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ビリビ・リー
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僕が中学三年生の時、突然のヴィジュアル系バンドブームがやってきた。無駄に髪をツンツンにさせたり、ビリビリのシャツ(言い方よ。笑)に細身のパンツやダメージジーンズを合わせてみたり、なぜか香水に手を出す奴も居たりして。つまりは、周りが一斉に洒落気出したのだ。
斯く言う僕もその中の1人だった。僕は当時地元の中学校では、珍しくバンドを組んでいた。ウチの中学校で唯一のバンドだった。そう。ヴィジュアル系バンドの”バンド”部分には1番近い人間だった。
では、”ヴィジュアル系”の部分はどうなのか。当時の僕は後輩から”ブルースリー先輩”と呼ばれていた。どうも似ていたらしい。ブルースリーがヴィジュアル系に成れるだろうか?流石に成れないだろう。(The 偏見w)
しかしながら、僕はこの後ヴィジュアル系バンドの衣装に身を包むことになる。中学の卒業が近付き、地元の児童館で卒業ライブが開催されることになった。その年に中学を卒業する、中学三年生のバンドを集めたライブ。なんとそこで、ヴィジュアル系バンドのコピーをやることになってしまったのだ。
演奏自体は、中学生クオリティで難しい箇所を全て省く形で手を打つことになった。問題は衣装だ。
僕はまず母に事情を説明した。そして、衣装が必要な旨を丁寧に説明した。
「よし。上野に行くぞ。」
母に連れられ訳も分からず上野へ。僕にとって上野は、食事か動物園くらいしかイメージが無かった。ぐいぐい進んでいく母の背を追い辿り着いたのはお洒落目なアパレルショップだった。
「店員さん。息子がヴィジュアル系バンド組むことになったから、適当に見繕ってくれ。」
「はい。分かりました。お任せください。」
結果、ビリビリでクシャクシャの白いシャツとダメージが入り過ぎたグレーのジーンズを勧められた。ジーンズにはよく分からない英語が白字でプリントされ、所々に金属のトゲトゲが付けられていた。試着をしたところで、母が購入を決断した。
「なかなかいいんじゃないか?」
ビリビリのシャツを着たブルース・リー。ビリビ・リーの完成だ。笑
これで衣装は決まった。しかし、ここで予想外のことが僕を襲う。対バン相手と顔合わせをした際、向こうのバンドのメンバーがシルバーアクセサリーを身に着けているのを見て、ウチのバンドメンバーが急遽付けてくるよう指示を出してきたのだ。
僕は地元の先輩に頼み込み、一緒に上野に向かった。(完全に味を占めていたよね。笑)
アメ横の中にある、アクセサリーや鞄やベルトなんかを扱うお店で、僕は千円のネックレスを買った。十字架や髑髏が付いたネックレスもあったのだが、僕が選んだのは白いパール柄の板に葉っぱが付いたネックレスだった。全部シルバーのゴツいネックレスよりこっちのが爽やかな気がしたのだ。それがマリファナの柄だと知ったのは、高校に入学してからのことだった。
衣装が揃い、安心した僕を待っていたのは、本番直前での曲目追加だった。当時CMやアニメの主題歌になっていた、ASIAN KUNG-FU GENERATIONの曲を追加することになった。まさかのヴィジュアル系バンド風衣装でのアジカン。なかなか面白い絵面だったと思うよ。
斯く言う僕もその中の1人だった。僕は当時地元の中学校では、珍しくバンドを組んでいた。ウチの中学校で唯一のバンドだった。そう。ヴィジュアル系バンドの”バンド”部分には1番近い人間だった。
では、”ヴィジュアル系”の部分はどうなのか。当時の僕は後輩から”ブルースリー先輩”と呼ばれていた。どうも似ていたらしい。ブルースリーがヴィジュアル系に成れるだろうか?流石に成れないだろう。(The 偏見w)
しかしながら、僕はこの後ヴィジュアル系バンドの衣装に身を包むことになる。中学の卒業が近付き、地元の児童館で卒業ライブが開催されることになった。その年に中学を卒業する、中学三年生のバンドを集めたライブ。なんとそこで、ヴィジュアル系バンドのコピーをやることになってしまったのだ。
演奏自体は、中学生クオリティで難しい箇所を全て省く形で手を打つことになった。問題は衣装だ。
僕はまず母に事情を説明した。そして、衣装が必要な旨を丁寧に説明した。
「よし。上野に行くぞ。」
母に連れられ訳も分からず上野へ。僕にとって上野は、食事か動物園くらいしかイメージが無かった。ぐいぐい進んでいく母の背を追い辿り着いたのはお洒落目なアパレルショップだった。
「店員さん。息子がヴィジュアル系バンド組むことになったから、適当に見繕ってくれ。」
「はい。分かりました。お任せください。」
結果、ビリビリでクシャクシャの白いシャツとダメージが入り過ぎたグレーのジーンズを勧められた。ジーンズにはよく分からない英語が白字でプリントされ、所々に金属のトゲトゲが付けられていた。試着をしたところで、母が購入を決断した。
「なかなかいいんじゃないか?」
ビリビリのシャツを着たブルース・リー。ビリビ・リーの完成だ。笑
これで衣装は決まった。しかし、ここで予想外のことが僕を襲う。対バン相手と顔合わせをした際、向こうのバンドのメンバーがシルバーアクセサリーを身に着けているのを見て、ウチのバンドメンバーが急遽付けてくるよう指示を出してきたのだ。
僕は地元の先輩に頼み込み、一緒に上野に向かった。(完全に味を占めていたよね。笑)
アメ横の中にある、アクセサリーや鞄やベルトなんかを扱うお店で、僕は千円のネックレスを買った。十字架や髑髏が付いたネックレスもあったのだが、僕が選んだのは白いパール柄の板に葉っぱが付いたネックレスだった。全部シルバーのゴツいネックレスよりこっちのが爽やかな気がしたのだ。それがマリファナの柄だと知ったのは、高校に入学してからのことだった。
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