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21、仮面冒険者、既に帰りたい
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炎燃え盛る冷蔵庫の中に入れという提案にライブ配信のコメント欄も卒倒する。
:その冷蔵庫、人が入れんの?
:確実に丸焼きになっちゃうだろ
「ああ。大丈夫です。この炎、仲間は燃やしません」
:仲間は燃やさず敵だけ燃やす炎なんてあるのかよ
:超一流の魔術師はそういう攻撃対象制限みたいな術式も組めるらしいな
:魔法の炎ってすげぇな
野心鬼と嗚桜はアイコンタクトの後、頷いた。
「わかった。中に入ろう」
:すんなり受け入れてるよ
:2人とも超一流の魔術を間近で見てるからOK出来るんだろうな
:【防衛省からのお願い】これは冷蔵庫魔法です。良い子の皆さんは決して冷蔵庫の中に入ってはいけません。最悪凍死したり凍傷で皮膚が大変な事になってしまいます
:冷蔵庫魔法て
:これ冷蔵庫姿の仮面冒険者を見るのはこの配信が最後な気がするわ
:こどもの教育に悪いとか言われたら絶対凹みそう
炎の勢いが増し巨大化した冷蔵庫は2人を誘うように扉を開ける。
扉の中には四畳半ほどの空間が。
床も壁も天井も炎そのもの。
:こんなか入るのすげえ勇気いるな
:ボス部屋も沼の魔物で似たような状況なんだろ?
:床も壁も天井も魔物ってどうやって倒すんだよ?
:そりゃもう全方位攻撃冷蔵庫魔法なんだろ
:冷蔵庫有能すぎる
野心鬼も嗚桜も臆する事なく冷蔵庫の中へ入った。
2人の撮影ドローンが中の様子を映し出す。
:本当に全部炎じゃん
:なんかヨーグルトや納豆パックみたいなのないか?
:卵や牛乳パックもあるぞ
:生活感
「じゃあ扉を閉めます。ボス討伐出来たら扉を開けるんでそれまでは待機しててください」
「了解した」
炎の扉が閉まり、2人だけとなった野心鬼と嗚桜は視線を合わせる。
「なあ大将」
「今は何も言うな。その言葉は全て終わってからだ」
「……そうだな」
:後々の展開の伏線になりそうな意味深会話きてるじゃん
:猛者にしか気づけない何かがあるんか?
:それにしても静かだな。外で何が起きてるかさっぱりわからん
体感で一分ほどか、炎の扉が開いた。
野心鬼と嗚桜は冷蔵庫の外へ出る。正面には階層踏破を証明する螺旋階段。
「95層フロアボス討伐完了しました」
仮面冒険者はそう告げたあと、元の冷蔵庫のサイズに戻る。
野心鬼と嗚桜は振り返ると燃え盛る冷蔵庫の後ろに存在する巨大な空間に気付く。
ボス部屋だった場所には大きな穴が開いていた。
:床の魔物討伐したから大穴空いたのか?
:マジで沼の魔物だったのか
:95層踏破の記録的瞬間がこれかい
:次は96層か
「次は96層だがどんな階層なんだ?」
「そうですね……今までは火力ゴリ押しが通用してましたけどここからはまたランクが上がって的確に急所を突いたり、弱点属性で攻めるみたいな戦闘しないと厳しいですかね」
:火力ゴリ押し(言葉のまんま
:魔物のランク上がるんか?
:SじゃなくてSS級に分類した方がいいって事か?
野心鬼は炎の仮面冒険者から歯切れの悪さを感じ取る。
「どうした?言いたい事があるなら正直に言ってくれ」
「先に自分だけ100層に行ってダンジョンコアを破壊してきてもいいですか?」
コアの破壊という言葉に野心鬼に嗚桜。そしてコメント欄も驚きを隠せない。
:突然やってきたコア破壊宣言
:【悲報】100層踏破の瞬間見れない
:急にやっつけ仕事になってきたぞ
「何故だ?」
「まず最初にこの大穴を放置して階層踏破に時間をかけるのは良くないんじゃないかって」
:まあ確かに
:ブラックドラゴンが地上まで登って来てもおかしくない状況になってるしな
:前回の調査は40層のボス部屋に突然ブラックドラゴンが出てきて犠牲者を出したんだもんな
:地上被害だけは絶対避けなきゃいかん
「次にこの不規則氾濫の中で2人を守るのは厳しいというか守る為に冷蔵庫の中に入れちゃったら結局俺が何をしてるのか分からないですよね?」
:さっきのとかただ炎の壁が映ってるだけだもんな
:視聴者の興味よりも撮影班の人命優先か
:まあ至極当然の判断
「……妥当な判断だ。今回の異変調査の目的は不規則氾濫の原因を突きとめ、止める事だ。階層踏破ではない。多大な労力やリスクを負わずに済むならそちらを選ぶべきだ」
野心鬼は仮面冒険者の主張を全肯定する。
「あとは個人的な事なんですが……」
「どうした?言ってみろ」
「今自分的にキてるヴァーチャルライバーの晩酌配信までに家に帰りたいなって」
「は?」
今まで話を真剣に聞いていた嗚桜は理解不能とばかりの一文字を発した。
:ちょww帰宅理由が晩酌配信www
:配信の撮れ高が期待できなくなった途端、露骨にやる気失ってて草
:恐れていた事が現実に
:配信冒険者の悪い所出てるな
;原宿の危機、いや東京の危機なんだけどな
:本人的にはこんなの危機でもなんでもないんだろ
:既にS級魔物3000個体討伐してんだぞ?さっさと帰りたくても仕方ないわ
「そうか。一仕事終え、一緒に酒を飲みたい相手がいるというのは素晴らしい事だと思うぞ」
:大将、配信文化にめっちゃ寛容で草
:晩酌配信に間に合わせたいから帰宅したいでこんな優しい言葉かける人いるのかよ
:器でっか。こんな上司欲しいわ
:俺の会社でこれ言ったら絶対ぶん殴られる
「俺も早く家に帰って妻と子供の顔を見ながら酒を飲みたいからな」
:大将もさっさと帰りたいだけだったていう
:【防衛省からのお願い】もう少し休暇をもらいたいです
:防衛省職員のリアルな願いきたぞ
:よしもう今日の異変調査さっさと終わらせよう!
:その冷蔵庫、人が入れんの?
:確実に丸焼きになっちゃうだろ
「ああ。大丈夫です。この炎、仲間は燃やしません」
:仲間は燃やさず敵だけ燃やす炎なんてあるのかよ
:超一流の魔術師はそういう攻撃対象制限みたいな術式も組めるらしいな
:魔法の炎ってすげぇな
野心鬼と嗚桜はアイコンタクトの後、頷いた。
「わかった。中に入ろう」
:すんなり受け入れてるよ
:2人とも超一流の魔術を間近で見てるからOK出来るんだろうな
:【防衛省からのお願い】これは冷蔵庫魔法です。良い子の皆さんは決して冷蔵庫の中に入ってはいけません。最悪凍死したり凍傷で皮膚が大変な事になってしまいます
:冷蔵庫魔法て
:これ冷蔵庫姿の仮面冒険者を見るのはこの配信が最後な気がするわ
:こどもの教育に悪いとか言われたら絶対凹みそう
炎の勢いが増し巨大化した冷蔵庫は2人を誘うように扉を開ける。
扉の中には四畳半ほどの空間が。
床も壁も天井も炎そのもの。
:こんなか入るのすげえ勇気いるな
:ボス部屋も沼の魔物で似たような状況なんだろ?
:床も壁も天井も魔物ってどうやって倒すんだよ?
:そりゃもう全方位攻撃冷蔵庫魔法なんだろ
:冷蔵庫有能すぎる
野心鬼も嗚桜も臆する事なく冷蔵庫の中へ入った。
2人の撮影ドローンが中の様子を映し出す。
:本当に全部炎じゃん
:なんかヨーグルトや納豆パックみたいなのないか?
:卵や牛乳パックもあるぞ
:生活感
「じゃあ扉を閉めます。ボス討伐出来たら扉を開けるんでそれまでは待機しててください」
「了解した」
炎の扉が閉まり、2人だけとなった野心鬼と嗚桜は視線を合わせる。
「なあ大将」
「今は何も言うな。その言葉は全て終わってからだ」
「……そうだな」
:後々の展開の伏線になりそうな意味深会話きてるじゃん
:猛者にしか気づけない何かがあるんか?
:それにしても静かだな。外で何が起きてるかさっぱりわからん
体感で一分ほどか、炎の扉が開いた。
野心鬼と嗚桜は冷蔵庫の外へ出る。正面には階層踏破を証明する螺旋階段。
「95層フロアボス討伐完了しました」
仮面冒険者はそう告げたあと、元の冷蔵庫のサイズに戻る。
野心鬼と嗚桜は振り返ると燃え盛る冷蔵庫の後ろに存在する巨大な空間に気付く。
ボス部屋だった場所には大きな穴が開いていた。
:床の魔物討伐したから大穴空いたのか?
:マジで沼の魔物だったのか
:95層踏破の記録的瞬間がこれかい
:次は96層か
「次は96層だがどんな階層なんだ?」
「そうですね……今までは火力ゴリ押しが通用してましたけどここからはまたランクが上がって的確に急所を突いたり、弱点属性で攻めるみたいな戦闘しないと厳しいですかね」
:火力ゴリ押し(言葉のまんま
:魔物のランク上がるんか?
:SじゃなくてSS級に分類した方がいいって事か?
野心鬼は炎の仮面冒険者から歯切れの悪さを感じ取る。
「どうした?言いたい事があるなら正直に言ってくれ」
「先に自分だけ100層に行ってダンジョンコアを破壊してきてもいいですか?」
コアの破壊という言葉に野心鬼に嗚桜。そしてコメント欄も驚きを隠せない。
:突然やってきたコア破壊宣言
:【悲報】100層踏破の瞬間見れない
:急にやっつけ仕事になってきたぞ
「何故だ?」
「まず最初にこの大穴を放置して階層踏破に時間をかけるのは良くないんじゃないかって」
:まあ確かに
:ブラックドラゴンが地上まで登って来てもおかしくない状況になってるしな
:前回の調査は40層のボス部屋に突然ブラックドラゴンが出てきて犠牲者を出したんだもんな
:地上被害だけは絶対避けなきゃいかん
「次にこの不規則氾濫の中で2人を守るのは厳しいというか守る為に冷蔵庫の中に入れちゃったら結局俺が何をしてるのか分からないですよね?」
:さっきのとかただ炎の壁が映ってるだけだもんな
:視聴者の興味よりも撮影班の人命優先か
:まあ至極当然の判断
「……妥当な判断だ。今回の異変調査の目的は不規則氾濫の原因を突きとめ、止める事だ。階層踏破ではない。多大な労力やリスクを負わずに済むならそちらを選ぶべきだ」
野心鬼は仮面冒険者の主張を全肯定する。
「あとは個人的な事なんですが……」
「どうした?言ってみろ」
「今自分的にキてるヴァーチャルライバーの晩酌配信までに家に帰りたいなって」
「は?」
今まで話を真剣に聞いていた嗚桜は理解不能とばかりの一文字を発した。
:ちょww帰宅理由が晩酌配信www
:配信の撮れ高が期待できなくなった途端、露骨にやる気失ってて草
:恐れていた事が現実に
:配信冒険者の悪い所出てるな
;原宿の危機、いや東京の危機なんだけどな
:本人的にはこんなの危機でもなんでもないんだろ
:既にS級魔物3000個体討伐してんだぞ?さっさと帰りたくても仕方ないわ
「そうか。一仕事終え、一緒に酒を飲みたい相手がいるというのは素晴らしい事だと思うぞ」
:大将、配信文化にめっちゃ寛容で草
:晩酌配信に間に合わせたいから帰宅したいでこんな優しい言葉かける人いるのかよ
:器でっか。こんな上司欲しいわ
:俺の会社でこれ言ったら絶対ぶん殴られる
「俺も早く家に帰って妻と子供の顔を見ながら酒を飲みたいからな」
:大将もさっさと帰りたいだけだったていう
:【防衛省からのお願い】もう少し休暇をもらいたいです
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