20 / 48
ぱんつ事変
20 驚愕のラッシュ
しおりを挟む
これまで、恐々と近寄っていた輩が近づいてこない。
俺の堂々とした様子には、今までうっとりとした視線が絡んでいた。
それが…
最近、何処となく違う気がする。
同じようにうっとりとした目で見られているが。
それは何処かはにかんで、クスッとなる口元をした。
~~うん。
言うなれば、微笑ましそうな可愛い物を見る目だ。
やたらと茶やデートに誘ってるいた奴等が
「今日のチーフは猫ちゃんですのね」
と口元を隠して告げてくるようになった。
…解せぬ。
何処か解せぬ。
ルツもしれっとチーフを用意するし。
何処か違和感で座りが悪かった。
そんな時。
廊下からきゃっきゃとする声を拾った。
いつもなら無視するのに、
『ラッシュ様の』
という単語に、つい耳をそばだてしまった。
『今日もラッシュ様、素敵よね♡
うふっ、猫ちゃんのおぱんつをお召しなのかと思うと、お可愛らしくてぇ』
『あの様に厳しいお顔をなさってるのに。
猫ちゃん柄‼︎うふふ♡笑いが治りませんわ』
はぃぁぁっ⁉︎
ラッシュはトイレに駆け込むとズボンを引き摺り下ろした。
そこには猫ちゃんがいた。
大事なところに茶トラがいる。
そしてじゃれつく全体像が。
裾に点々と猫がいる。
決して。
決して。
誰にも見せてはいないこのぱんつ。
その柄が、何故噂になっているのだ!
だいたい俺は、ぱんつの柄に興味は無い。
ぱんつなんて。
履いてりゃいいものだ!
大事な物を隠せればいいものだ‼︎
俺はその場にあるものを履いてるだけだ。
なのに。
なんで皆んなが柄を知っているのだ!
ーーここでラッシュはいつもとは違う行動をとった。
いつもなら、噂する者を糾弾する。
世話係を怒鳴りつける。
そして通る道には死屍累々と不満を吐き散らかされた屍が転がっていたはずだ。
それが今回。
アメデオの元に駆け込んだのだ。
多分、コレだのおいだのとやましい気持ちが根底にあったせいだと思われる。
「うん。知ってるよ。」
あっけらかん。
アメデオはにこやかにラッシュの疑問を肯定した。
ぱんつとチーフは連動している。
だって同じ生地でオーダーしたんだから。
同じ柄なのが出来るよね。
お洒落さんは隠れた所もお洒落だから。
同じ柄なのを着用するのは正解だよね。
あれ?
自分がナニ履いてるのかわかってなかったの?
チーフとぱんつが同じ柄なのは公認の秘密。
言っちゃあなんだが誰だって知ってるよん。
……つまり。
俺は。
どんなぱんつを履いてるのかを、自ら堂々と。
見せびらかして歩いているのだ‼︎
と。知らされた訳で。
ラッシュは膝から崩れ落ちた。
俺の堂々とした様子には、今までうっとりとした視線が絡んでいた。
それが…
最近、何処となく違う気がする。
同じようにうっとりとした目で見られているが。
それは何処かはにかんで、クスッとなる口元をした。
~~うん。
言うなれば、微笑ましそうな可愛い物を見る目だ。
やたらと茶やデートに誘ってるいた奴等が
「今日のチーフは猫ちゃんですのね」
と口元を隠して告げてくるようになった。
…解せぬ。
何処か解せぬ。
ルツもしれっとチーフを用意するし。
何処か違和感で座りが悪かった。
そんな時。
廊下からきゃっきゃとする声を拾った。
いつもなら無視するのに、
『ラッシュ様の』
という単語に、つい耳をそばだてしまった。
『今日もラッシュ様、素敵よね♡
うふっ、猫ちゃんのおぱんつをお召しなのかと思うと、お可愛らしくてぇ』
『あの様に厳しいお顔をなさってるのに。
猫ちゃん柄‼︎うふふ♡笑いが治りませんわ』
はぃぁぁっ⁉︎
ラッシュはトイレに駆け込むとズボンを引き摺り下ろした。
そこには猫ちゃんがいた。
大事なところに茶トラがいる。
そしてじゃれつく全体像が。
裾に点々と猫がいる。
決して。
決して。
誰にも見せてはいないこのぱんつ。
その柄が、何故噂になっているのだ!
だいたい俺は、ぱんつの柄に興味は無い。
ぱんつなんて。
履いてりゃいいものだ!
大事な物を隠せればいいものだ‼︎
俺はその場にあるものを履いてるだけだ。
なのに。
なんで皆んなが柄を知っているのだ!
