9 / 29
9、仮面冒険者、恐竜になる
しおりを挟む
アルパカ状態の仮面冒険者に後方警戒を頼んだ黒猫ハーバリウムのメンバー達。
池袋ダンジョン36層も森や川など自然溢れる階層だった……はずなのだが。
「え?……え?」
異変に気付いた綾覇らは唖然としていた。
:何があった?
:これは絶対アルパカが何かやらかしちゃったパターン
:何したか当てようぜ?
:コメント欄がクイズ大会もしくは大喜利状態になってて草
:振り返ってみたら一面火の海でももう驚かん
:撮影ドローン回れ右ッ!!
「あの……アルパカさん?」
前衛にいた綾覇が一旦アルパカと会話する為後衛職の碧偉・龍美・清楓よりも下がると撮影ドローンは反転した。
:なんじゃこりゃ炎の壁?
:アルパカ巨大化したのか?
綾覇を映す事を最優先に動作する撮影ドローンでは何が起きているのかイマイチ要領を得ず、視聴者たちは困惑していた。
「どうして恐竜みたいな姿になっているんですか?」
:え?恐竜?
:どゆこと?
「森での後方警戒は難しいなと思ってもっと俯瞰できる姿になった方がいいかなと。それに大きい方が君達の盾になれる」
:周囲警戒の為に視線を高くしたい(わかる)
大きい方が盾になれる(わかる)
だから恐竜になる(わからない)
:人間は盾になる為に大きくはなれないのよ普通
:視聴者目線だと炎の壁がしゃべっとる
:もうアルパカ専用ドローンないと駄目だろ
:アルパカ(恐竜)
「アルパカさんでっかーい!恐竜はじめてみたー」
「ブラキオサウルスって言うんだ。森を食べ尽くすって恐竜で言われたんだよ」
「へー」
:清楓ちゃん恐竜初体験
:さやか、それ恐竜ちゃう魔法や
:この人、どんなスキル手に入れてこんな事になってんの?
:冒険者スキル考察スレでも炎系魔術もしくは幻術なんじゃないか?とは言われてたけど
:魔術研究スレではあれは魔法じゃないんじゃないか?って意見もあったらしい
:一度アルパカ質問配信やって欲しいな
:表舞台を嫌ってた冒険者が手の内明かすとは思えん
「後方の魔物は俺が間引いていくから心配しないでいい。君達は前線に集中してくれ」
「は、はい」
:後方魔物蹂躙決定
:森を食べ尽すブラキオサウルスって森さんも蹂躙決定
:なんかもう池袋36層さん、お気の毒様です
:ま、まだ!36層には川があるからッ!
:水棲魔物もアルパカの前じゃ焼き魚にしかならんだろ
綾覇らは快調に38層まで踏破していった。
「次回層の階段の時はアルパカに戻るんですね」
龍美はどこか遠慮がちにアルパカに接していた。
「恐竜のままじゃ階段は窮屈だからな」
「あの……」
「どうした?」
「もうちょっとちゃんとした名前を教えてもらえませんか?」
「配信上とはいえもう一緒にダンジョンを潜る間柄になったんですし動物の名前で呼び続けるのも失礼かなって……」
「なるほど。そうか」
:おお。龍美ちゃんから名称変更の提案が
:レッサーパンダや恐竜に『アルパカさん』って呼ぶの違和感しかないんだろ
:今はアルパカ(人間)さんなんだよなぁ
:この配信見てると脳がバグりそう
「じゃあ炎で」
:今度はそうなるのか
:見たまんまだな
「炎さん……」
「何十万もの視聴者が見てる配信だしシンプルが一番。ネーミングセンス絶望的wとか言われたくないんで」
:無難オブ無難
:完全に逃げてるな
:やっぱりメンタルは弱そう
:存在としてはデタラメにも程があるけどな
「ネーミングセンスって言われちゃうと私も美しい龍なんで人のことそんなに言えないです」
「その名前君に似合ってると思うよ」
「!」
:おいおいこのアルパカ、りゅみちゃんをサラッと口説いてないか?
:アルパカ如きに絆される黒猫のクールビューティー担当じゃないぞ
:でも以前の龍美ちゃんとは全然違うのよ
:そもそも黒猫ちゃん達今まで男と絡むシーン全くなかったからな
:今絡んでるのもアルパカだからな
:推しがアルパカに口説かれるってどんな気分よ?
:人によるけどやっぱりショックで発狂するヤツもいんのかな?
その時だった。
「龍美を口説いてんじゃねえぞ!!パカ野郎ッ!!」
38層から39層へ降りる階段の途中にあるセーフティーエリアで寛いでいた綾覇らは突然の怒声に驚き、声がした方を見やる。
その先にはフェンリルの仮面をした白銀のローブの男がいた。
池袋ダンジョン36層も森や川など自然溢れる階層だった……はずなのだが。
「え?……え?」
異変に気付いた綾覇らは唖然としていた。
:何があった?
:これは絶対アルパカが何かやらかしちゃったパターン
:何したか当てようぜ?
:コメント欄がクイズ大会もしくは大喜利状態になってて草
:振り返ってみたら一面火の海でももう驚かん
:撮影ドローン回れ右ッ!!
「あの……アルパカさん?」
前衛にいた綾覇が一旦アルパカと会話する為後衛職の碧偉・龍美・清楓よりも下がると撮影ドローンは反転した。
:なんじゃこりゃ炎の壁?
:アルパカ巨大化したのか?
綾覇を映す事を最優先に動作する撮影ドローンでは何が起きているのかイマイチ要領を得ず、視聴者たちは困惑していた。
「どうして恐竜みたいな姿になっているんですか?」
:え?恐竜?
:どゆこと?
「森での後方警戒は難しいなと思ってもっと俯瞰できる姿になった方がいいかなと。それに大きい方が君達の盾になれる」
:周囲警戒の為に視線を高くしたい(わかる)
大きい方が盾になれる(わかる)
だから恐竜になる(わからない)
:人間は盾になる為に大きくはなれないのよ普通
:視聴者目線だと炎の壁がしゃべっとる
:もうアルパカ専用ドローンないと駄目だろ
:アルパカ(恐竜)
「アルパカさんでっかーい!恐竜はじめてみたー」
「ブラキオサウルスって言うんだ。森を食べ尽くすって恐竜で言われたんだよ」
「へー」
:清楓ちゃん恐竜初体験
:さやか、それ恐竜ちゃう魔法や
:この人、どんなスキル手に入れてこんな事になってんの?
:冒険者スキル考察スレでも炎系魔術もしくは幻術なんじゃないか?とは言われてたけど
:魔術研究スレではあれは魔法じゃないんじゃないか?って意見もあったらしい
:一度アルパカ質問配信やって欲しいな
:表舞台を嫌ってた冒険者が手の内明かすとは思えん
「後方の魔物は俺が間引いていくから心配しないでいい。君達は前線に集中してくれ」
「は、はい」
:後方魔物蹂躙決定
:森を食べ尽すブラキオサウルスって森さんも蹂躙決定
:なんかもう池袋36層さん、お気の毒様です
:ま、まだ!36層には川があるからッ!
:水棲魔物もアルパカの前じゃ焼き魚にしかならんだろ
綾覇らは快調に38層まで踏破していった。
「次回層の階段の時はアルパカに戻るんですね」
龍美はどこか遠慮がちにアルパカに接していた。
「恐竜のままじゃ階段は窮屈だからな」
「あの……」
「どうした?」
「もうちょっとちゃんとした名前を教えてもらえませんか?」
「配信上とはいえもう一緒にダンジョンを潜る間柄になったんですし動物の名前で呼び続けるのも失礼かなって……」
「なるほど。そうか」
:おお。龍美ちゃんから名称変更の提案が
:レッサーパンダや恐竜に『アルパカさん』って呼ぶの違和感しかないんだろ
:今はアルパカ(人間)さんなんだよなぁ
:この配信見てると脳がバグりそう
「じゃあ炎で」
:今度はそうなるのか
:見たまんまだな
「炎さん……」
「何十万もの視聴者が見てる配信だしシンプルが一番。ネーミングセンス絶望的wとか言われたくないんで」
:無難オブ無難
:完全に逃げてるな
:やっぱりメンタルは弱そう
:存在としてはデタラメにも程があるけどな
「ネーミングセンスって言われちゃうと私も美しい龍なんで人のことそんなに言えないです」
「その名前君に似合ってると思うよ」
「!」
:おいおいこのアルパカ、りゅみちゃんをサラッと口説いてないか?
:アルパカ如きに絆される黒猫のクールビューティー担当じゃないぞ
:でも以前の龍美ちゃんとは全然違うのよ
:そもそも黒猫ちゃん達今まで男と絡むシーン全くなかったからな
:今絡んでるのもアルパカだからな
:推しがアルパカに口説かれるってどんな気分よ?
:人によるけどやっぱりショックで発狂するヤツもいんのかな?
その時だった。
「龍美を口説いてんじゃねえぞ!!パカ野郎ッ!!」
38層から39層へ降りる階段の途中にあるセーフティーエリアで寛いでいた綾覇らは突然の怒声に驚き、声がした方を見やる。
その先にはフェンリルの仮面をした白銀のローブの男がいた。
230
お気に入りに追加
628
あなたにおすすめの小説
(完結)醜くなった花嫁の末路「どうぞ、お笑いください。元旦那様」
音爽(ネソウ)
ファンタジー
容姿が気に入らないと白い結婚を強いられた妻。
本邸から追い出されはしなかったが、夫は離れに愛人を囲い顔さえ見せない。
しかし、3年と待たず離縁が決定する事態に。そして元夫の家は……。
*6月18日HOTランキング入りしました、ありがとうございます。
大切”だった”仲間に裏切られたので、皆殺しにしようと思います
騙道みりあ
ファンタジー
魔王を討伐し、世界に平和をもたらした”勇者パーティー”。
その一員であり、”人類最強”と呼ばれる少年ユウキは、何故か仲間たちに裏切られてしまう。
仲間への信頼、恋人への愛。それら全てが作られたものだと知り、ユウキは怒りを覚えた。
なので、全員殺すことにした。
1話完結ですが、続編も考えています。
王宮で汚職を告発したら逆に指名手配されて殺されかけたけど、たまたま出会ったメイドロボに転生者の技術力を借りて反撃します
有賀冬馬
ファンタジー
王国貴族ヘンリー・レンは大臣と宰相の汚職を告発したが、逆に濡れ衣を着せられてしまい、追われる身になってしまう。
妻は宰相側に寝返り、ヘンリーは女性不信になってしまう。
さらに差し向けられた追手によって左腕切断、毒、呪い状態という満身創痍で、命からがら雪山に逃げ込む。
そこで力尽き、倒れたヘンリーを助けたのは、奇妙なメイド型アンドロイドだった。
そのアンドロイドは、かつて大賢者と呼ばれた転生者の技術で作られたメイドロボだったのだ。
現代知識チートと魔法の融合技術で作られた義手を与えられたヘンリーが、独立勢力となって王国の悪を蹴散らしていく!
妹がいなくなった
アズやっこ
恋愛
妹が突然家から居なくなった。
メイドが慌ててバタバタと騒いでいる。
お父様とお母様の泣き声が聞こえる。
「うるさくて寝ていられないわ」
妹は我が家の宝。
お父様とお母様は妹しか見えない。ドレスも宝石も妹にだけ買い与える。
妹を探しに出掛けたけど…。見つかるかしら?
「クズスキルの偽者は必要無い!」と公爵家を追放されたので、かけがえのない仲間と共に最高の国を作ります
古河夜空
ファンタジー
「お前をルートベルク公爵家から追放する――」それはあまりにも突然の出来事だった。
一五歳の誕生日を明日に控えたレオンは、公爵家を追放されてしまう。魔を制する者“神託の御子”と期待されていた、ルートベルク公爵の息子レオンだったが、『継承』という役立たずのスキルしか得ることができず、神託の御子としての片鱗を示すことが出来なかったため追放されてしまう。
一人、逃げる様に王都を出て行くレオンだが、公爵家の汚点たる彼を亡き者にしようとする、ルートベルク公爵の魔の手が迫っていた。「絶対に生き延びてやる……ッ!」レオンは己の力を全て使い、知恵を絞り、公爵の魔の手から逃れんがために走る。生き延びるため、公爵達を見返すため、自分を信じてくれる者のため。
どれだけ窮地に立たされようとも、秘めた想いを曲げない少年の周りには、人、エルフ、ドワーフ、そして魔族、種族の垣根を越えたかけがえの無い仲間達が集い―― これは、追放された少年が最高の国を作りあげる物語。
※他サイト様でも掲載しております。
目立つのが嫌でダンジョンのソロ攻略をしていた俺、アイドル配信者のいる前で、うっかり最凶モンスターをブッ飛ばしてしまう
果 一
ファンタジー
目立つことが大嫌いな男子高校生、篠村暁斗の通う学校には、アイドルがいる。
名前は芹なずな。学校一美人で現役アイドル、さらに有名ダンジョン配信者という勝ち組人生を送っている女の子だ。
日夜、ぼんやりと空を眺めるだけの暁斗とは縁のない存在。
ところが、ある日暁斗がダンジョンの下層でひっそりとモンスター狩りをしていると、SSクラスモンスターのワイバーンに襲われている小規模パーティに遭遇する。
この期に及んで「目立ちたくないから」と見捨てるわけにもいかず、暁斗は隠していた実力を解放して、ワイバーンを一撃粉砕してしまう。
しかし、近くに倒れていたアイドル配信者の芹なずなに目撃されていて――
しかも、その一部始終は生放送されていて――!?
《ワイバーン一撃で倒すとか異次元過ぎw》
《さっき見たらツイットーのトレンドに上がってた。これ、明日のネットニュースにも載るっしょ絶対》
SNSでバズりにバズり、さらには芹なずなにも正体がバレて!?
暁斗の陰キャ自由ライフは、瞬く間に崩壊する!
※本作は小説家になろう・カクヨムでも公開しています。両サイトでのタイトルは『目立つのが嫌でダンジョンのソロ攻略をしていた俺、アイドル配信者のいる前で、うっかり最凶モンスターをブッ飛ばしてしまう~バズりまくって陰キャ生活が無事終了したんだが~』となります。
※この作品はフィクションです。実在の人物•団体•事件•法律などとは一切関係ありません。あらかじめご了承ください。
ハズレスキル【収納】のせいで実家を追放されたが、全てを収納できるチートスキルでした。今更土下座してももう遅い
平山和人
ファンタジー
侯爵家の三男であるカイトが成人の儀で授けられたスキルは【収納】であった。アイテムボックスの下位互換だと、家族からも見放され、カイトは家を追放されることになった。
ダンジョンをさまよい、魔物に襲われ死ぬと思われた時、カイトは【収納】の真の力に気づく。【収納】は魔物や魔法を吸収し、さらには異世界の飲食物を取り寄せることができるチートスキルであったのだ。
かくして自由になったカイトは世界中を自由気ままに旅することになった。一方、カイトの家族は彼の活躍を耳にしてカイトに戻ってくるように土下座してくるがもう遅い。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる