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第四章:「新たなる大陸へ」
第38話 「魔王様と魔導士」
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図書館を出た俺達は、街を散策した。
時間が経っても、首都は相変わらずの人混みだ。
するとバルバラが、俺に言った。
「サモン?これはなんだ?」
そう言ってバルバラは建物の壁に貼られている一つの貼り紙を指さした。
「これは、『術者大会』というものだ」
そう言えば、そんな大会があったな。
三本線の俺からしたら、雲の上と言っても過言では無い人たちが競い合う。
いわゆる模擬戦闘の様なものだ。
召喚士だけではなく、魔導士も参加できる。
もちろんこの二つの職業の模擬戦も見られる。
「ふふっ、出てみないか?」
何を言い出すんだ、俺は三本線だ。
同じ土台にすら立てぬ者なんだぞ…
「遠慮しておく、俺は三本線だ」
「ふふっ、だがサモンはオーク達を退治した実力を持っている…それにあの『焔蛇』も出したでは無いか?」
いや、それはそうだが…
俺がどうやって断ろうか考えているとバルバラが言った。
「ふふっ、サモンはもっと自信を持て。ファルシアからも言われたでは無いか?」
自信を持つ持たない以前の話だ。
三本線の俺が出た所で、みなの笑い者だ。
好んでそんな者になりたくはない。
すると、誰かが話しかけて来た。
「おや、また会ったな。『オラクロ家の落ち零れ』」
そんな事を言って来たのは、首都に来た時、バルバラに懲らしめられた奴だ。
頭にはあの時の怪我であろう包帯が巻かれており、さすがに俺は嫌な気分より、思わず吹き出しそうになってしまったが、何とか耐える事が出来た。
「ん?偉く美人を連れているでは無いか」
バルバラの事か?
確かにこいつとあった時は、俺と同じローブを着ていたからな。
すると魔導士はバルバラの顔を確認しながら言った。
「かなりの美人だが…どこかで見た顔だな…ん?あの時、連れていたお友達か」
その一言に腹が立ったのだろう。
「貴様、良く聞け。私はこいつの将来の妻である、バルバラだ」
その返しが面白かったのか?
魔導士は肩を揺らし、笑い終わるとこう言った。
「いやぁ、冗談は辞めてくれ。こんな落ち零れのどこに惹かれる所があるのだ?」
そう言う魔導士の表情には、今だ笑みが残っている。
「どうだ?もし、私が王女様に気に入られなければ、お前を代わりに嫁にしてやってもいいぞ?」
魔導士はそう言うとバルバラの頬に触れようとした。
すかさずバルバラは手を払いのけ。
「私に気安く触れるでない。次触ろうとしたら殺すぞ?」
そう言うバルバラの表情は真剣そのものだ。
紅い瞳を殺気立たせ、真っすぐと魔導士を見つめる。
魔導士はそんなバルバラの反応に驚いた表情を浮かべ、咄嗟に顔を逸らした。
相当バルバラの表情が恐ろしく感じたのだろうか。
「ふん、そうだ。私はこれから王女様に謁見に行かなければいけないのだった」
そう言って去ろうとしたが、去り際に俺に話しかけて来た。
「そうだ、サモン…だったか?お前は明日の『術者大会』には出るのか?」
断るつもりだったが、あのバルバラに対しての態度、そして会った時の
召喚士と言う職業を三下と貶した事。
俺は最弱だが、この職業に誇りを持っている。
その職業を否定されると、まるでご先祖様まで冒涜された気分で実に腹立たしいな。
だが、俺が出たところで敵うのか…?
いや、ここは受けなければ本当に『オラクロ家』の恥になってしまうのでは…?
