ち去りなさい!」
とうとう本格的な侵攻が始まったのか?
「隣国が既に?」
「あぁ!その通りだ!既にこの先では戦いが始まっている!」
兵士は俺達にそう伝えると、手網を握り直して嘶き声を響かせ、馬を駆けて行った。
立ち去る馬車の荷台は兵士が、迎え合わせの様に座っている。
皆真剣な面持ちで、遠い眼差しをしつつ、やや俯いていた。
そんな、表情の中に会話の仕草など微塵も感じられない。
その中には先程店員に文句を言っていた兵士の姿もあった。
彼もまた表情が暗く、俯いていた。
そんな兵士達を乗せた馬車は、徐々に遠くなって行き、地平線へと姿を沈めて行った。
俺は何故だか、そんな兵士達の姿に視線を逸らすことが出来なかった。
「ふふっ、行こうか?」
「そうだな」
バルバラの言葉に我を思い出した俺は、再びバルバラと共に歩き始めた。
すると何やら地平線から青空に、黒煙が登っているのが見えた。
俺は思わず、それを見るや咄嗟にバルバラの方を見た。
バルバラも同じく俺の方を向き真っ直ぐと赤い瞳で見つめている。
お互い思った事は一緒だったのだろう。
同じ様に頷き、共に黒煙の元に走って行った。
―――――
黒煙は1つの町から立ち上っていた。
辺りは、まさに想像を絶する様な凄惨な光景だ。
木造の家屋は耐えれなかったのだろう、黒く焦げ。
倒壊し、中には炭化しているものもあった。
元々石で出来ているものもあったが、美しい外壁は黒く焦げ、辺りには逃げ遅れた人達が無造作に転がっている。
その中には、先程馬車に乗っていたあの時の兵士の姿もあった。
彼を含めて犠牲になった人をせめて埋葬はしてあげたいが…
沢山の人を一度に埋葬するにはどうしたら良いか…
そんな事を、彼の亡骸を眺めて考えていると何か手に握っているのに気付いた。
良く見たら紙の様なものだ。
俺は申し訳なさを感じながら、力が籠った状態の彼の手から紙を取った。
彼が持っていたのは『家族の集合写真』だ。
みなが満面の笑みで写真に写り込んでいる。
…家族に返してあげなければ…
俺はそう思い、ローブのポケットに仕舞った。
バルバラはその間も建物と倒れている人達を見て、
その場に佇んでいる。
「バルバラ…?」
そう言って顔を覗き込むと、瞳が潤んでいた。
「大丈夫か…?」
「ふふっ…大丈夫だ」
俺の言葉にバルバラは瞳を拭い、笑って見せた。
すると何やら聴こえてきた。
――――これ以上生き残りなんていませんよ。
――――分からないぞ、探してみなければ、それにとことんやれとの通達だ。
会話が聞こえるのは2人だが、瓦礫を踏みしめる足音は複数だ。
「おや、隊長…居ましたね」
「あぁ、ほんとだな」
――――た、助けて!!
どうやら俺達では無く、他の生き残っている人を見つけた様だ。
俺達は急いで、物陰に隠れ、息を殺して様子を窺う。
命からがら逃げ延びたのだろう、彼の服装は所々焼けて、そして破れている。
手や顔などの露出している部分は、煤で汚れ、その煤も火傷のせいか少し赤黒くなっている。
「楽にしてやろう」
兵士はそう言って柄の部分に手を掛け、ゆっくりと剣を引き抜き。
彼の目の前に剣を突き付けた。
――――た、助けてください…
消え入りそうな声で、兵士に命乞いをした。
「それは無理だな!」
このままでは彼は殺されてしまう!
バルバラと顔を見合わせ頷いた。
同じ考えだったのだろう。
その場で立ち上がり、俺達は腕を伸ばし、同時に指を鳴らした。
傍から見れば一糸乱れぬ動きだろう、一つ一つの動作に息を吸い込み、吐く動きまで。
鳴らした瞬間、剣を突き付けていた兵士は吹き飛び、それと共に
前が見えない程の砂埃が辺り一面を覆った。
「ゴホッ!!…い、一体何が起こった!?」
「わ、分かりません!!」
「ゾイマーは!?」
「見えませんっ!!け、埃が凄くて前が…」
――――ぜ、全員態勢を整えろッ!!
――――「「は、はい!!」」
次第に砂埃が、薄れていく。
兵士達は服で口元を押さえている様だ。
「おい!!ゾイマー!大…丈夫…か…」
砂埃が徐々に消えていき、彼が今話しているのは俺達だ。
「ふふっ、私たちは『ゾイマー』などでは無いな?」
「ど、どこから現れた!!そ、それにゾイマーはどこにやった!?」
彼は強気で言ってはいるが、その表情は明らかに恐怖で満ちている。
部下であろう後ろに居る者達も例外ではない。
「ふふっ、ゾイマーと言うのは…彼の事か?」
そう言ってバルバラは町の通路を指さした。
兵士達は、指された方を見た。
視線の先には、逃げ遅れた人たちと紛れるようにして、仰向けで倒れている『ゾイマー』だ。
「貴様ら…良くも…」
「ふふっ、安心しろ。お前達と違い、殺してはない」
「お前達は、何の罪の無い一般市民の命を奪って良いと思っているのか?」
俺の問いに兵士は鼻で笑った。
「ふんっ、それが『戦争』と言うモノだ…」
すると彼の後ろから震える声で、こう言った。
「た、隊長…剣が…」
震える声に隊長は苛立ちを部下にぶつけた。
その苛立ちは恐らく、俺達が現れた事による。
予期しない出来事に直面したからだろうか。
「い、一体なんだ!?」
「け、剣が…折れています!!」
その声に、気付いて居なかった者まで気付き。
そしてざわめいた。
隊長もゆっくりと、自分の持っている剣に視線を下ろした。
その剣は、鍔の部分から先が完全に無くなっている。
「ふふっ、さすが私のサモンだ…良いタイミングだった」
「ありがとう、バルバラも」
「ふふっ」
もはや隊長までも震える声で言葉を発した。
「お、お前達は一体…な、何者なんだ…?兵士か?」
そう言う隊長の手は震えている。
「 兵士ではない、俺達はただの…」
――「「最弱と魔王だ」」――
俺はそんな事を、店を出て平原に敷かれた西の隣国に続く一本道を歩きつつ思っていた。
やはり、魔王だからだろうか?
若しくはバルバラの体質だからだろうか?
「ふふっ、ありがとう。とても美味しかったぞ?」
「それは良かった」
そう言って、バルバラはとても満足気な表情を浮かべると、微笑んだ。
暫く歩くと、なにやら立て看板は突き立てられている。
看板にはどうやら、西の隣国があと少しという事を知らせる文が書いている。
「あと少しだな?」
「ふふっ、そうだな」
すると後ろから馬車が迫って来ている音が聞こえた。
嘶きと共に馬車は俺達のすぐ側に止まると、兵士が俺達に話しかけて来た。
「危ないぞ!直ぐに立ち去りなさい!」
とうとう本格的な侵攻が始まったのか?
「隣国が既に?」
「あぁ!その通りだ!既にこの先では戦いが始まっている!」
兵士は俺達にそう伝えると、手網を握り直して嘶き声を響かせ、馬を駆けて行った。
立ち去る馬車の荷台は兵士が、迎え合わせの様に座っている。
皆真剣な面持ちで、遠い眼差しをしつつ、やや俯いていた。
そんな、表情の中に会話の仕草など微塵も感じられない。
その中には先程店員に文句を言っていた兵士の姿もあった。
彼もまた表情が暗く、俯いていた。
そんな兵士達を乗せた馬車は、徐々に遠くなって行き、地平線へと姿を沈めて行った。
俺は何故だか、そんな兵士達の姿に視線を逸らすことが出来なかった。
「ふふっ、行こうか?」
「そうだな」
バルバラの言葉に我を思い出した俺は、再びバルバラと共に歩き始めた。
すると何やら地平線から青空に、黒煙が登っているのが見えた。
俺は思わず、それを見るや咄嗟にバルバラの方を見た。
バルバラも同じく俺の方を向き真っ直ぐと赤い瞳で見つめている。
お互い思った事は一緒だったのだろう。
同じ様に頷き、共に黒煙の元に走って行った。
―――――
黒煙は1つの町から立ち上っていた。
辺りは、まさに想像を絶する様な凄惨な光景だ。
木造の家屋は耐えれなかったのだろう、黒く焦げ。
倒壊し、中には炭化しているものもあった。
元々石で出来ているものもあったが、美しい外壁は黒く焦げ、辺りには逃げ遅れた人達が無造作に転がっている。
その中には、先程馬車に乗っていたあの時の兵士の姿もあった。
彼を含めて犠牲になった人をせめて埋葬はしてあげたいが…
沢山の人を一度に埋葬するにはどうしたら良いか…
そんな事を、彼の亡骸を眺めて考えていると何か手に握っているのに気付いた。
良く見たら紙の様なものだ。
俺は申し訳なさを感じながら、力が籠った状態の彼の手から紙を取った。
彼が持っていたのは『家族の集合写真』だ。
みなが満面の笑みで写真に写り込んでいる。
…家族に返してあげなければ…
俺はそう思い、ローブのポケットに仕舞った。
バルバラはその間も建物と倒れている人達を見て、
その場に佇んでいる。
「バルバラ…?」
そう言って顔を覗き込むと、瞳が潤んでいた。
「大丈夫か…?」
「ふふっ…大丈夫だ」
俺の言葉にバルバラは瞳を拭い、笑って見せた。
すると何やら聴こえてきた。
――――これ以上生き残りなんていませんよ。
――――分からないぞ、探してみなければ、それにとことんやれとの通達だ。
会話が聞こえるのは2人だが、瓦礫を踏みしめる足音は複数だ。
「おや、隊長…居ましたね」
「あぁ、ほんとだな」
――――た、助けて!!
どうやら俺達では無く、他の生き残っている人を見つけた様だ。
俺達は急いで、物陰に隠れ、息を殺して様子を窺う。
命からがら逃げ延びたのだろう、彼の服装は所々焼けて、そして破れている。
手や顔などの露出している部分は、煤で汚れ、その煤も火傷のせいか少し赤黒くなっている。
「楽にしてやろう」
兵士はそう言って柄の部分に手を掛け、ゆっくりと剣を引き抜き。
彼の目の前に剣を突き付けた。
――――た、助けてください…
消え入りそうな声で、兵士に命乞いをした。
「それは無理だな!」
このままでは彼は殺されてしまう!
バルバラと顔を見合わせ頷いた。
同じ考えだったのだろう。
その場で立ち上がり、俺達は腕を伸ばし、同時に指を鳴らした。
傍から見れば一糸乱れぬ動きだろう、一つ一つの動作に息を吸い込み、吐く動きまで。
鳴らした瞬間、剣を突き付けていた兵士は吹き飛び、それと共に
前が見えない程の砂埃が辺り一面を覆った。
「ゴホッ!!…い、一体何が起こった!?」
「わ、分かりません!!」
「ゾイマーは!?」
「見えませんっ!!け、埃が凄くて前が…」
――――ぜ、全員態勢を整えろッ!!
――――「「は、はい!!」」
次第に砂埃が、薄れていく。
兵士達は服で口元を押さえている様だ。
「おい!!ゾイマー!大…丈夫…か…」
砂埃が徐々に消えていき、彼が今話しているのは俺達だ。
「ふふっ、私たちは『ゾイマー』などでは無いな?」
「ど、どこから現れた!!そ、それにゾイマーはどこにやった!?」
彼は強気で言ってはいるが、その表情は明らかに恐怖で満ちている。
部下であろう後ろに居る者達も例外ではない。
「ふふっ、ゾイマーと言うのは…彼の事か?」
そう言ってバルバラは町の通路を指さした。
兵士達は、指された方を見た。
視線の先には、逃げ遅れた人たちと紛れるようにして、仰向けで倒れている『ゾイマー』だ。
「貴様ら…良くも…」
「ふふっ、安心しろ。お前達と違い、殺してはない」
「お前達は、何の罪の無い一般市民の命を奪って良いと思っているのか?」
俺の問いに兵士は鼻で笑った。
「ふんっ、それが『戦争』と言うモノだ…」
すると彼の後ろから震える声で、こう言った。
「た、隊長…剣が…」
震える声に隊長は苛立ちを部下にぶつけた。
その苛立ちは恐らく、俺達が現れた事による。
予期しない出来事に直面したからだろうか。
「い、一体なんだ!?」
「け、剣が…折れています!!」
その声に、気付いて居なかった者まで気付き。
そしてざわめいた。
隊長もゆっくりと、自分の持っている剣に視線を下ろした。
その剣は、鍔の部分から先が完全に無くなっている。
「ふふっ、さすが私のサモンだ…良いタイミングだった」
「ありがとう、バルバラも」
「ふふっ」
もはや隊長までも震える声で言葉を発した。
「お、お前達は一体…な、何者なんだ…?兵士か?」
そう言う隊長の手は震えている。
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