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討伐依頼に遠征する
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『ウチの天使をクソが狙ってやがるぜ、』
ボソリと呟いただけで、堅気じゃない目をした人間が湧いて出る。
メイドも庭師も食堂の店員も。
アイコンタクトで頷き合って町に散って行く。
この領地で天使にちょっかい出そうなんて、笑えてくる。
ジャスワンは運動不足解消の為に、次々とやって来る王宮からの対戦相手に笑いが止まらなかった。
隣の辺境伯の領地との境の森に、魔物が大量発生したとギルドに応援要請があった。
スタンピードになる前に潰しておきたい。
そんな討伐依頼に、ルークは真っ先に手を挙げた。
発生したのは小型と中型。
そろそろCランクに手が届くルークは資格がある。
ルークはワクワクと参加した。
討伐隊は20人程で冒険者と警備兵が半々だ。
警備兵もこの地域の人が中心だ。
もちろんじいサマも来てる。
引退した元領主として。
かつて軍を率いた武士として。
こんな時には指揮をとる。
隣のアガード領からも討伐隊が出ている。
お互い成果を上げて、境で合流できるはずだ。
地域を特定して。
魔物が逃げないように配置して。
ガンガン狩っていく‼︎
じいサマは炎を纏わせた長剣で、薙ぎ払うようにバッサバッサ斬り捨てていく。
その姿はとても豪快で、しびれるうっ♡って、全員が見惚れた。
領地の境は深い森で、やはり人が常駐していないから魔物が群れやすい。
ルークも風で切り裂きながら、前衛部隊へ死角から襲って来る魔物を吹き飛ばす。
凄く数が多くてなかなか減る気配が無かった。
ポーションで回復しながら、ひたすら戦う。
集中も切れかけて頭がぼうっとし始めたころ、日差しが赤く染まり始めた頃。
ようやく魔物の気配が無くなった。
「エルランスの方々!」
向こうから、アガードの人が走ってくる。
直ぐに目立つじいサマを見て、
「ジャスワン様‼︎」
と口々に声を上げた。
無事に討伐は完了した。
ぼろぼろな気力を奮い立たせ、討伐した魔物から素材を回収していく。
もう、へとへと。
今夜はここで野営だね。
みんなで協力して、ドギラやギューモを解体して料理する。
「ル、ルーク?」
声がしたので振り向くと、そこにカインがいた。
カインはアガードの子息だ。
学園でも友人だった。
隣の領だから、実は割と仲良しだ。
幼馴染って奴。
でもこの姿で見破られると思って無かったから
驚いた。
夕暮れが迫り、すでに紫紺色に変化した東の空と、茜色に染まった西の空が、森で切り取られた空の中でグラデーションをみせている。
遥か頭上には星が瞬き初めていた。
ジャスワン様が炎で切り開き、皆で土魔法で作り上げた、森林の中の空間に、大きな焚き火が踊っている。
疲れ果てて、ぼうっと焚き火をみていると、ザワザワした声が流れてきた。
凄い美人がいる。
アガードから一緒に来た仲間が浮き足立っている。
近くにジャスワン様がいらっしゃるので声を掛けれないようだ。
興味本位でみてみたら…
焚き火の踊る焔をじっと見つめる横顔に目を奪われた。
アッシュグレーの短髪が、美しい頭の形を引き立てている。すっとした鼻とその桃色の唇と…
美しい。
思わず凝視して、驚いた。
信じられなくて二度見した。
だけど、あれは、ルーク。
何故こんな所に。
カインは自分の目が信じられなくて近づいた。
髪色が違う。
髪型も違う。
でも、あれはルークだ。
本物だ。幻じゃ無い。
おずおずと名前を呼んだら振り向いた。
ルークが。
ルークがそこにいた。
ボソリと呟いただけで、堅気じゃない目をした人間が湧いて出る。
メイドも庭師も食堂の店員も。
アイコンタクトで頷き合って町に散って行く。
この領地で天使にちょっかい出そうなんて、笑えてくる。
ジャスワンは運動不足解消の為に、次々とやって来る王宮からの対戦相手に笑いが止まらなかった。
隣の辺境伯の領地との境の森に、魔物が大量発生したとギルドに応援要請があった。
スタンピードになる前に潰しておきたい。
そんな討伐依頼に、ルークは真っ先に手を挙げた。
発生したのは小型と中型。
そろそろCランクに手が届くルークは資格がある。
ルークはワクワクと参加した。
討伐隊は20人程で冒険者と警備兵が半々だ。
警備兵もこの地域の人が中心だ。
もちろんじいサマも来てる。
引退した元領主として。
かつて軍を率いた武士として。
こんな時には指揮をとる。
隣のアガード領からも討伐隊が出ている。
お互い成果を上げて、境で合流できるはずだ。
地域を特定して。
魔物が逃げないように配置して。
ガンガン狩っていく‼︎
じいサマは炎を纏わせた長剣で、薙ぎ払うようにバッサバッサ斬り捨てていく。
その姿はとても豪快で、しびれるうっ♡って、全員が見惚れた。
領地の境は深い森で、やはり人が常駐していないから魔物が群れやすい。
ルークも風で切り裂きながら、前衛部隊へ死角から襲って来る魔物を吹き飛ばす。
凄く数が多くてなかなか減る気配が無かった。
ポーションで回復しながら、ひたすら戦う。
集中も切れかけて頭がぼうっとし始めたころ、日差しが赤く染まり始めた頃。
ようやく魔物の気配が無くなった。
「エルランスの方々!」
向こうから、アガードの人が走ってくる。
直ぐに目立つじいサマを見て、
「ジャスワン様‼︎」
と口々に声を上げた。
無事に討伐は完了した。
ぼろぼろな気力を奮い立たせ、討伐した魔物から素材を回収していく。
もう、へとへと。
今夜はここで野営だね。
みんなで協力して、ドギラやギューモを解体して料理する。
「ル、ルーク?」
声がしたので振り向くと、そこにカインがいた。
カインはアガードの子息だ。
学園でも友人だった。
隣の領だから、実は割と仲良しだ。
幼馴染って奴。
でもこの姿で見破られると思って無かったから
驚いた。
夕暮れが迫り、すでに紫紺色に変化した東の空と、茜色に染まった西の空が、森で切り取られた空の中でグラデーションをみせている。
遥か頭上には星が瞬き初めていた。
ジャスワン様が炎で切り開き、皆で土魔法で作り上げた、森林の中の空間に、大きな焚き火が踊っている。
疲れ果てて、ぼうっと焚き火をみていると、ザワザワした声が流れてきた。
凄い美人がいる。
アガードから一緒に来た仲間が浮き足立っている。
近くにジャスワン様がいらっしゃるので声を掛けれないようだ。
興味本位でみてみたら…
焚き火の踊る焔をじっと見つめる横顔に目を奪われた。
アッシュグレーの短髪が、美しい頭の形を引き立てている。すっとした鼻とその桃色の唇と…
美しい。
思わず凝視して、驚いた。
信じられなくて二度見した。
だけど、あれは、ルーク。
何故こんな所に。
カインは自分の目が信じられなくて近づいた。
髪色が違う。
髪型も違う。
でも、あれはルークだ。
本物だ。幻じゃ無い。
おずおずと名前を呼んだら振り向いた。
ルークが。
ルークがそこにいた。
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