4 / 5
4、伝えられた想いと未来の約束
しおりを挟む
「えっ?」
アルテミシアは思わず口から疑問を飛ばす。隣に座るムスタは興味津々に剥製を見ていて、異変には気づいていない。
勘違い?? とアルテミシアが思った瞬間、両手の中に納めていた剥製らしく硬い睾丸が、弾力あるそれに変わる。
驚きが強すぎて、手の中の塊を ブンにゅ と力を入れて揉んでしまう。
「キゥュンッ!!!」
静かな室内が、甘ったるい獣の鳴き声で包まれる。
「えっ?(ムスタ様?)」
「うんっ?(アルテミシア嬢?)」
二人は同時に互いを見合う。とっさに顔を横に振って違うと互いに伝えあい。
サぁーーーっと熱が引いた瞬間、両手で今だ握っている熱く柔らかくなった玉袋から手をはなす。
「ハァッ………ハァッ、ハァッ……ハァッ」
甘い喘ぎ声を後は、獣特有な荒い息遣い。思わず見てしまった股間にアルテミシアは声にならない悲鳴をあげ。
ムスタは先ほどと明らかに違う形状になった立派な股間を凝視し、生唾を飲み込んでいた。
(「ハァッ、なんだ、身体が熱くなって…うんっ!?…うんっ!?」)
絨毯を濡らす己の涎に気づき、下を向いた目線の先には、パンパンに膨れ血のような色の亀頭球が見え、初めて自分の身体の異変に気づく。
(「首が動く?」)
少し上がっていた右前足が地面につき、シリルは今、4本の足でしっかりと絨毯に立っていた。
シリルの股間辺りでイチャコラしていたムスタとアルテミシアをシリルからは見えないはず……だが。
見たいと、アルテミシアを瞳に入れたいと思うだけで、身体は自然に反転する。
驚愕に見開いたアルテミシアの瞳とムスタの瞳が、シリルの瞳に強く刺さる。
長い沈黙の後、声を発したのはアルテミシア。
「う、動いて……。ゆ……め……?」
こんな夢はアルテミシアにとって毎度の事、何度も何度も剥製が動き話す夢を見ては、朝目覚めて自分の願望に泣き笑う。
きっと歩く姿はゆったりと大きく、鳴き声もハスキーで、もしかしたら人語を話したり、暖かい首もとに腕を回して抱きついたり。
たまに人になったりもして、アルテミシアと愛を交わしたり。
自分の夢ながら、なんて浅ましく汚くイタイのだと思い続けた。
しかし今回の夢はいつもより夢らしい。アルテミシアはまだ夢の中なのか…?…。そう不思議な現象を見つめていたが、アルテミシアの脳内思考に返事をしたのは、ムスタだ。
「……あぁ、夢ね。だったら、僕はアルテミシア嬢と同じ夢を見ているのかな? 冗談みたいな夢だね…たった今まで、剥製だったのに?…ほらっ、動いてるよ……綺麗だ………」
ムスタは自分の頬を目一杯つねり、夢から覚めるか実行している。
真横で頬をつねるムスタを真似て、アルテミシアも頬をつねろうとしたが、甘い声と頬に這う生暖かい舌に阻まれ止められた。
「アルテミシア、夢じゃないから頬を抓るな。まさか生身の身体で、こうしてアルテミシアに触れ合えるとは思わなかったな」
「話……せる……の……ですか……」
獣。と一言で片付けるのは無理な神秘的な外見の狼に、アルテミシアは普通に敬語で話す。
震える声を発しているアルテミシアの唇に、吸い付きたいとあらぬ事を考えながらも、茫然とする愛しい人に理由を丁寧に説明していく。
「くすくすっ、話せる。私は見ての通り剥製ではないからな。剥製のようにミラ神から時間を止められていた。
生きた年月は二千年。その後、剥製になって三千年。この世界をミラが造った時から私は生きている。
ミラの人間に傾倒する思いが…私には分からなくてな。人を導く存在として実体を持って此の世おりたが、憎み合い落とし合いを生きがいとする人を好きになれず、では静かに見守れと剥製にされた。
一応、罰だからと剥製になった身体に感覚だけを残され、耐え難い経験も色々した」
「わ、私……」
喋ろうにも声にならない。夢ではないのはもう頭に入っているが、まさか大好きな狼の剥製が神だとは思わなかったのだ。
「アルテミシア、私に質問はないか? 何でも聞いてくれ」
優しく甘い心の臓を痺れさすシリルの声色は、それだけで身体を熱くさせた。
「あの~ 僕も質問したいのですが………」
シリルのお前は眼中にない、まだいたのか、の視線を受けるムスタ。しかしそこは百戦錬磨の商人ムスタだ、こんな素晴らしい奇跡の機会を与えられ、このままさらばと去る程、阿保ではない。
返答しないのを勝手に肯定ととり、座り込んでいた姿勢をやめ、立ち上がり胸に手を置き頭を下げ最上級の礼をもってムスタは話し始める。
「初めてまして、私はニル商会のムスタと申します。噂の美しき剥製様が、まさかミラ神の側近御本人とはつゆ知らず、先ほどの無礼をお許しください。
この素晴らしい奇跡を目の当たりにした強運の持ち主である私に、貴方様のお名前を教えて頂けたら光栄と存じます」
優雅で紳士なムスタの姿だが、シリルには砂つぶほど どうでもいい。むしろまだ茫然としているアルテミシアと話がしたいし、今後限りある生を夫婦になり共に過ごし、一緒に老いて死を迎える輝かしい未来を、アルテミシアに約束させたい。
もうアルテミシアの未来を他人に渡す気は最早ない。
ムスタと話しをする時間もシリルには惜しく、そして忌々しかった。
「何故、お前に名を言わなければいけないんだ。同じ男で痛みも分かるだろうに、思い切り急所を握ってきた事を許せと?
私にはすでに不快感しかない。消えろっ」
ビクッ!!!
シリルの『消えろ』はアルテミシアも同罪として届き腰が抜ける。
座っていた状態だから、倒れはしないがもう可哀想なほどアルテミシアは恐怖に震えていた。急所を触られたと言えども、シリルからすればアルテミシアとムスタでは感じ方が大きく違う。
けれど、ムスタとアルテミシアからは二人のとった行動の差は、さほど変わらないように思えた。
アルテミシアは助けを求めて、無意識にムスタの方に這っていく。
(「何故、離れる? 私を愛していたのではないか?」)
自身から必死で離れていくアルテミシアの行動を見て、シリルは咄嗟に「アルテミシア」と名を呼ぶ。
振り向いた愛おしい女の恐怖におののく表情は、シリルの強靭な肉体を破壊できるほどの威力となっていた。
ズるッ ズるッ……とシリルから離れるアルテミシアに、なんとなくシリルの心情を察してムスタは苦笑いを浮かべる。
「アルテミシア嬢、大丈夫??」
「ムスタ様、私、私……」
(「おぅ!! 手を取り抱き締めたくなるじゃないか。しないけど、僕は自分が一番可愛いからね。剥製様の伴侶になるかもしれないアルテミシアに、触れるなんて禁忌を犯さないさ」)
脳内でいかにこの場を収めるか思案する。二人の仲を上手く取り持てれば、ムスタにとってプラスにしか働かない。
「はい、はい、アルテミシア嬢、落ちついて深呼吸して。スーハーっ、もう一回スーハー。
で。ミラ神の遣い様、怒るのは無しですよ。私に対してでも、側にいるアルテミシア嬢が腰を抜かしています。
……彼女に…嫌われますよ」
ムスタ意見は最もだった。
こんな奴より、アルテミシアだ。愛しい女が目の前で組み敷かれた場面を幾度となく見てきて、どれだけ動けたら話せたらと、心を痛め続けたんだ。
「アルテミシア、違う。君には怒ってない、女性の前でする発言としてはかなり言い方がキツかったな。
謝罪する。悪かった。
離れていかないでくれ。
……私は……。
アルテミシアを愛している。
君を愛している。ずっと、ずっと愛している。はじめて会った時から。焼け落ちた土砂の中から私を探し当ててくれた時から、愛している。
剥製にされて三千年、一度も動きたいと思ったことはない。だが、アルテミシアに出会って動かない身体をどれだけ憎んだか。
残りある生。私と夫婦となり、共に生きてくれないか。
私に寿命は無いが、神力は全てミラに返すつもりだ。一緒に年をとり、君に似た子供もつくりたい、どちらか先に逝くかは分からないが、死を分かつ最期の瞬間ときまで側に寄り添いたい。
愛している。
アルテミシア、愛している……」
朗々と歌い上げるウットリする声は、アルテミシアの願望を語っていて、やっぱり夢なのではないか? と思えてならない。
しかし甘い台詞を吐く神秘的な白銀の狼は、真摯にこちらを見据え一度も視線を外さない。
アルテミシアが逃げた分、二人を隔てている距離を少しづつゼロにするシリル。
鼻先が唇と触れ合うまで近くきて、シリルは声を低く呟く。
「もう私には、触れてくれないのか?
私に触れてくれ、アルテミシア。小さい頃は沢山抱きついてくれていたが、最近は一切触れてこなくなっただろう。言っておくがムスタに急所を触られたのは口では言えないほど腹が立つが、アルテミシアは違うからな。
身体が一気に生殖活動に入るくらい、気持ちが良かった……。大事な場所だからこそ、アルテミシアには また握って欲しい…。
駄目か??」
ドキュンっ!!!
「はぅっ!!!」
シリルの甘さ満載の台詞に心臓を撃ち抜かれたアルテミシアは、林檎と見間違うほど真っ赤に染まっていく。すでに恐怖心は綺麗サッパリなくなっていた。
(「落としにかかってますね。あざと過ぎる。アルテミシア嬢のような女性には、高圧的よりも こう母性を擽ぐる方がより的確。
やりますねー ミラ神の遣い様、誘導尋問が完璧過ぎて引きますよ、僕は」)
ムスタは見物に徹しながら、シリルの麗しい身体を堪能した。
「アルテミシア……私が、嫌いか?」
シリルは此処ぞとばかりにアルテミシアにとどめを刺す。あざと過ぎると思われようとも、アルテミシアを落とさなければ、輝かしい未来はない。
「っ、す、好きです!! 嫌いなわけないですっ。好き過ぎて…私、気持ち悪い。
でも…好き…うんん、………あ、愛してます」
ぺろりっ。
満足いくアルテミシアの思いの丈を聞いて、シリルはアルテミシアの柔らかい唇を下唇から上唇と丁寧になぞりながら、舐めた。
「この姿ではキスがしにくいな……」
憮然としたシリルの態度に、笑いの沸点が低いアルテミシアは思わず笑う。
「そ、そんなことないです」
そう言って、ふさふさの白銀の毛に手を這わせ、首に抱きつく。座わりこんだ体勢だと、かなり伸びをしないと首を掴めないほどシリルはデカイ。
抱きつくというよりも毛の中に埋もれるように、その身をつけて久しぶりの白銀の毛並みにアルテミシアは酩酊する。
「アルテミシア、返事を聞かせてくれ。妻となってくれるか? 言葉で聞くまで不安なんだが…」
目がまん丸になる。ここまで告白して、無しはないだろう。
「ミラ神の遣い様、勿論イエスです。不束者ですが、どうぞよろしくお願い致します」
「シリルだ」
「えっ?」
「私の名前は〝シリル〟だ。ミラの遣いで間違いないが、ミラの付け足しみたいで好かん。アルテミシアにはシリルと呼んで欲しい」
「……シリル様……」
「あぁ………たまらないな…。アルテミシアもう一度、名を呼んでくれ」
「シリル様」
「もう一度……」
「シリル様」
「もう一度……」
「……シリル…さ、ま……んっッフッ…」
4度目で我慢の限界に達したシリルは、アルテミシアの唇をこじ開け長い舌を入れこむ。
いきなりの濃厚な触れ合いに少しアルテミシアの舌が、シリルの舌を押し返したが、それも恥じらいだと思えて可愛くて仕方ない。
んっッフッ。チュルッ。……んっッフッ……
…ちゅ、チュルッ、チュルッ、…ンッふっ…
とてつもなくヤラシイ水音が、山びこのようにこだましている。
(「僕は無視なんですね、シリル様か…綺麗なお名前です。キラッキラッですよ。
シリル様。腰が上下にふれてますよ~生娘のアルテミシア嬢にいきなり挿入は早いような……。
っていうか、子供つくる気でいらっしゃったが、狼の性器って人に入るのか?
そもそも形状が全く違うんだけど。大丈夫なのか? まぁ~受け入れるのは、アルテミシア嬢だし。僕 関係ないからいっか」)
しばし続く甘い口づけ。
一向に終わりが見えない。
(「そろそろ止めましょうか。シリル様の股間が、かなり辛そうですし」)
「あっ!! ロラン子息っ!!!」
ビクッ!!!!!
ロランの名前にいち早く反応したアルテミシアは、チュウチュウ吸い付いていた舌を離し、即座に立ち上がりシリルから距離をとった。
いきなり立ち上がったアルテミシアは、その勢いを殺せずにタタラを踏み ドンッとムスタに打ちあったった。
「おっと、大丈夫かな?」
「お、お兄様っ、これはっ、これはっあの」
「クスクスっ、アルテミシア嬢。ロラン子息はいないよ、いない、どれだけ驚くんだ? プゥ くっくっくっ」
「ムスタ様っ、ひどいですよ。生きた心地がしませんっ」
息をするようにイチャつく、ムスタとアルテミシアに怒りが湧きおこる。
「貴様、殺されたいのか?」
「はい、はい、器の小さい方ですね。あんなシーンをロラン子息が見たら、いくら貴方がミラ神の遣いでも金輪際合わせないようにしますよ、彼は。
そりゃ 僕も止めたくないですけど、アルテミシア嬢と僕が二人きりでこちらに来てから だいぶ時間が立ちます。頭が石のように堅いロラン子息がそろそろ我慢の限界を越し、僕らを見にきますよ」
もっともである。
カァーーー。と顔に血が上るアルテミシアが、シリルの荒れ狂う心情を、緩やかに凪いでくれる。
「そうだな、それなら仕方ない。
アルテミシア。わたしはあまりにも長い間、剥製の姿だったから、本来の神力が一度全て戻るまではこのままだ」
「このまま?とは?……えっ!!」
アルテミシアと出来てしまった距離を歯痒く感じながらも、シリルは賭けに出た。
「ウワッ!!」とムスタが。
