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結婚が降りかかってきました

7 目標達成したけれど

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まだ、何か挟まってる気がする。
そして男のドォォォンが抜けた孔が、空っぽでなんかぺこぺこする。

……とりあえず目標は達した!
僕はもう処女じゃない。

ぎしぎしと痛む腰と尻に、マルロが回復魔法を掛けてくれている。

…‥甘かったよ。
ちょっと抱き合って、我慢する。
って気軽なものだと思ってたら、とんでもなかったよ。
正直、裂けるかと思った。

……もう、二度とごめんだ…


くどくどマルロにお小言を言われながら宿に帰る。
宿の裏口から中に入ると、部屋に行かずに竜舎に行った。

案の定、白い竜が不安気にこちらを見ていた。
そのおおきなエメラルドのような複眼が、キラキラと瞬いている。
落ち着かせるように撫でながら、鼻先に額を付けて、ごめんね。と謝った。

ルカの驚愕と不安と痛みを感じてしまったんだろう。
いつもなら流れる意識をきっちり遮断していたのに、なにせ初体験でパニくってたから。
素のままの意識が流れてしまった。

『ダイジョウブ?』エルメが聞く。

「大丈夫だよ。」ルカが答える。

そう、ルカとエルメは念話で話が出来る。
どれだけ遠く離れていても話し合える。

竜と竜騎士は卵から孵った時に感応する。
ただ一人と魂を分ける。
互いの心がわかり、他とは相容れない。
念話でお互いを知って、大事にする。


ただルカとエルメの能力は、それだけでは無かったから。
王家も貴族も手に入れようと必死になっている。
だから"お見合い"な訳で。



フェルベーツ家は魔獣が湧き出す辺境の防護の要だし。
飛竜の産地だし。
だから強引で無謀な事を押し付けては来ないけれど。

~~やだやだ。

ルカはお見合いしたいわけじゃ無い。
窮屈なのはごめんだし。
エルメと離されるなんて有り得ないし。

うっかり王家と縁を結んだら、竜舎と離れて生活しなきゃならないじゃ無いか。


お見合い…か。

王家のお年頃って、第二王子しか浮かばない。
一つ年上の第二王子のディサロ様とは学園でお話しさせて頂いた事がある。

金色の大型犬のような人だ。

あの時のスタンピードで。
思わず命令を発したら。

はっ!と、背筋をのばしてすぐに動いてくれた。

素直で信頼できるいい人だと思ってる。

他の御学友と一緒に、何度かご一緒させて頂いたが、気遣いのできる優しい人だ。


でも、結婚とは違うよねぇ。

王族案件となったら、腫れた惚れたじゃ済まなくなってくるし。
まじ勘弁だわ。

えっと、他にフリーの王族いたっけな?

まさか第二夫人だの。
父様より年の離れたのの後妻だなんて言わないよね。
そんな事言われたら、被った猫を引き剥がして暴れちゃうぞ。

……まぁ、処女じゃないから安心かぁ。


ルカはエルメのうずくまった足の間に潜り込んだ。
マルロに毛布を掛けてもらう。

回復を掛けて貰ったから、あらぬところは痛くないけれど。
なんか全身がギシギシいってる。


エルメの匂いが一番落ち着くから。

竜の匂いの中でルカは眠りについた。
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