【完】俺が"しり"を愛でるようになった、その訳とその記憶とその結果について

たまとら

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"しり" というペット

2 煩悩の懐柔

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仕事の帰りにユスフと別れてから、イースタンは久しぶりに街に向かった。

今朝、勃っていた。
そりゃ健康優良児だもの。元気に勃つ。

しかも朝の陽をあびたレヴュトの尻が。
窓から朝日を浴びたレヴュトの尻が。
ふんふんと多分鼻歌混じりで揺れていた。
そんなものが否応も無く飛び込んでくるのだ。
全身が"薄っすら煙の様な影"って事は、クリアに見えるその尻に陰影をつけて、はっきりくっきりと際立たせて見せてる訳だ。

そんな訳で朝からの煩悩を持て余していた。
そこへユスフがデレデレと嫁自慢をし始める。
出会った時から時系列で語られ、結婚式での美しさを語ってくるので。
『俺だって出席してたんだが…』と、遮ったが奴の耳には届かなかった。

もし俺が当事者の嫁なら、初夜から何からと蜜に語られる事に嫌気がさすと思う。
その上子供が出来たみたいだと顔面崩壊で溶けているので、なんか人肌が恋しくなった。
いや、美辞麗句で誤魔化したが。
ただ溜まっていただけだ。


イースタンは慣れない店で、あれこれ煩わされるのは面倒くさくて嫌いだ。だから店は決まってる。
何度も肌を合わせて馴染んでくると、相手の目に期待が隠るのが嫌だ。だから馴染みは作らない。
とりあえず、お任せで相手を呼ぶ。

今日は金髪美人だった。
イースタンのモノを咥えこんで尻が振られている。
薄く全身を化粧された身体は、尻にも真珠のような綺羅がまとわっている。
四つん這いの掴んだ腰の細さに、自分の手の血管が獣の様に見えた。
たっぷりした尻肉。
それが開いて最奥の秘孔へと誘っている。
大きくグラインドすると、笛のような嬌声が上がった。


……溜まってた。
本当に溜まってた。
意識を絡めとっていく喘ぎ声も。
柔らかい尻肉に指を食い込ませるのも。
汗が滴る乳首を抓るのも。
本当に久しぶりだ。快感が脳を染める。
なのに。
何故か。
薄皮一枚意識が包まれているようで。
心の底から楽しめない。

レヴュトの尻肉の奥には影と闇だ。とか。
聞こえ無いのに笑い声は空気を響かせる。とか。
何故かレヴュトが頭の中にいる。

意識はどこか水底の中の様にはっきりしない。
何処かがぽっかりと抜けている様だ。

とにかく射精して。
チップを多めに渡して帰った。
スッキリして帰った筈なのに。


名前を呼んでもレヴュトの尻はそのままだった。
つまり尻を向けたままこっちを見ないのだ。
明らかに娼館へ寄ったのがバレていて。
暗い部屋の隅で、項垂れて肩が下がって細く小さくなった影が背中を向けて(つまり尻を向けて)声を掛けても動かない。
いや、暗い所に白い尻だけがあるって…
ホラーだよね。って思いつつ。
俺、悪い事してないよね。ッと思いながらも。

「次の休日は郊外に行ってみる?」だの
「庭にもっとハーブとか植えるかい?」とか
言ってる自分にビックリだ‼︎
機嫌とってる?
これが機嫌とってるって奴か?
ペットとして躾ちゃおうと思ってたのに、
躾られてるのはまさかの俺?
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