「あぁ、出るつもりだ…」
言ってしまった。
勝てる自信はない。
だが、きっとこの選択が正しいと思う。
「そうか、明日が楽しみだな」
その後、魔導士は俺に耳打ちをした。
(図に乗るなよ、召喚士の分際で)
そう言って魔導士は去って行った。
本当に勝てるのだろうか…
バルバラのお楽しみも恐怖だが、魔導士との戦いも恐怖で仕方ない。
そんな俺の思いも知らずに、バルバラは嬉しそうに微笑んで話しかけて来た。
「ふふっ、ありがとう。だが、どうして気が変わったんだ?」
そう思うのは無理もないだろう、俺は元々出る気は無かったんだ。
「そうだな…あの判断が『正しい』と思ったんだ」
「ふふっ、私もそう思うぞ?」
そう言ってバルバラは俺の腕に抱きついてきた。
「恥ずかしいだろう!」
「ふふっ、そんな照れる顔が実に愛おしい」
俺はバルバラを離すと。
一つ考えが浮かんだ。
そうだ。気休めにしかならないだろうが、行きたい所が出来た。
「バルバラ?行きたい所があるんだが良いか?」
「ふふっ、もちろんだ」
そんな会話を交わすと
俺達は最初の『洋服店』に戻った。
「少し待っててくれないか?」
「ふふっ、分かった」
バルバラを店内に待たせて俺は店員に話しかけた。
「いらっしゃいませ。おや?今度はどの様なご用件で?」
「そうだな…俺のローブに少し変更を加えたくて来たんだ」
そう言って俺は、店員に紙とペンを借りて、書いてゆく。
絵が上手くない俺は、ローブは書けないが、希望の色と紋章を書き込んでいく。
書き終えた紙を店員は見ると不思議そうな顔を浮かべて聞いてきた。
「これを…ですか?かなり複雑ですね」
「作れますか?」
「はい、お作り出来ますよ」
しばらく待っていると声が聞こえた。
――――出来上がりましたよ――――
俺はバルバラを連れて、受け取りに行く。
「バルバラ?見せたいものがあるんだ」
「ふふっ、そうなのか?楽しみだな」
俺は店員から受け取ったローブをその場で広げてバルバラに見せた。
「サモン!これは…?」
バルバラの驚いた、顔は初めて見た気がする。
「新しいローブだ」
そう言ってバルバラに見せたのは
元々黒地のローブが、半分から下に行くにつれ、グラデーションの様に赤色になっている。
そして右腕には変わらぬ『オラクロ家の家紋』
左腕には、三本線と共に二つ増えているものがある。
――魔王の紋章と『混じり合った紋章』だ――――
試しに出来上がったローブに腕を通してバルバラに見せた。
「どうだ?少し派手だったか?」
「ふふっ、いいや。とても似合っているぞ!」
そう言ってバルバラはとても喜んだ顔を浮かべた。
時間が経っても、首都は相変わらずの人混みだ。
するとバルバラが、俺に言った。
「サモン?これはなんだ?」
そう言ってバルバラは建物の壁に貼られている一つの貼り紙を指さした。
「これは、『術者大会』というものだ」
そう言えば、そんな大会があったな。
三本線の俺からしたら、雲の上と言っても過言では無い人たちが競い合う。
いわゆる模擬戦闘の様なものだ。
召喚士だけではなく、魔導士も参加できる。
もちろんこの二つの職業の模擬戦も見られる。
「ふふっ、出てみないか?」
何を言い出すんだ、俺は三本線だ。
同じ土台にすら立てぬ者なんだぞ…
「遠慮しておく、俺は三本線だ」
「ふふっ、だがサモンはオーク達を退治した実力を持っている…それにあの『焔蛇』も出したでは無いか?」
いや、それはそうだが…
俺がどうやって断ろうか考えているとバルバラが言った。
「ふふっ、サモンはもっと自信を持て。ファルシアからも言われたでは無いか?」
自信を持つ持たない以前の話だ。
三本線の俺が出た所で、みなの笑い者だ。
好んでそんな者になりたくはない。
すると、誰かが話しかけて来た。
「おや、また会ったな。『オラクロ家の落ち零れ』」
そんな事を言って来たのは、首都に来た時、バルバラに懲らしめられた奴だ。
頭にはあの時の怪我であろう包帯が巻かれており、さすがに俺は嫌な気分より、思わず吹き出しそうになってしまったが、何とか耐える事が出来た。
「ん?偉く美人を連れているでは無いか」
バルバラの事か?
確かにこいつとあった時は、俺と同じローブを着ていたからな。
すると魔導士はバルバラの顔を確認しながら言った。
「かなりの美人だが…どこかで見た顔だな…ん?あの時、連れていたお友達か」
その一言に腹が立ったのだろう。
「貴様、良く聞け。私はこいつの将来の妻である、バルバラだ」
その返しが面白かったのか?
