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あらすじ
第4話 出会い
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会社を辞めると意気込み帰宅した私は私は暫し何も考えられない状態だった。
給与は貰えていないが辞めずにいれば回収することも可能性としては0ではない。
そしてなにより築いた地位が無くなった。
つまりこれが意味するのは私がこのキャバクラの会社に注いだ2年半が全て無駄になったのだ。
金も、地位も、そして人脈も。
毎週火曜~日曜まで働き月曜休む。
それを2年半続けてきた私にとって、キャバクラという空間は生活の、いやそれ以上に私の一部だったのだろう。
喪失感というのはこういうことなのだと身に染みるくらい、胸に穴が空いたかのような、地に足がつかないような感覚に苛まされた。
唯一の救いは私が囲ったキャストの「みき」が私について来たことだ。
つまり「ヒモ」として私は生活していくことができた。
そして私はみきが稼いできた金を数万円単位でオンラインゲームにつぎ込む毎日。
結局何も変わっていなかった。
私は日に日に自暴自棄になっていく自分を感じていた。
このままではいけないという焦燥感と完全に「ヒモ」になったことによる社会への、そして働いて自立している同級生への敗北感、捧げてきたものが全て無くなったことによる喪失感、これらの負の感情に支配された私は、励ましの言葉をかけるみきにすら見下されていると感じていた。
「今まで頑張ってきたからその反動があるんだよ、だから今は休もうね。」
みきは天然で可愛い子だった。
こんな私に尽くしてくれるのは後にも先にも彼女だけだろう。
不思議な思考回路を持つ彼女は普通に言えばただの馬鹿な子でもある。
彼女なりに励ましの言葉を考えてくれたようだが私はそれを素直に受け入れることができなかった。
私はみきの言葉に返事もせず、オンラインゲームにのめり込んでいった。
次の日も次の日も。
起きてはゲーム、疲れては寝る。
次の日も次の日も。
夜はみきが仕事に出かけるため、オンラインゲームをするときはボイスチャットを使っていた。
私はFPSと呼ばれるカテゴリー
(一人称シューティングゲーム)
を好んでいた。
戦争を題材にしたとあるゲームをしていて、ある時ゲーム内で仲良くなった男がいた。
「緑くん」と名乗る男はボイスチャット上でよく喋る好青年という印象だった。
何がキッカケなのかはわからないが、緑くんとボイスチャットで会話を積み重ねていくうちにプライベートな話をするようになった。
「どこに住んでいるのか」
「仕事は何をしてるのか」
「そもそも何歳だったのか」
お互いにきになることをぺらぺらと喋っていくうちに驚きの事実が分かった。
緑くんと私が住んでいるところはほぼ隣町、緑くんはなんと自営業で店舗を構えているということだった。
しかし人手が足りずスケジュール管理や企画や営業に手が回らないため事業拡張の糸口を掴めずにいると笑いながら話す緑くんに私はここぞとばかりに食い込んだ質問をする。
「毎日のおおよその行動スケジュールは?」
「原価率は?」
「なぜ人を増やさないの?」
ほかにも数々の質問をした私に緑くんは逆に興味を抱いたようだった。
特有の語尾を伸ばす気の抜けた声で緑くんがいう。
「もしぃ よかったらぁ 一回会って仕事の話をしませんかぁ?」
どうやら私の過去の経歴に興味があり、人当たりのいい私の喋り方は営業に向いていると判断したようだった。
そしてバランスシートの作成やキャッシュフローを分析して経営コンサルをしてほしい、とも。
私は二つ返事でそれを承諾した。
「利益がでたら顧問料くださいね」
と。
給与は貰えていないが辞めずにいれば回収することも可能性としては0ではない。
そしてなにより築いた地位が無くなった。
つまりこれが意味するのは私がこのキャバクラの会社に注いだ2年半が全て無駄になったのだ。
金も、地位も、そして人脈も。
毎週火曜~日曜まで働き月曜休む。
それを2年半続けてきた私にとって、キャバクラという空間は生活の、いやそれ以上に私の一部だったのだろう。
喪失感というのはこういうことなのだと身に染みるくらい、胸に穴が空いたかのような、地に足がつかないような感覚に苛まされた。
唯一の救いは私が囲ったキャストの「みき」が私について来たことだ。
つまり「ヒモ」として私は生活していくことができた。
そして私はみきが稼いできた金を数万円単位でオンラインゲームにつぎ込む毎日。
結局何も変わっていなかった。
私は日に日に自暴自棄になっていく自分を感じていた。
このままではいけないという焦燥感と完全に「ヒモ」になったことによる社会への、そして働いて自立している同級生への敗北感、捧げてきたものが全て無くなったことによる喪失感、これらの負の感情に支配された私は、励ましの言葉をかけるみきにすら見下されていると感じていた。
「今まで頑張ってきたからその反動があるんだよ、だから今は休もうね。」
みきは天然で可愛い子だった。
こんな私に尽くしてくれるのは後にも先にも彼女だけだろう。
不思議な思考回路を持つ彼女は普通に言えばただの馬鹿な子でもある。
彼女なりに励ましの言葉を考えてくれたようだが私はそれを素直に受け入れることができなかった。
私はみきの言葉に返事もせず、オンラインゲームにのめり込んでいった。
次の日も次の日も。
起きてはゲーム、疲れては寝る。
次の日も次の日も。
夜はみきが仕事に出かけるため、オンラインゲームをするときはボイスチャットを使っていた。
私はFPSと呼ばれるカテゴリー
(一人称シューティングゲーム)
を好んでいた。
戦争を題材にしたとあるゲームをしていて、ある時ゲーム内で仲良くなった男がいた。
「緑くん」と名乗る男はボイスチャット上でよく喋る好青年という印象だった。
何がキッカケなのかはわからないが、緑くんとボイスチャットで会話を積み重ねていくうちにプライベートな話をするようになった。
「どこに住んでいるのか」
「仕事は何をしてるのか」
「そもそも何歳だったのか」
お互いにきになることをぺらぺらと喋っていくうちに驚きの事実が分かった。
緑くんと私が住んでいるところはほぼ隣町、緑くんはなんと自営業で店舗を構えているということだった。
しかし人手が足りずスケジュール管理や企画や営業に手が回らないため事業拡張の糸口を掴めずにいると笑いながら話す緑くんに私はここぞとばかりに食い込んだ質問をする。
「毎日のおおよその行動スケジュールは?」
「原価率は?」
「なぜ人を増やさないの?」
ほかにも数々の質問をした私に緑くんは逆に興味を抱いたようだった。
特有の語尾を伸ばす気の抜けた声で緑くんがいう。
「もしぃ よかったらぁ 一回会って仕事の話をしませんかぁ?」
どうやら私の過去の経歴に興味があり、人当たりのいい私の喋り方は営業に向いていると判断したようだった。
そしてバランスシートの作成やキャッシュフローを分析して経営コンサルをしてほしい、とも。
私は二つ返事でそれを承諾した。
「利益がでたら顧問料くださいね」
と。
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