精神年齢高めですが気にしないでください

愛しの娘

確かにこの目は見え過ぎてしまう。

わたしは精神年齢が40歳だけど、何故か興奮したりすると、口が体年齢の10歳並みに軽くなる。

それでも大人っぽいと認知されているが、それゆえに秘密が漏れる可能性がある。
病弱という設定で家の外に出ないと家族と一部の使用人で決めて、そして限られた人にしか知られていない。


大聖堂のトップである教祖は争いを好まず、昔からアロイス家と懇意にしていたので極秘に伝えている。
何より全世界の精霊を闘いの道具にしてはダメだと公言し、やむおえない事情があれば戦争にも使わざる得ないと公言している王族と真っ向から対立していた。

その王族には私のことは一切伝えていない。魔力マナが身体に馴染まずに、酷く衰弱している、と王族でさえもあざむいているのだ。



この私の力は通称愛しの娘シェリル。古から伝わる力で、今は亡き力。

愛しの娘シェリルは、全精霊を従える術を持つ、と古くから言い伝えられている。
獣人やシルフは少人数だが精霊が見える。だけど、人間は精霊が全く見えない。


（勘が鋭い人は感じたりするらしいけど…）


そんな見えない人間が、精霊が見えそしてその精霊を使役しなくても従え命令できる存在を知ったらどうするかー。


（きっと、一生自由はなく、国のためと言って争いの中心になるよね…。）


5歳までは何も無かったらしい。周りと同じ精霊見えず、使える精霊なんかいなかった、とのこと。

そりゃそうだ、精霊と契約をできるのは、学校や精大堂でしかできないことになっている。


それが私がこの世界に来て、5歳の身体に乗り移った時に急に世界が変わりパニックになった上に、魔力が増えて、魔力に慣れていない私がそれに戸惑ってしまいコントロールできずに暴れ出し、周りの力と精霊の力を借りてどうにか押さえ込んだ。

そこから三日三晩寝込み、魔力が馴染んだ時に精霊が見え、もう最上精霊と契約した後だった。


それで、両親は私を社交界や周囲から隠すことに決めた。私の幸せのために。



重罪を犯したのだー。


これがバレたら、即刻家族と使用人は処刑で私は一生飼われるだろうー。