魔導士は肩を揺らし、笑い終わるとこう言った。
「いやぁ、冗談は辞めてくれ。こんな落ち零れのどこに惹かれる所があるのだ?」
そう言う魔導士の表情には、今だ笑みが残っている。
「どうだ?もし、私が王女様に気に入られなければ、お前を代わりに嫁にしてやってもいいぞ?」
魔導士はそう言うとバルバラの頬に触れようとした。
すかさずバルバラは手を払いのけ。
「私に気安く触れるでない。次触ろうとしたら殺すぞ?」
そう言うバルバラの表情は真剣そのものだ。
紅い瞳を殺気立たせ、真っすぐと魔導士を見つめる。
魔導士はそんなバルバラの反応に驚いた表情を浮かべ、咄嗟に顔を逸らした。
相当バルバラの表情が恐ろしく感じたのだろうか。
「ふん、そうだ。私はこれから王女様に謁見に行かなければいけないのだった」
そう言って去ろうとしたが、去り際に俺に話しかけて来た。
「そうだ、サモン…だったか?お前は明日の『術者大会』には出るのか?」
断るつもりだったが、あのバルバラに対しての態度、そして会った時の
召喚士と言う職業を三下と貶した事。
俺は最弱だが、この職業に誇りを持っている。
その職業を否定されると、まるでご先祖様まで冒涜された気分で実に腹立たしいな。
だが、俺が出たところで敵うのか…?
いや、ここは受けなければ本当に『オラクロ家』の恥になってしまうのでは…?
「あぁ、出るつもりだ…」
言ってしまった。
勝てる自信はない。
だが、きっとこの選択が正しいと思う。
「そうか、明日が楽しみだな」
その後、魔導士は俺に耳打ちをした。
(図に乗るなよ、召喚士の分際で)
そう言って魔導士は去って行った。
本当に勝てるのだろうか…
バルバラのお楽しみも恐怖だが、魔導士との戦いも恐怖で仕方ない。
そんな俺の思いも知らずに、バルバラは嬉しそうに微笑んで話しかけて来た。
「ふふっ、ありがとう。だが、どうして気が変わったんだ?」
そう思うのは無理もないだろう、俺は元々出る気は無かったんだ。
「そうだな…あの判断が『正しい』と思ったんだ」
「ふふっ、私もそう思うぞ?」
そう言ってバルバラは俺の腕に抱きついてきた。
「恥ずかしいだろう!」
「ふふっ、そんな照れる顔が実に愛おしい」
俺はバルバラを離すと。
一つ考えが浮かんだ。
そうだ。気休めにしかならないだろうが、行きたい所が出来た。
「バルバラ?行きたい所があるんだが良いか?」
「ふふっ、もちろんだ」
そんな会話を交わすと
俺達は最初の『洋服店』に戻った。
「少し待っててくれないか?」
「ふふっ、分かった」
バルバラを店内に待たせて俺は店員に話しかけた。
「いらっしゃいませ。おや?今度はどの様なご用件で?」
「そうだな…俺のローブに少し変更を加えたくて来たんだ」
そう言って俺は、店員に紙とペンを借りて、書いてゆく。
絵が上手くない俺は、ローブは書けないが、希望の色と紋章を書き込んでいく。
書き終えた紙を店員は見ると不思議そうな顔を浮かべて聞いてきた。
「これを…ですか?かなり複雑ですね」
「作れますか?」
「はい、お作り出来ますよ」
しばらく待っていると声が聞こえた。
――――出来上がりましたよ――――
俺はバルバラを連れて、受け取りに行く。
「バルバラ?見せたいものがあるんだ」
「ふふっ、そうなのか?楽しみだな」
俺は店員から受け取ったローブをその場で広げてバルバラに見せた。
「サモン!これは…?」
バルバラの驚いた、顔は初めて見た気がする。
「新しいローブだ」
そう言ってバルバラに見せたのは
元々黒地のローブが、半分から下に行くにつれ、グラデーションの様に赤色になっている。
そして右腕には変わらぬ『オラクロ家の家紋』
左腕には、三本線と共に二つ増えているものがある。
――魔王の紋章と『混じり合った紋章』だ――――
試しに出来上がったローブに腕を通してバルバラに見せた。
「どうだ?少し派手だったか?」
「ふふっ、いいや。とても似合っているぞ!」
そう言ってバルバラはとても喜んだ顔を浮かべた。
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