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城での生活
1 ファーストコンタクト
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目の高さになる様に床に座った。
そりゃ、もう‼︎
全身全霊心を込めて、にっこりした。
そして緩く両腕を広げる。
ソレは幼児のDNAに刻まれている、抱っこするのを待ってますよ♡のポーズだ。
嫌じゃなかったら飛び込んできてね♡のポーズ。
ルーアの青空がゆらゆら揺れる。
…ふっふっふ、悩んでいる。
悩んでいるなっ。
キリルはじっと待った。
幼児と猫は焦ってはいけない。
無害だと分かったら、近寄ってくるのだ。
そしてこのファーストコンタクトは大事!
後々にまで影響する。
もぞもぞと布の中から小さな手が見えて来た。
そろりそろりと出て来るのをまつ。
~そうして、程なくルーアが腕に収まった。
城は三階がプライベートフロアになっている。
ベビールームは主寝室の隣にあった。
アルベルトはどうも三階を使わずに一階の夜会の控えの間に巣を作っているようだ。
キリルは契約書を何度も読み込んでサインした。
これで名実ともに夫夫だ。
ちなみにルーアを抱っこしたままだ。
サインを終えて、アルベルトは足取り軽く巡回にいった。
そうして執事長に案内されるままに城を歩く。
ちなみにルーアを抱っこしている。
言っておくが非力と言われるアニマだって、24時間幼児を抱える力はあるのだ。
たとえ重くて泣きそうでも、出会ったばかりの幼児と猫は、相手が満足して離れるまで抱っこで抱っこの抱っこするのが基本だ。
腕はぷるぷるしているが、根性!だ。
従うガルゼはわかっているので何も言わない。
吹き抜けのある玄関ホール。
大広間も晩餐室も、いざとなったら傷病者を受け入れられるように。そして家具もバリケードを作れるように無骨だ。
合理的だと答えると、驚かれた。
王都の令息はその無骨さを田舎臭いと言うと言う。
馬鹿だろう‼︎
見てくれより命が大事。これ基本ね。
山が近いお陰で地下水が豊富だから、部屋には小さなバス・トイレが付いている。
もちろん大きな浴場もある。
王都なぞ、ベッド脇に壺が置いてある屋敷もあった。
ここと王都。
どっちが衛生的に上なのかは丸わかりだ。
使用人は王都では屋根裏に詰め込んでたりする。
ここでは別棟で男・女・家族となってるそうだ。
もちろんバス・トイレ付きで。
それは有事には開放されるそうだ。
ベビールームはふわふわしたユニコーンやくまちゃんの壁紙だった。
ちょっと赤ちゃんすぎやしませんか。
そろそろ興味あるものって…
キリルは鍵持ちなので全ての部屋を案内される。
南側に面する扉を開けると、薄暗い踏み込みを抜けると、陽射しの降り注ぐ明るさにめが眩んだ。
「あぁ!」
ルーアが腕の中でバウンドした。
「ちょう、ちょうちょう‼︎」
そこは大きな部屋だった。主寝室より大きい。
控えの間も二つつき、洗面所もある。
でも何より。
うすいマカロングリーンの壁紙には、鮮やかな蝶が一面に舞っていた。
柔らかな新芽を思わせるグリーンのカーペットには、
デイジー、キンポウゲ、チゴユリ、ヒナゲシ、ヘビイチゴと、いろんな野の花が咲いている。
キリルの腕から滑り降りたルーアが、蝶を追ってとたとたと歩くのをキリルはデレっと見惚れた。
野原の花園にいるようだ。
日当たりも良くてルーアも楽しそうだし。
「ここを子供部屋にします。
慣れるまでは控えの間に僕もいますから。」
貴族は子供を乳幼児から一人にして育てるべき、というクラリス育児法ってぇのが主流だけどキリルは反対だ。
アレルを育てて実感した。
子供は抱っこするものだ。
(決して怪しい意味じゃ無い)
一緒にベッドで寝るものだ。
(言っとくが不埒な意味では無い)
付いて歩いていた従者が、ちょっと息をのんだ。
何か言おうと口を開けたの、執事長がすっと押し止める。
「かしこまりました。ここは"蝶の間"と申しまして、前の奥様が嫁いでいらした時に設られた部屋でございます。そのお子様のルーア様にぴったりと存じます。」
……なんか封じましたよね。
そりゃ、もう‼︎
全身全霊心を込めて、にっこりした。
そして緩く両腕を広げる。
ソレは幼児のDNAに刻まれている、抱っこするのを待ってますよ♡のポーズだ。
嫌じゃなかったら飛び込んできてね♡のポーズ。
ルーアの青空がゆらゆら揺れる。
…ふっふっふ、悩んでいる。
悩んでいるなっ。
キリルはじっと待った。
幼児と猫は焦ってはいけない。
無害だと分かったら、近寄ってくるのだ。
そしてこのファーストコンタクトは大事!
後々にまで影響する。
もぞもぞと布の中から小さな手が見えて来た。
そろりそろりと出て来るのをまつ。
~そうして、程なくルーアが腕に収まった。
城は三階がプライベートフロアになっている。
ベビールームは主寝室の隣にあった。
アルベルトはどうも三階を使わずに一階の夜会の控えの間に巣を作っているようだ。
キリルは契約書を何度も読み込んでサインした。
これで名実ともに夫夫だ。
ちなみにルーアを抱っこしたままだ。
サインを終えて、アルベルトは足取り軽く巡回にいった。
そうして執事長に案内されるままに城を歩く。
ちなみにルーアを抱っこしている。
言っておくが非力と言われるアニマだって、24時間幼児を抱える力はあるのだ。
たとえ重くて泣きそうでも、出会ったばかりの幼児と猫は、相手が満足して離れるまで抱っこで抱っこの抱っこするのが基本だ。
腕はぷるぷるしているが、根性!だ。
従うガルゼはわかっているので何も言わない。
吹き抜けのある玄関ホール。
大広間も晩餐室も、いざとなったら傷病者を受け入れられるように。そして家具もバリケードを作れるように無骨だ。
合理的だと答えると、驚かれた。
王都の令息はその無骨さを田舎臭いと言うと言う。
馬鹿だろう‼︎
見てくれより命が大事。これ基本ね。
山が近いお陰で地下水が豊富だから、部屋には小さなバス・トイレが付いている。
もちろん大きな浴場もある。
王都なぞ、ベッド脇に壺が置いてある屋敷もあった。
ここと王都。
どっちが衛生的に上なのかは丸わかりだ。
使用人は王都では屋根裏に詰め込んでたりする。
ここでは別棟で男・女・家族となってるそうだ。
もちろんバス・トイレ付きで。
それは有事には開放されるそうだ。
ベビールームはふわふわしたユニコーンやくまちゃんの壁紙だった。
ちょっと赤ちゃんすぎやしませんか。
そろそろ興味あるものって…
キリルは鍵持ちなので全ての部屋を案内される。
南側に面する扉を開けると、薄暗い踏み込みを抜けると、陽射しの降り注ぐ明るさにめが眩んだ。
「あぁ!」
ルーアが腕の中でバウンドした。
「ちょう、ちょうちょう‼︎」
そこは大きな部屋だった。主寝室より大きい。
控えの間も二つつき、洗面所もある。
でも何より。
うすいマカロングリーンの壁紙には、鮮やかな蝶が一面に舞っていた。
柔らかな新芽を思わせるグリーンのカーペットには、
デイジー、キンポウゲ、チゴユリ、ヒナゲシ、ヘビイチゴと、いろんな野の花が咲いている。
キリルの腕から滑り降りたルーアが、蝶を追ってとたとたと歩くのをキリルはデレっと見惚れた。
野原の花園にいるようだ。
日当たりも良くてルーアも楽しそうだし。
「ここを子供部屋にします。
慣れるまでは控えの間に僕もいますから。」
貴族は子供を乳幼児から一人にして育てるべき、というクラリス育児法ってぇのが主流だけどキリルは反対だ。
アレルを育てて実感した。
子供は抱っこするものだ。
(決して怪しい意味じゃ無い)
一緒にベッドで寝るものだ。
(言っとくが不埒な意味では無い)
付いて歩いていた従者が、ちょっと息をのんだ。
何か言おうと口を開けたの、執事長がすっと押し止める。
「かしこまりました。ここは"蝶の間"と申しまして、前の奥様が嫁いでいらした時に設られた部屋でございます。そのお子様のルーア様にぴったりと存じます。」
……なんか封じましたよね。
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