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カインのドキドキ 王妃のときどき
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ザ・美人。
これが学園でのルークのイメージだった。
隣の領地なので幼い時から見知っていた。
合同訓練や討伐の時。
ジャスワン様と一緒に来ていた。
元気で可愛いくて、悪戯っ子。
ルークは明るく光の様に、すぐにカインの心を鷲掴みした。
『冒険者になるんだっ!』
にこにこと言うルークに、彼を守る為に強くなりたいとカインは思った。
辺境伯として、アガードの領は武に重きを置いている。
自領で強くなる為に頑張った。
でも、たった一度の茶会でルークは王太子の婚約者に確定してしまった。
学園で会った時、表情筋は死んでいた。
~~それでも人目の無い時は、ちょっと笑顔を見せてくれた。
ああ、ルーク。無理してる。
カインは心配でたまらなかった。
そして卒業パーティー。
にっこり笑ったルークは、天上の女神かと思った。
"真実の愛"というふざけた言葉を言祝ぎ、自分も出会いたいと言う。
その清らかさに、会場の全ての人が涙した。
何やらきな臭い王宮。
バタバタ動く兵士。
ルークの消息は知れず、やきもきと日々を過ごしていた。
この討伐に出たのも、エルランスの兵士からルークの事が聞けるかも知れないと思ったからだ。
まさか本人と会えるとは思ってもいなかった。
「久しぶり‼︎」
わっと叫んで飛び付いてきたのは、まごう事ない婚約前の元気なルークだった。
ぎゅっと抱きつかれてびっくりする。
アメジストの瞳がキラキラして、美しい顔を短いアッシュグレーの髪が飾っている。
それは美人というより可愛い。
カインがときめいた、あの頃のルークだった。
二人は焚き火の前で、マントを巻き付けながら話した。
まるっきり冒険者としての二人。
カインはドキドキが止まらなかった。
こんなのがあるんですが。
いろんな役職と会議をかさねた。
やがて神官がおずおずと提出したのを、王妃は持ち帰って熟読した。
神殿って、今までは子供が欲しくなった時に子供の素を貰いに行くくらいしか役に立たないって思ってた。
ほら、大きな声で言えないけれど、自分以外の力を盲信するのってなんか違うって思うし。
確かに神殿に叩き込んだクリストファは変わった。
きゅるん♡と音がしそうなあざとい子だったのに、なんかまともな事しか言わなくなった。
~~良い事だけど、なんか違う⁉︎
まぁ腰の低い神官に、睨みを効かせてればいいけどね。
提出された文書には、人格を変える方法が書かれていた。
神殿風に言うと、『人を神に近づける方法。』
~~胡散臭いっ!
まぁ、息子にはもっとしっかりして欲しいと思ってる。
優柔不断で優しすぎるから、ぼんくらになってるのよね。
それはそれで可愛いからいいんだけど。
本物はもっと能力高いはず。
だって私の子供だし。
うん。
何人か試してみようかしら。
王妃は大神官を呼び出して、詳しい話を聞くことにした。
これが学園でのルークのイメージだった。
隣の領地なので幼い時から見知っていた。
合同訓練や討伐の時。
ジャスワン様と一緒に来ていた。
元気で可愛いくて、悪戯っ子。
ルークは明るく光の様に、すぐにカインの心を鷲掴みした。
『冒険者になるんだっ!』
にこにこと言うルークに、彼を守る為に強くなりたいとカインは思った。
辺境伯として、アガードの領は武に重きを置いている。
自領で強くなる為に頑張った。
でも、たった一度の茶会でルークは王太子の婚約者に確定してしまった。
学園で会った時、表情筋は死んでいた。
~~それでも人目の無い時は、ちょっと笑顔を見せてくれた。
ああ、ルーク。無理してる。
カインは心配でたまらなかった。
そして卒業パーティー。
にっこり笑ったルークは、天上の女神かと思った。
"真実の愛"というふざけた言葉を言祝ぎ、自分も出会いたいと言う。
その清らかさに、会場の全ての人が涙した。
何やらきな臭い王宮。
バタバタ動く兵士。
ルークの消息は知れず、やきもきと日々を過ごしていた。
この討伐に出たのも、エルランスの兵士からルークの事が聞けるかも知れないと思ったからだ。
まさか本人と会えるとは思ってもいなかった。
「久しぶり‼︎」
わっと叫んで飛び付いてきたのは、まごう事ない婚約前の元気なルークだった。
ぎゅっと抱きつかれてびっくりする。
アメジストの瞳がキラキラして、美しい顔を短いアッシュグレーの髪が飾っている。
それは美人というより可愛い。
カインがときめいた、あの頃のルークだった。
二人は焚き火の前で、マントを巻き付けながら話した。
まるっきり冒険者としての二人。
カインはドキドキが止まらなかった。
こんなのがあるんですが。
いろんな役職と会議をかさねた。
やがて神官がおずおずと提出したのを、王妃は持ち帰って熟読した。
神殿って、今までは子供が欲しくなった時に子供の素を貰いに行くくらいしか役に立たないって思ってた。
ほら、大きな声で言えないけれど、自分以外の力を盲信するのってなんか違うって思うし。
確かに神殿に叩き込んだクリストファは変わった。
きゅるん♡と音がしそうなあざとい子だったのに、なんかまともな事しか言わなくなった。
~~良い事だけど、なんか違う⁉︎
まぁ腰の低い神官に、睨みを効かせてればいいけどね。
提出された文書には、人格を変える方法が書かれていた。
神殿風に言うと、『人を神に近づける方法。』
~~胡散臭いっ!
まぁ、息子にはもっとしっかりして欲しいと思ってる。
優柔不断で優しすぎるから、ぼんくらになってるのよね。
それはそれで可愛いからいいんだけど。
本物はもっと能力高いはず。
だって私の子供だし。
うん。
何人か試してみようかしら。
王妃は大神官を呼び出して、詳しい話を聞くことにした。
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