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第四章:「新たなる大陸へ」
第34話 「首都到着」
しおりを挟む そんな他愛ない話をして歩いていると、大きな街が見えて来た。
結構な距離があったが、色々とバルバラとの会話が弾んだ為か。
それほど距離を感じなかった。
「バルバラ!首都が見えてきたぞ!」
久しぶりに来たがやはりその、規模と言いとても壮大だな。
「おぉ!!あれがサモンの言う首都か!」
初めて食べ物以外に、喜んでいるな。
そんな事を思って俺は思わず笑ってしまった。
――――
レッツェル王国の首都である「レフィナド」
白を基調とした城を中心に、城下町が広範囲に拡がっており。
城、そして入り口正門と並ぶように位置する、見張り塔の頂点にはレッツェル王国の国章が、そよ風に吹かれ靡いている。
――――
そう言えば首都は初めてって言ってたが…
バルバラはどこか行きたい所はあるんだろうか?
「どこか興味がある所はあるのか?」
「ふふっ、そうだな…書物を見てみたいな」
書物?
俺はバルバラの意外な一面に驚いてしまった。
「書物なら王国図書館にあるから、案内するよ」
「ふふっ、そうか。ありがとう」
でも、どうしてわざわざ書物なんだろか?
他にも色々と見る所はあるはずなのに。
「でも、どうして書物なんだ?」
「ふふっ、前にも言ったであろう?[私は人間がどの様に歴史を築いたか]気になるのだ」
なるほどな、確かにそう言ってたな。
意外とバルバラは真面目な面もあるんだな。
俺はまた、新たに垣間見えたバルバラの一面に惹かれた。
「なるほどね」
そんな会話を交わした時、何やら後ろから馬の駆ける音が聞こえた。
俺達はその音に振り返ったが、馬は目の前まで迫っていた。
驚いた俺は思わず尻もちをついてしまった。
同時に馬も止まり、前足を上げいななき声を出した。
「ふん、危ないであろう?こんな所を三下の召喚士が歩いていたら」
男性はそんな事を俺に言い放った。
そして男性は俺のローブの家紋が目に入ったんだろう。
「なんだ、噂で聞いている『オラクロ家の落ち零れ』では無いか」
そう言う男性のローブには『魔導士』の紋章が描いてあった。
「ふん。まぁ、良い。次からは気を付けろ。そこに居るお友達もな」
そう言うと、手綱を引っ張り、馬はいななき声を上げて男性は去ってしまった。
「大丈夫か?」
心配そうな表情でバルバラは俺の手を引っ張り引き起こしてくれた。
「あぁ、大丈夫だ。ありがとう」
「あいつは誰だ?」
そう言って俺に聞いてきたが、俺も知らない。
召喚士なら顔などはある程度は知っているが、「魔導士」となるとまた別だ。
「分からない、『魔導士』と言うのは分かったが…」
「そうか…」
少し考えるとバルバラは去ってゆく男性に向け、何やら片腕を伸ばした。
まさか殺したりはしないだろうか?
「まさか…」
「大丈夫だ、少し懲らしめるだけだ」
そう言うとバルバラは指を鳴らす。
同時に馬は急に止まり、その反動で男性は投げ飛ばされた。
飛ばされた男性は、派手に地面に叩き付けられ転がった。
その様子を見ていた俺は驚いてしまうと共に、あの男性の痛みを想像してしまった。
「い、痛そうだな…」
「私をお友達と言うからだ」
そして俺の方を向くとバルバラはこう言った。
「ふふっ、私はお友達では無く、将来の妻だ」
バルバラはそこに怒っていたのか。
そう思うと先ほど男性から受けた嫌味な態度も忘れ、つい吹き出してしまった。
そんな俺の表情を見てか、バルバラも思わず笑いだした。
結構な距離があったが、色々とバルバラとの会話が弾んだ為か。
それほど距離を感じなかった。
「バルバラ!首都が見えてきたぞ!」
久しぶりに来たがやはりその、規模と言いとても壮大だな。
「おぉ!!あれがサモンの言う首都か!」
初めて食べ物以外に、喜んでいるな。
そんな事を思って俺は思わず笑ってしまった。
――――
レッツェル王国の首都である「レフィナド」
白を基調とした城を中心に、城下町が広範囲に拡がっており。
城、そして入り口正門と並ぶように位置する、見張り塔の頂点にはレッツェル王国の国章が、そよ風に吹かれ靡いている。
――――
そう言えば首都は初めてって言ってたが…
バルバラはどこか行きたい所はあるんだろうか?
「どこか興味がある所はあるのか?」
「ふふっ、そうだな…書物を見てみたいな」
書物?
俺はバルバラの意外な一面に驚いてしまった。
「書物なら王国図書館にあるから、案内するよ」
「ふふっ、そうか。ありがとう」
でも、どうしてわざわざ書物なんだろか?
他にも色々と見る所はあるはずなのに。
「でも、どうして書物なんだ?」
「ふふっ、前にも言ったであろう?[私は人間がどの様に歴史を築いたか]気になるのだ」
なるほどな、確かにそう言ってたな。
意外とバルバラは真面目な面もあるんだな。
俺はまた、新たに垣間見えたバルバラの一面に惹かれた。
「なるほどね」
そんな会話を交わした時、何やら後ろから馬の駆ける音が聞こえた。
俺達はその音に振り返ったが、馬は目の前まで迫っていた。
驚いた俺は思わず尻もちをついてしまった。
同時に馬も止まり、前足を上げいななき声を出した。
「ふん、危ないであろう?こんな所を三下の召喚士が歩いていたら」
男性はそんな事を俺に言い放った。
そして男性は俺のローブの家紋が目に入ったんだろう。
「なんだ、噂で聞いている『オラクロ家の落ち零れ』では無いか」
そう言う男性のローブには『魔導士』の紋章が描いてあった。
「ふん。まぁ、良い。次からは気を付けろ。そこに居るお友達もな」
そう言うと、手綱を引っ張り、馬はいななき声を上げて男性は去ってしまった。
「大丈夫か?」
心配そうな表情でバルバラは俺の手を引っ張り引き起こしてくれた。
「あぁ、大丈夫だ。ありがとう」
「あいつは誰だ?」
そう言って俺に聞いてきたが、俺も知らない。
召喚士なら顔などはある程度は知っているが、「魔導士」となるとまた別だ。
「分からない、『魔導士』と言うのは分かったが…」
「そうか…」
少し考えるとバルバラは去ってゆく男性に向け、何やら片腕を伸ばした。
まさか殺したりはしないだろうか?
「まさか…」
「大丈夫だ、少し懲らしめるだけだ」
そう言うとバルバラは指を鳴らす。
同時に馬は急に止まり、その反動で男性は投げ飛ばされた。
飛ばされた男性は、派手に地面に叩き付けられ転がった。
その様子を見ていた俺は驚いてしまうと共に、あの男性の痛みを想像してしまった。
「い、痛そうだな…」
「私をお友達と言うからだ」
そして俺の方を向くとバルバラはこう言った。
「ふふっ、私はお友達では無く、将来の妻だ」
バルバラはそこに怒っていたのか。
そう思うと先ほど男性から受けた嫌味な態度も忘れ、つい吹き出してしまった。
そんな俺の表情を見てか、バルバラも思わず笑いだした。
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