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いよいよ囲い込み

42 そして翌朝

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やっちまった。
もろ、やっちまったのだ。


鈍い頭でぼんやり目を開けると。目の前にディサロの喉仏があった。
疲労困憊でなかなか目が開かない…

うっすらと二度寝の沼へと沈み掛かり、

あかんやろう‼︎

と、必死で覚醒した。

首の下にはディサロの腕があって。
ぐっとルカを抱き込んでいる。

う、腕枕って奴だ…
初めての経験にルカはドキドキした。

すっと顔を巡らせると向こうに広がる窓から空が見えている。
青空で、雲が動いている。
白い雲が早い動きで飛んでいき、今はもう昼近いのだとわかった。

どんだけ爆睡してたんだ!
そう考えた時、体の芯から甘い疼きがじん!と脈打った。
怠くて甘い疲れが全身を覆っている。

いやぁ。
なんか、いたたまれない。

そうっと腕から体を抜こうとしたら、ぎゅっと捕まった。
ぽかんと見上げるルカに、ディサロの青空色の瞳が答える。

「おはよう。ルカ」

その声は甘く。
昨夜の余韻をはらんで、ルカは赤くなった。
わたわたと起き上がろうとしたら、ディサロが背中に手を当てて助けてくれる。

当たり前だが、双方裸で。
目のやり場に困った。

獣の様に吠えて叫んで我を無くしていた。
汗も唾液も精液も飛び散った筈なのに、さっぱりしている。
~~お世話されたようです。

羞恥で全身がかっと熱くなった。

そんなルカを愛おしむ様に、ディサロは起き上がると胡座をかいてその中に横抱きにする。
耳に当たるディサロの胸筋の下から、心音がどくんどくんと流れてくる。
ディサロがやわやわとルカの髪を撫でてくれて、凄く落ち着いた。

「カララの番はサリュバリナ領の青銅だったよ」

ゆったりとした声にルカは力を抜いた。
そのまま二人はベッドの上で座っていた。
座ってみると視線が上がって窓の青空が遠くまで見える。
蒼く滲んで山と街が見え、時折飛竜の影が走る。


「愛してるよ」

ディサロの声はいつも心地良い。
頭のてっぺんにちゅっというリップ音が。
体の奥の熾火を掻き立ててくる。

「この祭りが終わったら。
 フェルベーツ伯に挨拶にいくから。」

……いっぺんに現実に引き戻された。
それって。
それって。
父様と兄様への結婚報告って奴だよね。
その現実が目の前にあって、ルカは怯んだ。

「…あ、あのね…」

及び腰になって言葉を継ぐもうとするルカに、ディサロはふっと笑う。

「そうだな。まず、エルメに許可を貰わなくっちゃ、な。」

ずるい!
逃げ場をこうやって塞いでいく‼︎

「エルメは新しい部屋は気にいるだろうか」

エルメの代わりにきゅっと腰に抱きついて、
部屋は気に入ってる。
と、答えておいた。
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