ーーここでラッシュはいつもとは違う行動をとった。
いつもなら、噂する者を糾弾する。
世話係を怒鳴りつける。
そして通る道には死屍累々と不満を吐き散らかされた屍が転がっていたはずだ。
それが今回。
アメデオの元に駆け込んだのだ。
多分、コレだのおいだのとやましい気持ちが根底にあったせいだと思われる。
「うん。知ってるよ。」
あっけらかん。
アメデオはにこやかにラッシュの疑問を肯定した。
ぱんつとチーフは連動している。
だって同じ生地でオーダーしたんだから。
同じ柄なのが出来るよね。
お洒落さんは隠れた所もお洒落だから。
同じ柄なのを着用するのは正解だよね。
あれ?
自分がナニ履いてるのかわかってなかったの?
チーフとぱんつが同じ柄なのは公認の秘密。
言っちゃあなんだが誰だって知ってるよん。
……つまり。
俺は。
どんなぱんつを履いてるのかを、自ら堂々と。
見せびらかして歩いているのだ‼︎
と。知らされた訳で。
ラッシュは膝から崩れ落ちた。
10
お気に入りに追加
43
あなたにおすすめの小説
兄が届けてくれたのは
くすのき伶
BL
海の見える宿にやってきたハル(29)。そこでタカ(31)という男と出会います。タカは、ある目的があってこの地にやってきました。
話が進むにつれ分かってくるハルとタカの意外な共通点、そしてハルの兄が届けてくれたもの。それは、決して良いものだけではありませんでした。
ハルの過去や兄の過去、複雑な人間関係や感情が良くも悪くも絡み合います。
ハルのいまの苦しみに影響を与えていること、そしてハルの兄が遺したものとタカに見せたもの。
ハルは知らなかった真実を次々と知り、そしてハルとタカは互いに苦しみもがきます。己の複雑な感情に押しつぶされそうにもなります。
でも、そこには確かな愛がちゃんと存在しています。
-----------
シリアスで重めの人間ドラマですが、霊能など不思議な要素も含まれます。メインの2人はともに社会人です。
BLとしていますが、前半はラブ要素ゼロです。この先も現時点ではキスや抱擁はあっても過激な描写を描く予定はありません。家族や女性(元カノ)も登場します。
人間の複雑な関係や心情を書きたいと思ってます。
ここまで読んでくださりありがとうございます。
恋した貴方はαなロミオ
須藤慎弥
BL
Ω性の凛太が恋したのは、ロミオに扮したα性の結城先輩でした。
Ω性に引け目を感じている凛太。
凛太を運命の番だと信じているα性の結城。
すれ違う二人を引き寄せたヒート。
ほんわか現代BLオメガバース♡
※二人それぞれの視点が交互に展開します
※R 18要素はほとんどありませんが、表現と受け取り方に個人差があるものと判断しレーティングマークを付けさせていただきますm(*_ _)m
※fujossy様にて行われました「コスプレ」をテーマにした短編コンテスト出品作です
フローブルー
とぎクロム
BL
——好きだなんて、一生、言えないままだと思ってたから…。
高二の夏。ある出来事をきっかけに、フェロモン発達障害と診断された雨笠 紺(あまがさ こん)は、自分には一生、パートナーも、子供も望めないのだと絶望するも、その後も前向きであろうと、日々を重ね、無事大学を出て、就職を果たす。ところが、そんな新社会人になった紺の前に、高校の同級生、日浦 竜慈(ひうら りゅうじ)が現れ、紺に自分の息子、青磁(せいじ)を預け(押し付け)ていく。——これは、始まり。ひとりと、ひとりの人間が、ゆっくりと、激しく、家族になっていくための…。
王道にはしたくないので
八瑠璃
BL
国中殆どの金持ちの子息のみが通う、小中高一貫の超名門マンモス校〈朱鷺学園〉
幼少の頃からそこに通い、能力を高め他を率いてきた生徒会長こと鷹官 仁。前世知識から得た何れ来るとも知れぬ転校生に、平穏な日々と将来を潰されない為に日々努力を怠らず理想の会長となるべく努めてきた仁だったが、少々やり過ぎなせいでいつの間にか大変なことになっていた_____。
これは、やりすぎちまった超絶カリスマ生徒会長とそんな彼の周囲のお話である。
婚約破棄したら隊長(♂)に愛をささやかれました
ヒンメル
BL
フロナディア王国デルヴィーニュ公爵家嫡男ライオネル・デルヴィーニュ。
愛しの恋人(♀)と婚約するため、親に決められた婚約を破棄しようとしたら、荒くれ者の集まる北の砦へ一年間行かされることに……。そこで人生を変える出会いが訪れる。
*****************
「国王陛下は婚約破棄された令嬢に愛をささやく(https://www.alphapolis.co.jp/novel/221439569/703283996)」の番外編です。ライオネルと北の砦の隊長の後日談ですが、BL色が強くなる予定のため独立させてます。単体でも分かるように書いたつもりですが、本編を読んでいただいた方がわかりやすいと思います。
※「国王陛下は婚約破棄された令嬢に愛をささやく」の他の番外編よりBL色が強い話になりました(特に第八話)ので、苦手な方は回避してください。
※完結済にした後も読んでいただいてありがとうございます。
評価やブックマーク登録をして頂けて嬉しいです。
※小説家になろう様でも公開中です。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる