なぜか側妃に就職しました。これは永久就職じゃございません。

54 王妃の後宮 中

テーブルに着く。
王妃様は招待者として、お茶を一口飲みお菓子を一口食べて、何も入って無いことを示す。

リサ様もお土産を口にして示す。
……サテュバリシェのチョコの詰め合わせ！
王都で先着五名のやつやん！
流石です♡

ジュノは、まぁ太刀打ちできる訳無いので、料理長にたのんで、下町でよく食べてた大判焼きを作ってもらった。
目新しくて、良し！って感じ。

ああ、リサ様いらっしゃってありがたい。
ほら、上流の女性の話題ってわかんないし。

側妃のカーミラ様はお若くて、少しふっくらしてらした。
……あれ、ふっくらじゃないよ。

これ……。

鈍ちんなジュノが気付いた時。
王妃様はリサ様の目配せに頷いた。

「ジュノ。アドルと仲良くしているようで、嬉しく思います。あの子が人に執着するなんて思ってもいなかったから、とても嬉しいわ。」

王妃様の目が、襟元に（多分、見せつける為にワザと付けられた）見え隠れする鬱血痕を見ているようで、ジュノは真っ赤になった。

「あの子は他に目もくれないでしょう。
　以前は義務として子作りを考えていたでしょうが、もう他の人と触れることも無理でしょうね。」

王妃様の目は優しい。
お母さんの目になっている。

「貴方も同性として悩む事もあるでしょう。
　だから、今日お招きしましたの。」

すっとカーミラ様が立ち上がる。
考えたら二人は、王妃様がいらしても座ったままだった。
カーミラ様のドレスは胸のところに切り替えがあって、広がるスタイルだ。
そのたわんとした胸の下は、さらにたるんと膨れていて…。

「王を継ぐのはアドルです。
　だからこの子を貴方とアドルの養子にすれば、後継問題は無くなるの。」


はいぃぃぃぃっ⁉︎

だから遠慮しないでね♡
王妃様とリサ様が同じ顔でにっこり笑う。

えっ、
なにソレ？
えっ？

脳内パニックなのに、きゃっきゃ♡おほほ♡と、お茶会は進んでいく。

ＯＨ!!!!