9 / 18
副職です。 処女判定
4 "お得意さん"の話
しおりを挟む
"金色頭の気前よく駄賃を弾んだ伯爵令息"は、処女判定が終わった途端、いそいそと退職していった。
肉食獣達は獲物を取り合う。
婚約発表する前に、奪われる事を恐れて退職した。
『あの子、どこかに嫁に行くのね』って噂だけを残して消えた。(まだ確定では無いのでは?)って思ったがしーらない。
るんるん♡で浮かれた金色頭の目に、テミスが入る筈も無く。
声一つ掛けて行かれなかった事に、テミスは心底安堵した。
貰うものはもらったしね。
何故なら、しばらくすると噂が流れて来たからだ。
"機密文書のロミオ"が「金髪でグリーンアイの侍従」を探している、って。
これ、仕掛けの結果?
と思ったが、ハウスさん達がしれっとしてるのに、ぺーぺーのテミスがわたわたしていい筈も無い。
ただただ聞き耳を立てている。
その噂に婚約の話は無かった。
ロミオが恋煩いだと言う話から始まって、聞くごとにだんだんリアルになっていく。
おかげで肉食獣の先輩達がざわざわしている。
ロミオ君。
サスペンスの罠に嵌りやがりましたね。
ほっほっほ‼︎
と、他人事にテミスは思った。
もちろんダークブラウンの髪のテミスは、はなっから該当してない。
安心。安心。
ただ。
あんな、今年一番の話題だったろうな出来事に。
大先輩達の五人は沈黙して傍観している。
何故?
さながらでかい獲物を脳裏に。
じっと浮きを眺める釣り師のようだった。
……まだナニかどんでん返しがあるのだ。
テミスはお口チャックして。
貰った金貨を貯金した。
割り当てられた部屋を開けたら。
むん‼︎と体臭と香水が襲いかかってきた。
しまった!
鍵が開いてた事に気付かないかった‼︎
床にはポツポツと服が落ちている。
掃除するのに邪魔やんけ!
ひょっとして事後ならそのまま掃除が出来る。
そう思ってそーっと覗いた。
決して出歯亀目的では無い。
落ちてる服を拾って、畳んで、テーブルに置く。
こう言う時は見ないふりするのが一般的。
お貴族さまの侍従は、とりあえず慎ましく、さささっと去る様にとレクチャーされている。
言っておくがテミスも侍従。
お仕着せも侍従のものだ。
でも従者に出向させられている。
だからこの部屋含めた清掃を命じられた。
掃除出来なきゃ、叱られるんだよぅ!
だからこれは覗きじゃ無い。
現状認識する為に必要な事なんだよ。
うん。
ワードローブの中で、箪笥に顔を突っ伏して裸の令息があんあん言っていた。
その背後の相手は服を着たままで、気配に気づいてこっちを見た。
……また、あいつです。
しょっちゅう、あんあん祭りで見るからもうお得意さんです。
彼は空いてる方の手で指を二本たてた。
二本。
二本ですね!
続けて2回もやっちゃう気ですね!
コレはオランさんに報告ものだ!
テミスはそっと上着の内ポケットから、スキンを2個出すと、そ~っと近づいた。
いや、やってる最中ってけっこうこっちに気が付かないもんだけどね。
男はスキンを受け取って、銀貨を二枚渡して来た。
テミスはさらに気配を殺して、部屋から出た。
いや、ボロい儲けです。
ダースで銅貨6枚のスキンが、一枚銀貨一枚に化けます!
むっちゃ、ボロい‼︎
コレは"コインチャンス"と従者は呼んでいる。
いきなり盛り上がった奴らは、嗜みであるスキンを持ってない時がある。
オランさんはそこに目をつけた。
そして商売にした。
すっごく合理的‼︎
掃除の遅れで叱られるのなら、ご褒美を付けるって事。
今の男はお得意さんだ。
あっちでもこっちでもなさってる。
その"君の美しさに恋の嵐に翻弄されて"は恐るべしだ。
今回も二枚だし。
まぁ、あの男はましだ。
スキン代をごねる事も。
3Pしようと引っ張り込む事も無い。
たまにスキンに穴開けたろかっ!
と、思う奴もいる。
まぁ、信用第一だからしないけどね。
とりあえず臨時収入を得たテミスはほくほくと、他の部屋の掃除に向かった。
肉食獣達は獲物を取り合う。
婚約発表する前に、奪われる事を恐れて退職した。
『あの子、どこかに嫁に行くのね』って噂だけを残して消えた。(まだ確定では無いのでは?)って思ったがしーらない。
るんるん♡で浮かれた金色頭の目に、テミスが入る筈も無く。
声一つ掛けて行かれなかった事に、テミスは心底安堵した。
貰うものはもらったしね。
何故なら、しばらくすると噂が流れて来たからだ。
"機密文書のロミオ"が「金髪でグリーンアイの侍従」を探している、って。
