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間章
流水の奥底
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「マリアナ殿。テネレには、もう手紙を送ったのだな」
王は窓から見える街の景色をキャンバスの上に描いているところだ。
「はい!」
マリアナは王に対して敬礼をする。
オール国の王の名は、タイダル。
「そうか。話が変わるが、今年の側近は誰になったのだ」
「蒼、サンダー、ランツェの3人のようです」
「私も、会ってみたいものだな。マリアナ殿は顔は見ていたのだろう。どのような印象を受けた」
タイダルは、筆を止め、マリアナの方を見る。
「3人共全員、勇気と元気で満ち溢れていました」
「そうか、依頼を頼むついでにその新しい側近たちを招待してくれ」
「畏まりました」
「タイダル様の様子はどうだったのだ?いい反応だったか?」
もう一人の側近であるロタが事務室の前で待っていた。
「ある程度はな・・ずっと聞いていたのか」
「いや最後の5分ぐらいの内容だけだぞ。確かに声はいつもよりかは元気そうだったな」
「そうだな。最近は忙しいことが多いらしいからな」
場所は変わり、海近くの街・・。
潮の匂いが強めだ、人々の声でも波の音が打ち消せていない。
「はぁ。久しぶりの単独任務ね。・・まぁ、調査するだけだしね。(戦闘が起こる可能性は低め・・)」
彼女は、オール国大佐のスカイ。
総合軍の少佐でもある。
今は、天使の力を利用し、上空から不審者がいないかを偵察している最中だ。
「(でも、こんな目立つように飛んでいたら、意味がないわね)はぁ、怪しい箇所を実際に見に行くしかないわね・・まずは、あそこかな」
不審情報が時折入ってくる、路地にあるバーだ。
同刻、バー内部。
「この店で一番高いワインをグラス一杯。それと、それに合う料理をお願い!」
可愛らしい声をした女の子が注文をする。
「えっとー」
黒が主体のお嬢様服を着た青白いツインテールの16歳くらいの見た目をしている。
どう見ても、まだお酒が飲める年齢には見えない。
「見ない顔だね・・失礼かもしれないけど、何歳?」
「こう見えて、30年は生きているよ。知っていると思うけど、世界には様々な種族がいるからね。私は長生きする方の種族ってことよ」
少女が淡々と喋る。
「それは失礼だった。お詫びとして、一品料理の方はおまけしとくよ」
「フフッ。ありがとう。・・バーテンダーさん、少し聞きたいことがあるのだけど」
「オッケーだ。話し相手になるのも、バーテンダーの仕事の一つだ」
少女はスカートのポケットから3枚くらいの紙を取り出した。
王宮、午後6時・・。
雲は少なく、空はきれいな夕焼けが広がっている。
「うっ!目が疲れてきたな(少し・・休むか)」
タイダルは、筆とパレットをそっと机の上に置いた。
「大丈夫ですか、タイダル様」
「ああ!少し・・寝れば問題ない。夕食は・・できれば、持ってきて置いておいてくれ。と伝えてくれ!」
そう言うと、寝室の方に移動しだした。
王は窓から見える街の景色をキャンバスの上に描いているところだ。
「はい!」
マリアナは王に対して敬礼をする。
オール国の王の名は、タイダル。
「そうか。話が変わるが、今年の側近は誰になったのだ」
「蒼、サンダー、ランツェの3人のようです」
「私も、会ってみたいものだな。マリアナ殿は顔は見ていたのだろう。どのような印象を受けた」
タイダルは、筆を止め、マリアナの方を見る。
「3人共全員、勇気と元気で満ち溢れていました」
「そうか、依頼を頼むついでにその新しい側近たちを招待してくれ」
「畏まりました」
「タイダル様の様子はどうだったのだ?いい反応だったか?」
もう一人の側近であるロタが事務室の前で待っていた。
「ある程度はな・・ずっと聞いていたのか」
「いや最後の5分ぐらいの内容だけだぞ。確かに声はいつもよりかは元気そうだったな」
「そうだな。最近は忙しいことが多いらしいからな」
場所は変わり、海近くの街・・。
潮の匂いが強めだ、人々の声でも波の音が打ち消せていない。
「はぁ。久しぶりの単独任務ね。・・まぁ、調査するだけだしね。(戦闘が起こる可能性は低め・・)」
彼女は、オール国大佐のスカイ。
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今は、天使の力を利用し、上空から不審者がいないかを偵察している最中だ。
「(でも、こんな目立つように飛んでいたら、意味がないわね)はぁ、怪しい箇所を実際に見に行くしかないわね・・まずは、あそこかな」
不審情報が時折入ってくる、路地にあるバーだ。
同刻、バー内部。
「この店で一番高いワインをグラス一杯。それと、それに合う料理をお願い!」
可愛らしい声をした女の子が注文をする。
「えっとー」
黒が主体のお嬢様服を着た青白いツインテールの16歳くらいの見た目をしている。
どう見ても、まだお酒が飲める年齢には見えない。
「見ない顔だね・・失礼かもしれないけど、何歳?」
「こう見えて、30年は生きているよ。知っていると思うけど、世界には様々な種族がいるからね。私は長生きする方の種族ってことよ」
少女が淡々と喋る。
「それは失礼だった。お詫びとして、一品料理の方はおまけしとくよ」
「フフッ。ありがとう。・・バーテンダーさん、少し聞きたいことがあるのだけど」
「オッケーだ。話し相手になるのも、バーテンダーの仕事の一つだ」
少女はスカートのポケットから3枚くらいの紙を取り出した。
王宮、午後6時・・。
雲は少なく、空はきれいな夕焼けが広がっている。
「うっ!目が疲れてきたな(少し・・休むか)」
タイダルは、筆とパレットをそっと机の上に置いた。
「大丈夫ですか、タイダル様」
「ああ!少し・・寝れば問題ない。夕食は・・できれば、持ってきて置いておいてくれ。と伝えてくれ!」
そう言うと、寝室の方に移動しだした。
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