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第31話 パーティ結成
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いろいろと考えさせられる事が多かったサリュ領への小旅行を終え、俺はこれから日常を過ごす事になる冒険者学園へと帰ってきた。
月曜日の講義の1限目、全クラスを集めて行われた〈修学課題〉の説明会に俺たちは出席していた。
「既に知っている者も多いように、今週の水曜日から日曜日までの5日間をかけて、諸君にはオーベル王国西方にあるサリュ領都マークを拠点にして、修学課題を行ってもらう」
講堂の檀上で語るのは、俺たちの担任でもある金髪の筋骨隆々とした大男、カサドール教官であった。
「修学課題においては、サリュ領で実際に冒険者が行うような業務を課題として行ってもらい、その実績に応じて成績評価を行う。そのために諸君には、所属するクラスにおいて4人組のパーティを組んでもらう。このために各クラスの人数は4の倍数に調整されているため、欠席は原則許されない。体調管理にも気を付け、水曜日を待つように」
「……4人組のパーティかぁ。サルヴァっちは誰と組むのかなぁ?」
「……私語は控えたらどうだ、ユエ?」
カサドール教官が話しているのにも構わず話しかけてくるユエを、俺は真面目にたしなめておく。一応首席だし、多少は優等生ムーブをしておいてもいいだろう。
その後も、サリュ領での予定や冒険者としての課題の注意点などについてこまごまとしたアナウンスが成されて、その会はお開きとなった。
「サルヴァ……わたしはサルヴァと組みたい。いい?」
と、教室まで戻ろうと歩き出したところで、驚くべき事にメインヒロインであるシエルから、積極的なお誘いを貰ってしまった。
「いいけど、なんで俺がいいんだ?」
「……勘。サルヴァには、びびっと惹かれるような、何かがあるから」
思わずドキリとしてしまうような事を平気で言ってのけるシエルの胆力の強さに、メインヒロインとしてのヒロイン力の高さを感じ、本当に俺はこの子が好きだったよなぁ、とかつてのデウスをプレイしていた頃の自分の事を思い出してしまった。
ふわふわとした白髪を伸ばした髪が揺れると少女らしい香りが漂い、桃色がかった可憐な瞳が、きょとんとした表情のままでまっすぐに俺の魂を射抜く。
「……そうか。まあ、俺は構わないよ」
シエルが可愛すぎて、思わず了承の返事をしてしまう俺であった。
「サルヴァさん。それでしたらわたしもサルヴァさんと組みたいのですが、ダメでしょうか?」
と、そこで今度は反対側からアリーシャが話しかけてくる。
その正体は秘密結社〈円環の唄〉の〈恋の秘密を唄う使徒〉であり、最近この組織の使徒たちと触れ合う機会が多かった俺としては、できれば一緒に行動する事は避けたい相手だとも感じていたのだが……
「……サルヴァさんについていけば、美味しいお菓子をくれそうな予感がしたんです。そうしたら、サルヴァさんの事ももっと好きになれて、とってもハッピーだなって」
このアリーシャ、水色の髪に紫色の神秘的な瞳が抜群に可愛い、とんでもない美少女である。そんな可愛すぎる女の子が、「サルヴァさんの事をもっと好きに」なんて言ってきた日には、俺のような童貞のまま死を迎えた転生者にできる抵抗など無いといってもいいだろう。
「ま、まあ、いいぞ……組もうか」
「せっかくですし、ルークさんも連れて行きましょうか」
「え、俺?」
アリーシャの鶴の一声で、デウスにおける主人公、ルークもメンバーに加わった。
それに俺自身を加えたこの4名が、俺の最初の修学課題でのパーティメンバーとなったらしい。
原作でも好きだったキャラクターたちと一緒の冒険に、思わず胸が高鳴るのを感じる俺であったが、原作とは異なるメンバー構成に、またしても原作崩壊の予感を感じとる事は避けられなかった。
その後は、修学課題に向けた戦闘訓練の授業、魔物討伐の授業、野営などサバイバルの授業などを行いながら月曜日と火曜日が過ぎ、俺たちは修学課題の当日を迎える事となっていたのだった。
月曜日の講義の1限目、全クラスを集めて行われた〈修学課題〉の説明会に俺たちは出席していた。
「既に知っている者も多いように、今週の水曜日から日曜日までの5日間をかけて、諸君にはオーベル王国西方にあるサリュ領都マークを拠点にして、修学課題を行ってもらう」
講堂の檀上で語るのは、俺たちの担任でもある金髪の筋骨隆々とした大男、カサドール教官であった。
「修学課題においては、サリュ領で実際に冒険者が行うような業務を課題として行ってもらい、その実績に応じて成績評価を行う。そのために諸君には、所属するクラスにおいて4人組のパーティを組んでもらう。このために各クラスの人数は4の倍数に調整されているため、欠席は原則許されない。体調管理にも気を付け、水曜日を待つように」
「……4人組のパーティかぁ。サルヴァっちは誰と組むのかなぁ?」
「……私語は控えたらどうだ、ユエ?」
カサドール教官が話しているのにも構わず話しかけてくるユエを、俺は真面目にたしなめておく。一応首席だし、多少は優等生ムーブをしておいてもいいだろう。
その後も、サリュ領での予定や冒険者としての課題の注意点などについてこまごまとしたアナウンスが成されて、その会はお開きとなった。
「サルヴァ……わたしはサルヴァと組みたい。いい?」
と、教室まで戻ろうと歩き出したところで、驚くべき事にメインヒロインであるシエルから、積極的なお誘いを貰ってしまった。
「いいけど、なんで俺がいいんだ?」
「……勘。サルヴァには、びびっと惹かれるような、何かがあるから」
思わずドキリとしてしまうような事を平気で言ってのけるシエルの胆力の強さに、メインヒロインとしてのヒロイン力の高さを感じ、本当に俺はこの子が好きだったよなぁ、とかつてのデウスをプレイしていた頃の自分の事を思い出してしまった。
ふわふわとした白髪を伸ばした髪が揺れると少女らしい香りが漂い、桃色がかった可憐な瞳が、きょとんとした表情のままでまっすぐに俺の魂を射抜く。
「……そうか。まあ、俺は構わないよ」
シエルが可愛すぎて、思わず了承の返事をしてしまう俺であった。
「サルヴァさん。それでしたらわたしもサルヴァさんと組みたいのですが、ダメでしょうか?」
と、そこで今度は反対側からアリーシャが話しかけてくる。
その正体は秘密結社〈円環の唄〉の〈恋の秘密を唄う使徒〉であり、最近この組織の使徒たちと触れ合う機会が多かった俺としては、できれば一緒に行動する事は避けたい相手だとも感じていたのだが……
「……サルヴァさんについていけば、美味しいお菓子をくれそうな予感がしたんです。そうしたら、サルヴァさんの事ももっと好きになれて、とってもハッピーだなって」
このアリーシャ、水色の髪に紫色の神秘的な瞳が抜群に可愛い、とんでもない美少女である。そんな可愛すぎる女の子が、「サルヴァさんの事をもっと好きに」なんて言ってきた日には、俺のような童貞のまま死を迎えた転生者にできる抵抗など無いといってもいいだろう。
「ま、まあ、いいぞ……組もうか」
「せっかくですし、ルークさんも連れて行きましょうか」
「え、俺?」
アリーシャの鶴の一声で、デウスにおける主人公、ルークもメンバーに加わった。
それに俺自身を加えたこの4名が、俺の最初の修学課題でのパーティメンバーとなったらしい。
原作でも好きだったキャラクターたちと一緒の冒険に、思わず胸が高鳴るのを感じる俺であったが、原作とは異なるメンバー構成に、またしても原作崩壊の予感を感じとる事は避けられなかった。
その後は、修学課題に向けた戦闘訓練の授業、魔物討伐の授業、野営などサバイバルの授業などを行いながら月曜日と火曜日が過ぎ、俺たちは修学課題の当日を迎える事となっていたのだった。
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