これ、仕掛けの結果?
と思ったが、ハウスさん達がしれっとしてるのに、ぺーぺーのテミスがわたわたしていい筈も無い。
ただただ聞き耳を立てている。
その噂に婚約の話は無かった。
ロミオが恋煩いだと言う話から始まって、聞くごとにだんだんリアルになっていく。
おかげで肉食獣の先輩達がざわざわしている。
ロミオ君。
サスペンスの罠に嵌りやがりましたね。
ほっほっほ‼︎
と、他人事にテミスは思った。
もちろんダークブラウンの髪のテミスは、はなっから該当してない。
安心。安心。
ただ。
あんな、今年一番の話題だったろうな出来事に。
大先輩達の五人は沈黙して傍観している。
何故?
さながらでかい獲物を脳裏に。
じっと浮きを眺める釣り師のようだった。
……まだナニかどんでん返しがあるのだ。
テミスはお口チャックして。
貰った金貨を貯金した。
割り当てられた部屋を開けたら。
むん‼︎と体臭と香水が襲いかかってきた。
しまった!
鍵が開いてた事に気付かないかった‼︎
床にはポツポツと服が落ちている。
掃除するのに邪魔やんけ!
ひょっとして事後ならそのまま掃除が出来る。
そう思ってそーっと覗いた。
決して出歯亀目的では無い。
落ちてる服を拾って、畳んで、テーブルに置く。
こう言う時は見ないふりするのが一般的。
お貴族さまの侍従は、とりあえず慎ましく、さささっと去る様にとレクチャーされている。
言っておくがテミスも侍従。
お仕着せも侍従のものだ。
でも従者に出向させられている。
だからこの部屋含めた清掃を命じられた。
掃除出来なきゃ、叱られるんだよぅ!
だからこれは覗きじゃ無い。
現状認識する為に必要な事なんだよ。
うん。
ワードローブの中で、箪笥に顔を突っ伏して裸の令息があんあん言っていた。
その背後の相手は服を着たままで、気配に気づいてこっちを見た。
……また、あいつです。
しょっちゅう、あんあん祭りで見るからもうお得意さんです。
彼は空いてる方の手で指を二本たてた。
二本。
二本ですね!
続けて2回もやっちゃう気ですね!
コレはオランさんに報告ものだ!
テミスはそっと上着の内ポケットから、スキンを2個出すと、そ~っと近づいた。
いや、やってる最中ってけっこうこっちに気が付かないもんだけどね。
男はスキンを受け取って、銀貨を二枚渡して来た。
テミスはさらに気配を殺して、部屋から出た。
いや、ボロい儲けです。
ダースで銅貨6枚のスキンが、一枚銀貨一枚に化けます!
むっちゃ、ボロい‼︎
コレは"コインチャンス"と従者は呼んでいる。
いきなり盛り上がった奴らは、嗜みであるスキンを持ってない時がある。
オランさんはそこに目をつけた。
そして商売にした。
すっごく合理的‼︎
掃除の遅れで叱られるのなら、ご褒美を付けるって事。
今の男はお得意さんだ。
あっちでもこっちでもなさってる。
その"君の美しさに恋の嵐に翻弄されて"は恐るべしだ。
今回も二枚だし。
まぁ、あの男はましだ。
スキン代をごねる事も。
3Pしようと引っ張り込む事も無い。
たまにスキンに穴開けたろかっ!
と、思う奴もいる。
まぁ、信用第一だからしないけどね。
とりあえず臨時収入を得たテミスはほくほくと、他の部屋の掃除に向かった。
12
お気に入りに追加
36
あなたにおすすめの小説


見ぃつけた。
茉莉花 香乃
BL
小学生の時、意地悪されて転校した。高校一年生の途中までは穏やかな生活だったのに、全寮制の学校に転入しなければならなくなった。そこで、出会ったのは…
他サイトにも公開しています

【完結】I adore you
ひつじのめい
BL
幼馴染みの蒼はルックスはモテる要素しかないのに、性格まで良くて羨ましく思いながらも夏樹は蒼の事を1番の友達だと思っていた。
そんな時、夏樹に彼女が出来た事が引き金となり2人の関係に変化が訪れる。
※小説家になろうさんでも公開しているものを修正しています。



狂わせたのは君なのに
白兪
BL
ガベラは10歳の時に前世の記憶を思い出した。ここはゲームの世界で自分は悪役令息だということを。ゲームではガベラは主人公ランを悪漢を雇って襲わせ、そして断罪される。しかし、ガベラはそんなこと望んでいないし、罰せられるのも嫌である。なんとかしてこの運命を変えたい。その行動が彼を狂わすことになるとは知らずに。
完結保証
番外編あり
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる