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第三章:「新たなる歩み」

第16話 「才能と共通点」

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 「では、あなたにを教えましょう」

厳しい特訓なんだろうか…
それが不安だ、余りにも厳しいと音を上げそうだ。
でも、もうだけは嫌だな。

「よろしくお願いします」

「では、このように手を地面にかざして下さい」

そう言われて、ファルシアの真似をして地面に向け、手をかざす。

「コツはですね、手だけに念を込めるのではなく、で念を込める様にするんです」

そう言うとファルシアの手が黄色い輝きを放ち、同じ色の図形が地面に成形されてゆく。

俺はその光景に目を奪われてしまった。
これが「✕線」を持つ召喚士の実力か…
今までに見た事のない、発動方法。

「さぁ、もっと全身で念じて見ましょう。あなたなら出来る筈です、サモンさん」

俺は目を瞑り、全身に念を込める様に集中する。
一瞬の集中のはずが、永遠とわに感じられる程だ。
どれぐらい目を瞑っていたのだろうか。
そう思った矢先、ファルシアの声が聞こえた。

「よく出来ましたね!」

俺はその声に目を開けた。
目の前に映っていたのは、魔物スライムでは無く。

バルバラが使った様なマグマ溜りだった。
規模は小さいものの、バルバラと同じ色、そして全てを飲み込みそうな雰囲気。

俺はあまりの光景に、思わず後ずさった。

「召喚士と言うのは、元は魔導師からの派生職種…からを創りだす。その点においては、共通する物が非常に多いんです。すなわち、あなたの才能はどちらにも活かすことが出来ます」

あまりの衝撃で驚きを隠せない。
俺自身こんな能力があったなんて。

「あなたの実力なら、他に出来ない様な発動方法も簡単に覚える事が出来るでしょう」

待ってくれ、これ以上はさすがに覚えきれるか心配で堪らない。

「俺…覚えきれるか…」

俺の質問でファルシアは微笑んで返した。

「大丈夫ですよ、覚えるのはあなたの「脳」では無く、あなたの体に刻まれている「血脈」ですから」

血脈…?俺の血筋の事か。

「では、次です。柵をなぞってみます、よく見ていてください」

そう言ってファルシアは柵に軽く触れる様になぞって歩く、半分ほど歩くと触れていた手を離した。
すると次第になぞった場所は金属の色合に変化していく。
触れた所を始点に、根元まで徐々に。

「触ってみてください」

俺は今だに信じれない事が多すぎて、恐る恐る触れた。

確かに金属だ、軽く叩いてみても高い金属音がなる。

「ではどうぞ」

もうやるしかないだろう。
俺は言われた通りに従った。

するとファルシアと同じく、金属の色合いに変化していく。

「さすがですね」

次第に俺自身、驚きでは無く、逆に恐怖を抱いてしまう。

そんな思いも知る由もないファルシアは次の事を教えてくれた。

「では、とっておきの調を教えましょう」

俺は興奮や期待と不安が入り混じった、複雑な気持ちを抱いてしまった。
思わず咄嗟にバルバラの方を見てしまった、バルバラはとても嬉しそうな表情を浮かべ軽く手を振っている。
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