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その後のリラク
2 選んでみたけれど
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これでもリラクは考えていた。
表向き、初恋祭りでリラクはサダムと結婚したことになっている。
だがそんな表向きを後先考えずに粉々にするのが、第二王子と言う生き物だ。
あいつがリラクに泣きの地獄を見せるのを諦めるとでも…
いや、無いな。
自分の護衛騎士や王家の手勢を使ってでも。
あいつの執念深さが擦り切れる事は無い。
まぁ、奴を警戒して。
こんな宿に居るんだけれどね。
あの馬鹿ったれの第二王子がサリニャに突撃訪問して来て。
リラクを差し出せ!と喚いても。
じいちゃんは絶対引かないと分かってる。
万が一の時は仁王立ちになって剣を振るうのも厭わない程に、庇ってくれるだろう。
ハリボテの忠誠よりも、大事なものの順位を間違えないのがじいちゃんだ。
でも、王族との関係にヒビが入ったら申し訳ない。
今はじいちゃんの領地に、騎士団の新入りを訓練に送るほどに蜜月だけど。
過ぎた力に恐れが入ったら、その関係はすぐに暗転する。
第二王子は馬鹿だけど。
その周りがどんなふうに仕掛けてくるかわからないのだ。
だって相手は王族で。
じいちゃんは忠誠を誓った男だから。
まぁ、だから、リラクはわざわざその関係を破綻させたくは無い訳で。
だから、逃げ仰せてもじいちゃんの領地には行かないと決めていた。
それに、リラクは今とても気になる事がある。
"初恋祭り"はリラクとサダムだけではなかった。
第二王子の恋バナもあったのだ。
あの驕慢で傍若無人で自分が一番のお子様な第二王子の恋バナ… わっらぇるう☆
なんか幼い日、相手から否と言われて諦めていた恋心を。
サダムの一途さに押してもらって、再燃したのだと。
~~屋敷の従者達が、ぴよぴよとさざめいていた。
なんでも相手は深窓の令息。
深窓の深窓で、滅多に外出しない引き篭もり系だそうで。
銀の髪に縹色の瞳のチョー美しい令息だそうで…
思い当たるヒトいます。
あの時の子がそんなだった。
つまり、まだ執念深く狙ってやがった訳で。
今、第二王子は"人を思いやれる正義の人"と言う看板を背負っている。そんな正義マンに迫られたら、おとなしいヒッキーは
やめてとも言えずにパクりと食べられるに違いない。
「だからね。せめて彼に注意喚起しないと
一度助けたんだから、最後まで守らなきゃ。
って、思うんだよね。」
従者か下男に雇われてさ。
僕がそこにいるなんて誰も思わないだろうしさ。
ひっそり護るって、なんかカッコよくなぁい?
市場の惣菜は味が濃いめ。
葉で包んである肉巻きをもぐもぐしながらそう言うと、
デイドは、ん… と口をへの字にした。
「その方の事は調べましたか?求人してますか?」
やばい、教師口調になっている。
「いえ、名前と住所くらいしか…」
「その程度の調査で突撃は、当たって砕けるのが前提ですか?」
「いえ…、その…」
この時のデイドに対する時は、何故正座になってしまうんだろう。
リラクはベッドの上で正座して、背筋を伸ばした。
実はデイドに言えば何とかなると言う甘えが98%です。
そしてそんなデイドからの親離れを目論んでいます。
だって下男に雇われる為に家名を捨てて、平民になるつもりだし。
彼の屋敷の近くに行って、何とか求人を探して潜り込もうと安易に考えてましたぁ。
この2年ついて来てくれたデイドも、そろそろじいちゃんとこに返してあげたいし。
表向き、初恋祭りでリラクはサダムと結婚したことになっている。
だがそんな表向きを後先考えずに粉々にするのが、第二王子と言う生き物だ。
あいつがリラクに泣きの地獄を見せるのを諦めるとでも…
いや、無いな。
自分の護衛騎士や王家の手勢を使ってでも。
あいつの執念深さが擦り切れる事は無い。
まぁ、奴を警戒して。
こんな宿に居るんだけれどね。
あの馬鹿ったれの第二王子がサリニャに突撃訪問して来て。
リラクを差し出せ!と喚いても。
じいちゃんは絶対引かないと分かってる。
万が一の時は仁王立ちになって剣を振るうのも厭わない程に、庇ってくれるだろう。
ハリボテの忠誠よりも、大事なものの順位を間違えないのがじいちゃんだ。
でも、王族との関係にヒビが入ったら申し訳ない。
今はじいちゃんの領地に、騎士団の新入りを訓練に送るほどに蜜月だけど。
過ぎた力に恐れが入ったら、その関係はすぐに暗転する。
第二王子は馬鹿だけど。
その周りがどんなふうに仕掛けてくるかわからないのだ。
だって相手は王族で。
じいちゃんは忠誠を誓った男だから。
まぁ、だから、リラクはわざわざその関係を破綻させたくは無い訳で。
だから、逃げ仰せてもじいちゃんの領地には行かないと決めていた。
それに、リラクは今とても気になる事がある。
"初恋祭り"はリラクとサダムだけではなかった。
第二王子の恋バナもあったのだ。
あの驕慢で傍若無人で自分が一番のお子様な第二王子の恋バナ… わっらぇるう☆
なんか幼い日、相手から否と言われて諦めていた恋心を。
サダムの一途さに押してもらって、再燃したのだと。
~~屋敷の従者達が、ぴよぴよとさざめいていた。
なんでも相手は深窓の令息。
深窓の深窓で、滅多に外出しない引き篭もり系だそうで。
銀の髪に縹色の瞳のチョー美しい令息だそうで…
思い当たるヒトいます。
あの時の子がそんなだった。
つまり、まだ執念深く狙ってやがった訳で。
今、第二王子は"人を思いやれる正義の人"と言う看板を背負っている。そんな正義マンに迫られたら、おとなしいヒッキーは
やめてとも言えずにパクりと食べられるに違いない。
「だからね。せめて彼に注意喚起しないと
一度助けたんだから、最後まで守らなきゃ。
って、思うんだよね。」
従者か下男に雇われてさ。
僕がそこにいるなんて誰も思わないだろうしさ。
ひっそり護るって、なんかカッコよくなぁい?
市場の惣菜は味が濃いめ。
葉で包んである肉巻きをもぐもぐしながらそう言うと、
デイドは、ん… と口をへの字にした。
「その方の事は調べましたか?求人してますか?」
やばい、教師口調になっている。
「いえ、名前と住所くらいしか…」
「その程度の調査で突撃は、当たって砕けるのが前提ですか?」
「いえ…、その…」
この時のデイドに対する時は、何故正座になってしまうんだろう。
リラクはベッドの上で正座して、背筋を伸ばした。
実はデイドに言えば何とかなると言う甘えが98%です。
そしてそんなデイドからの親離れを目論んでいます。
だって下男に雇われる為に家名を捨てて、平民になるつもりだし。
彼の屋敷の近くに行って、何とか求人を探して潜り込もうと安易に考えてましたぁ。
この2年ついて来てくれたデイドも、そろそろじいちゃんとこに返してあげたいし。
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