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ぱんつ事変

22 オソロの落とし穴

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洗濯の部署は、地位に隔てなく仕事する。
そのたなびいた日光に躍る洗濯物を見れば、ぱんつとチーフの連携などまるっとお見通しになるってものさ。

アメデオの説明に、ラッシュはぐっと声を失くした。

ルツがリークしたらしい。
怒りがぐんぐんと加速して行こうとしたら、アメデオが笑った。

『子息に囲まれて意識を逸らす為にぱんつを出すなんて。凄くと思わないか?』
って。


思う訳ないだろう!
腹立つ…


世話係をクビにする訳にもいかない。
アメデオじゃないが、こんなに使える奴。
もう二度と手に入らないだろう。

怒鳴りつける訳にも行かない。
そんな事したら、
この俺が。
この俺が。
ダメージを受けたのが、わかってしまうからなっ!



「…なあ、」

ラッシュはアメデオに質問した。



「あいつを凹ませるいい方法は無いだろうか?
あの小賢しい顔をぎゃふんと言わせたい。」

それを聞いてアメデオの琥珀色の目がキラキラと輝いた。
頭の中に楽しい事を考えて。
それがどう転んで行くかと考えている目だ。

「そうだな。基本、ルツ君が全てを用意している訳だ。それに二の足を踏ませるって事は、ルツ君にも同じ恥ずかしい思いをさせたらいいんじゃない?
ほら、君のチーフがぱんつと同じなら、ルツ君もそのぱんつにしちゃえば。やーめーてー‼︎ってなるよ。きっと♡」

アメデオの目は笑っている。

「君も新しい下着を作ればいいから。
一緒に作っちゃえばいいんじゃない!」

アメデオは面白いのが大好きだ。
そのアメデオが、骨を貰った犬みたいな顔をしてるって事は…

ソレはルツにとって、すんごいダメージなんだろう。
さぞかし慌てふためいて、面白くなるって事なんだろうな…


「ちゃんと君のもルツ君のも。
畳んで、順番降って並べた箱を渡してさぁ。
その順番を守る様に言うんだよ。
そしたら毎日、同じ柄になるからね♡」



「……ソレは面白いのか?」

すまん。
想像が出来ない。
他人のぱんつなんて、想像もしたくない。

でもアメデオは、いろいろ振り切った笑顔を向けた。

「凄く面白いに決まってるさぁ‼︎
君のチーフによってルツ君のぱんつがばーんと宣伝されちゃうんだよ。
学園の皆んなにぱんつの柄がわかっちゃうんだよ!
さぞかし慌てて困っちゃうだろうねー
最高っに、面白いじゃないかぁ♡」


……ならば受けるか。
ルツをぎゃふんと反省させる為に。

「よし。フェドリックに連絡しろ。
新しい下着を作る。
同じものをルツにも用意しろ。」



うん。
ルツ君のサイズはわかってるしね。

アメデオはにっこりと従った。



やっぱ ちょろいよ、ラッシュ。
やっぱ 飽きないね、ラッシュ。


コレって。
コレって。
世間で言うところの。
"ペアルック"っていうのになるんだよ。

それ、分かってる?
分かって無いよねー



巻き起こる嵐の予感に。
アメデオはにんまりと笑った。
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