恋するジャガーノート

まふゆとら

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第十三話「新たなる鼓動」

 第二章「人類には牙のある事を」・④

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「───以上が、現地の石見班長からの報告です」

「成程・・・やはり、ヤツは沈黙したままか」

 潜水艦ドックに立ち寄った柵山少尉から、No.021に関しての報告を受ける。

 昨夜遅く、唐突にNo.011の「声」だけが飛んできて、「ラハムザードの力が最大となるのは翌日の午後2時頃」「それまではこちらから攻撃しない限り動き出す事はない」という話をされていたものの・・・実に16時間も沈黙したままというのは、実に気味が悪い。

 ついでに端末に送られてきた研究課からの分析データにも目を通しつつ、問いかける。

「柵山少尉、君はどう考える?」

「・・・No.011が言ったという、「今までのどの怪獣とも違う」なる表現が・・・誇張抜きに事実らしい事だけは、間違いなさそうですね」

 想像通りではあったが、険しい顔で返されてしまう。

 彼には、昨日のうちに無理やりにでも睡眠を取るように言っておいたのだが・・・目の下にくっきり刻まれた隈が、命令違反の何よりの証拠だった。

「能力の規格外さも意味不明さも、No.020を上回ってますね。・・・むしろ、No.022ナンバートゥエンティツーの存在を考えれば、そもそもNo.020の異能の源が、No.021であると考えた方が自然かと」

「あぁ・・・私もそう考えていた」

 研究課の分析によって、No.021から剥離した「黒い体組織」と、横浜で数件の人体発火事件を引き起こした「黒い蛆」・・・

 そして、No.020とNo.021の傷口から生じ、その体を再生させていた「黒い指」は、それら全てが同一のものであり──

 同時に、固有の高エネルギー波形を持つ、「新種」である事が判明したのだ。

 No.022と名付けられたこれは、人体を含む生物の表皮に触れると紫色の炎を噴き出す特性を持っており・・・おまけにこの炎は、

 No.011から、No.022は宇宙の各所で「ルリムス」と呼ばれており、ヤツの放つ紫の炎については、「物が燃焼しているのではなく、燃えるという現象だけを起こしている」との説明がありはしたが・・・まるで意味が判らない。

「・・・・・・」

 この厄介な炎のせいで体組織を基地まで持ち運ぶ事が出来ず、已む無く研究課員たちは現地へと赴き、火ダルマになる危険と隣り合わせの状況で分析作業を続けているのである。

 彼らの献身には、本当に頭が下がる思いだ。

No.002フェネストラNo.006ギアーラが合体した要因がNo.022ルリムスにあると考えると、色々と辻褄が合う気がしますね。・・・それと、No.021の乗っているランドマークタワーなんですが・・・おそらく、これも既にまるごとヤツの支配下にある可能性があります。送られてきた映像を観て下さい」

