9 / 9
復縁屋
冷却期間
しおりを挟む
(希今までごめんな。いっつも優しくしてくれて、俺それだけでどれだけ救われたことか。でもそれなのに俺は、希に甘えてしまってたな。俺やっぱり希が好きだし、大事なこと分かってなかったんだと思う。ちゃんと感謝の気持ち伝えられていなかったし。俺は希のことが大好きでとても大事や。でも俺は希の幸せを考えたら身を引かなあかんな。幸せになってな。いつも幸せを願ってる)
健は、そこまで打って溜息をつく。
こんなんで響くのかな……全然良い文章が思いつかない。
でも、素直な気持ちで打ったメールだから、これが俺のベストなのかもしれない。
このメールを送ってみよう。
翌日、希からメールが来ていた。
(ありがとう。本当にごめんね。健も幸せになってね。私も幸せになれるように頑張る。)
健は、これだけかという気持ちと、返信したい気持ちをぐっとこらえて、メールを閉じる。
何をやっても楽しくない。ずっと焦燥に駆られ、苦しい毎日。
唯一仕事中少し紛れるのが救いか。
そうして、みゆきさんと会うまでの長い2週間が過ぎていった。
ようやく2週間が過ぎ、みゆきさんとの待ち合わせ場所に向かう。
今回は、他人の金で焼肉が食べたいと、みゆきさんが言うので、焼肉屋に行く予定だ。
「おいしーーい!」
みゆきさんは、牛タンをバクバク食べていく。
細いのに、よく食べるなこの人。
「みゆきさんに言われた通り、メールしてから、何もしてないですよ。辛い状況が、ずっと続くと思うと……」
「あー!冷却期間!辛いよねー!わかる……わかるよ健くん!」
「冷却期間?」
「そうそう、復縁の第2ステップは、冷却期間なのよ。放置して自分の存在を薄めることで、マイナスなイメージを薄めるって訳よ」
「あー……なるほど。でもそんな薄まりますかねえ……」
「大丈夫!大丈夫!薄まらなかったら、星の数ほど女はいるから!」
みゆきさんは、美味しそうにハラミを食べながら、ゲラゲラ笑ってる。
あんまり笑えないんですが……
「まーあれよ。他好きの場合は、ラブラブ期の熱を冷却させるってのもあるわ。あと上手くいってない時って前の人と比べちゃうこともあるじゃない?人によるけれども。それで比べてもらって、勿体無かったって思われたらラッキーよ。」
「勿体無かったですか……?なんか物みたいで嫌だなあ……」
「そんなことないわよー。復縁に限らず勿体無いって思わせられることは、恋愛において得よ。人って手に入りそうで手に入らないものって欲しくなるじゃない?」
「確かに……そうかもしれないですね。なるほど……」
「あー話逸れちゃったけれど、ラブラブ期も3ヶ月から半年ももすれば落ち着くと思うわ。それに勢いで付き合うカップルなんて、3ヶ月以内に何か違う……って別れることなんて良くある話よ。」
「半年もですか!?」
「わかんない。3ヶ月かもしれないし、半年かもしれない、はたまた1年かもしれない。耐えられなければ他の女なんて星の……」
「待ちます!待ちます!」
「そう!んじゃ耐えないとだね。あとその間は、やれなかったことにチャレンジしてみたり、本を読んだり、人と会ったりして自分を磨くようにしないといけない期間でもあるわ」
「わかりました。自分磨きですね」
「もし連絡が来てもしつこくしちゃだめよ。程よく友達とメールする時の様に冷静に、でも優しく接するの。好きとか好意は、もう絶対に伝えちゃだめ。あっちに言わせるまでね。まだ好き?とか聞かれたら言っても良いかもだけど、淡々とね」
「できるかな……頑張ってみます」
「復縁の第2ステップは冷却期間をとること。その間自分の気持ちも整理して冷静さを取り戻すこと。またそのうち元彼ちゃんから連絡来ると思うわ。彼と上手くいってない時、健くんの事を思い出した時とかね」
「わかりました。冷静さを取り戻せるように励んでみます。」
「次回は連絡が来た時か、3ヶ月後にしておきましょうか。とりあえず3ヶ月後で、状況が変わったら連絡してね。ご馳走さまー」
みゆきさんは、肉でいっぱいであろうお腹をさすりながら、笑顔でそう言って去っていった。
健は、そこまで打って溜息をつく。
こんなんで響くのかな……全然良い文章が思いつかない。
でも、素直な気持ちで打ったメールだから、これが俺のベストなのかもしれない。
このメールを送ってみよう。
翌日、希からメールが来ていた。
(ありがとう。本当にごめんね。健も幸せになってね。私も幸せになれるように頑張る。)
健は、これだけかという気持ちと、返信したい気持ちをぐっとこらえて、メールを閉じる。
何をやっても楽しくない。ずっと焦燥に駆られ、苦しい毎日。
唯一仕事中少し紛れるのが救いか。
そうして、みゆきさんと会うまでの長い2週間が過ぎていった。
ようやく2週間が過ぎ、みゆきさんとの待ち合わせ場所に向かう。
今回は、他人の金で焼肉が食べたいと、みゆきさんが言うので、焼肉屋に行く予定だ。
「おいしーーい!」
みゆきさんは、牛タンをバクバク食べていく。
細いのに、よく食べるなこの人。
「みゆきさんに言われた通り、メールしてから、何もしてないですよ。辛い状況が、ずっと続くと思うと……」
「あー!冷却期間!辛いよねー!わかる……わかるよ健くん!」
「冷却期間?」
「そうそう、復縁の第2ステップは、冷却期間なのよ。放置して自分の存在を薄めることで、マイナスなイメージを薄めるって訳よ」
「あー……なるほど。でもそんな薄まりますかねえ……」
「大丈夫!大丈夫!薄まらなかったら、星の数ほど女はいるから!」
みゆきさんは、美味しそうにハラミを食べながら、ゲラゲラ笑ってる。
あんまり笑えないんですが……
「まーあれよ。他好きの場合は、ラブラブ期の熱を冷却させるってのもあるわ。あと上手くいってない時って前の人と比べちゃうこともあるじゃない?人によるけれども。それで比べてもらって、勿体無かったって思われたらラッキーよ。」
「勿体無かったですか……?なんか物みたいで嫌だなあ……」
「そんなことないわよー。復縁に限らず勿体無いって思わせられることは、恋愛において得よ。人って手に入りそうで手に入らないものって欲しくなるじゃない?」
「確かに……そうかもしれないですね。なるほど……」
「あー話逸れちゃったけれど、ラブラブ期も3ヶ月から半年ももすれば落ち着くと思うわ。それに勢いで付き合うカップルなんて、3ヶ月以内に何か違う……って別れることなんて良くある話よ。」
「半年もですか!?」
「わかんない。3ヶ月かもしれないし、半年かもしれない、はたまた1年かもしれない。耐えられなければ他の女なんて星の……」
「待ちます!待ちます!」
「そう!んじゃ耐えないとだね。あとその間は、やれなかったことにチャレンジしてみたり、本を読んだり、人と会ったりして自分を磨くようにしないといけない期間でもあるわ」
「わかりました。自分磨きですね」
「もし連絡が来てもしつこくしちゃだめよ。程よく友達とメールする時の様に冷静に、でも優しく接するの。好きとか好意は、もう絶対に伝えちゃだめ。あっちに言わせるまでね。まだ好き?とか聞かれたら言っても良いかもだけど、淡々とね」
「できるかな……頑張ってみます」
「復縁の第2ステップは冷却期間をとること。その間自分の気持ちも整理して冷静さを取り戻すこと。またそのうち元彼ちゃんから連絡来ると思うわ。彼と上手くいってない時、健くんの事を思い出した時とかね」
「わかりました。冷静さを取り戻せるように励んでみます。」
「次回は連絡が来た時か、3ヶ月後にしておきましょうか。とりあえず3ヶ月後で、状況が変わったら連絡してね。ご馳走さまー」
みゆきさんは、肉でいっぱいであろうお腹をさすりながら、笑顔でそう言って去っていった。
0
お気に入りに追加
3
この作品の感想を投稿する
あなたにおすすめの小説
浮気を繰り返す彼氏とそれに疲れた私
柊 うたさ
恋愛
付き合って8年、繰り返される浮気と枯れ果てた気持ち。浮気を許すその先に幸せってあるのだろうか。
*ある意味ハッピーエンド…?
*小説家になろうの方でも掲載しています
夫の不貞現場を目撃してしまいました
秋月乃衣
恋愛
伯爵夫人ミレーユは、夫との間に子供が授からないまま、閨を共にしなくなって一年。
何故か夫から閨を拒否されてしまっているが、理由が分からない。
そんな時に夜会中の庭園で、夫と未亡人のマデリーンが、情事に耽っている場面を目撃してしまう。
なろう様でも掲載しております。
【完結】忘れてください
仲 奈華 (nakanaka)
恋愛
愛していた。
貴方はそうでないと知りながら、私は貴方だけを愛していた。
夫の恋人に子供ができたと教えられても、私は貴方との未来を信じていたのに。
貴方から離婚届を渡されて、私の心は粉々に砕け散った。
もういいの。
私は貴方を解放する覚悟を決めた。
貴方が気づいていない小さな鼓動を守りながら、ここを離れます。
私の事は忘れてください。
※6月26日初回完結
7月12日2回目完結しました。
お読みいただきありがとうございます。
【完結】亡き冷遇妃がのこしたもの〜王の後悔〜
なか
恋愛
「セレリナ妃が、自死されました」
静寂をかき消す、衛兵の報告。
瞬間、周囲の視線がたった一人に注がれる。
コリウス王国の国王––レオン・コリウス。
彼は正妃セレリナの死を告げる報告に、ただ一言呟く。
「構わん」……と。
周囲から突き刺さるような睨みを受けても、彼は気にしない。
これは……彼が望んだ結末であるからだ。
しかし彼は知らない。
この日を境にセレリナが残したものを知り、後悔に苛まれていくことを。
王妃セレリナ。
彼女に消えて欲しかったのは……
いったい誰か?
◇◇◇
序盤はシリアスです。
楽しんでいただけるとうれしいです。
私が死ねば楽になれるのでしょう?~愛妻家の後悔~
希猫 ゆうみ
恋愛
伯爵令嬢オリヴィアは伯爵令息ダーフィトと婚約中。
しかし結婚準備中オリヴィアは熱病に罹り冷酷にも婚約破棄されてしまう。
それを知った幼馴染の伯爵令息リカードがオリヴィアへの愛を伝えるが…
【 ⚠ 】
・前半は夫婦の闘病記です。合わない方は自衛のほどお願いいたします。
・架空の猛毒です。作中の症状は抗生物質の発明以前に猛威を奮った複数の症例を参考にしています。尚、R15はこの為です。
懐妊を告げずに家を出ます。最愛のあなた、どうかお幸せに。
梅雨の人
恋愛
最愛の夫、ブラッド。
あなたと共に、人生が終わるその時まで互いに慈しみ、愛情に溢れる時を過ごしていけると信じていた。
その時までは。
どうか、幸せになってね。
愛しい人。
さようなら。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる