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蜃気楼の恋
1 溺れる
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好き。
好きだ。
好きだと抱き締められる。
好きだと抱き締めかえす。
二人のうなされた様な時間は、そうやって始まった。
声に出された言葉が、互いの肌に染みていく。
声に出すのが気持ちいい。
人の重みが気持ちいい。
初めて与えられる他人からの快感に、キリルは考えるのを放棄した。
好きだ。
欲しい。
その本能のままに二人は獣になった。
剥ぎ取るように服を脱いで。
飢餓感のままに抱き合う。
どくどくと速い鼓動と、はあはあと言う荒い息が一つに溶け合って、急くように腰を擦り合わせた。
好きだ。
会いたかった。
夢に見ていた。
うわごとの様な言葉が、身体を舐める口から漏れる。
それに絡まれて恍惚となったキリルは、脚を開いてアルベルトの腰を抱き込んだ。
自分のペニスがじんじんと痛い。
アルベルトの下生えからもそれが聳り立って、にちゃりと擦れた。
気持ちいい。
気持ちいい。
アルベルトが尻を揉みながら、その手が太ももから自分でも触れない所に滑っていくのを急かすように腰を上げた。
肌の上を這い回っていた舌が、口内を侵食していく。
絡んだ舌が、小さな叫びを消した。
「……っ‼︎」
異物感が突き上げる。
五感の全てがそこに集中した。
アルベルトの指がゆっくりと入ってくる。
感じたことのない圧迫感でのけぞった。
アルベルトは焦燥感で浮かされながらも、優しく解したかった。
花の香りの香油を指で掬い、キリルに挿し込む。
その双丘の中は狭くて硬い。
でも熱い肉壁が絡んでくる。
その異物感の刺激でキリルは射精した。
ふわりと全身の力が抜けた穴を解す。
せめて二本。
何とか早く解さなくては、自分が爆発してしまう。
そんなアルベルトの焦りを、キリルは容赦なく追い立てた。
早く。
早く。
身体を捩りながら腰を振るり
異物感は脳と一緒に溶けて、ぬちゃぬちゃと水音が立っている。
もういいから、早くして!
体の中に先端が埋め込まれた時。
引きちぎられるような熱だけがあった。
自分が限界まで引き伸ばされる中を、ゆっくりと侵入してくる。
その苦しさにごふっと喉を反らせると、動いた鎖骨を歯で甘噛みされた。
「あ、あぁぁぁぁっ」
その熱が痛みだとわかった時。
キリルは頭を振りながら声を上げた。
腰を引こうとしたアルベルトに脚で絡む。
開いた脚の間の硬い尻肉を鷲掴んだ。
「来て。このまま来てっ‼︎」
遠慮もてらいも恥じらいも無い。
好き。
繋がりたい。
して欲しい。
うわ言の様に叫ぶ。
自分に打ち込まれた杭の様に、アルベルトが突き刺さる。
熱い。
痛い。
苦しい。
入ってくるアルベルトの物が内臓を押し上げて、
胃も心もぎりぎりと揺すぶられる。
その痛さが自分を許してくれる気がした。
誰とも番えない自分を許してくれる気がした。
その痛みが免罪符のようで。
もっと、
もっと、
喘ぎながらアルベルトに爪を立てた。
好きだ。
好きだと抱き締められる。
好きだと抱き締めかえす。
二人のうなされた様な時間は、そうやって始まった。
声に出された言葉が、互いの肌に染みていく。
声に出すのが気持ちいい。
人の重みが気持ちいい。
初めて与えられる他人からの快感に、キリルは考えるのを放棄した。
好きだ。
欲しい。
その本能のままに二人は獣になった。
剥ぎ取るように服を脱いで。
飢餓感のままに抱き合う。
どくどくと速い鼓動と、はあはあと言う荒い息が一つに溶け合って、急くように腰を擦り合わせた。
好きだ。
会いたかった。
夢に見ていた。
うわごとの様な言葉が、身体を舐める口から漏れる。
それに絡まれて恍惚となったキリルは、脚を開いてアルベルトの腰を抱き込んだ。
自分のペニスがじんじんと痛い。
アルベルトの下生えからもそれが聳り立って、にちゃりと擦れた。
気持ちいい。
気持ちいい。
アルベルトが尻を揉みながら、その手が太ももから自分でも触れない所に滑っていくのを急かすように腰を上げた。
肌の上を這い回っていた舌が、口内を侵食していく。
絡んだ舌が、小さな叫びを消した。
「……っ‼︎」
異物感が突き上げる。
五感の全てがそこに集中した。
アルベルトの指がゆっくりと入ってくる。
感じたことのない圧迫感でのけぞった。
アルベルトは焦燥感で浮かされながらも、優しく解したかった。
花の香りの香油を指で掬い、キリルに挿し込む。
その双丘の中は狭くて硬い。
でも熱い肉壁が絡んでくる。
その異物感の刺激でキリルは射精した。
ふわりと全身の力が抜けた穴を解す。
せめて二本。
何とか早く解さなくては、自分が爆発してしまう。
そんなアルベルトの焦りを、キリルは容赦なく追い立てた。
早く。
早く。
身体を捩りながら腰を振るり
異物感は脳と一緒に溶けて、ぬちゃぬちゃと水音が立っている。
もういいから、早くして!
体の中に先端が埋め込まれた時。
引きちぎられるような熱だけがあった。
自分が限界まで引き伸ばされる中を、ゆっくりと侵入してくる。
その苦しさにごふっと喉を反らせると、動いた鎖骨を歯で甘噛みされた。
「あ、あぁぁぁぁっ」
その熱が痛みだとわかった時。
キリルは頭を振りながら声を上げた。
腰を引こうとしたアルベルトに脚で絡む。
開いた脚の間の硬い尻肉を鷲掴んだ。
「来て。このまま来てっ‼︎」
遠慮もてらいも恥じらいも無い。
好き。
繋がりたい。
して欲しい。
うわ言の様に叫ぶ。
自分に打ち込まれた杭の様に、アルベルトが突き刺さる。
熱い。
痛い。
苦しい。
入ってくるアルベルトの物が内臓を押し上げて、
胃も心もぎりぎりと揺すぶられる。
その痛さが自分を許してくれる気がした。
誰とも番えない自分を許してくれる気がした。
その痛みが免罪符のようで。
もっと、
もっと、
喘ぎながらアルベルトに爪を立てた。
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