 促されるままに目を向ければ・・・No.021の「台座」と化している白い塔は、その所々が崩れ、一夜にして廃墟のような風貌へと変わり果ててしまっていた。

 さらに、その細部にズームした映像に切り替わると──

 崩落しかかった建物の隙間隙間に、見覚えのある「黒い指」が敷き詰められているのが見え・・・思わず、頭を抱える。

「・・・確かに、あれだけの爆撃を受ければ、普通は建物の方が先に壊れるのが常識だな。私もよくよく冷静な視点を失くしていたのかも知れん・・・・・・」

 No.021は戦闘の最中も、火の付いた蝋燭のようにその体表から黒い体組織を──つまり、No.022をポタポタと零し続け、そこら中に撒き散らし続けていた。

 当然、ヤツが動かない今は、ランドマークタワーがその「受け皿」になっており・・・それが、現状のの理由と考えて間違いないだろう。

 No.021をどうにかしたとしても、後にコレが残ると考えると・・・今から頭痛の種だな。

 と、そこで、突然ドックに「バカヤロー‼」と怒号が響いた。

 おそらくは、整備の みなもと課長の声だ。声を荒げた所は、初めて見たかも知れない。

 ・・・無理をさせてしまっている自覚はあるが・・・やはり、誰もが普段通りではいられないのだろう。

 人類の存亡が、あと7時間もすれば決まってしまうというのだから。

「クソッ・・・時間も人手も足りないな・・・・・・」

 そしてつい、私自身からも弱音が漏れ出たところで─── 


「───つ・ま・り、私 の出番という事ですわね♪」


 唐突に、聴き馴染みのある声が背後から届く。

「お・ね・え・さ・まぁ~~~んっ‼」

 次いで、予想された衝撃──つまり、少女からのタックルじみたハグを・・・半ば諦め気味に、棒立ちのまま受け止めた。

「・・・・・・ええぇっっ⁉ こんな素直に抱きつかせて頂けるなんて如何なされましたのっ⁉ ついに一日千秋の想いで待ち侘びたデレ期に突入ですのっっっ⁉」

「・・・今は躱す余裕もないんだ。察しろ愚妹」

 何故か抱きついてきた当人に驚かれ、なおも疲労感に苛まれながら視線を下に移すと・・・

 そこには、我が恥ずべき妹分──サラ・ラムパールの姿があった。

「ご無沙汰しておりますお姉さま! ご機嫌麗しゅう!」

「・・・もし本当に麗しそうに見えるなら、今すぐ頭のネジを取り替えてこい」

「いやん♡ 冗談ですわ♡ ほんのお嬢様ジョークでしてよ!」

 ただでさえ普段から相手するだけで疲れる女だと言うのに、疲弊し切っている今はもはや拷問に近いな・・・と、天を仰いだ所で、こちらに近づいてくる複数の足音が聴こえる。

 目を向ければ、やはり──予想通りの顔があった。

「どうもです! キリュウ少佐・・・あ、今だけ少将でしたっけ?」

 ニッコリと笑顔を向けてきたのは、インド支局機動課のジェーン・カルガー少尉。

 そして、その後ろから、もう一人・・・浅黒い肌の青年が顔を出す。

「・・・また、宜しくお願いします。キリュウ少佐」

 規則正しく敬礼したのは、バーグ・ルクシィ──いや───

「あぁ。・・・少し見ない間に、一段といい目をするようになったな、グプタ少尉」

「! ありがとう・・・ございます・・・っ!」

 少尉に深く頭を下げられるが、世辞のつもりで言った訳ではない。

 初めて会った時、彼が纏っていた暗く険しい雰囲気はすっかりなくなり・・・今は、精悍な一人の戦士が、そこにいた。

 男子三日会わざれば・・・と言うが、まさに彼が好例だろう。

「むぅ~~! バーグさんばっかりズルいですわ! 私の事も褒めて下さいまし!」

 腰に提げた大げさな装飾のS&Wリボルバーを見て、思わず頬が緩んでいると、サラに腕を引かれる。 

「そこまで言うからには、褒めるに値するものを持ってきたんだろうな?」

「もっちろんですわ! こちらをご覧くださいませ」

 サラは、えっへんと無い胸を張りながら、タブレットの画面を見せてきた。

「まずひとつ目は、<アルミラージ・タンクⅡ>ですわ! ベース車をM1A2戦車からLAV装甲車に変更し、ヘリでの空輸を可能としつつ高機動化を実現した後継機ですの! 装甲については素材から一新しておりますので、軽さを維持したまま防御力も折り紙付きです!」

 表示されていたのは、一見すると、昨日焼失してしまった<アルミラージ・タンク>の無限軌道が8つのタイヤにすげ替わっただけのものだった。

 しかし、ベースとなるLAVと言えば、水陸両用な上にその走破性にもかなりの実績がある。性能については申し分ないだろう。

 さらには、一番のネックだった空輸方法が、輸送機でなくヘリで可能になった点は大きい。

 ベース車の軽量化はまさに、痒い所に手の届く変更点だと言える。

「フム・・・これは使えそうだな。何台持ってきたんだ?」

「元から極東支局に配備予定だったものと、インド支局のものとで計2台ですわ!」

 サラが答えると、その後ろから笑顔のカルガー少尉がひょっこりと顔を出す。

「自前の方は、私とバーグちんで運転しま~す!」

「判った。よろしく頼む。・・・さて、そうなると──」

「──俺たちの方は慣らし運転しとく必要がありそうですね、隊長」

 言いかけた所で、当事者たち・・・休憩を終えた竜ヶ谷少尉とユーリャ少尉が、姿を見せた。

「・・・ケガは大丈夫なのか?」

「えぇ。俺もユーリャも、包帯の巻き方が派手なだけですよ」

 彼らの体には、昨日の戦闘で<アルミラージ・タンク>の車体から飛び降りた際に負った傷が、まだ生々しく残っていた。

 本来なら療養を強制する所なのだが・・・当人たちの強い希望で、今日の戦闘にも引き続き参加する事となったのである。

「・・・私の方は・・・1時間もあれば、充分・・・」

 ユーリャ少尉は、タブレットで<アルミラージ・タンクⅡ>の仕様書にさっと目を通すと、いつも通りの無表情でそう豪語した。

「ほぉ~~大きく出たなぁユーリャ!」

「・・・前に、LAVは運転した事があるから・・・」

「なるほど・・・つまりこれで、後から言い訳は出来なくなったって事だな?」

「・・・・・・元から、する必要もない・・・」

 竜ヶ谷少尉がすかさず軽口を飛ばすと、見慣れたやり取りが始まる。

 確かに彼の言う通り、二人とも見た目よりは元気そうだ。

「っと・・・急に出てきてすみませんね。時間もないし、自己紹介は道すがらでも?」

「ノープロブレム! 実物は上に用意してるんで、早速行きましょ~!」

 そして、カルガー少尉が先導し、竜ヶ谷・ユーリャ両名を率いて「慣らし運転」のためにドックを後にする。

 彼女の腕前なら、あのコンビともしっかりとした演習が出来るだろう。

「私も立ち会って、お二人のクセに合わせて機体のOSの方を調整させてもらいます」

「了解した。じゃじゃ馬どもを頼んだぞ、グプタ少尉」

「アイ・マム!」

 グプタ少尉は最後にこちらへ一声かけてから、三人の後を追った。

「──さて。<アルミラージ・タンクⅡ>については、あの四人にお任せするとして・・・今日はもう一つ、是非お姉さまに使って頂きたいモノがございますの!」

 新たな戦力を踏まえ、改めて作戦を立てようとした所で、サラがピンと指を立てる。

「この戦いの切り札となるであろう、文字通りの超兵器・・・! 大型自走式圧縮メイザー光線照射機──その名も、<ジャッカロープ>ですわっ!」

 再び向けられたタブレットの画面に、映し出されていたのは───

「・・・何というか・・・見たまんまな感じだな・・・・・・」

 <アルミラージ>の光線照射部分を、そのまま拡大したような・・・

 要するに、下に車輪がついているだけの、巨大なパラボラアンテナだった。

「急ピッチで仕上げたからですぅ~~! それは言いっこなしですのよ~~!」

 偽らざる本音を伝えると、製作者はいやんいやんと体を左右に振りながら絶叫する。

 いい加減うるさかったので、軽めのチョップで黙らせた。

「・・・コホン。気を取り直しまして・・・こちらはお察しの通り、超巨大な「メイザー・ブラスター」とでも言うべき一品ですの。正式納品の際にはもっと素敵なデザインに仕上げますが、今は実用性優先です! 試作型とは言え、威力には自信アリですわ!」

「だろうとは思ったが・・・確かに、今回の戦いにおいては有用かも知れないな」

 先の話し合いでも出たように、No.021は、No.009が放とうとしていた攻撃に対して過剰に反応したように見えた。

 そしてテリオ曰く、No.009は間違いなくメイザー粒子の圧縮を行っていたらしい。

 つまり──No.021が嫌ったのは、「メイザー・ブラスター」と同じ原理の攻撃である可能性が高い、という事になる。

 見た目はともかく、賭けてみる価値は充分にあるだろう。

「ちなみにこの<ジャッカロープ>については、既に現場の近くに3台を待機させております。台座の部分には月面探査車の技術を流用しましたので、悪路もお手の物ですのよ!」

 ・・・話が早いのは助かるが、私が使うのを断らないだろうと見透かしているのがなかなかに腹立たしく・・・私は、無言で2発目のチョップをお見舞いした。

「こちらはラムパール社の者が遠隔操作して運用・・・か。判った。頼むぞ」

 仕様書に目を通し、少しだけ安堵する。

 「地底世界」での任務の際、間近でジャガーノートを見て取り乱してしまった者もいたからな・・・協力してもらう立場ながら勝手な言い分だが、操縦者が戦場にいない方がこちらとしても負担にならないと言えるだろう。

「か、かしこまりましたわ・・・・・・」

 頭を擦りながら、サラが返事をする。

 そして、さすがにもう隠し玉はあるまいと、改めて作戦を練ろうとした所で・・・・・・

「それでは最後に──お姉さま! こちらを!」

 なおも、サラがそんな事を言ってくる。

 過剰なサービスに辟易しつつ、向き直ると・・・

 その小さな手には、見慣れたダークグレイのヘルメットが掲げられていた。

「実は、お姉さまには最優先でやって頂かなくてはならない事があるんですの!」

「最優先・・・だと・・・?」

 意図が判らず、聞き返すと──サラは、今日一番の笑みを作った。

「それは~~~きゅ・う・け・い・ですっ‼」

 そして、一音一音を強調するようにそう言ってから、ヘルメットを押し付けてくる。

 ・・・どうやら、気分転換に外出でもして来いと言いたいらしい。

「い、いや・・・しかし──」

「駄目です嫌です決定事項ですっ‼ 大事な取引様のご意向でしてよっ‼」

「・・・職権乱用も甚だしいな・・・・・・」

 小さな「取引先様」の横暴を前に、こめかみを掻く。

 心遣いは嬉しいが・・・今はとにかく時間がない。

 <アルミラージ・タンクⅡ>と<ジャッカロープ>の存在を加えた上で作戦を立てなければならないし・・・それに何より、今はどこの課もフル稼働で頑張ってくれているのだ。

 そんな中、私だけが休む訳には───

「いいえ隊長。僕からもお願いします。今は休んで下さい」

 そこで、私達のやり取りを横で黙って聞いていた柵山少尉が、サラに同調した。

「僕らは休ませてもらいましたけど、隊長は昨日から一睡もしてないじゃないですか。いざ作戦が始まれば、一番消耗するのはあなたなんですから・・・少しでも休んで頂かないと」

「柵山少尉・・・・・・」

 真っ直ぐにこちらを見つめる瞳は、純粋に私の身を案じてくれているのだと判った。

 気まずさと、気恥ずかしさと・・・様々な思いが綯い交ぜになりつつも・・・・・・心を決める。

「判った。休ませてもらう。ただし、何かあったらすぐに連絡してくれ」

「アイ・マム! 皆には、僕から伝えておきますよ」

 そう言うと、少尉はその場を後にした。

 そこで、私は息を一つ吐いてから・・・筋は通すべきだな、と、サラの方に向き直る。

「まぁ・・・その・・・なんだ。ありがとうな、サラ」

「・・・! お、お姉さま・・・っ!」

 すると少女は、ぱあっと明るい笑みを見せてから──何故か、青い顔をした。

「お姉さまが素直に感謝して下さるなんて・・・・・・もしや明日が地球最後の日ですのっっ⁉」

「・・・お前の命だけ今すぐ終わらせてやろうか?」

 今まさにそうならないように皆が頑張っている最中だろうが痴れ者め・・・・・・

「いやん♡ 殺意高めの視線、クラっと来てしまいますわぁ♡」

 デリカシーのない愚妹は、大げさなリアクションで倒れ込むフリをしてから・・・一転けろりと立ち上がり、ニコニコとわざとらしい笑顔を向けてくる。

「と、言う訳で、ごゆっくりお休み下さいませお姉さま! それでは私は<モビィ・ディックⅡ>の修理を手伝わなければなりませんので! ごきげんようですわ~~!」

 そして、逃げるように去ってゆく小さな背中を見つめて・・・たまらず、溜息が漏れ出た。

 ・・・だが、おそらく・・・今、私の口元は、笑っているのだと思う。

「悔しいが・・・助けられてしまったな」

 愛すべき妹の心遣いに感謝しつつ──私は、<ヘルハウンド>の元へと向かうのだった。

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