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第四章:「新たなる大陸へ」

第32話 「出発」

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 食事を終えた俺達は、漁村に行く為に道を確認した。

[村から海の方へ向かうと隣の大陸に向かう船が漁村から出ている。]
とファルシアは言っていたが…

この道順で行くと、少し遠回りにはなるが、首都を
目指して行った方が良いだろう。

それに首都への道の方が拓けている為、安全だと思う。
首都を抜けて暫く行くと目的地の「漁村」がある。

そう言えば、バルバラは首都には行ったことがあるのだろうか?

「バルバラは首都には行ったことがあるか?」

「いや、無いな」

そうなのか、ならバルバラには初めての体験だな。

「では、出発しようか?」

「ふふっ、そうだな?」

そんな会話をした俺達は、身支度を整えた。
支度を終えると最後にファルシアとアルシアに挨拶をした。

「ファルシアさん、アルシアさん。色々と、どうもありがとうございました。」

「ふふ、楽しかったぞ?」

「いえ、私達の方こそ楽しかったですよ。それにサモンさんの開花した才能も見れましたから」

「またね!」

玄関を出る間際にファルシアが呼び止めた。

「サモンさん!忘れないでください。『自分が正しい』と思う判断をしてくださいね…あと、これを渡しておきます」

一体なんだろうか?
見た感じ、何かの…ネックレスの様にも見えるが。

「これは?」

「サモンさんの祖父から頂いた物です、ですが今の私には持っているだけで、それでは勿体無いので、サモンさんにお返しいたします」

そう言って俺に手渡した。

相当大事にしていたのだろう。
祖父が渡した時の物とは思えない程綺麗だ。
銀色の地肌が輝いており。
中心部分には俺の家紋が入っている。

俺はそれを眺めると、首に掛けた。

「ありがとうございます」

「いえ、私の方こそ遅れて申し訳ありません」

「お姉ちゃんにはこれを!」

「ん?なんだそれは?」

アルシアはバルバラに何かを手渡した。

「お守りだよ!」

「ふふ、ありがとう。大切にするよ」

そう言うとアルシアの頭を撫でた。

それは様々な色の糸で縫われた。
指輪の様な物だ。

嬉しそうにバルバラは太陽に手をかざした。
そして、俺の方を向くと言った。

「ふふっ、さしずめだな?」

そんなバルバラの無垢な笑顔に俺は何も返す事が出来ない。

「返事をしないと言う事は…『してくれるのだな?』」

どうしてまた、直ぐにそう言う発想になるんだ。
こういう発想しか出来ないのだろうか…

「いや、違っ!そう言う意味では!」

「ふふっ、お前のその何とも言えん顔が、とても愛くるしい」

恥ずかしさのあまり。今度は、バルバラの笑顔では無く、言葉に思わず固まってしまった。

そして俺の方へ寄ると、こう言った。

「ふふっ、先はまだ長い…これからが楽しみだな?よろしく頼むぞ。相棒」

俺はそんな言葉に、頷き返事をした。

「あぁ、そうだな」

そして俺も同じくこう言った。

「俺の方こそ、よろしくな頼む。相棒?」

俺の言葉にバルバラは満面の笑みを浮かべると共にまた、俺もバルバラに微笑み返した。

この時は不思議と、照れくささや恥ずかしさも湧かなかった。

だが、その笑みを見て1つ湧いたのは、何かあった時はバルバラの為になる事をしてあげたい。

俺にはそんな感情が芽生えた。
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