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第四部
第28話「幼馴染は、名前で僕を呼ぶらしい」
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4月も下旬へと移行し、日に日に気温も温かくなってきた今日この頃。
とある平日のこと。
リビングでは現在、僕が朝食の準備を、妹の凪宮優衣はテレビを見ながら朝食を待っているようだ。
妹は現在受験生。今僕がしている朝ご飯担当は本来なら優衣の仕事なのだが、今年は受験生ということもあり大幅の家事は僕が担っている。
テレビでニュースを見ながらソファーの上で寝ている妹。
正式にはクッションの上に頭を乗っけて寝転がりながら寝ている妹、だ。
……しかも朝食前だって言うのに何か食べてるし。
「妹よ。朝飯前に食べ物という名のお菓子を食べるとはいい度胸だな」
「いいじゃん、飴ちゃんぐらい」
「ダメだ。さっさと捨ててこい」
「……なんか晴兄が、いつにも増してお兄ちゃんしてる!」
今の台詞はさすがの僕でも聞き捨てならないな。一体お前は兄を何だと思ってるんだ。
そりゃあ、自堕落なのは認めざるを得ないが、今の言葉を解釈するならお前は普段から僕を『兄』として見てないってことになるぞ。
兄を完全にバカにしてるようにしか聞こえない。いや、寧ろそうでしかないだろ。
「とにかく、飯前に菓子を食べるな」
「えぇぇ~~! いいじゃん、大目に見てよ! ねっ? お願い!」
優衣は懇願するようにソファーの上で寝っ転がりながら頼んでくる。
その瞳はキラキラと無駄なエフェクトが多数加えられていたが、果たしてそんなんで世の中全ての男子を黙らせられると本気で思っているのだろうか?
──少なからず、兄には効かない。
「そんな目で見ても無駄だぞ」
「……一々ケチだよね、こういうときの晴兄って」
「……はぁ。わかった。今回だけは見逃してやるから、その代わりに天気予報見ろ」
「りょ~かい」
優衣はすぐさまテレビの方へと視線を戻す。ちなみに、飴はまだ咥えたままだ。
……ああいう風に、妹が拗ねると兄が折れるしかないという謎の定理は何なんだろうか。
普段は礼儀正しいのだが、偶にこんな風な解放的な性格になる。
まったく、一体誰に似たのやら……。
「お兄ちゃーん。今日は1日中晴れだってさー。絶好の洗濯日和だと」
「降水確率は?」
「無いと思うよー。正式には5パーセント以下だってさー」
「花粉」
「それ必要? 晴兄、別に花粉症とかじゃないじゃん」
「お前のため」
「……そういうこと平気で言うよね。晴れだから花粉も元気らしいぞっ」
「サンキュー」
フライパンで目玉焼きとベーコンを焼き、味噌汁は簡単に豆腐とワカメ入り。
それぞれをお皿に盛りつけて朝ご飯の支度を終わらせていく。
僕は一瞬、優衣の方へと視線を動かす。
優衣は体勢を変え、ソファーの上で足を片手で抱え込み、もう一方の手でまだ飴ちゃんを食べている。それで朝ご飯食べれなくなってもしらないからな?
「ほら、出来たから運べ妹」
「食っべる~!」
ソファーから元気よく飛び降り、まるで元気な幼稚園児のような声を上げる。
朝から元気だなぁ、こいつ。僕なんて、ナイーブな日もあれば超ブルーな日もあるというのに……優衣には絶好調の日しかないように感じる。
僕が両親から貰った遺伝子と、優衣が貰った遺伝子は果たして何が違うんだろうか。誰か教えてほしいものだ。
「いっただっきまーす!」
「……いただきます」
テーブルに並べられたザ・和食な朝食に手を付けていく。
飲み物を取りに行っていた僕も席に着き、食べようとする。が、そこにタイミングよく玄関のチャイムが鳴る。
「なになに? 朝から町内会議?」
「んなわけないだろ……」
後そういう現実的な話やめてくれ。
ただでさえ町内会議の雰囲気と場が苦手だっていうのに、そんなナイーブになりそうな現実押し付けてきやがって……。
まぁ、そんなことは絶対無いんだけど。
ウチは両親が不在。そして長男坊は寮暮らし。この家に暮らしているのは、高校生と中学生のみ。そんな家に自治会が来るわけないのだ。
「誰だろ。私出てこよっか?」
「いいよ。お前今日早いんだから、そのまま食べてろ」
今日日直だって言ってたしな。早めに行きたいとも言ってたし、僕なりに気を使ったつもりだ。
それにしても朝っぱらから何だ? 新聞の勧誘か? 悪いがウチに新聞を取っている余裕なんてない。というより、そんなお金があるならラノベ買うのに使う。
僕は、渋々、玄関の扉を開ける。
新聞の勧誘かと半ば本気に暗示していた僕にとって、今目の前にいる人に少し抵抗を感じてしまっていた。──だって、
「おはよう、晴斗!」
──居たのは新聞の勧誘ではなく、幼馴染だったから。
そして……気になる点がもう1つ。
「……いつからお前は僕を名前で呼ぶようになったんだ?」
「不自然かな?」
「違和感は計り知れないな」
今まで愛称で呼ばれていたのに、急に名前呼びだ。違和感を感じても不思議じゃない。
確か先日、こいつが『名前で呼んで欲しい』と懇願してきたから、今後は出来る限りそうしていくと約束はしたが……何故お前まで?
と、疑問に思っている中、ズカズカと玄関先に上がってくるいちの……渚。
「それで、何故?」
「うん。晴斗が私のことを名前呼びにしてくれるって言ってくれたから、だったら私も、ハル君じゃなくて──『晴斗』って呼びたいなーと思って! まぁ、合わなそうだったらすぐに戻すけど」
「ふーん。つまり、お試しってわけか」
「その通り。それで? どうだった?」
「さっきも言っただろ。違和感しかないから辞めろ」
「あちゃー、ダメか……」
割とガチ目に凹んでいるご様子。
一之瀬渚――僕の昔からの幼馴染で、誰しもが認める才色兼備な美少女。そして、この誰にでもモテる幼馴染は、どういうわけかこんな陰キャで“根暗ぼっち”な僕のことが好きらしい。
「だから、普通に今まで通りで──」
「ねぇ晴斗。お腹空いたー、何か作ってよ」
「おい。今僕の話聞いてたか? 違和感しか生まないから辞めろって……」
「うん、聞いてたよ。でも──それはあくまで晴斗個人の意見でしょ? 私は言いました、合わなそうだったら辞めるって。けどこれは、私個人の意見。つまり晴斗の要望は通りません!」
「横暴すぎだろ……無許可か」
「それに違和感なんて、慣れれば消えていくもんでしょ?」
「……まぁ、そういうもんかもだけど」
「だったら、私の意見が却下される筋合いは無いと思うよ? それでいいね、晴斗?」
「……わかったよ」
本当、今日は女運というやつが無い日だ。
朝っぱらから2人の女に自分の意見を貫かれてしまった……。
「晴兄ー? そんなに新聞勧誘しつこいのー?」
と、呑気に話をしていると、リビングから食事中の優衣が箸を持ったまま玄関先に顔を出してきた。ってか、行儀悪いから箸を持ったまま歩き回るなよ。
後、何さらっと人の心の中読んでんだ。
「……って、あれ? 渚さん?」
「おはよう、優衣ちゃん。もう制服着てるんだね、いつもならもっとのんびりじゃない?」
そしてこの幼馴染は何さも当然のように妹の登校時刻まで把握してるんだよ、恐ろしすぎだろ!
「今日日直なので!」
「そっかー、日直かー」
「……こっちを見るな」
つい先日、一之瀬に日直活動を手伝ってもらったことがある。
ほとんど自主的に動いてくれてはいたが、本当は僕の仕事なのだ。そう思うと良心が痛い……。
「それにしても、優衣ちゃんは朝から元気だね」
「そりゃあ、こんな根暗な晴兄と違って温厚の塊ですからね!」
「悪かったな、温厚じゃない兄で」
優衣は時々、失礼なこと言うよな。まぁそれも“兄妹だから”という理由で片づきそうではあるが。
「あ、そうだ。晴兄、早く食べないと遅刻するよ?」
「はいはい」
僕は優衣に急かされてリビングへ戻ろうとするが、そんな僕のワイシャツの裾をいちの……渚に掴まれその場に無理矢理留められた。
「な、何だよ……朝ご飯は自分で作ってこいよ」
「そ、そうじゃなくて──まだ……聞いてない」
何を? 単純かつ簡単にそう返した。
「……に、日本人の常識! そ、それに、日本のコミュニケーションにおける最も大事とされている作法!」
「……………………」
こいつの言いたいことはすぐにわかった。幼馴染だしな。
だが、普通に『挨拶』って単語を使えないのか? 何でわざわざ遠回りな言い方をしたのか。その理由がさっぱりだ。
それとも、それを言う度胸すら無いのか?
そんなんでよく僕に一世一代の告白なんかが出来たものだ。
まぁでも──渚の言う通り、今日はまだだったな。
「おはよ、渚」
「……お、おはよう」
何故か目を逸らされた。……何で?
とある平日のこと。
リビングでは現在、僕が朝食の準備を、妹の凪宮優衣はテレビを見ながら朝食を待っているようだ。
妹は現在受験生。今僕がしている朝ご飯担当は本来なら優衣の仕事なのだが、今年は受験生ということもあり大幅の家事は僕が担っている。
テレビでニュースを見ながらソファーの上で寝ている妹。
正式にはクッションの上に頭を乗っけて寝転がりながら寝ている妹、だ。
……しかも朝食前だって言うのに何か食べてるし。
「妹よ。朝飯前に食べ物という名のお菓子を食べるとはいい度胸だな」
「いいじゃん、飴ちゃんぐらい」
「ダメだ。さっさと捨ててこい」
「……なんか晴兄が、いつにも増してお兄ちゃんしてる!」
今の台詞はさすがの僕でも聞き捨てならないな。一体お前は兄を何だと思ってるんだ。
そりゃあ、自堕落なのは認めざるを得ないが、今の言葉を解釈するならお前は普段から僕を『兄』として見てないってことになるぞ。
兄を完全にバカにしてるようにしか聞こえない。いや、寧ろそうでしかないだろ。
「とにかく、飯前に菓子を食べるな」
「えぇぇ~~! いいじゃん、大目に見てよ! ねっ? お願い!」
優衣は懇願するようにソファーの上で寝っ転がりながら頼んでくる。
その瞳はキラキラと無駄なエフェクトが多数加えられていたが、果たしてそんなんで世の中全ての男子を黙らせられると本気で思っているのだろうか?
──少なからず、兄には効かない。
「そんな目で見ても無駄だぞ」
「……一々ケチだよね、こういうときの晴兄って」
「……はぁ。わかった。今回だけは見逃してやるから、その代わりに天気予報見ろ」
「りょ~かい」
優衣はすぐさまテレビの方へと視線を戻す。ちなみに、飴はまだ咥えたままだ。
……ああいう風に、妹が拗ねると兄が折れるしかないという謎の定理は何なんだろうか。
普段は礼儀正しいのだが、偶にこんな風な解放的な性格になる。
まったく、一体誰に似たのやら……。
「お兄ちゃーん。今日は1日中晴れだってさー。絶好の洗濯日和だと」
「降水確率は?」
「無いと思うよー。正式には5パーセント以下だってさー」
「花粉」
「それ必要? 晴兄、別に花粉症とかじゃないじゃん」
「お前のため」
「……そういうこと平気で言うよね。晴れだから花粉も元気らしいぞっ」
「サンキュー」
フライパンで目玉焼きとベーコンを焼き、味噌汁は簡単に豆腐とワカメ入り。
それぞれをお皿に盛りつけて朝ご飯の支度を終わらせていく。
僕は一瞬、優衣の方へと視線を動かす。
優衣は体勢を変え、ソファーの上で足を片手で抱え込み、もう一方の手でまだ飴ちゃんを食べている。それで朝ご飯食べれなくなってもしらないからな?
「ほら、出来たから運べ妹」
「食っべる~!」
ソファーから元気よく飛び降り、まるで元気な幼稚園児のような声を上げる。
朝から元気だなぁ、こいつ。僕なんて、ナイーブな日もあれば超ブルーな日もあるというのに……優衣には絶好調の日しかないように感じる。
僕が両親から貰った遺伝子と、優衣が貰った遺伝子は果たして何が違うんだろうか。誰か教えてほしいものだ。
「いっただっきまーす!」
「……いただきます」
テーブルに並べられたザ・和食な朝食に手を付けていく。
飲み物を取りに行っていた僕も席に着き、食べようとする。が、そこにタイミングよく玄関のチャイムが鳴る。
「なになに? 朝から町内会議?」
「んなわけないだろ……」
後そういう現実的な話やめてくれ。
ただでさえ町内会議の雰囲気と場が苦手だっていうのに、そんなナイーブになりそうな現実押し付けてきやがって……。
まぁ、そんなことは絶対無いんだけど。
ウチは両親が不在。そして長男坊は寮暮らし。この家に暮らしているのは、高校生と中学生のみ。そんな家に自治会が来るわけないのだ。
「誰だろ。私出てこよっか?」
「いいよ。お前今日早いんだから、そのまま食べてろ」
今日日直だって言ってたしな。早めに行きたいとも言ってたし、僕なりに気を使ったつもりだ。
それにしても朝っぱらから何だ? 新聞の勧誘か? 悪いがウチに新聞を取っている余裕なんてない。というより、そんなお金があるならラノベ買うのに使う。
僕は、渋々、玄関の扉を開ける。
新聞の勧誘かと半ば本気に暗示していた僕にとって、今目の前にいる人に少し抵抗を感じてしまっていた。──だって、
「おはよう、晴斗!」
──居たのは新聞の勧誘ではなく、幼馴染だったから。
そして……気になる点がもう1つ。
「……いつからお前は僕を名前で呼ぶようになったんだ?」
「不自然かな?」
「違和感は計り知れないな」
今まで愛称で呼ばれていたのに、急に名前呼びだ。違和感を感じても不思議じゃない。
確か先日、こいつが『名前で呼んで欲しい』と懇願してきたから、今後は出来る限りそうしていくと約束はしたが……何故お前まで?
と、疑問に思っている中、ズカズカと玄関先に上がってくるいちの……渚。
「それで、何故?」
「うん。晴斗が私のことを名前呼びにしてくれるって言ってくれたから、だったら私も、ハル君じゃなくて──『晴斗』って呼びたいなーと思って! まぁ、合わなそうだったらすぐに戻すけど」
「ふーん。つまり、お試しってわけか」
「その通り。それで? どうだった?」
「さっきも言っただろ。違和感しかないから辞めろ」
「あちゃー、ダメか……」
割とガチ目に凹んでいるご様子。
一之瀬渚――僕の昔からの幼馴染で、誰しもが認める才色兼備な美少女。そして、この誰にでもモテる幼馴染は、どういうわけかこんな陰キャで“根暗ぼっち”な僕のことが好きらしい。
「だから、普通に今まで通りで──」
「ねぇ晴斗。お腹空いたー、何か作ってよ」
「おい。今僕の話聞いてたか? 違和感しか生まないから辞めろって……」
「うん、聞いてたよ。でも──それはあくまで晴斗個人の意見でしょ? 私は言いました、合わなそうだったら辞めるって。けどこれは、私個人の意見。つまり晴斗の要望は通りません!」
「横暴すぎだろ……無許可か」
「それに違和感なんて、慣れれば消えていくもんでしょ?」
「……まぁ、そういうもんかもだけど」
「だったら、私の意見が却下される筋合いは無いと思うよ? それでいいね、晴斗?」
「……わかったよ」
本当、今日は女運というやつが無い日だ。
朝っぱらから2人の女に自分の意見を貫かれてしまった……。
「晴兄ー? そんなに新聞勧誘しつこいのー?」
と、呑気に話をしていると、リビングから食事中の優衣が箸を持ったまま玄関先に顔を出してきた。ってか、行儀悪いから箸を持ったまま歩き回るなよ。
後、何さらっと人の心の中読んでんだ。
「……って、あれ? 渚さん?」
「おはよう、優衣ちゃん。もう制服着てるんだね、いつもならもっとのんびりじゃない?」
そしてこの幼馴染は何さも当然のように妹の登校時刻まで把握してるんだよ、恐ろしすぎだろ!
「今日日直なので!」
「そっかー、日直かー」
「……こっちを見るな」
つい先日、一之瀬に日直活動を手伝ってもらったことがある。
ほとんど自主的に動いてくれてはいたが、本当は僕の仕事なのだ。そう思うと良心が痛い……。
「それにしても、優衣ちゃんは朝から元気だね」
「そりゃあ、こんな根暗な晴兄と違って温厚の塊ですからね!」
「悪かったな、温厚じゃない兄で」
優衣は時々、失礼なこと言うよな。まぁそれも“兄妹だから”という理由で片づきそうではあるが。
「あ、そうだ。晴兄、早く食べないと遅刻するよ?」
「はいはい」
僕は優衣に急かされてリビングへ戻ろうとするが、そんな僕のワイシャツの裾をいちの……渚に掴まれその場に無理矢理留められた。
「な、何だよ……朝ご飯は自分で作ってこいよ」
「そ、そうじゃなくて──まだ……聞いてない」
何を? 単純かつ簡単にそう返した。
「……に、日本人の常識! そ、それに、日本のコミュニケーションにおける最も大事とされている作法!」
「……………………」
こいつの言いたいことはすぐにわかった。幼馴染だしな。
だが、普通に『挨拶』って単語を使えないのか? 何でわざわざ遠回りな言い方をしたのか。その理由がさっぱりだ。
それとも、それを言う度胸すら無いのか?
そんなんでよく僕に一世一代の告白なんかが出来たものだ。
まぁでも──渚の言う通り、今日はまだだったな。
「おはよ、渚」
「……お、おはよう」
何故か目を逸らされた。……何で?
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