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竹取物語
"かぐや姫"じゃ、無かったのかよっ!
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屋敷の屋根には男が潜んでいました。
兵士では無く、大納言大伴御行の下人の一人でした。
竜を捕まえる為に舟は沈み、主も仲間もすべて海の底へと沈みました。
男はただ一人生き残り、燻って燃え尽きない情念のままに機会を伺っておりました。
兵士達は浮き上がるなよ竹をあんぐりと見上げます。
なよ竹に矢をいることは出来ず。
ただその光景を見ています。
なよ竹は目には愉悦を宿して笑いました。
うぃん。
うぃん。
後光のような羽を背負って浮かびます。
あまりの神々しさに、人はただただ拝むばかりでした。
屋根を超え、さらに高く上がろうとした時。
その男は瓦をけり、飛び付いてきたのです。
空中でいきなり抱き付かれて、なよ竹は驚きました。
「はぃぁぁぁっ…!」
驚愕でバランスを崩すなよ竹。
眩しく煌びやかな羽衣の光に目が眩む兵士達に、男の存在は逆光で見えませんでした。
ただ真っ直ぐだったなよ竹の上昇が、蛍の様にふよふよとなったのです。
ちかちか、ふよふよと飛び去って行くその姿は。
天のものは天に。
人が手をだしてはいけない。
と、言われているようで。
帝も兵士達も、有難く黙って見送るだけでした。
「やばいっ!やばい‼︎
これ一人用だし。転移出来ないっ!」
降りほどこうにも男は万力で締め付けます。
男の体が羽衣を圧迫し、拡げる羽根は3枚程度。
へろへろふらふろと飛んでいきます。
しがみつく男を殴りつけてもびくともしません。
その内に二人の重量で羽衣の動力がみるみる減少して、赤い光が瞬きはじめました。
なよ竹は不時着を考えてキョロキョロと見回します。
遥か向こうに、黒く広い水面が見えました。
海です。
砂浜もあります!
なんとかそこまで!
と、必死にコントロールしました。
あと少し。
あと少し。
抱き付く男の事は考えずに、なんとかそこへ向かっている時。
うぃん。
うぃん。
という音は、
むぅ…
と、途切れ。
浮遊感が全身を襲いました。
落ちる‼︎
目を瞑ったまま、
なよ竹の意識はそこで途切れました。
===========
いつも拙い物を読んで下さり
ありがとうございます。
次回から、ちょっとえっちになっていきます。
苦手な方はご遠慮下さい。
兵士では無く、大納言大伴御行の下人の一人でした。
竜を捕まえる為に舟は沈み、主も仲間もすべて海の底へと沈みました。
男はただ一人生き残り、燻って燃え尽きない情念のままに機会を伺っておりました。
兵士達は浮き上がるなよ竹をあんぐりと見上げます。
なよ竹に矢をいることは出来ず。
ただその光景を見ています。
なよ竹は目には愉悦を宿して笑いました。
うぃん。
うぃん。
後光のような羽を背負って浮かびます。
あまりの神々しさに、人はただただ拝むばかりでした。
屋根を超え、さらに高く上がろうとした時。
その男は瓦をけり、飛び付いてきたのです。
空中でいきなり抱き付かれて、なよ竹は驚きました。
「はぃぁぁぁっ…!」
驚愕でバランスを崩すなよ竹。
眩しく煌びやかな羽衣の光に目が眩む兵士達に、男の存在は逆光で見えませんでした。
ただ真っ直ぐだったなよ竹の上昇が、蛍の様にふよふよとなったのです。
ちかちか、ふよふよと飛び去って行くその姿は。
天のものは天に。
人が手をだしてはいけない。
と、言われているようで。
帝も兵士達も、有難く黙って見送るだけでした。
「やばいっ!やばい‼︎
これ一人用だし。転移出来ないっ!」
降りほどこうにも男は万力で締め付けます。
男の体が羽衣を圧迫し、拡げる羽根は3枚程度。
へろへろふらふろと飛んでいきます。
しがみつく男を殴りつけてもびくともしません。
その内に二人の重量で羽衣の動力がみるみる減少して、赤い光が瞬きはじめました。
なよ竹は不時着を考えてキョロキョロと見回します。
遥か向こうに、黒く広い水面が見えました。
海です。
砂浜もあります!
なんとかそこまで!
と、必死にコントロールしました。
あと少し。
あと少し。
抱き付く男の事は考えずに、なんとかそこへ向かっている時。
うぃん。
うぃん。
という音は、
むぅ…
と、途切れ。
浮遊感が全身を襲いました。
落ちる‼︎
目を瞑ったまま、
なよ竹の意識はそこで途切れました。
===========
いつも拙い物を読んで下さり
ありがとうございます。
次回から、ちょっとえっちになっていきます。
苦手な方はご遠慮下さい。
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