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側近選抜試験
試験−3
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2回戦Aブロック・・。
「さぁ、2回戦のスタートです!両者チームの入場です!」
なぜだか知らないが、2回戦から実況がされるようだ。裏にいても聞こえるくらいの声だ。
「行くよ、2人共」
「もちろん!」「分かってる!」
蒼達が表舞台に出ると共に、ワー!と盛大な歓声が上がる。
そして、目の前にいる対戦相手は、ルイス達だ。
「さて、どうするか・・(蒼に攻撃を当てることは、オレやアクセルじゃ、99%不可能だろう。だが、そのためにラムがいる)」
ルイスがチラッとラムの方を向いた。そして、お互いに頷き合っている。
「ルイスさん、何をしようとしているか分かりませんが・・。オレに攻撃を当てることは、無理で・・」
そう言い終えようとした時だった。ルイスの投げたナイフが、蒼の頬をかすった。
「何だ!(ちゃんと、バリアも発動したはず。タイミングがずれたか・・)」
「何が起こったかわからないでしょ」
ラムが語りかけてきている。おそらく、ラムが何かしたのだろう。
「大丈夫?蒼。彼女の能力について説明しそびれたわね・・彼女の能力は・・」
「私の能力は、空間の圧縮よ」
蒼とサンダーはどういう能力か、具体的な想像がつかず、ぽかんとしていた。
「具体的にいうと・・」
ランツェの説明によると。
一辺0~20センチほどの半透明の立方体を作り出し、押しつぶすというものだ。同時に作り出せる数は、4つ。そして、それは生物も押しつぶすことができるようだ。
「なるほど・・(バリアを発動したとしても、いくらでも穴を開けられてしまうというわけだ。かなり厄介だな。それに、下手すれば、体の一部が潰される)やばいな」
「作戦はどうする?ランツェ。各個1対1で行くか、3対3で行くか。決めてくれ」
確かにどちらの戦法もありだ。
だが、蒼にとっての天敵は、ラム一人のみ。前者の案でいくのが妥当だろう。
「オレは、1対1に賛成だ。オレがルイスの相手をする」
「なら、私はアクセルさんだ」
やはり、ラムの相手はランツェに任せたほうがいいだろう。ランツェが彼女の能力に一番慣れていて、詳しいからだ。
「1対1に持ち込む気か!無駄だぞ!ラムの圧縮が届く範囲は直径60メートルまでに及ぶ、この闘技場全体だ。逃場はないぞ」
確かにルイスの言う通りかもしれない。だが、ラムの気を少しでもそらせるなら十分だ。それに、多少なりとも防げる方法を思いついた。
「大丈夫だ、ランツェ。1対1の方法で行こう!」
「・・わかった。それじゃあ、作戦開始」
蒼達3人はそれぞれ散らばった。
「どうするの、ルイス。1対1、それとも強制的に3対3に持ち込ませる?」
「フッ、面白い。蒼達のやり方に乗ってやろう。ちょうど、蒼と真剣勝負したかったところだ!」
ルイスはそう言うと、ラムたちが止める間もなく、蒼のところに突っ走った。
「はぁ、仕方がないね。私はランツェの相手をするから、アクセルの方も負けないでね」
「わかってる。(自分はあまり体術はできないんだけど、なんとかなるよな。魔法の技術の自信はあるから・・)」
ーサンダー対アクセルー
「まさか、サンダー。君と戦うことになるとは・・。治療した君を再び、怪我をが負わせる羽目になるとは・・。医者としては、失格だけど」
「大丈夫だ!そもそも怪我なんか負わないからな、負う前に戦闘不能にすればいいだけの話だ。治療してくれたからとはいえ、手を抜く気はない!」
サンダーは刀を抜き、構え、刃先をアクセルに向ける。
そして、その1秒後にはアクセルの目の前まで迫る。
「速い!」
ビリリッと電撃音が鳴り響く。
その音の正体は、サンダーが刀に付与した雷属性だ。黄色の電撃がサンダーの刀にサンダーは下から、刀を振り上げる。
ブンッという風切音と電撃音が同時に鳴る。
アクセルは反射的にギリギリ、頭をのけぞらせて、避けたようだ。
「痛っ!・・やるね」
直撃は避けられたものの電撃がアクセルの顎辺りにかすり傷を負わせられた。
「私の攻撃はこれだけで終わりではない」
「なっ!(動けない)」
サンダーは、動きが静止しているアクセルの腹に蹴りを入れた。
「グッ!ハァハァ!(やっと動かせる)」
「その顎にある傷口から雷を流し込んだ!そして、食らわせた分だけ動きを止めることができる!医者のアクセルさんなら、仕組みはもうわかっているはずだ」
「やっぱり、そういうことか」
アクセルは、電流治療法も携わったことがあるため、仕組みは何となく理解できた。わかったところで、回避できなければ、どうにもならないが。
「そして、私が習得した技術はこれだけではない!『アイシクルランス』!」
サンダーは左手を前に出し、魔法陣のようなものから、キーン!、という音と共に氷の槍のようなものを作り出した。発射準備は完了。
「(今、突撃しても。自殺行為になるだけだ。・・なら防ぐしか攻略法はないな)『フレイムガード』」
アクセルは炎の盾を生み出した。盾がボウボウと静かな音を鳴らしている。
そして、サンダーの発射した氷の槍はアクセルに当たることなく、盾に当たり、溶けて終わってしまった。
「さぁ、2回戦のスタートです!両者チームの入場です!」
なぜだか知らないが、2回戦から実況がされるようだ。裏にいても聞こえるくらいの声だ。
「行くよ、2人共」
「もちろん!」「分かってる!」
蒼達が表舞台に出ると共に、ワー!と盛大な歓声が上がる。
そして、目の前にいる対戦相手は、ルイス達だ。
「さて、どうするか・・(蒼に攻撃を当てることは、オレやアクセルじゃ、99%不可能だろう。だが、そのためにラムがいる)」
ルイスがチラッとラムの方を向いた。そして、お互いに頷き合っている。
「ルイスさん、何をしようとしているか分かりませんが・・。オレに攻撃を当てることは、無理で・・」
そう言い終えようとした時だった。ルイスの投げたナイフが、蒼の頬をかすった。
「何だ!(ちゃんと、バリアも発動したはず。タイミングがずれたか・・)」
「何が起こったかわからないでしょ」
ラムが語りかけてきている。おそらく、ラムが何かしたのだろう。
「大丈夫?蒼。彼女の能力について説明しそびれたわね・・彼女の能力は・・」
「私の能力は、空間の圧縮よ」
蒼とサンダーはどういう能力か、具体的な想像がつかず、ぽかんとしていた。
「具体的にいうと・・」
ランツェの説明によると。
一辺0~20センチほどの半透明の立方体を作り出し、押しつぶすというものだ。同時に作り出せる数は、4つ。そして、それは生物も押しつぶすことができるようだ。
「なるほど・・(バリアを発動したとしても、いくらでも穴を開けられてしまうというわけだ。かなり厄介だな。それに、下手すれば、体の一部が潰される)やばいな」
「作戦はどうする?ランツェ。各個1対1で行くか、3対3で行くか。決めてくれ」
確かにどちらの戦法もありだ。
だが、蒼にとっての天敵は、ラム一人のみ。前者の案でいくのが妥当だろう。
「オレは、1対1に賛成だ。オレがルイスの相手をする」
「なら、私はアクセルさんだ」
やはり、ラムの相手はランツェに任せたほうがいいだろう。ランツェが彼女の能力に一番慣れていて、詳しいからだ。
「1対1に持ち込む気か!無駄だぞ!ラムの圧縮が届く範囲は直径60メートルまでに及ぶ、この闘技場全体だ。逃場はないぞ」
確かにルイスの言う通りかもしれない。だが、ラムの気を少しでもそらせるなら十分だ。それに、多少なりとも防げる方法を思いついた。
「大丈夫だ、ランツェ。1対1の方法で行こう!」
「・・わかった。それじゃあ、作戦開始」
蒼達3人はそれぞれ散らばった。
「どうするの、ルイス。1対1、それとも強制的に3対3に持ち込ませる?」
「フッ、面白い。蒼達のやり方に乗ってやろう。ちょうど、蒼と真剣勝負したかったところだ!」
ルイスはそう言うと、ラムたちが止める間もなく、蒼のところに突っ走った。
「はぁ、仕方がないね。私はランツェの相手をするから、アクセルの方も負けないでね」
「わかってる。(自分はあまり体術はできないんだけど、なんとかなるよな。魔法の技術の自信はあるから・・)」
ーサンダー対アクセルー
「まさか、サンダー。君と戦うことになるとは・・。治療した君を再び、怪我をが負わせる羽目になるとは・・。医者としては、失格だけど」
「大丈夫だ!そもそも怪我なんか負わないからな、負う前に戦闘不能にすればいいだけの話だ。治療してくれたからとはいえ、手を抜く気はない!」
サンダーは刀を抜き、構え、刃先をアクセルに向ける。
そして、その1秒後にはアクセルの目の前まで迫る。
「速い!」
ビリリッと電撃音が鳴り響く。
その音の正体は、サンダーが刀に付与した雷属性だ。黄色の電撃がサンダーの刀にサンダーは下から、刀を振り上げる。
ブンッという風切音と電撃音が同時に鳴る。
アクセルは反射的にギリギリ、頭をのけぞらせて、避けたようだ。
「痛っ!・・やるね」
直撃は避けられたものの電撃がアクセルの顎辺りにかすり傷を負わせられた。
「私の攻撃はこれだけで終わりではない」
「なっ!(動けない)」
サンダーは、動きが静止しているアクセルの腹に蹴りを入れた。
「グッ!ハァハァ!(やっと動かせる)」
「その顎にある傷口から雷を流し込んだ!そして、食らわせた分だけ動きを止めることができる!医者のアクセルさんなら、仕組みはもうわかっているはずだ」
「やっぱり、そういうことか」
アクセルは、電流治療法も携わったことがあるため、仕組みは何となく理解できた。わかったところで、回避できなければ、どうにもならないが。
「そして、私が習得した技術はこれだけではない!『アイシクルランス』!」
サンダーは左手を前に出し、魔法陣のようなものから、キーン!、という音と共に氷の槍のようなものを作り出した。発射準備は完了。
「(今、突撃しても。自殺行為になるだけだ。・・なら防ぐしか攻略法はないな)『フレイムガード』」
アクセルは炎の盾を生み出した。盾がボウボウと静かな音を鳴らしている。
そして、サンダーの発射した氷の槍はアクセルに当たることなく、盾に当たり、溶けて終わってしまった。
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