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窮地に燃える灯火

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僕は追い込まれて火が点くタイプだ。正直なところ、大人としてはどうかと思うのだが。

僕は今、こうして毎週エッセイを書きながら、それと並行して、前日発表したショートショートの小説『Sugarless』を始めとした小説の執筆している。働きながら執筆をしているので、時間に追われる日々だ。売れっ子芸能人や有名作家になったのではないか?と錯覚するくらい、時間に追われている。
それなのに、僕は今知り合いの女性ミュージシャンと音源の製作をしている。六月の頭までに五曲を完パケさせなければならないという、言わば窮地に立たされている。(三月二十日現在。)

窮地に立たされる程、僕は燃え、いいものが出来る気がしている。
数年前、まだ音楽を直向きに取り組んでいた頃、年始に”年間40曲作る”と宣言してしまったが為に、とんでもないことになった時期があった。この時は月に何本もライブをこなしながら、楽曲制作をしていた。途中、ノイローゼになるんじゃないかと思うくらい切羽詰まっていた。睡眠時間なんて一日三時間くらいの日がざらだった。現にTwitterのDMやLINEでめちゃくちゃ心配のメッセージを頂いたくらいだった。(その節は皆様大変ご心配をお掛けしました。)

ただ、そうして自分を追い込んだ結果、一つ分かったことがある。それは、抜くべきところの見極めだ。手を抜くとかそういうことではなく、休む時は休む、煮詰まったら一旦休む、無理せず休むといった感じだ。勿論納期や期限を守るのは前提での話だ。アルコールで言う休肝日のように、身体や頭にも休息が必要な事に、漸く気付いたのだ。

さてさて、話が休み方向にシフトしてしまったが、僕の今の窮地は変わらない。先程知り合いのミュージシャンから楽曲アレンジメント依頼の電話があり、二つ返事で了承した。
「最近時間ある?大丈夫?」
なんて言われたので
「はい。全然大丈夫ですよ。」
なんて。

また燃える要因が一つ出来た。
我が家の灯りは、窮地に立たされれば、立たされるほど煌々と輝く。深夜の街に火を灯す。いつか僕が灯す輝きが、多くの方々に届いてくれたらと切に願っている。


尚、子ども達や後輩諸君は、絶対に見習わないで欲しい。いつか身体を壊すよ。



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