7 / 16
7
しおりを挟む
花を爪紅に塗った足先は美しい。
一本づつ口に含むと、柔らかな花の香りがする。
時に歯を立てながら、ゆっくりとねぶる。
相手の呼吸が早くなるのを口の端で笑った。
ふくらはぎの裏を舐め上げる。
薄い肉だ。
筋肉も無い。
ただこの寝屋に送り込む為に世話をされ、香油で揉み上げた肌は、とても心地よい。
そのままももの裏を舐めていく。
自分の唾液が銀の筋となって、体に跡をつけていく。
胸の飾りは、見場良く見せる為だろう。
爪紅のように薄桃色に塗られ、さっき舐めた為に色の筋が脇腹や首筋へと跡になっている。
尻の肉も薄い。
薬を盛られているだろう体は熱く、こちらの動きに過剰に反応している。
隠された蕾を晒す。
そこにも紅が塗られていた。
‥‥興醒めだ。
コレを仕込んだ奴。
馬鹿だろう。
それともそいつはそんな性癖なのか。
紅を塗られた淫猥なその孔に、いきなり自分のペニスを押し込む。
自分で解して寝屋にはべっているとはいえ、いきなりの行為は痛いだろう。
こいつが悪い訳じゃ無いのにな。
そう思いながらも止まらない。
がつがつ腰を振って奥に進む。
ひぃひぃ上がる声が少し耳障りだ。
あの慎ましやかな神子が、そんな声を上げる訳が無い。
だか、もし俺の下であげてくれたなら…。
腰の動きに仰け反って、敷布に黒い髪が散らばる。
よく、こいつを見つけて来た。
多胡理家の勢力に感嘆する。
そう、とろける筈の俺の意識が何処か冷たい。
多胡理の爺様は、俺がこいつに夢中になり、何も考えられなくなると思ってる。
馬鹿馬鹿しい。
まあ、確かに黒髪は魅力的だ。
普段奉仕されることしかないこの俺が、こうやって相手を舐めるほどに。
下で喘ぐ男の髪を鷲掴む。
黒髪。珍しい。
黒は穢れの色として忌避される。
産まれたら水に還されるのも多いから、隠される。
探し出すには金と力がいる筈だ。
これは俺のおもちゃとして差し出された。
頬には神子と同じ紋様を描いてある。
この紛い物に俺が溺れると思っているのか。
自分への侮りが下腹を熱くする。
激しい動きについてこれずに、下の男が軋んだ声を上げた。
うるさい。
とっさに喉を鷲掴む。
驚いて開かれた目は翡翠色で。
あの黒曜石の様なきらきらした目とは似つかない。
馬鹿にしやがって。
動きを止めないまま力を込める。
抱えた脚がばたつくのを肘に力を入れて押さえる。
体重を乗せるように力を入れると、ぐっと孔が締まった。
ろくに食べれてないだろう細い首がごきりと鳴る。
締めつけのキツさに思わず放つと、やがて体中が弛緩した。
「おい。」
外の護衛を呼ぶ。
慌てて入って来た護衛は、息絶えたソレに、神力を注いだ。
ソレから咳き込む音がする。
侍女に汚れを拭かせながら、侍従の小言を聞く。
「伊佐我尊様。殺したら穢れが産まれるじゃありませんか。程々にして下さい。」
「ふん。だから直ぐに呼んだだろう。
ソイツにもう少し肉をつけろ。
そうしたらもう少しここにいてやる。」
「かしこまりました。皇子のお望みどおりに」
果樹酒を差し出され、それをあおりながら伊佐我は寝屋を出る。
面白くない。
第二皇子と一緒に、第一の加具土を上手く嵌めたのに、覆された。
第二は水牢に押し込まれて、消息不明だ。
俺はこうやって、多胡理の爺様の館に押し込められている。
ああ、神子に会いたい。
神子が眠っているという噂は本当だろうか。
だが、眠っていたとしても、本当の伴侶である俺が行ったら、目を覚ます筈だ。
一本づつ口に含むと、柔らかな花の香りがする。
時に歯を立てながら、ゆっくりとねぶる。
相手の呼吸が早くなるのを口の端で笑った。
ふくらはぎの裏を舐め上げる。
薄い肉だ。
筋肉も無い。
ただこの寝屋に送り込む為に世話をされ、香油で揉み上げた肌は、とても心地よい。
そのままももの裏を舐めていく。
自分の唾液が銀の筋となって、体に跡をつけていく。
胸の飾りは、見場良く見せる為だろう。
爪紅のように薄桃色に塗られ、さっき舐めた為に色の筋が脇腹や首筋へと跡になっている。
尻の肉も薄い。
薬を盛られているだろう体は熱く、こちらの動きに過剰に反応している。
隠された蕾を晒す。
そこにも紅が塗られていた。
‥‥興醒めだ。
コレを仕込んだ奴。
馬鹿だろう。
それともそいつはそんな性癖なのか。
紅を塗られた淫猥なその孔に、いきなり自分のペニスを押し込む。
自分で解して寝屋にはべっているとはいえ、いきなりの行為は痛いだろう。
こいつが悪い訳じゃ無いのにな。
そう思いながらも止まらない。
がつがつ腰を振って奥に進む。
ひぃひぃ上がる声が少し耳障りだ。
あの慎ましやかな神子が、そんな声を上げる訳が無い。
だか、もし俺の下であげてくれたなら…。
腰の動きに仰け反って、敷布に黒い髪が散らばる。
よく、こいつを見つけて来た。
多胡理家の勢力に感嘆する。
そう、とろける筈の俺の意識が何処か冷たい。
多胡理の爺様は、俺がこいつに夢中になり、何も考えられなくなると思ってる。
馬鹿馬鹿しい。
まあ、確かに黒髪は魅力的だ。
普段奉仕されることしかないこの俺が、こうやって相手を舐めるほどに。
下で喘ぐ男の髪を鷲掴む。
黒髪。珍しい。
黒は穢れの色として忌避される。
産まれたら水に還されるのも多いから、隠される。
探し出すには金と力がいる筈だ。
これは俺のおもちゃとして差し出された。
頬には神子と同じ紋様を描いてある。
この紛い物に俺が溺れると思っているのか。
自分への侮りが下腹を熱くする。
激しい動きについてこれずに、下の男が軋んだ声を上げた。
うるさい。
とっさに喉を鷲掴む。
驚いて開かれた目は翡翠色で。
あの黒曜石の様なきらきらした目とは似つかない。
馬鹿にしやがって。
動きを止めないまま力を込める。
抱えた脚がばたつくのを肘に力を入れて押さえる。
体重を乗せるように力を入れると、ぐっと孔が締まった。
ろくに食べれてないだろう細い首がごきりと鳴る。
締めつけのキツさに思わず放つと、やがて体中が弛緩した。
「おい。」
外の護衛を呼ぶ。
慌てて入って来た護衛は、息絶えたソレに、神力を注いだ。
ソレから咳き込む音がする。
侍女に汚れを拭かせながら、侍従の小言を聞く。
「伊佐我尊様。殺したら穢れが産まれるじゃありませんか。程々にして下さい。」
「ふん。だから直ぐに呼んだだろう。
ソイツにもう少し肉をつけろ。
そうしたらもう少しここにいてやる。」
「かしこまりました。皇子のお望みどおりに」
果樹酒を差し出され、それをあおりながら伊佐我は寝屋を出る。
面白くない。
第二皇子と一緒に、第一の加具土を上手く嵌めたのに、覆された。
第二は水牢に押し込まれて、消息不明だ。
俺はこうやって、多胡理の爺様の館に押し込められている。
ああ、神子に会いたい。
神子が眠っているという噂は本当だろうか。
だが、眠っていたとしても、本当の伴侶である俺が行ったら、目を覚ます筈だ。
0
お気に入りに追加
41
あなたにおすすめの小説
美形な兄二人に犯される僕の終わらない夏休み
霧乃ふー 短編
BL
夏休みになり両親が長期の海外旅行に出掛けた日。
ごろごろ過ごす毎日を送るはずだった。
だけど……
僕は兄二人に無理矢理犯されてしまった。
つぎはぎのよる
伊達きよ
BL
同窓会の次の日、俺が目覚めたのはラブホテルだった。なんで、まさか、誰と、どうして。焦って部屋から脱出しようと試みた俺の目の前に現れたのは、思いがけない人物だった……。
同窓会の夜と次の日の朝に起こった、アレやソレやコレなお話。
薬師は語る、その・・・
香野ジャスミン
BL
微かに香る薬草の匂い、息が乱れ、体の奥が熱くなる。人は死が近づくとこのようになるのだと、頭のどこかで理解しそのまま、身体の力は抜け、もう、なにもできなくなっていました。
目を閉じ、かすかに聞こえる兄の声、母の声、
そして多くの民の怒号。
最後に映るものが美しいものであったなら、最後に聞こえるものが、心を動かす音ならば・・・
私の人生は幸せだったのかもしれません。※「ムーンライトノベルズ」で公開中
その日君は笑った
mahiro
BL
大学で知り合った友人たちが恋人のことで泣く姿を嫌でも見ていた。
それを見ながらそんな風に感情を露に出来る程人を好きなるなんて良いなと思っていたが、まさか平凡な俺が彼らと同じようになるなんて。
最初に書いた作品「泣くなといい聞かせて」の登場人物が出てきます。
※完結いたしました。
閲覧、ブックマークを本当にありがとうございました。
拙い文章でもお付き合いいただけたこと、誠に感謝申し上げます。
今後ともよろしくお願い致します。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる