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第二十四話
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千羽の車が止まったのは、都心から離れた山の中だった。除雪していない部分には、春の膝まで埋まってしまいそうなくらい雪が積もっている。
周りを木で囲われている駐車場は、日中にもかかわらず薄暗い。そこにはすでに多くの車が止まっていて、中には屋根に数センチ雪が積もっている車もあった。今雪は降っていないので、それらの車は数日前からずっとそこに止めてあったのだろうか。
千羽について行くと、灰色の無機質な壁が見えてきた。春はその建物に、肝試しスポットにありがちな廃病院の雰囲気を感じ取って、思わず身震いする。
建物に入ると、昨日の現場と同じくスタッフ証を渡された。それを身につけることに若干抵抗を感じていると、千羽が春のパーカーに安全ピンで固定してしまう。
「ハル、あいさつ」
「あ、よ、おはようございます、おはようございます」
千羽に促され、春はすれ違う人皆に律儀に頭を下げていった。昨日のように、春のことを邪魔と言う高飛車なモデルはいない。若い女性はいても、皆春と同じようにスタッフ証を身につけていた。
ここはどこか、と千羽に訊ねようとした時、春は窓に貼ってあったポスターを目にする。
『ふゆになるまで待って、』
春はそのポスターの前で思わず立ち止まった。
「主演……え」
ポスターに大きく写っている主演俳優は、昨日千羽にヘアメイクされた後の暁人だった。
「帯刀冬哉」ポスターをまじまじと眺めている春の耳元に、千羽が顔を寄せて言った。「読めなかったんだろ?」
千羽は主演俳優の名前を指差す。
「よ、読めるよ! 毬子が前持ってきた雑誌に──」
「あの時は俺だって気づかなかったくせに」
反対側の耳元で急に囁かれて、春は驚いて飛び上がった。
「うっ、わ、暁人!」
「いっ……」
とばっちりを食らったのは千羽。見事に春の後頭部が鼻頭にヒットしていた。
「あー! ごめん、千羽さあん!」
「……主演の顔にヒットしなくてよかったよ」
二人を見ながら、暁人だけがゲラゲラ笑っていた。
春はその後、暁人に現場で本名を呼ばないことを厳重注意され、三人揃って控え室に向かった。建物の中には小部屋がいくつかあり、それらが出演者やスタッフたちの控え室として使われているようだ。
控え室に入るなり、暁人は他の出演者に挨拶をしに行くと言って、千羽は所用を済ませてくると言って、二人は荷物だけ置いて出て行ってしまった。
一人取り残された春は、どうしようかと部屋の中をウロウロする。
すると、突然ドアが開いた。
「あー君、アシスタントの青海くんだね。これ、床山に持ってってくれる? じゃ」
他人の話を聞かない人だった。しかも、声がでかい。
ノックする音は聞こえなかった。ということは、部屋の中に春しかいないことを知っていたのだろうか。
春は、声のでかい人に渡されたものを見た。お菓子の箱のようだが、お菓子にしてはずっしりと重く、少し揺するとじゃらじゃら音がする。
そして、遅すぎる発言をした。
「と、とこやまって、誰ですか……」
春は控え室を出た。黙っていても仕方がない。
近くを通ったスタッフに千羽の居場所を聞き向かうと、そこは昨日若干トラウマになった第六楽屋と内部がよく似た部屋だった。
たくさんの鏡が壁沿いに並び、全ての鏡の前に人が座っている。昨日と違うのは、鏡の前の人たちが皆揃いの白い服を着ていたことくらいだろうか。
「ハル、こっちだ」
入り口付近でオロオロしていると、部屋の奥から千羽が春を呼んだ。春は小声で挨拶をしながら部屋をつっきり、千羽の元へ駆け寄った。
「それ、開けてくれ」
ヘアセットの途中で両手がふさがっている千羽は、春が手に持ったお菓子の箱を開けるよう顎で指し示す。春は言われた通り箱の蓋を開けた。
中には、ヘアピンがたくさん入っていた。どうりで重かったわけだ。
「こ、これ、声の大きい人が」
「ああ。俺がハルに持って来させるよう頼んだんだ」
千羽は箱からヘアピンを数本掴み取ると、口にくわえた。そして、何かをものすごいスピードで頭に固定していく。春は口をあんぐり開けてそのヘアセットの様子を眺めていた。
一人分セットし終えると、千羽は隣の鏡へ移動する。春も箱を抱えたまま千羽にくっついて行った。
隣で作業をしていた人は、千羽に場所を譲って鏡前を離れる。そうやって流れ作業のように同じことを繰り返しているうちに、全員のヘアセットがあっという間に終わっていた。
「ふう。ハル、助かったよ。ありがとう」
「……うん」
ただ箱を持って立っていただけなので、褒められるのがむず痒かった。邪魔と言われることもなく、冷たい視線一つ感じない。それどころか、他のヘアスタイリストも皆春に謝意を示していた。
へこへこと頭を下げながら、春は大事なことを思い出した。
「あ! そうだ千羽さん! とこやまさんって、どの人?」
部屋の中が一瞬にして静まり返り……一瞬にして大爆笑が起こった。
***
「むぅ」
「ハル、悪かったって」
春は、千羽からの再三の謝罪にそっぽを向き続けていた。
後に「床山」がヘアセットを行う人や場所のことを指す用語だと教えてくれたのは、暁人だった。
「これは千羽さんが悪いよ。ハル、なんにもわかってないんだから」
「そうだそうだ」
「ハル、調子に乗ってないでちゃんと業界用語も覚えなね」
調子よく煽りを入れたところで、春も暁人に叱られてしまう。
「あれ、あき──冬哉はその『床山さん』に行かないの?」
「行くよ」
暁人は控え室のドア横に貼ってあるスケジュール表を指差した。誰が何時にどこに行けばいいか、出演者やスタッフの動きがひと目でわかる表だ。
暁人のヘアメイク時間は今から約三十分後だ。
「早く行き過ぎても迷惑だから、誰かが呼びに来ない限りギリギリの時間に行くんだよ」
「へー」
「ま、それまでお菓子でも食べて待ってなよ。これあげる」
暁人がそう言って春に投げて寄越したのは、可愛らしい小袋に入ったチョコレートだった。しかも、可愛らしいイラストが描かれたメモ付き。
「いいのかよ」
「さっき共演者にもらったんだ。まだあるからそれ食べていいよ」
「あ、そう」
人気俳優様のことだ。今頃事務所には死ぬほど同じようなものが届いていることだろう。春はありがたく恩恵にあずかることにした。
「む、千羽しゃんはたへないの?」
暁人が春の分しかくれなかったので気を遣ったのだが、代わりに暁人が答えた。
「千羽さん、甘いもの嫌いなんだよ」
「あ……そう」そう言えば店のチョコを整理している時、清水もそんなことを言っていた。バレンタインを毎年楽しみにしている女子泣かせだな、と春は思った。「チョコ、おいしいのに」
「いくら美味しくても、もらったチョコ全部食ってたら糖尿になるわ」
確かに千羽の言う通り、店にあったチョコを全部一人で消費しようとすると相当なカロリーになる。
「いーなー。糖尿になるくらいもらえてー」
「ま、ハルがくれるってんなら喜んで食べるけど」
千羽は春が食べたチョコの包み紙を指で突っついた。
「え」
「ははは、冗談だよ。どうせもらうことしか考えてないんだろ? 高校生」
千羽は呆れたような、面白がるような笑みを浮かべた。そしてその後すぐ、スタッフに呼ばれて控え室を出て行ってしまう。
春は、ドアを見つめたまま言った。
「……な、なあ」
「ないよ」
まだ何も言っていない。だが、暁人の返事は核心をついていた。
「近くにコンビニなんて、ないよ。ここ山の中だからね」
「うっ……」
春は、今日という日を忘れていたことを激しく後悔した。
「近くにチョコ売ってるとこって……」
「ないよ」
「うっ」
チョコがないわけではない。廊下のケータリングには出演者からの差し入れというチョコがたくさん並んでいたし、運が良ければ春も誰かから義理チョコをもらえるかもしれない。
だが、それでは意味がない。春がケータリングからチョコをくすねたとして、千羽はすぐに、それが自分のために用意されたチョコではないことに気づくだろう。寂しそうに笑う顔が目に浮かぶ。
だからこそ、暁人は春にチョコを差し出した。
「あのさ、チョコいらない?」
特別な包装はされていないし、スーパーやコンビニなどでもよく目にするシンプルな板チョコだった。
春がどういうことかと尋ねる前に、暁人は早口に続けた。
「今日がバレンタインってことすっかり忘れててさ。ここ来る前、家の近くのコンビニで買っちゃったんだよね。おやつにでも食べようと思って。でもほら、この通り」
暁人の前には、様々な包装のチョコが並んでいる。
「でも……他人にもらったものは──」
「だから」暁人は強い口調で言った。「買い取ってくれない? 定価で」
春は一瞬にして顔を輝かせた。
「い、いくら⁉︎」
周りを木で囲われている駐車場は、日中にもかかわらず薄暗い。そこにはすでに多くの車が止まっていて、中には屋根に数センチ雪が積もっている車もあった。今雪は降っていないので、それらの車は数日前からずっとそこに止めてあったのだろうか。
千羽について行くと、灰色の無機質な壁が見えてきた。春はその建物に、肝試しスポットにありがちな廃病院の雰囲気を感じ取って、思わず身震いする。
建物に入ると、昨日の現場と同じくスタッフ証を渡された。それを身につけることに若干抵抗を感じていると、千羽が春のパーカーに安全ピンで固定してしまう。
「ハル、あいさつ」
「あ、よ、おはようございます、おはようございます」
千羽に促され、春はすれ違う人皆に律儀に頭を下げていった。昨日のように、春のことを邪魔と言う高飛車なモデルはいない。若い女性はいても、皆春と同じようにスタッフ証を身につけていた。
ここはどこか、と千羽に訊ねようとした時、春は窓に貼ってあったポスターを目にする。
『ふゆになるまで待って、』
春はそのポスターの前で思わず立ち止まった。
「主演……え」
ポスターに大きく写っている主演俳優は、昨日千羽にヘアメイクされた後の暁人だった。
「帯刀冬哉」ポスターをまじまじと眺めている春の耳元に、千羽が顔を寄せて言った。「読めなかったんだろ?」
千羽は主演俳優の名前を指差す。
「よ、読めるよ! 毬子が前持ってきた雑誌に──」
「あの時は俺だって気づかなかったくせに」
反対側の耳元で急に囁かれて、春は驚いて飛び上がった。
「うっ、わ、暁人!」
「いっ……」
とばっちりを食らったのは千羽。見事に春の後頭部が鼻頭にヒットしていた。
「あー! ごめん、千羽さあん!」
「……主演の顔にヒットしなくてよかったよ」
二人を見ながら、暁人だけがゲラゲラ笑っていた。
春はその後、暁人に現場で本名を呼ばないことを厳重注意され、三人揃って控え室に向かった。建物の中には小部屋がいくつかあり、それらが出演者やスタッフたちの控え室として使われているようだ。
控え室に入るなり、暁人は他の出演者に挨拶をしに行くと言って、千羽は所用を済ませてくると言って、二人は荷物だけ置いて出て行ってしまった。
一人取り残された春は、どうしようかと部屋の中をウロウロする。
すると、突然ドアが開いた。
「あー君、アシスタントの青海くんだね。これ、床山に持ってってくれる? じゃ」
他人の話を聞かない人だった。しかも、声がでかい。
ノックする音は聞こえなかった。ということは、部屋の中に春しかいないことを知っていたのだろうか。
春は、声のでかい人に渡されたものを見た。お菓子の箱のようだが、お菓子にしてはずっしりと重く、少し揺するとじゃらじゃら音がする。
そして、遅すぎる発言をした。
「と、とこやまって、誰ですか……」
春は控え室を出た。黙っていても仕方がない。
近くを通ったスタッフに千羽の居場所を聞き向かうと、そこは昨日若干トラウマになった第六楽屋と内部がよく似た部屋だった。
たくさんの鏡が壁沿いに並び、全ての鏡の前に人が座っている。昨日と違うのは、鏡の前の人たちが皆揃いの白い服を着ていたことくらいだろうか。
「ハル、こっちだ」
入り口付近でオロオロしていると、部屋の奥から千羽が春を呼んだ。春は小声で挨拶をしながら部屋をつっきり、千羽の元へ駆け寄った。
「それ、開けてくれ」
ヘアセットの途中で両手がふさがっている千羽は、春が手に持ったお菓子の箱を開けるよう顎で指し示す。春は言われた通り箱の蓋を開けた。
中には、ヘアピンがたくさん入っていた。どうりで重かったわけだ。
「こ、これ、声の大きい人が」
「ああ。俺がハルに持って来させるよう頼んだんだ」
千羽は箱からヘアピンを数本掴み取ると、口にくわえた。そして、何かをものすごいスピードで頭に固定していく。春は口をあんぐり開けてそのヘアセットの様子を眺めていた。
一人分セットし終えると、千羽は隣の鏡へ移動する。春も箱を抱えたまま千羽にくっついて行った。
隣で作業をしていた人は、千羽に場所を譲って鏡前を離れる。そうやって流れ作業のように同じことを繰り返しているうちに、全員のヘアセットがあっという間に終わっていた。
「ふう。ハル、助かったよ。ありがとう」
「……うん」
ただ箱を持って立っていただけなので、褒められるのがむず痒かった。邪魔と言われることもなく、冷たい視線一つ感じない。それどころか、他のヘアスタイリストも皆春に謝意を示していた。
へこへこと頭を下げながら、春は大事なことを思い出した。
「あ! そうだ千羽さん! とこやまさんって、どの人?」
部屋の中が一瞬にして静まり返り……一瞬にして大爆笑が起こった。
***
「むぅ」
「ハル、悪かったって」
春は、千羽からの再三の謝罪にそっぽを向き続けていた。
後に「床山」がヘアセットを行う人や場所のことを指す用語だと教えてくれたのは、暁人だった。
「これは千羽さんが悪いよ。ハル、なんにもわかってないんだから」
「そうだそうだ」
「ハル、調子に乗ってないでちゃんと業界用語も覚えなね」
調子よく煽りを入れたところで、春も暁人に叱られてしまう。
「あれ、あき──冬哉はその『床山さん』に行かないの?」
「行くよ」
暁人は控え室のドア横に貼ってあるスケジュール表を指差した。誰が何時にどこに行けばいいか、出演者やスタッフの動きがひと目でわかる表だ。
暁人のヘアメイク時間は今から約三十分後だ。
「早く行き過ぎても迷惑だから、誰かが呼びに来ない限りギリギリの時間に行くんだよ」
「へー」
「ま、それまでお菓子でも食べて待ってなよ。これあげる」
暁人がそう言って春に投げて寄越したのは、可愛らしい小袋に入ったチョコレートだった。しかも、可愛らしいイラストが描かれたメモ付き。
「いいのかよ」
「さっき共演者にもらったんだ。まだあるからそれ食べていいよ」
「あ、そう」
人気俳優様のことだ。今頃事務所には死ぬほど同じようなものが届いていることだろう。春はありがたく恩恵にあずかることにした。
「む、千羽しゃんはたへないの?」
暁人が春の分しかくれなかったので気を遣ったのだが、代わりに暁人が答えた。
「千羽さん、甘いもの嫌いなんだよ」
「あ……そう」そう言えば店のチョコを整理している時、清水もそんなことを言っていた。バレンタインを毎年楽しみにしている女子泣かせだな、と春は思った。「チョコ、おいしいのに」
「いくら美味しくても、もらったチョコ全部食ってたら糖尿になるわ」
確かに千羽の言う通り、店にあったチョコを全部一人で消費しようとすると相当なカロリーになる。
「いーなー。糖尿になるくらいもらえてー」
「ま、ハルがくれるってんなら喜んで食べるけど」
千羽は春が食べたチョコの包み紙を指で突っついた。
「え」
「ははは、冗談だよ。どうせもらうことしか考えてないんだろ? 高校生」
千羽は呆れたような、面白がるような笑みを浮かべた。そしてその後すぐ、スタッフに呼ばれて控え室を出て行ってしまう。
春は、ドアを見つめたまま言った。
「……な、なあ」
「ないよ」
まだ何も言っていない。だが、暁人の返事は核心をついていた。
「近くにコンビニなんて、ないよ。ここ山の中だからね」
「うっ……」
春は、今日という日を忘れていたことを激しく後悔した。
「近くにチョコ売ってるとこって……」
「ないよ」
「うっ」
チョコがないわけではない。廊下のケータリングには出演者からの差し入れというチョコがたくさん並んでいたし、運が良ければ春も誰かから義理チョコをもらえるかもしれない。
だが、それでは意味がない。春がケータリングからチョコをくすねたとして、千羽はすぐに、それが自分のために用意されたチョコではないことに気づくだろう。寂しそうに笑う顔が目に浮かぶ。
だからこそ、暁人は春にチョコを差し出した。
「あのさ、チョコいらない?」
特別な包装はされていないし、スーパーやコンビニなどでもよく目にするシンプルな板チョコだった。
春がどういうことかと尋ねる前に、暁人は早口に続けた。
「今日がバレンタインってことすっかり忘れててさ。ここ来る前、家の近くのコンビニで買っちゃったんだよね。おやつにでも食べようと思って。でもほら、この通り」
暁人の前には、様々な包装のチョコが並んでいる。
「でも……他人にもらったものは──」
「だから」暁人は強い口調で言った。「買い取ってくれない? 定価で」
春は一瞬にして顔を輝かせた。
「い、いくら⁉︎」
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