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第三章:「新たなる歩み」

第18話 「抱く不信感」【シュタール編】

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 もしかしたら酒場に行けば何か分かるかも知れんな…

中に入ったが、皆が俺の事を、見ている、だがそんな事どうでも良い。

店主に聞いたら奴の居場所が少しは分かると良いんだが。

「質問がある」

「なんだ、いきなり。教えて欲しい事があるなら、注文の1つぐらい頼んだらどうだ?」

そんな暇は無い、街をぶらついて居たら自然と見付かると思っていたが、思った以上に見付からないものだな。
だが、簡単に見つけてもが減ってしまう。

「良いから答えろ」

「ここに銀髪と、確か女性は白い服を着た2人組を見なかったか?」

これで気が変わらなければ、致し方ない。
「力」で脅すか。

「あのな、いい加減にしとけよ。俺はで教える程お人好しではない。お前が情報を欲しいと言うなら、の態度を見せてもらわないとな」

これは面白い、ならの態度を見せようか。

「ディルク!此奴を脅せ…!」

「すまんな、こいつはでは無い」

何?
俺に歯向かった…?
誰のお陰でここに立てていると思っているんだ…貴様…
俺が居なければお前は出る事さえ出来なかったんだぞ!?
分かっているのか…
あぁ、クソッ!
どいつもこいつも俺を馬鹿にしやがってっ!!

もう良い!
なら俺がやるまで脅すまでだ!

「話さなければ痛い目をみるぞ?それでも良いのか……?」

そう言って俺は袖を捲り、酒場の床に手を付けた。

「辞めるんだ、この人は悪くは無い。この人を一方的に加虐するのであれば、俺は例え召喚主とて、はしないぞ?」

そう言われた俺は気付けば、首に剣を当てられている。
どうやら、ディルクは本気の様だ。

「誤解するな、召喚してくれたお前には感謝している。だが、今やっているお前の行動は目に余る」

今度はこのに説教か…

笑えるな。
この最強の召喚士に……

「……分かった…」

俺はそう言って、地面から手を離した。
ディルクもまた、その動きに合わせる様に剣を収めた。

「おい、を頼めば良いんだな?」

「あぁ、俺はそう言っている」

「なら、1品だけ頼む」

「あいよ…」

店主はディルクの行動に少し、顔を浮かべた。

あの顔がとても腹立たしい…!
忌々しいこんな店、早く出たい…

その為に早く食べ終えて話を聞かなければ…



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