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第一部 目覚めの少女と嘆きの神
14話 母の足跡4
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メイア率いる近衛特務隊、第三小隊の詰め所。メイアはお茶を飲みながら、六人の部下達相手に、娘との関係についてぼやいていた。
「で、結局、残り二分もあったのに、通話を切り上げてしまった・・・・」
それに対し、部下達からは思い思いの意見が返ってくる。
「でも素直ないい娘さんじゃないですか。そこは小隊長が、もっと素直になるべきっす」
「そうですよ。これ以上距離が開いたら、本格的に難しい親子になっちゃいますよ」
「いや、俺はイナホちゃんがいずれ、結婚でもする時を機にでもいいと思うね」
「ていうか、小隊長は私らにはこうして話すのに、何でだめなんです?」
「そりゃ親子だからこそってのがあるだろ」
湯呑に口をつけたまま、メイアは少し眉をひそめ、各々の意見が飛び交う様子を見ている。その中で黙々とノート型の端末で作業をしていた、一人の部下が、皆の会話を割るように発言した。
「小隊長、ちょっとこれ見てください。前頼まれてた例のやつ、金の流れを追ってたんですけど」
そう言いながら、端末の画面を大型のモニターに共有すると、団欒としていた隊員たちもそちらに向き直り、真剣な表情になった。すると続けて、
「大山バイオテックの子会社から、資金提供を受けた形跡がある企業数社が、十数年前を境に急成長しています」
「それって普通の経済活動なんじゃないのか?」
男性隊員がごく普通の感想を言うと、メイアは湯呑を机に置き、指を組むと続けろと促した。
「はい、一見するとそうなんですが、この子会社というのが、いくつかあって、半分以上は実体の怪しい幽霊企業なんです。税務局の閲覧権限も破ってはみたんですけど、それでも金の流れが途中から不鮮明で、どこかで資金洗浄されてると思われます。もし流れを掴めれば、証拠を押さえられます」
渋い顔のメイアは、
「なかなか尻尾を掴めないな。八十根、もう一つ頼んでいた、狩ったクバンダの分析報告の大本データはどうだった?」
すぐさま八十根は次のデータファイルを開いた。
「それも調べてはみたんですが、相当慎重にやってるのか、改ざんや消去といった、特に不審な点はなかったですね。ただ・・・」
メイアは軽く資料を見渡すと、
「やけにスッキリし過ぎているな、わざと手を抜いているようだ」
「そうなんです。普段我々には、担当部署がまとめた報告しか上がってきませんから、元分子生物学者の小隊長みたいに、見る人が見ればそう見えるでしょう。うちの分析委託先、その大半は、大山バイオテック傘下にある機関というのがやはり・・・・」
メイアは拳を握ると思わず机を叩く。湯呑の中の残っていたお茶が跳ねた。
「もどかしいな。クバンダ出現の原因と証拠を、あと少しで掴めるという所まで来ているのに。三月の残したデータさえ破壊されなければ、今頃とっくに・・・!奴らを泳がせるのも限界だ、近々、蜂の巣を突いてみるか」
大柄な隊員は腕組みしながら、
「やはり小隊長は、大隊内部にも買収か内通があると?」
「証拠は無いがな。先の一件で疑いが強まった。これまでもそうだが、進展があれば、私達、第三小隊単独で動くことになる。皆、最後まで付き合ってもらえるか?」
頭の後ろに手を組んだまま、椅子に座る部下の一人が答える。
「何を今更。今のとこ、死者ゼロなのはうちだけなんすよ?どれだけの恩があると思ってるんすか。小隊長について行くっすよ!」
それに続くよう、一同は声を揃えて了解の意を示すと、メイアは感謝を含んだ笑みを浮かべた。
「で、結局、残り二分もあったのに、通話を切り上げてしまった・・・・」
それに対し、部下達からは思い思いの意見が返ってくる。
「でも素直ないい娘さんじゃないですか。そこは小隊長が、もっと素直になるべきっす」
「そうですよ。これ以上距離が開いたら、本格的に難しい親子になっちゃいますよ」
「いや、俺はイナホちゃんがいずれ、結婚でもする時を機にでもいいと思うね」
「ていうか、小隊長は私らにはこうして話すのに、何でだめなんです?」
「そりゃ親子だからこそってのがあるだろ」
湯呑に口をつけたまま、メイアは少し眉をひそめ、各々の意見が飛び交う様子を見ている。その中で黙々とノート型の端末で作業をしていた、一人の部下が、皆の会話を割るように発言した。
「小隊長、ちょっとこれ見てください。前頼まれてた例のやつ、金の流れを追ってたんですけど」
そう言いながら、端末の画面を大型のモニターに共有すると、団欒としていた隊員たちもそちらに向き直り、真剣な表情になった。すると続けて、
「大山バイオテックの子会社から、資金提供を受けた形跡がある企業数社が、十数年前を境に急成長しています」
「それって普通の経済活動なんじゃないのか?」
男性隊員がごく普通の感想を言うと、メイアは湯呑を机に置き、指を組むと続けろと促した。
「はい、一見するとそうなんですが、この子会社というのが、いくつかあって、半分以上は実体の怪しい幽霊企業なんです。税務局の閲覧権限も破ってはみたんですけど、それでも金の流れが途中から不鮮明で、どこかで資金洗浄されてると思われます。もし流れを掴めれば、証拠を押さえられます」
渋い顔のメイアは、
「なかなか尻尾を掴めないな。八十根、もう一つ頼んでいた、狩ったクバンダの分析報告の大本データはどうだった?」
すぐさま八十根は次のデータファイルを開いた。
「それも調べてはみたんですが、相当慎重にやってるのか、改ざんや消去といった、特に不審な点はなかったですね。ただ・・・」
メイアは軽く資料を見渡すと、
「やけにスッキリし過ぎているな、わざと手を抜いているようだ」
「そうなんです。普段我々には、担当部署がまとめた報告しか上がってきませんから、元分子生物学者の小隊長みたいに、見る人が見ればそう見えるでしょう。うちの分析委託先、その大半は、大山バイオテック傘下にある機関というのがやはり・・・・」
メイアは拳を握ると思わず机を叩く。湯呑の中の残っていたお茶が跳ねた。
「もどかしいな。クバンダ出現の原因と証拠を、あと少しで掴めるという所まで来ているのに。三月の残したデータさえ破壊されなければ、今頃とっくに・・・!奴らを泳がせるのも限界だ、近々、蜂の巣を突いてみるか」
大柄な隊員は腕組みしながら、
「やはり小隊長は、大隊内部にも買収か内通があると?」
「証拠は無いがな。先の一件で疑いが強まった。これまでもそうだが、進展があれば、私達、第三小隊単独で動くことになる。皆、最後まで付き合ってもらえるか?」
頭の後ろに手を組んだまま、椅子に座る部下の一人が答える。
「何を今更。今のとこ、死者ゼロなのはうちだけなんすよ?どれだけの恩があると思ってるんすか。小隊長について行くっすよ!」
それに続くよう、一同は声を揃えて了解の意を示すと、メイアは感謝を含んだ笑みを浮かべた。
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