61 / 91
第五章:「大陸到着」
第59話 「成長する最弱」
しおりを挟む
あれから建物を離れた俺達は、冒険者ギルドを探した。
街が大きい為か、中々探すのに手間取ってしまった。
「それにしても街自体が大きいな」
「ふふっ、そうだな」
先程の暗い表情は消えて、普段の明るい表情に戻っている。
港から反対側の街の正門に、冒険者ギルドを見付けた。
看板には
『オルドヌング帝国随一の冒険者ギルド!』と書いている。
扉を開けて中に入ると、看板に書かれていた通り。
かなりの人で賑わっている。
俺達は受付カウンターにまで行き、少女に話し掛けた。
とても快活で笑顔が似合う。
髪は金髪のショートヘアで、かなり整った顔立ちだ。
「いらっしゃい!」
「少し伺いたい事があるんですが」
「はいっ!どうなさいましたか?依頼ですか?」
「いえ、大陸に聳え立つ塔についてなのですが…」
そう言うと彼女は先ほど元気が無くなると、辺りをキョロキョロと見渡すと
俺に耳元で囁いた。
(あの場所は辞めておいた方が良いと思います。幾多の猛者が諦める状況に追い込まれているんです)
彼女の言っている事は分かる、実際ファルシア程の『X線』が帰らざるを得ない状況に
なったんだ。
生半可な気持ちで攻略出来る場所では無いのは、重々承知だ。
「そこを何とか…」
「ううん…」
そう言って彼女は腕を組み、頭を傾げて考え込んでいる。
「行き方は教えますど…」
「けど?」
「実は最近戦争により、もしかすると塔周辺にも兵が集まり、立ち入る事が出来ないかも知れません…」
そうだったのか…
だが、何とかして立ち入る事は出来ないのだろうか。
「そしてどうやら塔の最上階には、何か凄い物があるって言う噂で…
私達の国もそうですが、相手の国も躍起になり、上り詰めようとしているんです…」
――もしかしたら、戦争が有利に運べる物があるのではないかと――
そうだったのか。
だが、ここで諦める訳にはいかない。
それにどんな状況か実際に見に行ってみなければ。
「そうですか…」
「はい…ですがそれでも行くなら…確か西の隣国に向かうように行くと、砂漠の塔について知っている人も多いと思います…詳しくはそこの人達に訊くしか…」
「そうですか、わざわざありがとうございます」
「いえ、お気をつけて」
話を聞いた俺達は、冒険者ギルドを後にした。
「ふふっ、これからどうするんだ?」
そう言って微笑み掛けるバルバラに、頭を抱えた。
どうしようか。
「とりあえず、隣の国に向かい始めよう。
途中に街もあるだろう。」
「ふふっ、そうだな?」
そんな会話をしていたら、何やら後ろで呼び止める声が聞こえた。
――そこのお前!!
俺はそんな声に振り向くと、腰に剣を携えた一人の男性が立っていた。
「どこに行く?」
「隣の国まで…」
俺はそう答えて、前を向き直し再び歩き始めた。
「待て…お前あの術者大会に出ていただろう?」
男性の言葉に、俺は思わず足が止まった。
どうして知っているんだ?
「なぜそれを?」
男性は不敵な笑みを浮かべると話を始めた。
「あれだけの大規模な大会だ…他の国からでも見に来る者は居るだろう?」
――どうだ?お前の実力を持って我が国を勝利に導かないか?――
唐突な申し出に俺は驚き、思わずバルバラを見た。
バルバラも同じくこちらを見ると
静かに微笑んだ。
バルバラの表情に俺も微笑むと、首を横に振り断った。
「申し訳ないが、俺は最弱の召喚士だ。それに今は冒険の途中だ」
そう言って俺は再び歩き始めた時。
――考える事すらしないんだな…ならば考えれる様にしてやろう――
俺は咄嗟に振り向いた。
すると男性は、携えていた剣を抜き、俺の方に走って来た。
目を殺気立たせ、男性の雄たけびが耳に響く。
俺は後ろに下がって間合いを取った瞬間。
俺の顔を見て、嘲笑すると今度は剣先をバルバラの方に向け走り出した。
「危ない!!」
咄嗟に腕を伸ばしてバルバラの足元に手をかざした。
バルバラの足元には、今までに無い程の速さで、混ざり合った紋章が浮かび上がったのも刹那。
弾くような高い金属音が鳴った。
その紋章から出て来たのはファルシアと同じ『騎士』だが…
あの時の「騎士」とは違う…!?
そこには、『漆黒』の鎧を身に纏い、持っている剣は炎が刀身に絡まるかの様にして燃え盛っている。
そして鎧の肩の部分には、混ざり合った紋章が描かれている。
騎士は男性の斬撃を弾いた直後、剣を地に向けて振り払うとすぐさま構え直し。
男性を、追い詰める様に一歩づつ、にじり寄って行く。
――焔黒の騎士…!?――
にじり寄られている男性は先ほどの威勢は消え去り。
恐怖からか、剣を持っている手が震えている。
「こ、こんな物まで…」
そう言った瞬間。
焔黒の騎士は男性の剣を弾き飛ばし、首元に剣を突き付けた。
戦意消失した男性は、もう両手を上げる事しか出来ない。
その様子に俺は驚いて固まっていると、『何か』が頬をかすめていった。
振り向いた視線の地面には、先程男性が持っていた『剣』が地面に突き刺さっている
――もう良い!!――
声のする方を見ると、最初の少年兵士が老人を連れて立っていた。
「そいつを離してくれないだろうか?」
焔黒の騎士は俺を見つめると、それに答えるかのように俺は頷いた。
首元に突き付けた剣を下すと、再度剣を振り払って鞘に納めた。
そして足元に紋章が広がると、その中に姿を消して行った。
騎士が姿を消しても、未だに男性は動く事さえ出来ない。
しばらくして安堵からか、地面に力なくへたり込んでしまった。
「申し訳ない、私の部下が迷惑をかけた」
部下?
なら俺とバルバラを襲わせたのも、この少年の命令だろうか?
「全てお前の命令か?」
「いや、私は『勧誘をして来い』と言っただけだ、それ以上の事は知らない」
そう言って彼はとぼける仕草をした。
上官であるこの少年に、釘を刺しておけばこれから先、『安全』とは言い切れないが、しばらくは大丈夫だろう。
「俺は兵士にならない、それが答えだ。あとバルバラに手を出そうとしないでくれ」
「……」
少年は静かに俯いたまま、男性に近寄ると、怪我の確認をし始めた。
俺はその姿を尻目に、再びバルバラと歩き始めた。
街が大きい為か、中々探すのに手間取ってしまった。
「それにしても街自体が大きいな」
「ふふっ、そうだな」
先程の暗い表情は消えて、普段の明るい表情に戻っている。
港から反対側の街の正門に、冒険者ギルドを見付けた。
看板には
『オルドヌング帝国随一の冒険者ギルド!』と書いている。
扉を開けて中に入ると、看板に書かれていた通り。
かなりの人で賑わっている。
俺達は受付カウンターにまで行き、少女に話し掛けた。
とても快活で笑顔が似合う。
髪は金髪のショートヘアで、かなり整った顔立ちだ。
「いらっしゃい!」
「少し伺いたい事があるんですが」
「はいっ!どうなさいましたか?依頼ですか?」
「いえ、大陸に聳え立つ塔についてなのですが…」
そう言うと彼女は先ほど元気が無くなると、辺りをキョロキョロと見渡すと
俺に耳元で囁いた。
(あの場所は辞めておいた方が良いと思います。幾多の猛者が諦める状況に追い込まれているんです)
彼女の言っている事は分かる、実際ファルシア程の『X線』が帰らざるを得ない状況に
なったんだ。
生半可な気持ちで攻略出来る場所では無いのは、重々承知だ。
「そこを何とか…」
「ううん…」
そう言って彼女は腕を組み、頭を傾げて考え込んでいる。
「行き方は教えますど…」
「けど?」
「実は最近戦争により、もしかすると塔周辺にも兵が集まり、立ち入る事が出来ないかも知れません…」
そうだったのか…
だが、何とかして立ち入る事は出来ないのだろうか。
「そしてどうやら塔の最上階には、何か凄い物があるって言う噂で…
私達の国もそうですが、相手の国も躍起になり、上り詰めようとしているんです…」
――もしかしたら、戦争が有利に運べる物があるのではないかと――
そうだったのか。
だが、ここで諦める訳にはいかない。
それにどんな状況か実際に見に行ってみなければ。
「そうですか…」
「はい…ですがそれでも行くなら…確か西の隣国に向かうように行くと、砂漠の塔について知っている人も多いと思います…詳しくはそこの人達に訊くしか…」
「そうですか、わざわざありがとうございます」
「いえ、お気をつけて」
話を聞いた俺達は、冒険者ギルドを後にした。
「ふふっ、これからどうするんだ?」
そう言って微笑み掛けるバルバラに、頭を抱えた。
どうしようか。
「とりあえず、隣の国に向かい始めよう。
途中に街もあるだろう。」
「ふふっ、そうだな?」
そんな会話をしていたら、何やら後ろで呼び止める声が聞こえた。
――そこのお前!!
俺はそんな声に振り向くと、腰に剣を携えた一人の男性が立っていた。
「どこに行く?」
「隣の国まで…」
俺はそう答えて、前を向き直し再び歩き始めた。
「待て…お前あの術者大会に出ていただろう?」
男性の言葉に、俺は思わず足が止まった。
どうして知っているんだ?
「なぜそれを?」
男性は不敵な笑みを浮かべると話を始めた。
「あれだけの大規模な大会だ…他の国からでも見に来る者は居るだろう?」
――どうだ?お前の実力を持って我が国を勝利に導かないか?――
唐突な申し出に俺は驚き、思わずバルバラを見た。
バルバラも同じくこちらを見ると
静かに微笑んだ。
バルバラの表情に俺も微笑むと、首を横に振り断った。
「申し訳ないが、俺は最弱の召喚士だ。それに今は冒険の途中だ」
そう言って俺は再び歩き始めた時。
――考える事すらしないんだな…ならば考えれる様にしてやろう――
俺は咄嗟に振り向いた。
すると男性は、携えていた剣を抜き、俺の方に走って来た。
目を殺気立たせ、男性の雄たけびが耳に響く。
俺は後ろに下がって間合いを取った瞬間。
俺の顔を見て、嘲笑すると今度は剣先をバルバラの方に向け走り出した。
「危ない!!」
咄嗟に腕を伸ばしてバルバラの足元に手をかざした。
バルバラの足元には、今までに無い程の速さで、混ざり合った紋章が浮かび上がったのも刹那。
弾くような高い金属音が鳴った。
その紋章から出て来たのはファルシアと同じ『騎士』だが…
あの時の「騎士」とは違う…!?
そこには、『漆黒』の鎧を身に纏い、持っている剣は炎が刀身に絡まるかの様にして燃え盛っている。
そして鎧の肩の部分には、混ざり合った紋章が描かれている。
騎士は男性の斬撃を弾いた直後、剣を地に向けて振り払うとすぐさま構え直し。
男性を、追い詰める様に一歩づつ、にじり寄って行く。
――焔黒の騎士…!?――
にじり寄られている男性は先ほどの威勢は消え去り。
恐怖からか、剣を持っている手が震えている。
「こ、こんな物まで…」
そう言った瞬間。
焔黒の騎士は男性の剣を弾き飛ばし、首元に剣を突き付けた。
戦意消失した男性は、もう両手を上げる事しか出来ない。
その様子に俺は驚いて固まっていると、『何か』が頬をかすめていった。
振り向いた視線の地面には、先程男性が持っていた『剣』が地面に突き刺さっている
――もう良い!!――
声のする方を見ると、最初の少年兵士が老人を連れて立っていた。
「そいつを離してくれないだろうか?」
焔黒の騎士は俺を見つめると、それに答えるかのように俺は頷いた。
首元に突き付けた剣を下すと、再度剣を振り払って鞘に納めた。
そして足元に紋章が広がると、その中に姿を消して行った。
騎士が姿を消しても、未だに男性は動く事さえ出来ない。
しばらくして安堵からか、地面に力なくへたり込んでしまった。
「申し訳ない、私の部下が迷惑をかけた」
部下?
なら俺とバルバラを襲わせたのも、この少年の命令だろうか?
「全てお前の命令か?」
「いや、私は『勧誘をして来い』と言っただけだ、それ以上の事は知らない」
そう言って彼はとぼける仕草をした。
上官であるこの少年に、釘を刺しておけばこれから先、『安全』とは言い切れないが、しばらくは大丈夫だろう。
「俺は兵士にならない、それが答えだ。あとバルバラに手を出そうとしないでくれ」
「……」
少年は静かに俯いたまま、男性に近寄ると、怪我の確認をし始めた。
俺はその姿を尻目に、再びバルバラと歩き始めた。
0
お気に入りに追加
725
あなたにおすすめの小説
政略より愛を選んだ結婚。~後悔は十年後にやってきた。~
つくも茄子
恋愛
幼い頃からの婚約者であった侯爵令嬢との婚約を解消して、学生時代からの恋人と結婚した王太子殿下。
政略よりも愛を選んだ生活は思っていたのとは違っていた。「お幸せに」と微笑んだ元婚約者。結婚によって去っていた側近達。愛する妻の妃教育がままならない中での出産。世継ぎの王子の誕生を望んだものの産まれたのは王女だった。妻に瓜二つの娘は可愛い。無邪気な娘は欲望のままに動く。断罪の時、全てが明らかになった。王太子の思い描いていた未来は元から無かったものだった。後悔は続く。どこから間違っていたのか。
他サイトにも公開中。
主人公の恋敵として夫に処刑される王妃として転生した私は夫になる男との結婚を阻止します
白雪の雫
ファンタジー
突然ですが質問です。
あなたは【真実の愛】を信じますか?
そう聞かれたら私は『いいえ!』『No!』と答える。
だって・・・そうでしょ?
ジュリアーノ王太子の(名目上の)父親である若かりし頃の陛下曰く「私と彼女は真実の愛で結ばれている」という何が何だか訳の分からない理屈で、婚約者だった大臣の姫ではなく平民の女を妃にしたのよ!?
それだけではない。
何と平民から王妃になった女は庭師と不倫して不義の子を儲け、その不義の子ことジュリアーノは陛下が側室にも成れない身分の低い女が産んだ息子のユーリアを後宮に入れて妃のように扱っているのよーーーっ!!!
私とジュリアーノの結婚は王太子の後見になって欲しいと陛下から土下座をされてまで請われたもの。
それなのに・・・ジュリアーノは私を後宮の片隅に追いやりユーリアと毎晩「アッー!」をしている。
しかも!
ジュリアーノはユーリアと「アッー!」をするにしてもベルフィーネという存在が邪魔という理由だけで、正式な王太子妃である私を車裂きの刑にしやがるのよ!!!
マジかーーーっ!!!
前世は腐女子であるが会社では働く女性向けの商品開発に携わっていた私は【夢色の恋人達】というBLゲームの、悪役と位置づけられている王太子妃のベルフィーネに転生していたのよーーーっ!!!
思い付きで書いたので、ガバガバ設定+矛盾がある+ご都合主義。
世界観、建築物や衣装等は古代ギリシャ・ローマ神話、古代バビロニアをベースにしたファンタジー、ベルフィーネの一人称は『私』と書いて『わたくし』です。
【完結】言いたいことがあるなら言ってみろ、と言われたので遠慮なく言ってみた
杜野秋人
ファンタジー
社交シーズン最後の大晩餐会と舞踏会。そのさなか、第三王子が突然、婚約者である伯爵家令嬢に婚約破棄を突き付けた。
なんでも、伯爵家令嬢が婚約者の地位を笠に着て、第三王子の寵愛する子爵家令嬢を虐めていたというのだ。
婚約者は否定するも、他にも次々と証言や証人が出てきて黙り込み俯いてしまう。
勝ち誇った王子は、最後にこう宣言した。
「そなたにも言い分はあろう。私は寛大だから弁明の機会をくれてやる。言いたいことがあるなら言ってみろ」
その一言が、自らの破滅を呼ぶことになるなど、この時彼はまだ気付いていなかった⸺!
◆例によって設定ナシの即興作品です。なので主人公の伯爵家令嬢以外に固有名詞はありません。頭カラッポにしてゆるっとお楽しみ下さい。
婚約破棄ものですが恋愛はありません。もちろん元サヤもナシです。
◆全6話、約15000字程度でサラッと読めます。1日1話ずつ更新。
◆この物語はアルファポリスのほか、小説家になろうでも公開します。
◆9/29、HOTランキング入り!お読み頂きありがとうございます!
10/1、HOTランキング最高6位、人気ランキング11位、ファンタジーランキング1位!24h.pt瞬間最大11万4000pt!いずれも自己ベスト!ありがとうございます!
私が死んで満足ですか?
マチバリ
恋愛
王太子に婚約破棄を告げられた伯爵令嬢ロロナが死んだ。
ある者は面倒な婚約破棄の手続きをせずに済んだと安堵し、ある者はずっと欲しかった物が手に入ると喜んだ。
全てが上手くおさまると思っていた彼らだったが、ロロナの死が与えた影響はあまりに大きかった。
書籍化にともない本編を引き下げいたしました
あなた方はよく「平民のくせに」とおっしゃいますが…誰がいつ平民だと言ったのですか?
水姫
ファンタジー
頭の足りない王子とその婚約者はよく「これだから平民は…」「平民のくせに…」とおっしゃられるのですが…
私が平民だとどこで知ったのですか?
【短編】追放した仲間が行方不明!?
mimiaizu
ファンタジー
Aランク冒険者パーティー『強欲の翼』。そこで支援術師として仲間たちを支援し続けていたアリクは、リーダーのウーバの悪意で追補された。だが、その追放は間違っていた。これをきっかけとしてウーバと『強欲の翼』は失敗が続き、落ちぶれていくのであった。
※「行方不明」の「追放系」を思いついて投稿しました。短編で終わらせるつもりなのでよろしくお願いします。
追放された聖女の悠々自適な側室ライフ
白雪の雫
ファンタジー
「聖女ともあろう者が、嫉妬に狂って我が愛しのジュリエッタを虐めるとは!貴様の所業は畜生以外の何者でもない!お前との婚約を破棄した上で国外追放とする!!」
平民でありながらゴーストやレイスだけではなくリッチを一瞬で倒したり、どんな重傷も完治してしまうマルガレーテは、幼い頃に両親と引き離され聖女として教会に引き取られていた。
そんな彼女の魔力に目を付けた女教皇と国王夫妻はマルガレーテを国に縛り付ける為、王太子であるレオナルドの婚約者に据えて、「お妃教育をこなせ」「愚民どもより我等の病を治療しろ」「瘴気を祓え」「不死王を倒せ」という風にマルガレーテをこき使っていた。
そんなある日、レオナルドは居並ぶ貴族達の前で公爵令嬢のジュリエッタ(バスト100cm以上の爆乳・KかLカップ)を妃に迎え、マルガレーテに国外追放という死刑に等しい宣言をしてしまう。
「王太子殿下の仰せに従います」
(やっと・・・アホ共から解放される。私がやっていた事が若作りのヒステリー婆・・・ではなく女教皇と何の力もない修道女共に出来る訳ないのにね~。まぁ、この国がどうなってしまっても私には関係ないからどうでもいいや)
表面は淑女の仮面を被ってレオナルドの宣言を受け入れたマルガレーテは、さっさと国を出て行く。
今までの鬱憤を晴らすかのように、着の身着のままの旅をしているマルガレーテは、故郷である幻惑の樹海へと戻っている途中で【宮女狩り】というものに遭遇してしまい、大国の後宮へと入れられてしまった。
マルガレーテが悠々自適な側室ライフを楽しんでいる頃
聖女がいなくなった王国と教会は滅亡への道を辿っていた。
【完結】婚約破棄されて修道院へ送られたので、今後は自分のために頑張ります!
猫石
ファンタジー
「ミズリーシャ・ザナスリー。 公爵の家門を盾に他者を蹂躙し、悪逆非道を尽くしたお前の所業! 決して許してはおけない! よって我がの名の元にお前にはここで婚約破棄を言い渡す! 今後は修道女としてその身を神を捧げ、生涯後悔しながら生きていくがいい!」
無実の罪を着せられた私は、その瞬間に前世の記憶を取り戻した。
色々と足りない王太子殿下と婚約破棄でき、その後の自由も確約されると踏んだ私は、意気揚々と王都のはずれにある小さな修道院へ向かったのだった。
注意⚠️このお話には、妊娠出産、新生児育児のお話がバリバリ出てきます。(訳ありもあります)お嫌いな方は自衛をお願いします!
2023/10/12 作者の気持ち的に、断罪部分を最後の番外にしました。
2023/10/31第16回ファンタジー小説大賞奨励賞頂きました。応援・投票ありがとうございました!
☆このお話は完全フィクションです、創作です、妄想の作り話です。現実世界と混同せず、あぁ、ファンタジーだもんな、と、念頭に置いてお読みください。
☆作者の趣味嗜好作品です。イラッとしたり、ムカッとしたりした時には、そっと別の素敵な作家さんの作品を検索してお読みください。(自己防衛大事!)
☆誤字脱字、誤変換が多いのは、作者のせいです。頑張って音読してチェックして!頑張ってますが、ごめんなさい、許してください。
★小説家になろう様でも公開しています。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる