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第三章:「新たなる歩み」
第17話 「変わりゆく紋章」
しおりを挟む「では同調発動…これはですね、違うものを同調させ同時に出す事です」
ファルシアはそう言うと、手を地面にかざした。
どういうことだ?
そんな事聞いたこともない。
大体そんな事出来るのだろうか?
一瞬そんな無粋な考えに至ったが、今までのファルシアの事もあってすぐにその考えは捨てた。
次第にファルシアの手は、黄色と青色が入り混じった色に輝いてゆく。
急速に図形は互いの色が混じり合い、展開され、現れたのは「スライム」と「水」だった。
ん?若干思っていたのとは違う気がしたが、よく考えたら…
ファルシアは、違う職種の術を一緒に使っている!?
「もしかして!」
「そうです、召喚士は原則「魔物」、魔導士は「非生物」しか出せません。ですが、根本的な物は先程にも言ったように、魔導師がベースとなっています。ベースが同じならこの様な事も可能という事です」
ファルシアはにこやかに教えてくれた。
「では、試しにやってみて下さい」
やれるかな……本当に……
そう言って俺は地面に手をかざした。
青い光と、赤い光だ。
それぞれの光が、手を包み込むかの様に回転してゆく。
すると地面に図形が浮かび上がった。
これは、一体?
それは普段見る「図形」では無く。
「見た事のない」紋章だ。
だが、色は半分が、「俺の」青色に染まり、残り半分は「バルバラの」赤だ。
俺はファルシアの方を見るが、どうやらファルシア自身驚いている。
「ここまで、「適応」が高いとは…」
待てよ、途中まで分かりやすかったのにまた、分からない言葉……
「ふふっ、流石私を呼んだだけあるな」
「ちょ、これは一体何なんですか!?元の図形が…」
「大丈夫だよ、覚えているかな?さっきご先祖様の本の件……」
「えぇ、分かりやくして子孫に……と」
「そうだ、だが分かりやすいと言っても、実際に契約召喚をして、出てくるのは、本人の能力に左右する。だが、君は別格だ…」
「別格……?」
「この紋章は「バルバラ」と「サモン」さんの紋章が組み合わさった新たなる紋章です」
「バルバラと……俺の紋章……」
そんな事有り得るのか?
今まで聞いた事がない。だが、有り得ないと思っても、地面に浮かび上がっている見た事の無い図形が何よりの証拠だ。
「普通ならば、適応してもどちらかの紋章が食われるまたは、図形が著しく潰れる…のですが、あなた達の能力の高さが、こうしてお互いを食わず調和したんです」
という事は……俺はバルバラと等しい程の能力を持っていたという事なのか。
「と言うと、俺はバルバラと……?」
――えぇ、並ぶ力を持っています――
そこでバルバラが微笑みながら近付き、俺の耳元で囁いた。
「ふふっ、これで決まったな…婿殿?」
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