声が出ず口をパクパクしているアルテミシアが。
目の前の恐ろしい程の輝きを放つ〝人〟を瞳に写し、目が潰されるのでは? と感じさせる程の圧倒的な美貌に釘付けとなる。
まさに神の一言。
狼の姿から人の姿に転変したので、もちろん産まれたままの何も身につけていない裸体姿。しかしその身は鋼の鎧を身に纏っている強靭さで、触れれば斬られる感覚としか表現出来ない。
腰まである限りなく白に近い銀髪、蜜蝋のごとき瞳は狼の姿と同じ。しかし高い鼻梁に形良く弧を描く薄い唇、細くシャープに削ずりおとされた顎から、筋肉の筋が芸術品のように盛り上がる首筋。
均整がとれた広く逞しい肩幅に、筋肉が盛り上がる肩から腕の太さの圧巻さ、胸板は厚く前に突き出ている。
幅のある肩幅との差が圧巻なウエストは、ガチガチにくびれており、ただ立っているだけで腹筋が盛り上がり、個々を主張している。
そこまで呆然と視線でたどり、次は見てはいけない部位が。
彫刻で削ったような腹筋より、さらに造形的に男性らしい太く長く血管の浮き出ている男根が、見せつけるように荒々しく勃ちあがっており、至近距離で見たアルテミシアとムスタは一緒に瞬間凍結する。
そんなアルテミシアを満足に見つめ返したシリルは、右手をアルテミシアの腰に回しグッと身体を密着させ、左手をアルテミシアの頬に添わし、クイッと顔を上に向かせシリルと視線が合わさるようにもっていく。
「アルテミシア。神力が一度全て戻ったら、今のこの姿。人型にもなれる。夫婦になる行為は…人型でしたいからな、辛いがそれまでは耐えよう。
今、ほぼ神力がない状態で人型をとったから、今後 数週間は狼の姿に戻り会話も出来ないだろう」
「えッ、また……剥製……に?」
アルテミシアの傷付き震える声は、媚薬のごとき心地よさで、シリルは下半身がさらに膨張するのを感じ、苦笑いを浮かべる。
「流石にもう剥製に戻ることはないから安心してくれ。
これは浮気防止だ。私のこの姿を見て他の男に目移りはしないだろう?
私を超える男はこの世にいない」
「凄い自信ですね」
思わずツッコミたくなったのは、ムスタでなくとも頷ける。
勝ち誇ったようなシリルはアルテミシアを見つめながら、彼女を甘く溶かす。
「愛している。
私の全てをアルテミシアに注ごう。私無しでは生けていけなくなる程、
私に、溺れてくれ……」
血管の浮き出た男根をアルテミシアの身体に押し付けながらも、口付けは触れ合う程度。
物足りなさを感じているアルテミシアに満足して、シリルは身体を離す。
離した瞬間、一瞬にして〝男〟は消え、アルテミシアの前には、美しい白銀の狼が対峙している。
狼の顔なのに、微笑んでいるように見える。返事を待たずに姿を変えたシリルは、かなり無理をしたのだと理解できた。
それでも未来を想像出来るように、人型もとれるのだと見せてくれたのだ。
言葉よりも目に心に焼き付いた。
今まで夢に見てきた妄想が現実になって。
幸せ過ぎて思考がパンク。
アルテミシアの涙腺がもれなく決壊する。それでもここまで〝愛〟を示してくれたシリルに返答をしないといけない!! とアルテミシアは噛み合わない唇を必死に動かし想いを告げる。
「愛してっ、うえっ。ヒックっ、愛してっます。ふぇっ、夢みたいです……。
シリル様、シリル様…シリル様、愛してますっ……うえっ、ヒックっ、大好きで、
愛してっ……ますっ……ふぇ~、、、」
泣きながら話すのは呼吸困難に陥る。しかし愛しているという想いと、本人から何度も催促された〝シリルの名前を呼ぶ行為〟をアルテミシアは止めたくない。
だから、いつまでも涙を流しながら言いつづける。
ムスタとアルテミシアが剥製を見に行くぐらいで遅過ぎると、怒り心頭したロランらが部屋にノックもせず乱入してくるまで続く。
シリルは泣きながら告白し、己の名を呼び続けるアルテミシアを愛しく感じながら、頬に流れる涙を舐め続けた。
(「アルテミシア……愛している…」)そう想いながら。
アルテミシアは思わず口から疑問を飛ばす。隣に座るムスタは興味津々に剥製を見ていて、異変には気づいていない。
勘違い?? とアルテミシアが思った瞬間、両手の中に納めていた剥製らしく硬い睾丸が、弾力あるそれに変わる。
驚きが強すぎて、手の中の塊を ブンにゅ と力を入れて揉んでしまう。
「キゥュンッ!!!」
静かな室内が、甘ったるい獣の鳴き声で包まれる。
「えっ?(ムスタ様?)」
「うんっ?(アルテミシア嬢?)」
二人は同時に互いを見合う。とっさに顔を横に振って違うと互いに伝えあい。
サぁーーーっと熱が引いた瞬間、両手で今だ握っている熱く柔らかくなった玉袋から手をはなす。
「ハァッ………ハァッ、ハァッ……ハァッ」
甘い喘ぎ声を後は、獣特有な荒い息遣い。思わず見てしまった股間にアルテミシアは声にならない悲鳴をあげ。
ムスタは先ほどと明らかに違う形状になった立派な股間を凝視し、生唾を飲み込んでいた。
(「ハァッ、なんだ、身体が熱くなって…うんっ!?…うんっ!?」)
絨毯を濡らす己の涎に気づき、下を向いた目線の先には、パンパンに膨れ血のような色の亀頭球が見え、初めて自分の身体の異変に気づく。
(「首が動く?」)
少し上がっていた右前足が地面につき、シリルは今、4本の足でしっかりと絨毯に立っていた。
シリルの股間辺りでイチャコラしていたムスタとアルテミシアをシリルからは見えないはず……だが。
見たいと、アルテミシアを瞳に入れたいと思うだけで、身体は自然に反転する。
驚愕に見開いたアルテミシアの瞳とムスタの瞳が、シリルの瞳に強く刺さる。
長い沈黙の後、声を発したのはアルテミシア。
「う、動いて……。ゆ……め……?」
こんな夢はアルテミシアにとって毎度の事、何度も何度も剥製が動き話す夢を見ては、朝目覚めて自分の願望に泣き笑う。
きっと歩く姿はゆったりと大きく、鳴き声もハスキーで、もしかしたら人語を話したり、暖かい首もとに腕を回して抱きついたり。
たまに人になったりもして、アルテミシアと愛を交わしたり。
自分の夢ながら、なんて浅ましく汚くイタイのだと思い続けた。
しかし今回の夢はいつもより夢らしい。アルテミシアはまだ夢の中なのか…?…。そう不思議な現象を見つめていたが、アルテミシアの脳内思考に返事をしたのは、ムスタだ。
「……あぁ、夢ね。だったら、僕はアルテミシア嬢と同じ夢を見ているのかな? 冗談みたいな夢だね…たった今まで、剥製だったのに?…ほらっ、動いてるよ……綺麗だ………」
ムスタは自分の頬を目一杯つねり、夢から覚めるか実行している。
真横で頬をつねるムスタを真似て、アルテミシアも頬をつねろうとしたが、甘い声と頬に這う生暖かい舌に阻まれ止められた。
「アルテミシア、夢じゃないから頬を抓るな。まさか生身の身体で、こうしてアルテミシアに触れ合えるとは思わなかったな」
「話……せる……の……ですか……」
獣。と一言で片付けるのは無理な神秘的な外見の狼に、アルテミシアは普通に敬語で話す。
震える声を発しているアルテミシアの唇に、吸い付きたいとあらぬ事を考えながらも、茫然とする愛しい人に理由を丁寧に説明していく。
「くすくすっ、話せる。私は見ての通り剥製ではないからな。剥製のようにミラ神から時間を止められていた。
生きた年月は二千年。その後、剥製になって三千年。この世界をミラが造った時から私は生きている。
ミラの人間に傾倒する思いが…私には分からなくてな。人を導く存在として実体を持って此の世おりたが、憎み合い落とし合いを生きがいとする人を好きになれず、では静かに見守れと剥製にされた。
一応、罰だからと剥製になった身体に感覚だけを残され、耐え難い経験も色々した」
「わ、私……」
喋ろうにも声にならない。夢ではないのはもう頭に入っているが、まさか大好きな狼の剥製が神だとは思わなかったのだ。
「アルテミシア、私に質問はないか? 何でも聞いてくれ」
優しく甘い心の臓を痺れさすシリルの声色は、それだけで身体を熱くさせた。
「あの~ 僕も質問したいのですが………」
シリルのお前は眼中にない、まだいたのか、の視線を受けるムスタ。しかしそこは百戦錬磨の商人ムスタだ、こんな素晴らしい奇跡の機会を与えられ、このままさらばと去る程、阿保ではない。
返答しないのを勝手に肯定ととり、座り込んでいた姿勢をやめ、立ち上がり胸に手を置き頭を下げ最上級の礼をもってムスタは話し始める。
「初めてまして、私はニル商会のムスタと申します。噂の美しき剥製様が、まさかミラ神の側近御本人とはつゆ知らず、先ほどの無礼をお許しください。
この素晴らしい奇跡を目の当たりにした強運の持ち主である私に、貴方様のお名前を教えて頂けたら光栄と存じます」
優雅で紳士なムスタの姿だが、シリルには砂つぶほど どうでもいい。むしろまだ茫然としているアルテミシアと話がしたいし、今後限りある生を夫婦になり共に過ごし、一緒に老いて死を迎える輝かしい未来を、アルテミシアに約束させたい。
もうアルテミシアの未来を他人に渡す気は最早ない。
ムスタと話しをする時間もシリルには惜しく、そして忌々しかった。
「何故、お前に名を言わなければいけないんだ。同じ男で痛みも分かるだろうに、思い切り急所を握ってきた事を許せと?
私にはすでに不快感しかない。消えろっ」
ビクッ!!!
シリルの『消えろ』はアルテミシアも同罪として届き腰が抜ける。
座っていた状態だから、倒れはしないがもう可哀想なほどアルテミシアは恐怖に震えていた。急所を触られたと言えども、シリルからすればアルテミシアとムスタでは感じ方が大きく違う。
けれど、ムスタとアルテミシアからは二人のとった行動の差は、さほど変わらないように思えた。
アルテミシアは助けを求めて、無意識にムスタの方に這っていく。
(「何故、離れる? 私を愛していたのではないか?」)
自身から必死で離れていくアルテミシアの行動を見て、シリルは咄嗟に「アルテミシア」と名を呼ぶ。
振り向いた愛おしい女の恐怖におののく表情は、シリルの強靭な肉体を破壊できるほどの威力となっていた。
ズるッ ズるッ……とシリルから離れるアルテミシアに、なんとなくシリルの心情を察してムスタは苦笑いを浮かべる。
「アルテミシア嬢、大丈夫??」
「ムスタ様、私、私……」
(「おぅ!! 手を取り抱き締めたくなるじゃないか。しないけど、僕は自分が一番可愛いからね。剥製様の伴侶になるかもしれないアルテミシアに、触れるなんて禁忌を犯さないさ」)
脳内でいかにこの場を収めるか思案する。二人の仲を上手く取り持てれば、ムスタにとってプラスにしか働かない。
「はい、はい、アルテミシア嬢、落ちついて深呼吸して。スーハーっ、もう一回スーハー。
で。ミラ神の遣い様、怒るのは無しですよ。私に対してでも、側にいるアルテミシア嬢が腰を抜かしています。
……彼女に…嫌われますよ」
ムスタ意見は最もだった。
こんな奴より、アルテミシアだ。愛しい女が目の前で組み敷かれた場面を幾度となく見てきて、どれだけ動けたら話せたらと、心を痛め続けたんだ。
「アルテミシア、違う。君には怒ってない、女性の前でする発言としてはかなり言い方がキツかったな。
謝罪する。悪かった。
離れていかないでくれ。
……私は……。
アルテミシアを愛している。
君を愛している。ずっと、ずっと愛している。はじめて会った時から。焼け落ちた土砂の中から私を探し当ててくれた時から、愛している。
剥製にされて三千年、一度も動きたいと思ったことはない。だが、アルテミシアに出会って動かない身体をどれだけ憎んだか。
残りある生。私と夫婦となり、共に生きてくれないか。
私に寿命は無いが、神力は全てミラに返すつもりだ。一緒に年をとり、君に似た子供もつくりたい、どちらか先に逝くかは分からないが、死を分かつ最期の瞬間ときまで側に寄り添いたい。
愛している。
アルテミシア、愛している……」
朗々と歌い上げるウットリする声は、アルテミシアの願望を語っていて、やっぱり夢なのではないか? と思えてならない。
しかし甘い台詞を吐く神秘的な白銀の狼は、真摯にこちらを見据え一度も視線を外さない。
アルテミシアが逃げた分、二人を隔てている距離を少しづつゼロにするシリル。
鼻先が唇と触れ合うまで近くきて、シリルは声を低く呟く。
「もう私には、触れてくれないのか?
私に触れてくれ、アルテミシア。小さい頃は沢山抱きついてくれていたが、最近は一切触れてこなくなっただろう。言っておくがムスタに急所を触られたのは口では言えないほど腹が立つが、アルテミシアは違うからな。
身体が一気に生殖活動に入るくらい、気持ちが良かった……。大事な場所だからこそ、アルテミシアには また握って欲しい…。
駄目か??」
ドキュンっ!!!
「はぅっ!!!」
シリルの甘さ満載の台詞に心臓を撃ち抜かれたアルテミシアは、林檎と見間違うほど真っ赤に染まっていく。すでに恐怖心は綺麗サッパリなくなっていた。
(「落としにかかってますね。あざと過ぎる。アルテミシア嬢のような女性には、高圧的よりも こう母性を擽ぐる方がより的確。
やりますねー ミラ神の遣い様、誘導尋問が完璧過ぎて引きますよ、僕は」)
ムスタは見物に徹しながら、シリルの麗しい身体を堪能した。
「アルテミシア……私が、嫌いか?」
シリルは此処ぞとばかりにアルテミシアにとどめを刺す。あざと過ぎると思われようとも、アルテミシアを落とさなければ、輝かしい未来はない。
「っ、す、好きです!! 嫌いなわけないですっ。好き過ぎて…私、気持ち悪い。
でも…好き…うんん、………あ、愛してます」
ぺろりっ。
満足いくアルテミシアの思いの丈を聞いて、シリルはアルテミシアの柔らかい唇を下唇から上唇と丁寧になぞりながら、舐めた。
「この姿ではキスがしにくいな……」
憮然としたシリルの態度に、笑いの沸点が低いアルテミシアは思わず笑う。
「そ、そんなことないです」
そう言って、ふさふさの白銀の毛に手を這わせ、首に抱きつく。座わりこんだ体勢だと、かなり伸びをしないと首を掴めないほどシリルはデカイ。
抱きつくというよりも毛の中に埋もれるように、その身をつけて久しぶりの白銀の毛並みにアルテミシアは酩酊する。
「アルテミシア、返事を聞かせてくれ。妻となってくれるか? 言葉で聞くまで不安なんだが…」
目がまん丸になる。ここまで告白して、無しはないだろう。
「ミラ神の遣い様、勿論イエスです。不束者ですが、どうぞよろしくお願い致します」
「シリルだ」
「えっ?」
「私の名前は〝シリル〟だ。ミラの遣いで間違いないが、ミラの付け足しみたいで好かん。アルテミシアにはシリルと呼んで欲しい」
「……シリル様……」
「あぁ………たまらないな…。アルテミシアもう一度、名を呼んでくれ」
「シリル様」
「もう一度……」
「シリル様」
「もう一度……」
「……シリル…さ、ま……んっッフッ…」
4度目で我慢の限界に達したシリルは、アルテミシアの唇をこじ開け長い舌を入れこむ。
いきなりの濃厚な触れ合いに少しアルテミシアの舌が、シリルの舌を押し返したが、それも恥じらいだと思えて可愛くて仕方ない。
んっッフッ。チュルッ。……んっッフッ……
…ちゅ、チュルッ、チュルッ、…ンッふっ…
とてつもなくヤラシイ水音が、山びこのようにこだましている。
(「僕は無視なんですね、シリル様か…綺麗なお名前です。キラッキラッですよ。
シリル様。腰が上下にふれてますよ~生娘のアルテミシア嬢にいきなり挿入は早いような……。
っていうか、子供つくる気でいらっしゃったが、狼の性器って人に入るのか?
そもそも形状が全く違うんだけど。大丈夫なのか? まぁ~受け入れるのは、アルテミシア嬢だし。僕 関係ないからいっか」)
しばし続く甘い口づけ。
一向に終わりが見えない。
(「そろそろ止めましょうか。シリル様の股間が、かなり辛そうですし」)
「あっ!! ロラン子息っ!!!」
ビクッ!!!!!
ロランの名前にいち早く反応したアルテミシアは、チュウチュウ吸い付いていた舌を離し、即座に立ち上がりシリルから距離をとった。
いきなり立ち上がったアルテミシアは、その勢いを殺せずにタタラを踏み ドンッとムスタに打ちあったった。
「おっと、大丈夫かな?」
「お、お兄様っ、これはっ、これはっあの」
「クスクスっ、アルテミシア嬢。ロラン子息はいないよ、いない、どれだけ驚くんだ? プゥ くっくっくっ」
「ムスタ様っ、ひどいですよ。生きた心地がしませんっ」
息をするようにイチャつく、ムスタとアルテミシアに怒りが湧きおこる。
「貴様、殺されたいのか?」
「はい、はい、器の小さい方ですね。あんなシーンをロラン子息が見たら、いくら貴方がミラ神の遣いでも金輪際合わせないようにしますよ、彼は。
そりゃ 僕も止めたくないですけど、アルテミシア嬢と僕が二人きりでこちらに来てから だいぶ時間が立ちます。頭が石のように堅いロラン子息がそろそろ我慢の限界を越し、僕らを見にきますよ」
もっともである。
カァーーー。と顔に血が上るアルテミシアが、シリルの荒れ狂う心情を、緩やかに凪いでくれる。
「そうだな、それなら仕方ない。
アルテミシア。わたしはあまりにも長い間、剥製の姿だったから、本来の神力が一度全て戻るまではこのままだ」
「このまま?とは?……えっ!!」
アルテミシアと出来てしまった距離を歯痒く感じながらも、シリルは賭けに出た。
「ウワッ!!」とムスタが。
声が出ず口をパクパクしているアルテミシアが。
目の前の恐ろしい程の輝きを放つ〝人〟を瞳に写し、目が潰されるのでは? と感じさせる程の圧倒的な美貌に釘付けとなる。
まさに神の一言。
狼の姿から人の姿に転変したので、もちろん産まれたままの何も身につけていない裸体姿。しかしその身は鋼の鎧を身に纏っている強靭さで、触れれば斬られる感覚としか表現出来ない。
腰まである限りなく白に近い銀髪、蜜蝋のごとき瞳は狼の姿と同じ。しかし高い鼻梁に形良く弧を描く薄い唇、細くシャープに削ずりおとされた顎から、筋肉の筋が芸術品のように盛り上がる首筋。
均整がとれた広く逞しい肩幅に、筋肉が盛り上がる肩から腕の太さの圧巻さ、胸板は厚く前に突き出ている。
幅のある肩幅との差が圧巻なウエストは、ガチガチにくびれており、ただ立っているだけで腹筋が盛り上がり、個々を主張している。
そこまで呆然と視線でたどり、次は見てはいけない部位が。
彫刻で削ったような腹筋より、さらに造形的に男性らしい太く長く血管の浮き出ている男根が、見せつけるように荒々しく勃ちあがっており、至近距離で見たアルテミシアとムスタは一緒に瞬間凍結する。
そんなアルテミシアを満足に見つめ返したシリルは、右手をアルテミシアの腰に回しグッと身体を密着させ、左手をアルテミシアの頬に添わし、クイッと顔を上に向かせシリルと視線が合わさるようにもっていく。
「アルテミシア。神力が一度全て戻ったら、今のこの姿。人型にもなれる。夫婦になる行為は…人型でしたいからな、辛いがそれまでは耐えよう。
今、ほぼ神力がない状態で人型をとったから、今後 数週間は狼の姿に戻り会話も出来ないだろう」
「えッ、また……剥製……に?」
アルテミシアの傷付き震える声は、媚薬のごとき心地よさで、シリルは下半身がさらに膨張するのを感じ、苦笑いを浮かべる。
「流石にもう剥製に戻ることはないから安心してくれ。
これは浮気防止だ。私のこの姿を見て他の男に目移りはしないだろう?
私を超える男はこの世にいない」
「凄い自信ですね」
思わずツッコミたくなったのは、ムスタでなくとも頷ける。
勝ち誇ったようなシリルはアルテミシアを見つめながら、彼女を甘く溶かす。
「愛している。
私の全てをアルテミシアに注ごう。私無しでは生けていけなくなる程、
私に、溺れてくれ……」
血管の浮き出た男根をアルテミシアの身体に押し付けながらも、口付けは触れ合う程度。
物足りなさを感じているアルテミシアに満足して、シリルは身体を離す。
離した瞬間、一瞬にして〝男〟は消え、アルテミシアの前には、美しい白銀の狼が対峙している。
狼の顔なのに、微笑んでいるように見える。返事を待たずに姿を変えたシリルは、かなり無理をしたのだと理解できた。
それでも未来を想像出来るように、人型もとれるのだと見せてくれたのだ。
言葉よりも目に心に焼き付いた。
今まで夢に見てきた妄想が現実になって。
幸せ過ぎて思考がパンク。
アルテミシアの涙腺がもれなく決壊する。それでもここまで〝愛〟を示してくれたシリルに返答をしないといけない!! とアルテミシアは噛み合わない唇を必死に動かし想いを告げる。
「愛してっ、うえっ。ヒックっ、愛してっます。ふぇっ、夢みたいです……。
シリル様、シリル様…シリル様、愛してますっ……うえっ、ヒックっ、大好きで、
愛してっ……ますっ……ふぇ~、、、」
泣きながら話すのは呼吸困難に陥る。しかし愛しているという想いと、本人から何度も催促された〝シリルの名前を呼ぶ行為〟をアルテミシアは止めたくない。
だから、いつまでも涙を流しながら言いつづける。
ムスタとアルテミシアが剥製を見に行くぐらいで遅過ぎると、怒り心頭したロランらが部屋にノックもせず乱入してくるまで続く。
シリルは泣きながら告白し、己の名を呼び続けるアルテミシアを愛しく感じながら、頬に流れる涙を舐め続けた。
(「アルテミシア……愛している…」)そう想いながら。
0
お気に入りに追加
97
あなたにおすすめの小説
小さなことから〜露出〜えみ〜
サイコロ
恋愛
私の露出…
毎日更新していこうと思います
よろしくおねがいします
感想等お待ちしております
取り入れて欲しい内容なども
書いてくださいね
よりみなさんにお近く
考えやすく
アルバートの屈辱
プラネットプラント
恋愛
妻の姉に恋をして妻を蔑ろにするアルバートとそんな夫を愛するのを諦めてしまった妻の話。
『詰んでる不憫系悪役令嬢はチャラ男騎士として生活しています』の10年ほど前の話ですが、ほぼ無関係なので単体で読めます。
ちょっと大人な体験談はこちらです
神崎未緒里
恋愛
本当にあった!?かもしれない
ちょっと大人な体験談です。
日常に突然訪れる刺激的な体験。
少し非日常を覗いてみませんか?
あなたにもこんな瞬間が訪れるかもしれませんよ?
※本作品ではPixai.artで作成した生成AI画像ならびに
Pixabay並びにUnsplshのロイヤリティフリーの画像を使用しています。
※不定期更新です。
※文章中の人物名・地名・年代・建物名・商品名・設定などはすべて架空のものです。
マッサージ
えぼりゅういち
恋愛
いつからか疎遠になっていた女友達が、ある日突然僕の家にやってきた。
背中のマッサージをするように言われ、大人しく従うものの、しばらく見ないうちにすっかり成長していたからだに触れて、興奮が止まらなくなってしまう。
僕たちはただの友達……。そう思いながらも、彼女の身体の感触が、冷静になることを許さない。
ママと中学生の僕
キムラエス
大衆娯楽
「ママと僕」は、中学生編、高校生編、大学生編の3部作で、本編は中学生編になります。ママは子供の時に両親を事故で亡くしており、結婚後に夫を病気で失い、身内として残された僕に精神的に依存をするようになる。幼少期の「僕」はそのママの依存が嬉しく、素敵なママに甘える閉鎖的な生活を当たり前のことと考える。成長し、性に目覚め始めた中学生の「僕」は自分の性もママとの日常の中で処理すべきものと疑わず、ママも戸惑いながらもママに甘える「僕」に満足する。ママも僕もそうした行為が少なからず社会規範に反していることは理解しているが、ママとの甘美な繋がりは解消できずに戸惑いながらも続く「ママと中学生の僕」の営みを描いてみました。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる